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約2年前、スリランカのカタラガマ周辺、工事現場の土砂の中からサファイアが発見されました。そして、サファイア・ラッシュ↓(GIA/Gem and Gemology Summer 2012より)工事中の土砂から宝石が出るなんて、本当にスリランカは恵まれた場所だと思います。今、私が住んでいるダッカ(バングラデシュ)先週からすごい勢いで下水工事がされています。住んでるコンドミの前も下水管が運びこまれ、コンクリートを剥がす人海戦術スタート4人くらいで順番に杭をたたきヒビを入れてコンクリートを壊していきます。娘の通う学校前のUNロードも一斉に工事開始働き手が多いので一気に進めるようです。土を頭に乗せて器用に運んで行きます。バングラデシュはガンジス・ブラマプトラ水系のデルタ地帯で宝石は産出しないけれど肥沃な土があります。砂利のない泥があるので、レンガ作りも盛んで、そのレンガを建築や土木工事に役立てています。レンガを重ねて土台をつくり、コンクリートでコーティング適当な手作業に見えるのですが、工事は着々と進みます。そして、私も古いレンガを掘り出す作業を体験させてもらいました。宝石の採掘もそでうですが体験するとそれがどんなに大変なことか、あらためて思います。古いレンガは細かく砕いて、砂利の代わりに使われます。リサイクル率100%!興味本位で写真を撮ったり勝手に作業する私に嫌な顔もしないで、協力してくれるバングラデシュ人の懐の広さに感謝です。日雇い労働者の日当は350Tk(400円弱)です。作業によってはこれより低い場合があります。多くは田舎からの出稼ぎ労働者です。
2014.01.28
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昨年末、日本に一時帰国していたのですが、毎年のことながら寒くて、寒くて・・・・暖かい飲み物ばかり飲んでいました。コチラ季節外れの簾のようですが、寒い季節には紅茶に入れて飲むのがお薦めです。スリランカでは、このように幹や枝のような状態から樹皮をとり乾燥させます。そして、樹皮を重ねて、15センチ程度に切り・・・この写真でわかった?はい、シナモンです。シナモンはスリランカを代表するスパイスで、近隣諸国と比べてもカレーにたくさん入れます。シナモンは毛細血管の血行を促進するので、手足が冷える時や風邪の引き始めにはシナモンティーを頂きます。(でもスリランカでは紅茶にシナモンは一般的ではないです。)剥がされた幹や枝は、料理の時の薪に使われます。シナモンの木で炊いたご飯やカレーは、ガスでは味わえない美味しさです。(ホント、美味しかった!)さて、そのシナモンから由来する宝石があります。スリランカ人の間でシナモンストーンと呼ばれる、ヘソナイト・ガーネット宝石学的にはグロシュラー・ガーネットという種類です。一昨年、ブログを読んで下さった方から、ヘソナイトガーネットのご依頼がありました。ヘソナイトは、インクルージョンが多く透明感のないものが多いのですが、明るめのオレンジのヘソナイトご希望ということで、上記の写真を含めて、透明感のある8石ご用意しました。(実は、これまでガーネットはピンク系ばかり買付していたので、スリランカでこの色のヘソナイトを勉強用以外で購入したのは初めてでした^^;)明るめのオレンジ色のガーネットと言えば、スペッサータイン・ガーネットがあります。化学組成のの主成分のひとつがマンガンで、この部分がカルシウムになるとヘソナイト(グロシュラー)です。でも、見た目で、マンガンもカルシウムもわからないので、鑑別の手がかりとしては、インクルージョンの確認と屈折率を測ります。(ぱっと見た感じではスペッサータインの方が明るいです)屈折率はヘソナイトが1.73から1.76、スペッサータインは屈折率が高く1.79から1.82なので、屈折液(1.80)より高い場合はネガティブ・リーディング(測定不可)になります。顕微鏡でのぞくと・・・スタッビイ(切り株)インクルージョン(コランダムやスピネルなどの宝石にも存在しますが、ヘソナイトに多いです。 写真が小さくてすみません^^;)ヘソナイトの特徴的なインクルージョンとして、糖蜜状組織(アイスティにシロップを流したような状態)がありますが、コチラ、かなり面白すぎる~!今年最初のブログです。どうぞ2014年も宜しくお願いします。宝石のインクルージョンの世界を今年もたくさんご案内できればと思います。
2014.01.13
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