米英メディアによると、ロシアの対独戦勝記念日の9日、ロシア政府系のニュースサイト「レンタ・ル」に、所属する記者2人が30本以上の「反戦記事」を掲載。直後に削除されたという。 同サイトは月間2億人以上が訪問するロシア最大級のサイト 。ウクライナ侵攻直後は、プーチン政権のプロパガンダに手を貸していた。
記事ではプーチン大統領を 「痛々しい偏執症の独裁者」 と呼び、 「21世紀で最も残虐な戦争」を始めたと糾弾。 「プーチン氏とその取り巻きは戦後、法廷で裁かれる運 命だ。自分たちを正当化したり、敗戦後に逃げたりすることはできない」 とバッサリ。各記事の見出しの下には〈 国の承認を得ていないため、大統領府に削除されるだろう〉として、表示画面の保存を求めていた。
ロシアの独立系ニュースサイト「メディア・ゾーン」は、記事掲載後に記者2人が出した声明を報じた。「プーチン氏は去らねばならない。無意味な戦争を始め、ロシアをどぶに突き落とすつもりだ」などと批判。読者には「恐れるな。沈黙するな。抵抗せよ。あなたは1人ではない。ウクライナに平和を」と呼び掛けている。
劣勢を認識したロシアが「国家総動員」を呼び掛けているだけではない。西側諸国とまともに戦えないとのホンネも透ける。
デイビス氏によれば、ロシア退役軍人の元大佐が国営番組の生放送中に〈ロシア軍の兵器ではNATOの最新兵器に太刀打ちできず、時代遅れの武器で戦う人員を(戦線に)送っても逆効果である〉と認め、こう続けたという。
「もし今夜、新たな軍艦を建造せよとの命令が下ったら、いつ最初の一艦が完成するか? 2年後だ! 動員とはそういうものである。新たな戦車部隊を編成するという目標を立てた場合、いつ準備が整うか? 少なくとも90日はかかる。さらに言えば、その部隊に近代化された武器など装備できないだろう。予備などないからだ」
国家総動員を呼び掛けて国民にハッパをかける一方、戦闘長期化への余裕のなさがアリアリだ。いよいよロシア国内も「プーチンの戦争」に嫌気が差し始めたか。
この記事を書いた二人は拘束されたのだろうか。