オーストラリアのジャズ・ヴォーカリストであるキンバ・グリフィスの近作を聴く。 今回はプライベートでもパートナーであるライアン・グリフィスとのデュオ。 彼らの4枚目のスタジオアルバムだそうだ。 ミュージカルなどの古いスタンダードを集めたアルバムで、これが実に素晴らしいでき。 深夜にブランデーでもなめながら聴くのに最適な音楽だろう。 インティメイトな雰囲気の温かみのある音楽が何とも心地よい。 今回はキンバの外連味のないヴォーカルも素晴らしいが、ライアンのギターに惹かれた。 殆どがスローテンポの曲で正統的なアプローチだが、音楽の説得力が半端ない。 彼らの実力が相当のものであることが分かる。 「Body And Soul」や「Early Autumn」などのヴォーカリーズも実に美しい。 特に「Early Autumn」はヴォーカル版では、かなり上位にくる演奏だろう。 少しテンポの速い「What'll I Do」はギターにエコーを効かせてムード満点だ。 最後のアップテンポの「What A Little Moonlight Can Do」(月光のいたずら)ではトラペットの物まねまで飛び出して、軽快に終わる。 ロケーションはオーストラリアのヴィクトリア州にあるパーク・オーチャード・スタジオ。 小ぶりながらアットホームな雰囲気のスタジオで、見るからに暖かい音が取れそうなスタジオだ。 今回はほぼ全曲がブースやオーバーダブを使わずにライブで録音されたとのこと。 実際の音も歪みのない暖かいサウンドで、今回のアルバムに相応しい雰囲気を醸し出している。 特にギターがいい音で録れているのが嬉しい。 ということで、ジャズ・ヴォーカル好きの方々には是非聞いて頂きたい逸品として絶対のお勧め!
Kimba Griffith & Ryan Griffith:Turn Up The Quiet
1.Tommy Wolf;Fran Landesman:Spring Can Really Hang You Up the Most 2.Paul Williams:Love Dance 3.Richard Rodgers;Oscar Hammerstein II:It Might As Well Be Spring 4.Rafael Hernández:Silencio 5.Irving Berlin:Let's Face The Music And Dance 6.Johnny Green;Edward Heyman;Robert Sour;Frank Eyton:Body And Soul 7.Irving Berlin:What'll I Do 8.Guy Wood;Robert Mellin. :My One And Only Love 9.Sammy Fain;Lew Brown:That Old Feeling 10.Ralph Burns;Woody Herman;Johnny Mercer:Early Autumn 11.Harry Warren;Mack Gordon:This Is Always 12.Harry M. Woods:What A Little Moonlight Can Do
Kimba Griffith(vo) Ryan Griffith(g)
Recorded at Park Orchards Studio,Melbourne, Australia