音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年05月22日
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カテゴリ: クラシック音楽

以前から気になっていたディーリアスの「ハッサン」の劇付随音楽の全曲を聴く。
期待していたわけではないが、これがことのほか面白い。
もしかしたら、ディーリアスの最高傑作かもしれない。
ディーリアスの音楽は美しいが退屈なところや微温的なところがあり、好悪が分かれると思う。
筆者はディーリアスの演奏はビーチャームやバルビローリの演奏で親しんでいた。
全体にムーディで親しみやすいが、つまらない曲も多く、規模の大きい曲でも箱庭的な世界だと思っていた。
今回の「ハッサン」も「間奏曲」と「セレナーデ」をビーチャムの管弦楽編曲版で聞いていた。
ところが全曲版は予想とはまるで違っていて、短い曲が多いが、コミカルな曲が多く退屈しない。
重々しい音楽の場面でも、どことなくユーモラスだ。
オリエンタル趣味の音楽はストラヴィンスキーやリムスキー=コルサコフを思い出させるところもあり、物語と一体になっていて、音だけでもとても楽しい。
編成はナレーター、混声合唱、管弦楽で、弦は3,3,2,2,1、管は一本ずつ(ホルンのみ2本)で、打楽器とピアノ、ハープが加わるという小編成。
ナレーターがキングズ・イングリッシュで物語を格調高く進行し、演技も交えて盛り上げている。
その存在が曲の印象を大きく変え、ナレーターの重要性を感じた。
音楽を聴いていると、古い映画を観ているような気分になる。
出番は少ないが、所々に入る合唱も悪くない。
ディストリビューターによると、『「ハッサン」は、ジェームズ・エルロイ・フレッカーの詩「サマルカンドへの黄金の旅」に基づいた音楽付き戯曲で、1923年9月20日にロンドンで初演され、281回の上演回数を誇り、ディーリアスのキャリアにおける最大の成功作となった。
この作品は、カリフと恋多き菓子職人ハッサン、そして若い恋人ペルバネとラフィの物語が交錯する二重構造を持つ。
フレッカーの詩は、19世紀の英訳や当時の人種的、階級的な考え方に基づいており、専制的な東洋の宮廷とその残酷なまでの蛮行が描かれています。』とのこと。
ジェイミー・フィリップス 指揮のブリテン・シンフォニアは響きが透明でディーリアスの埃っぽいところがなく、大変聴きやすく、音楽も立派に聞こえる。
彼は20歳の時にハレ管弦楽団のアシスタントコンダクターとなり以後、イギリスやヨーロッパか吉のメジャーオケと共演して実績を積んでいる。
生年は確認できなかったが、おそらく今年32歳くらいだと思う。
写真を見ると、少し剥げかかっている。
他人事ながら心配だ。

ジェイミー・フィリップス ディーリアス: 劇付随音楽 《ハッサン》(全曲) (Chandos CHAN20296)24bit 96kHz Flac)

ゼブ・ソアネス(ナレーション)
ブリテン・シンフォニア・ヴォイシズ
ブリテン・シンフォニア
ジェイミー・フィリップス(指揮)

録音 ライヴ:2022年11月11日、サフロン・ホール(エセックス、イギリス)





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Last updated  2024年05月22日 18時54分17秒
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