音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2020年01月07日
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カテゴリ: クラシック音楽

ベルリン・フィル主席フルートのエマニュエル・パユの新作を聴く。
例によって、prosutudiomastersのカナダのサイトから税込C$17.28で購入。
日本円で¥1418。
国内でも同時リリースされて、¥2500ほどだ。
当ブログはベルリン・フィルでのプレイはあまり評価しないが、ソロやアンサンブルの時は別。
テレマンの「24のファンタジー」を中心とした「SOLO」のように、その前向きな姿勢に共感を覚える。
今回はペンデレツキの協奏曲やカール・ライネッケの協奏曲などを集めている。
ペンデレツキ(1993-)の「フルートと室内オーケストラのための協奏曲」(1992)はローザンヌ室内管弦楽団50周年のための委嘱作品。
6つの部分からなり、続けて演奏される16分ほどの曲。
通常のオケとソロとの対比というよりも、木管、金管などのセクションとソロ・フルートとの絡みが中心。
響きが薄く、協奏曲というよりは室内楽的なイメージ。
長いカデンツァはなく、短いものが所々に挿入されている。
全体にクールなムードだが、リズミックな部分もあり、変化に富んでいる。
ペンデレツキというと難渋という印象があるが、とても分かりやすく、楽しめる。
特に時々出てくるトムトム(タムタム)とフルートの掛け合いが面白い。
ライネッケ(1824 - 1910)の協奏曲やバラードは、彼の代表作として知られているが当ブログは初お目見え。
ドイツロマン派の作曲家で、メンデルスゾーン、シューマン、ショパン後年はブラームスからも影響を受けているという。
wiki
この作曲家は名前は知っていたが、作品自体聞いたことがない。
ところが、これがなかなか聞かせる。
協奏曲は温かみのある旋律が、聴き手の気持ちをほっこりさせる。
ソロはテクニックを誇示するようなものではなく、オケとの一体感が感じられる。
オケのサウンドは洗練されているとはいえないが、それが懐かしいサウンドとして聴こえてきて、悪くない。
グリエールの「コロラテューラ・ソプラノとオーケストラのための協奏曲」の第一楽章のような、懐かしさを伴った愁いを帯びた旋律が聴き手を引き付ける。
感傷的など第二楽章もいい。
第3楽章は少しテンポが上がるが、それほど華やかではない。
テーマが少し気取っている感じがするが、普段地味な人がちょっとおしゃれをしました、みたいな微笑ましい感じがする。
全体にインティメイトな感じがするが、普段通り過ぎている道端の草花の美しさに気が付けば、それがとても魅力的に思えるようなことがこの曲にも当てはまる。
地味ながら、癖になる魅力を持った佳曲
「バラード」は控えめではあるが、結構ドラマチックな作り。
フルートが前面に出てくるが、柔和な旋律と繊細な伴奏で爽やか。
モーツァルトの「アンダンテ」はランパルによる編曲
素直なフレージングで、しっとりとした仕上がり。
パユらしくないと言ったら怒られるだろうか。
ブゾーニの「フルートとオーケストラのためのディヴェルティメントOp.52」(1922)は初めて聴いた。
この曲はブゾーニ晩年の作品でいくつかの部分に分かれている。
ディヴェルティメントと言いながら、生真面目な作風。
全体的には風通しの良い曲で、悪くない。
武満の「ウォーター・ドリーミング」(1987)はフルートを愛した武満の、フルート入りの作品の中でもポピュラーな作品だろう。
静けさの中に、華麗な音のパレットが広がっていく。
パユの派手さが合わないのでは、という予想は杞憂だった。
バックのオケの研ぎ澄まされたサウンドが心地よい。
イヴァン・レプシッチ指揮のミュンヘン放送管弦楽団は曲によりサウンドがガラッと変わって、びっくりする。
ライネッケと武満を比べると、とても同じオケのサウンドとは思えない。
ライネッケはドイツの田舎オケの鄙びたサウンド、武満は洗練されて、研ぎ澄まされたサウンドくらい、違っていたと思う。
まあ、それ位指揮者の腕がいいということだろう。

Emmanuel Pahud:Dreamtime

1.Krzysztof Eugeniusz Penderecki:Flute Concerto
8.Carl Reinecke:Flute Concerto in D Major, Op. 283
11.Mozart(arr.Rampal):Andante in C Major, K. 315
12.Ferruccio Busoni:Divertimento, Op. 52, BV 285
13.Carl Reinecke:Ballade, Op. 288
14.Tohru Takemitsu:I Hear the Water Dreaming

Emmanuel Pahud(fl)
Münchner Rundfunkorchester,
Ivan Repušić





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Last updated  2020年09月23日 10時25分44秒
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