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子供のためのシェイクスピアカンパニー 「リア王」 脚本・演出:山崎清介 原作:W.シェイクスピア 翻訳:小田島雄志 照明:山口暁 音響:角張正雄 衣裳:三大寺志保美 あうるすぽっと 開演18:00 <出演> 福井貴一……………リア 大井川皐月…………コーデリア、道化 加藤記生……………ゴネリル、コーンウォール 佐藤あかり…………リーガン、オールバニ 戸谷昌弘……………グロスター 若松力………………エドマンド チョウヨンホ………エドガー、ブルゴーニュ 土屋良太……………フランス王、オズワルド 山崎清介……………ケント、人形(カイアス) ★華のん企画「子供のためのシェイクスピア」 http://canonkikaku.com/kodomonotameno.html 開演前は恒例の「イエローヘルメッツ」ショータイム。全身を覆う黒いコートに帽子姿の役者全員でパパンパンパパン!の手拍子。美術はいつもと同じく、木の机と椅子を組み替えて場面を転換する。世に絶望したグロスターが投身自殺する場面では、机を3つ積み上げて崖を演出していたが、これまでで最高(?)なのでは。積み上げる手際の良さに芝居中というのを忘れて感心してしまう。通常は平地を崖と偽り、飛び降りたら「あれっ?」……なので、どうするのかと思ったら本当に飛び降りた。もちろん下では黒服のコロスがキャッチ。この場面、一番ドキドキした。ゴネリルとリーガンが互いの夫役もつとめるキャストなので、当然夫婦では同じ場面に出てこ(出られ)ない。強欲な妻と分別ある良識人な夫という対照性の演じ分けが面白かった。 とりあえずざっと。にほんブログ村
2017.07.15
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子供のためのシェイクスピアカンパニー20th 「ハムレット」 作:W.シェイクスピア 小田島雄志翻訳による 脚本・演出:山崎清介 小金井市民交流センター 大ホール 開演14:00 <出演> 伊沢磨紀 : フォーティンブラス/ローゼンクランツ 福井喜一 : クローディアス 山口雅義 : ポローニアス/前ノルウェー王 戸谷昌弘 : ギルデンスターン/現ノルウェー王 佐藤あかり: ガートルード 若松 力 : ハムレット 宮下今日子: オフィーリア 斉藤 悠 : ホレーシオ 長谷川祐之: レアティーズ 山崎清介 : 先生/人形 今年で20年目となる(もうそんなに!)子供のためのシェイクスピアカンパニーによる、「ハムレット」再演。前回は10年くらい前だったかな?イエローヘルメッツのおふざけ場面が少なくなったかわりに、時事ネタで爆笑を誘いましたね。そっくりでした、号泣議員の真似… 毎度、大人も満足できる、楽しくてわかりやすいシェイクスピア。好きです。にほんブログ村
2014.08.23
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【子供のためのシェイクスピアカンパニー】 お気に召すまま As You Like It ウィリアム・シェイクスピア ~小田島雄志翻訳による~ 脚本・演出:山崎清介 あうるスポット 開演13:00 <キャスト> 伊沢磨紀………ジェークイズ/ル・ボー 福井貴一………元公爵/コリン 戸谷昌弘………オリヴァー/タッチストーン 若松 力………オーランドー 大内めぐみ……ロザリンド 加藤記生………チャールズ/アダム/フィービー 北川 響………フレデリック公爵/シルヴィアス 高島 玲………シーリア/オードリー 山崎清介………アミアンズ 人形(オリヴァー牧師/ハイメン) <あらすじ> 兄からの扱いに不満を抱いているオーランドーは運試しのため相撲の試合に出場し勝利する。 父が追放されて沈んでいたロザリンドは偶然その試合を観戦、二人は恋に落ちる。 しかしロザリンドは公爵に追放を命じられ、男装をして公爵の娘シーリアとともにアーデンの森へ逃れることとなった。 一方オーランドーも日頃から妬みを買っていた兄に命をねらわれ同じ森に。 そんなある日、男装したロザリンドとオーランドーは森の中で出会い、恋愛談義になる。そこで、恋わずらいの治療という口実で、ロザリンドは奇想天外な恋愛ゲームを提案するのだが・・・。 (※華のん企画/公演ページより) 毎度の事だけれど、会場の9割は大人でした。「大人のためのわかりやすいシェイクスピア」だぁね、こりゃ。 「間違いの喜劇」と「恋の骨折り損」を足して2で割った感じ(個人的直感)の、恋愛喜劇。ラストのロザリンドの口上に、ちょっとほろっとくる。「お気に召すまま」を観るのは今回が初めてでしたが、観客ひとりひとりが、等身大の自分のままに、お気に召すままに、楽しんでくださいませ…ということだったのね。 イエローヘルメッツバージョンのシェイクスピア人形ストラップを購入。にほんブログ村
2010.07.24
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【あうるすぽっとチェーホフフェスティバル2010参加作品】 チェーホフ短編集 1+2 作:アントン・チェーホフ 翻訳:松下 裕 脚本・演出:山崎清介 あうるすぽっと 開演 18:30 <出演>佐藤 誓、戸谷昌弘、伊沢磨紀、竹下明子、桂ゆめ、谷畑聡 2008年の初演で好評を博した「チェーホフ短編集」の再演+新作6作品の初演。 昼夜連続で1+2を観る予定でチケットを取ったのですが、後から入った用事のためやむなく「2」のみを鑑賞しました。 チェーホフの短編小説を山崎清介氏が独自の視点で選び、自ら戯曲化しただけあって、前回よりも山崎色が濃いように感じました。どこがどうだ、と訊かれても返答に困るのですが…(苦笑)(「1」はマイケル・フレイン翻案、小田島恒志翻訳) 前作品と同じく登場人物は男3人、女3人の計6人。物語は「賭け」「物騒な客」「忘れた!!」「彼と彼女」「カメレオン」「魔女」の6つ。「賭け」で始まり「賭け」で終る、最後のシーンが最初のシーンになるという構成でした。役者が物語ごとに役柄をくるくる変え元に戻るさまは、感覚的に例えると…まるで万華鏡みたい。ひとつひとつは独立した物語ながらも他の物語とも関連があり、最終的にひとつの作品に仕上がる…いやもうお見事!の一言です。 作品のベース、テーマとも言える「賭け」は、死刑か終身禁固刑のどちらが人道的かという議論をするうちに、終身禁固刑派の青年法律家が「15年間の監禁により自ら証明してみせる」賭けに出ます。死刑派の銀行員は財産を、法律家は自由を。ある「悟り」を得た法律家は、あと5時間を残して賭けからリタイアしてしまいます。賭けに勝ったのは銀行家ということになりますが、人間としての勝者は…。 頭の中で、現代の死刑制度のあり方や引きこもり問題ともリンクし、色々と考えさせられる物語でした。 チェーホフ短編集の登場人物たちは直情的な「お馬鹿」に見えて、実は案外自分自身を常に俯瞰から見る冷静さも持ち合わせているのかも。物語の中で馬鹿なのか賢者なのかワケが分からなくなるから困ります。にほんブログ村
2010.04.24
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【07/08 あうるすぽっとタイアップ公演シリーズ】 チェーホフ短編集 ~マイケル・フレイン翻案『くしゃみ』より~ 作:アントン・チェーホフ 英訳:マイケル・フレイン 翻訳:小田島恒志 演出:山崎清介 あうるすぽっと 開演 14:00 <出演>伊沢磨紀、佐藤 誓、山口雅義、戸谷昌弘、三咲順子、山田ひとみ 東池袋に昨年オープンしたばかりの豊島区立舞台芸術交流センター(通称「あうるすぽっと」)へ「チェーホフ短編集」を観に行きました。昨年9月に「ロマンス」を観て以来、私の中でチェーホフが軽くマイブームなのです。秋には「かもめ」もあるしね。でも何より楽しみなのが、山崎清介さんの演出です。山崎さんは「子供のためのシェイクスピアシリーズ」を13年間手掛けており、その遊び心満載の舞台には、毎度楽しませてもらっています。まさかイエローヘルメッツや人形は出て来ないと思いますが…(笑)山崎氏の描くチェーホフの世界に期待が膨らみます。 舞台は、一幕ものの6作品をオムニバス形式で構成したものでした。「ドラマ」「外国もの」「熊」「タバコの害悪について」「白鳥の歌」「プロポーズ」旅芸人の一座が、とある地方の居酒屋にたどり着き、そこで次々に芝居を披露する劇中劇として進行します。舞台となった居酒屋の大きな食卓での一家の会話が、いつの間にか次の芝居へと移行する自然な流れと、衣裳の早変わりを多用した歯切れのよいテンポが、観ていてとても心地よかったです。 期待の(?)山崎流笑いも、随所にちりばめてあって、会場も幾度か笑いが起こり和やかな雰囲気だったと思います。そういえば一座の楽屋の”のれん”が、夏の夜の夢でも使用したボトムさん江でしたね。 6つの作品に登場する人物は皆、今風に言えばキャラが立った人 それもかなり激しい人達です。しかし、どれも あぁ!こういう人、いるいる~!と、思わず納得してしまう人物ばかり。「ドラマ」で、尊敬する有名作家のところに押し掛け、自作の芝居を延々と朗読…しまいには演技まで始めるファンの仮面をかぶった、大いなる勘違い中年女。「外国もの」で、異国出身の家庭教師と自分の国の文化の違いについて、相手を見下すことでしか、自分の立ち位置を優位に保てない哀れなオヤジとか。(あら、私少々毒舌かしらん)「熊」の、貞淑な未亡人のところに、借金の取り立てのために現れた粗暴で下品な男との感情の応酬は、とても見応えがあって楽しめました。お互いに死ぬほど忌み嫌うタイプなのに、惹かれてしまう…男と女の世界は奥が深いですねぇ(笑)素直でない男女関係といえば、最後の「プロポーズ」も然りでした。「タバコの害悪について」と「白鳥の歌」では、妻に相手にされないくたびれた夫と、いまや落ち目の老役者の悲哀をしんみりと。ベタですが、感想を一言で表せば「人間って面白い」ってところでしょうか。 そんなわけで、これまでほとんど馴染みのなかったチェーホフですが、チェーホフの愛した「ボードビル」とは、このような作品のことだったのかな~と、楽しい空想をしながら帰途につきました。「子どものためのシェイクスピア」シリーズ同様、これからのチェーホフシリーズが楽しみです。
2008.01.31
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【子供のためのシェイクスピアカンパニー2007】 夏の夜の夢 ウィリアム・シェイクスピア ~小田島雄志翻訳による~ 脚本・演出:山崎清介 東京グローブ座 開演 19:00 <配役> 伊沢磨紀:ヘレナ/スナッグ 福井貴一:シーシュース/オーべロン 佐藤 誓:イージーアス/クインス 山口雅義:ボトム 戸谷昌弘:ディミートリアス/フルート 土屋良太:ライサンダー/スナウトキム・テイ:ハーミア/スターヴリング大内めぐみ:パック 山崎清介:ヒポリタ/タイターニア 人形(インドの少年・師匠・連れ子) いつ観ても楽しさ満載の「子供のための~」シリーズだけど、元が喜劇だと面白さも倍増ですね。これ、子劇の例会で観たいなぁ。個人的にツボだったのは、オネェ言葉の山崎さん@タイターニア、と「ボトムさん江」の暖簾。 こんなくだらない感想ですみません。でも、面白かった!
2007.07.20
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【子供のための シェイクスピアカンパニー2006】「リチャード三世」作 ウィリアム・シェイクスピア ~小田島雄志翻訳による~脚本・演出 山崎清介東京グローブ座開演 14:00「子供のためのシェイクスピアカンパニー」による、毎夏恒例の全国縦断公演が始まった。長くて難解なシェイクスピア劇を子どもが観られるように、分かりやすく、楽しく演出しているが、決して「子ども向け」ではない。むしろ「誰にでもわかりやすいシェイクスピア」として、大人の根強いファンが劇場に足を運んでいるように思う。今年で12回目になるこのシリーズ、会場の8~9割は大人で埋まっている。シェイクスピアシリーズの舞台装置は、毎回とてもシンプルだ。椅子と机をスピーディに並べ替え、場を作ってゆく。また役者達は、少ない人数で1人二役から三役をこなし、時折全身をすっぽり黒いコートと帽子で覆って登場し”その他大勢”や”亡霊”としても現われる。かなり忙しそう。そして、カンパニー名物(?)の「人形」が、必ず登場する。シェイクスピアに似せて作られた身長105cmの人形は、今回はリチャードの”左手”となって登場するが、これまでも「あの世のリア」(リア王)や「ハムレット少年」(ハムレット)など、重要な役割を担っている。娘ちゃんは、この人形のファンだ(笑)。昨年か一昨年、会場で「人形制作キット」が販売されていたけれど、今年は無かったね。買っておけば良かったかなぁ。さて、今回の「リチャード三世」の物語は…ヨーク家とランカスター家の争い、「薔薇戦争」を背景に、親類間の王位をめぐるドロドロの内紛を描いた話だ。ヨーク家とランカスター家の相関関係を理解するには、『ヘンリー六世』さらには『リチャード二世』までさかのぼる必要があるかも。しかし「ゴッドファーザー三部作」(笑)以上の時代物なので登場人物も多く、学校の歴史の授業でサラッと習った程度の知識では、一度観ただけでは理解できない。2001年公演の「リチャード二世」(リチャード二世役は、吉田鋼太郎さんだったのだ!)と今回の「リチャード三世」の間に「ヘンリー五世」か「ヘンリー六世」を入れて連続上演して欲しいぐらい。戯曲でリチャード三世は、生まれながらに醜い容姿故に母からも忌み嫌われ、激しい劣等感と野心を常に抱いている。血を分けた兄弟、その子ども達に至るまで、自分の意に染まらぬ者を次々と手にかけ、ついには王位を手に入れる。が、わずか2年2ヶ月の短い在位で姿を消す…というのが、一般的だ。これまでに、市村正親、江守徹、金田明夫の「リチャード三世」を観たが、いずれも”せむし”や”びっこ”の醜男として描かれていた。しかし、実際のリチャードは意外にも美男子であったらしい。(パンフの記載による)今回は、いつも左手で操っているシェイクスピア人形が、身体的な障害を象徴していた。この、生まれつき怪異な左手に向かって、リチャード三世は自問自答を繰り返す。左手は、彼の本心なのか、心の友なのか? それは最期のシーンで、あるものの象徴として扱われる。(ネタバレあり) 最期に左手はリチャードから離れ、新しく王位につくリッチモンド伯(ヘンリー七世)の右手となる。リチャードは、初めから左手に導かれ滅ぶ運命だったように思えた。頭脳明晰(たとえ、ひねくれ、ねじ曲がっていたとしても) で、「王」の資質を持ちながら、普通とは異なる醜い容姿で生まれてしまった故に、歴史から葬られてしまった哀れな人物とも想像できた。今回、山崎清介さんは、脚本・演出に加え、なんと初タイトル・ロールだった。登場シーンは卑屈で狡猾。どちらかといえば小心者?とさえ感じられるリチャード三世の目に「王冠」がちらつき、次第に狂気が宿ってゆく。虫ケラ同然に殺人を犯す冷酷さ。王位に登り詰めたあとは、逆に「命を狙われる身」として、焦燥が漂いはじめる。リチャードの末路は、実に哀れだ。逃げるリチャードの台詞。「馬をくれ!馬を!かわりに王国をくれてやる!」…傲慢で不敵な笑みをたたえていた策士が、ここまで堕ちるとは、哀れなり。以下、雑感。「コンプレックスは、人を強くする」が信条な私だけれど、過度なコンプレックスは性格を歪め、世のため人のためならず、自分のためにもならないなぁ…と思ってしまった。「コンプレックスは人を強くするが、人の心を美しくはしない」でも、完全無欠な人間よりも、どこか負を背負った人間の方が味わい深いとも思う。”ドラマの中での人間的な面白さ”では、ロミオよりもハムレットよりも、リチャード三世に惹かれるんだよねぇ。
2006.07.17
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