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2007.11.27

ヨガの危険

テーマ： ■ヨガ・ピラティス■(2546)

カテゴリ：タヒチアンダンス・フィットネス

私の担当しているピラティスクラスに、ヨガのクラスから移ってきた方がいたんですが、
その原因が、ヨガクラスでケガをしたらしい？とのことです。

なんでも、ヨガのクラスで背中をそらして片足立ちをする？とかいうポーズ
（どんなポーズなのか、見当がつかない）をしたら、
その後、更衣室から家に帰るまでの記憶がなくなった、というのです。
どうやら意識不明で帰宅したらしく、服とバッグは更衣室に置きっぱなし
だったとのことです。
念のため、お医者さんに見てもらったら、特に異常がなかったようですが、
でも、その方はもうこれ以上、ヨガクラスに参加するのがコワくなった、
とのことで、
「それならピラティスのほうに移ったらいかがですか？」と
スタジオスタッフにすすめられたらしいです。

その方は、私のクラスを気に入ってくださったので、私にとっては悪い話ではなかったのですが、
でも、その方はヨガの先生のほうにはかなり不信感を抱いたようで、
「ヨガの先生と１対１で話をさせてくれませんか？」とスタジオスタッフに聞いたりしていました。

ちなみに、そのヨガの先生がケガ人（というか、事故）を出したのはこれで２度目なので、
先生本人も、そろそろ自分のやり方を考え直したほうがいいのではないか？
と、同業者としてひそかに思うわけです。
もちろん、私も同業者をエラそうに批判するほどのベテランではありませんけど、
少なくとも私は、一応、今のところはまだ、ケガ人を出したことはありませんからね。

というのも、ピラティスの養成でケガ人を出さないように、
安全性に配慮することを叩き込まれているからでもあるからです。

ピラティスがそもそも、ジョセフ・ピラティスというドイツ人が
ヨガを参考にして考え出したエクササイズですが、
もし、ヨガが万人向けのすばらしいエクササイズであれば、
ピラティスはヨガの指導者になっていたはず。
それをあえて、ピラティス自身の看護師としての知識を持ってヨガを改良したのは、
ヨガにはそれだけの危険性があるものだ、と私は感じています。
もちろん私はヨガもしますが、ピラティスの団体３箇所から
インストラクターとして合格させてもらった私から見ても、ヨガが万人に向くものだとは思いません。
アスリートでない素人、一般人に求める体力・技術がが、ヨガはハードルが高すぎるような気がします。

もちろんヨガにもいろいろな流派があるので、
本当にカラダのためになって、危険も少ないやり方でやっているところもあります。
ですが残念なことに、ヨガのブームに乗じて短期でインストラクターを
多数作り出している傾向にもありますし、
それに、クライアントに飽きられないように、
クライアントの体力以上のアサナをやらせたりするような、無謀なクラスも
往々にして行われています。
上記の記憶喪失になった人の場合も、そういうクラスだったのかな、と推測しています。

そういうわけで、ブームだからといって安易にヨガに飛びつかないほうがいいです。
病歴のない若い人でない限り、最初は中高年向けの、半分健康体操みたいな
緩やかな動きのヨガから始めたほうがいいです。
若い人であっても、最初から難易度の高いポーズに挑戦しないで、
謙虚になって、モディフィケーション（易しくしたポーズ）からカラダをならしたり、
ヨガブロックやベルト、ボルスターなどの補助道具を使いましょう。
「自分の体の声に耳をすます」との言葉もあるように、
カラダに負担になるようなきついポーズを最初からやらないようにします。

クラスに参加するときは、体験させてもらって、
自分の体力にあうか、きちんと確かめてから、入会しましょう。
もちろん、機会があるなら、インストラクターなど業界の関係者に
どこのクラスがいいか、相談に乗ってもらうのも、手です。

とにかく、ヨガをやると決めたからにはお金をケチらず、
「安いから」という観点だけでクラスを決めたりしないことです。
値段の安さよりも、きちんと勉強を積んだインストラクターに習うことのほうが、重要です。
お金をケチって粗雑なヨガを習うよりは、まだウォーキングでもしていたほうがマシです。
ヨガはそれだけの危険があるのですから。
あと、クラスではなくＤＶＤを利用して自宅で行うときも、
最初に買ったＤＶＤ１枚だけに決めないで、３～４枚くらいを
比較してから決めたほうが、いいです。