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2007.10.27

モンゴメリーの恋愛

テーマ：気になる本・気になる作家(585)

カテゴリ：本・映画・ドラマ

モンゴメリー日記愛、その光と影

モンゴメリーのアンシリーズはおもしろいけど、
でもこの人は、男女の恋愛を書くのは苦手なのだな、と感じていました
ワンパターンが多いし、これはありえないだろう、という設定もわりとあります

このことについては、モンゴメリー自身の恋愛について知ってみると、
こういうぎこちない恋愛の書き方も、なるほどな、と思いました

モンゴメリー２３歳のときの日記を読むと
このとき非常に夢中になった男性がいました
彼女は教員をしていましたが、ＰＥＩのベデックという街で下宿していたとき
大家の息子のハーマンという３歳くらい年上の男性とのことを
日記に細かく書いています
有体に言えば、モンゴメリーはこのハーマンに、大いにフェロモンと感じたのだろうと思います
というのは、モンゴメリー自体はハーマンと結婚する気はまったくなく、
彼が学歴がなかったことから、彼のことをかなり見下していたのです
それにもかかわらず、人目をしのんでキスしていちゃつくことは、かなりあったようです
ただ、最後の一線までは越えていない感じです。
私は日記を読んで、そう解釈しています

さて、このハーマンとモンゴメリーの関係ですが
１００年前の外国の話ですので、このカップルの何が問題なのか私たちにはピンときませんが
現代の日本に置き換えるなら、高級官僚の娘で偏差値も高いお嬢さま大学を出た女性と
高校中退でガテン系の仕事をしている若者と、みたいな感じかもしれません

とはいえ、モンゴメリーの立場から書いている日記を読んでみても
モンゴメリーがハーマンをもてあそんでいるような感じです
ハーマンからしてみれば、モンゴメリーが気まぐれで彼の相手をしているような
感じがしたのではないでしょうか？
そしてモンゴメリーも、ハーマンにそういう冷たい態度をとったことを一度だって反省していないのです
モンゴメリーはおそらく、理想の男性像というのに囚われすぎて、
目の前に実在する男性を、ありのままに受け入れる包容力は、
まったくないようですね