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阪神・安藤、５勝目手にし興奮！「気合が入りましたよ」

　（セ・リーグ、阪神４ｘ－３巨人＝延長十一回、２１回戦、巨人１３勝８敗、９日、甲子園）十一回に４番手でマウンドに上がった阪神・安藤が小林を空振り三振、鈴木尚を三邪飛、吉川を空振り三振の３人で抑え、その裏のサヨナラで５勝目を手にした。「そりゃあ、気合が入りましたよ。スンファン（呉昇桓）も、（藤浪）晋太郎も、（福原）忍さんも頑張っていたから、僕も頑張らないと、と思って投げました」。３年連続４０試合登板を達成した３７歳のベテランは、大事な一戦をものにして興奮気味だった。

「勝負だ」虎将の直ゲキに呉昇桓が応えた！しのいだ！激勝呼んだ！

　（セ・リーグ、阪神４ｘ－３巨人＝延長十一回、２１回戦、巨人１３勝８敗、９日、甲子園）勝負だ！！　阪神・呉昇桓（オ・スンファン）投手（３３）が自身のけん制ミスで招いた九回無死三塁の大ピンチを乗り切った。延長十回二死二塁では和田豊監督（５３）がマウンドに向かい「勝負だ」とゲキを飛ばし、２回無失点。執念の継投で優勝に大前進。３位巨人に３ゲーム差をつけた。

　絶体絶命だった。虎党は固唾をのんで見守るしかなかった。３－３の延長十回二死二塁。村田を歩かせて８番・小林勝負も選択肢にあった場面で和田監督がマウンドに向かった。ムチを入れられた呉昇桓の顔色が明らかに戻った。

　和田監督　「ここで勝負だ！！」

　九回から３番手として登板し、２イニング目だった。一死後に右翼線に許した長野の打球がイレギュラーし、不運な二塁打となった。亀井を左邪飛。指揮官から真っ向勝負を命じられた守護神は「集中して抑えるだけだと思った」と話した。

　和田監督は「シーズンでもそういう時期に入ってきている。迷わせてはいけないので。次のことも計算しながらの場面なんだろうが、代打もありえるし、思いきって『勝負』と」と振り返った。投手の意見を聞くこともなく、一方的に指示。納得した守護神は村田をこん身の１４９キロ外角直球で中飛に打ち取った。

　呉昇桓はマウンドに上がった九回、先頭の堂上にボテボテの遊撃内野安打を許した。さらに自らのけん制悪送球で切り札の代走鈴木尚に三塁まで進まれる大ピンチ。中西投手コーチに「自分がまいた種やから、３つ三振狙ってこい！！」とゲキをを飛ばされ発奮。立岡を遊ゴロ、代打・高橋由を浅い遊飛、坂本を中飛に斬って無失点で切り抜けた。指揮官と守護神の踏ん張りがあってこそのサヨナラＧ倒だ。

　全体練習を組んだ７日に「ムチを入れていく」とゲキを飛ばした。六回の攻撃前にはベンチ前の円陣に自ら加わり選手を鼓舞。珍しいシーンだった。

　「全選手、全スタッフがこの１戦に懸ける気持ちが強かった。ここからは１戦１戦、全試合が大事になるけど、きょうに関しては何としてもとりたい試合だった」

　一歩引いて戦況を見守ってきた虎将が動きに動いた。監督通算２６８勝（２６８敗）とし、金田正泰を超えて球団７位に浮上した。このままトップでゴールに駆け込む。

　和田監督が「ビハインドからでも何とかという気持ちが出ている中でひっくり返したので、これを自信にして（残り）１９試合戦っていきたい」と話せば、殊勲の呉昇桓は「自分の球を投げられた」と胸を張った。悲願の優勝へ－。チームの歯車が完全にかみ合ってきた。　

和田監督マウンド激励あらかると
　★２０１２年３月３０日ＤｅＮＡ戦（京セラＤ）　開幕戦で４－３で迎えた九回、藤川を投入時に激励。５－５で引き分けた
　★同６月３日日本ハム戦（札幌Ｄ）　３－３の八回一死二塁で向かったが、筒井が決勝打を浴び、３－７で●
　★１３年８月２９日巨人戦（東京Ｄ）　２－１の九回裏に同点にされ、能見から安藤にスイッチした際にマウンドヘ。松田が長野にサヨナラ被弾
　★１５年５月１３日ヤクルト戦（神宮）　九回審判に抗議した後、呉昇桓にゲキ。７－５で○

阪神・呉昇桓、回またぎでＧ打線封じる…和田監督も闘魂注入

　（セ・リーグ、阪神４ｘ－３巨人＝延長十一回、２１回戦、巨人１３勝８敗、９日、甲子園）阪神の呉昇桓が九回から２回を無失点で流れを渡さなかった。７月２６日以来の“イニングまたぎ”だったが「いつも通り自分の球をしっかり投げられた」と胸を張った。

　九回は無死一塁でけん制悪送球。自身のミスで無死三塁の窮地を招いたが、立岡を遊ゴロ、代打の高橋由を遊飛、坂本を中飛に仕留め「一人一人、集中して抑えるだけだった」と胸をなで下ろした。

　延長十回２死二塁では、マウンドに駆けつけた和田監督の期待に応えて村田を打ち取り、指揮官も「迷わせたら駄目。勝負だった」と息をついた。（共同）

ゴメス（七回に適時二塁打）
「きょうの安打で、また明日も安打を打って勝てるように続けていきたい」

安藤（延長十一回を三者凡退で５勝目）
「勝つのと負けるのでは大きく違う。みんなが頑張っていたので、僕も頑張った。気合が入っていた」

伊藤隼（七回に初球を同点の犠飛）
「追い込まれたら厳しいので、冷静に積極的にいこうと思っていた」

鳥谷（延長十一回に安打で出塁し、サヨナラのホームを踏む）
「塁に出るのが仕事なので。最終的に勝てればいい」

藤浪（チームが勝ち）
「勝って反省できるのは幸せ。次は野手の方に恩返ししたい」

虎・藤浪、悪送球＆Ｇ阿部に被弾も「勝って反省できるのは幸せ」

　（セ・リーグ、阪神４ｘ－３巨人＝延長十一回、２１回戦、巨人１３勝８敗、９日、甲子園）ハーラー単独トップの１３勝目はならなかった。だが、負けなかった。７回３失点もチームがサヨナラ勝ち。阪神・藤浪は結果を前向きにとらえた。

　「勝って反省できるのは幸せなこと。野手の方には、自分の情けないピッチングをカバーしてもらったので感謝したい」

　１－１の七回二死一塁、４番・阿部にフルカウントから１５３キロの直球をはじき返された。右翼・福留がフェンス際でグラブを伸ばしたが、打球はスタンドぎりぎりに吸い込まれた。７球すべて直球勝負も２ランを被弾。

　「カットボールのサインもあったけど、自信のある球を選択した。力で押し切りたかった」

　マウンド上で膝に両手をついたが、直後の攻撃で味方が同点に追いつき、黒星が消えた。

　ただ、四回のミスはいただけない。二死一、三塁、小林を１５５キロの内角高め直球で完全に詰まらせ、ボテボテの投ゴロ。捕球して走りながら一塁へ送球すると、ボールは山なりでゴメスの頭上を大きく越えた。「もったいなかった。走っていったなら、トスしないといけなかった」。まさかの悪送球で同点。ロージンバッグを叩きつけ、右手で太ももを叩き、悔しさをあらわにした。

　前回３日の広島戦（甲子園）でシーズン自己最多の１２勝目を挙げたが、自己ワーストの９四球。球数は１４７球に達し、肩や肘にダメージが残った。藤浪は翌４日の中日戦（ナゴヤＤ）の試合前練習を早めに切り上げると、治療に時間を費やした。普段なら登板翌日も元気に最後まで練習するが、さすがに疲れ切っていた。中５日のこの日は１２４球。「球が走っていたし、ボール自体はよかった」。最速は自己記録にあと１キロと迫る１５７キロをマーク。大事な試合に状態を合わせられる強みがある。

　「次は野手の方に恩返しできるよう、引っ張っていけたら」

　次回も中５日で１５日の中日戦（甲子園）に先発予定。今度は大声援に応える快投をみせてやる！！　

体張ったプレー光る！阪神・藤浪、左前打＆併殺阻止の激走

　（セ・リーグ、阪神４ｘ－３巨人＝延長十一回、２１回戦、巨人１３勝８敗、９日、甲子園）阪神・藤浪はバットと足で先制点をアシストした。三回一死二塁でマイコラスから左前打を放ち、一死一、三塁にチャンスを広げると、続く鳥谷の二ゴロで二塁に猛烈なスライディング。野手と見間違うようなド迫力で併殺崩れを誘い、三走・伊藤隼が生還し、先制点。体を張ったプレーが光った。

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