GOlaW(裏口)

2006/03/15
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カテゴリ: 西遊記
 荒々しく、留まる事を知らず、嵐のような妖怪(ひと)。
 吾が心は、汝に吹き晒されん。


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 ということで、今回は『犬魔将軍』と『羅刹女』の考察に行きます。


『“これまでの複線消化”と、“最終回の複線張り”でほとんどが費やされた…(呆然)』
でした。
 実際は違うんですが、そう感じてしまったんですよ。やはり『怒涛のツッコミどころ』が、そう感じさせてしまったんですよね(遠い目)。
 今回は親戚(特撮ファンの子供と一緒に『西遊記』を見ている)にまで、『羅刹女、何故許した?!』と突っ込まれましたからね…。

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 『犬魔将軍』について。

 『抱朴子』登渉篇に曰く、“『将軍』を名乗るのは鶏であり、犬は姓と名を名乗る”とあり。
 『平妖伝』に曰く、“『将軍』を名乗るは豹であり、犬は主人と称する”とか。
『中国妖怪伝-怪しきものたちの系譜』 のP31、P120)。
 このように、犬もまた中国では妖怪になると思われているようですね(日本だと『猫又』や『化け猫』のように、猫の妖怪の方がポピュラーですが)。
 『封神演技』の梅山七怪の一匹、戴礼(たいれい)もまた邪悪な“犬の精”であるそうです。


 最近は漫画『犬夜叉』の主人公が有名であり、「お座り!」に反応する姿には私も
「犬夜叉だ…」
と爆笑しちゃいました。あのふわふわ耳に触りたい…(←重度の犬好き)。

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 『巻物』について。
 あの呪具に関しては、彼の能力かどうかは不明です。
 元々、力の込められていた巻物を利用した可能性もありますね。

 『道具に魔力を込め、使うものに呪詛を与える』というのは、ゲームでは良く出てくる設定ですね。
 このときに重要なのは、“罠にはめるべき人間の興味を、如何にして惹くか”ということです。
 今回ならば『その巻物を紐解く』ことが呪詛の発動の鍵であり、読ませるための仕掛けが“天竺に関する著書”という触れ込みでした。


 ちなみに、今回の妖術を分類すると『厭魅・厭勝』でしょうか。 『厭魅』が呪詛、『厭勝』が祝福を意味する言葉です。どちらも理屈は同じです。
 とはいえ、実際の『厭魅・厭勝』では、“その人物の体の一部か、その人物に似せた型”が必要になります(例:『丑の刻参り』)。
 だから、このドラマの妖術は分類に入れにくいんですよね(苦笑)。

 とはいえ、ドラマでの妖術描写はすごく良かったです。CGも、三蔵の表情もすごく自然で圧倒されました。

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 『羅刹女』について。
『第参話 そのニ』 で触れたとおり、『羅刹女』の名前はインドの妖怪『ラクーシャ』から来ています。
 私はこの説の印象が深かったので「羅刹女は、その名の通り鬼女なんだ」と硬く信じていたんですよね。
 だから『実は人間』という設定にはすごく驚きました。
 まあ、性格は「殺せ」と連発しているあたり、すっかり『羅刹』ですが(苦笑)。


 “妖怪と人間が結ばれる”という話は、決して珍しいわけじゃないようです。
 有名どころでは『白蛇伝』があります。これは蛇の女妖怪『白娘子』と人間の男『許仙』とのラブロマンスです。しかもその息子(半人半蛇)の許夢蛟が、母親の罪を解く後日談付き(『中国妖怪伝』P126-P132)。
 もっとも、『白蛇伝』には亜流もたくさんあり、それぞれに展開が異なるようですけどね(苦笑)。また、白蛇は日本でも人間に恋しますね(能楽『娘道明寺』)。

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 『滅法国』について。
 こちらはドラマの公式設定によると
“アメリカのような超大国であり、乗っ取ろうとする妖怪も多い国”
だとか。
 その巨大さゆえの混沌とした雰囲気を出すには、ちょっと舞台が閉じられていた気がします。
 これは“女王と姫”、その周辺だけで物語が進んでしまった(しかも、主人公達が心情的にほとんど絡まなかった)為と思われます。
 この辺りの改善策は、また後日改めて語らせていただきたいと思います。

 …それから
『世の中に平安をもたらすのだったら。お経よりも先に、この国を平定して妖怪たちを取り締まる方が良いのでは』
と思ったのは、私だけでは無いと思います(笑)。

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 舞台設定も登場人物も、そして術の描写も、決して悪いとは思いませんでした。
 …ただ、これを上手く捌ききれていなかったのでは?

 続編が作られるならば、ぜひ再登場してもらいたい国です。





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Last updated  2006/03/15 09:18:48 PM


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