「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2022.11.19
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カテゴリ: 美術館・博物館
ダリと言えば溶けた時計と死んだような不思議な生物?そんな不思議な世界を思い出してしまいます

サルヴァドール・ダリ
​Salvador Dali​

​『記憶の固執』1931年​

油彩 カンヴァス 24,1cmx33.0cm

ニューヨーク「近代美術館」所蔵。


妄想とは罪ではなく、

幸福を得る最良の手段である。

[ダリ]


ダリの『記憶の固執』 ・・・とは?​

この作品の実物を見ると、

あまりの小ささに驚くはずびっくり


A4版よりひとまわり大きい程度の両面に、

細密な描写で再現された、

リアルだけれども、

・・・不思議な世界。


それは、題名どおり、

ダリの無意識に刷り込まれ、

夢やふとした瞬間に、

繰り返し甦ってくる記憶です。


舞台は・・・

彼が何度も描いた故郷の砂浜。

魚か?

胎児にも見える肌色の物体は、

ダリのお得意の ​「やわらかい自画像」​ で、

眠る横顔になっています。


さらに物にたかるアリやハエなど、

定番アイテムが並ぶ中、

この作品を特徴づけているのが、

ぐにゃりと溶けた時計でしょう。


ダリと言えば・・・

溶けた時計

というほど有名なこのモティーフは、

カマンベルチーズを食べている時にぺろり

思いついたとか・・・?

アインシュタインの相対性理論が提示した

「時間のゆがみ」という概念を視覚化し、

長さや前後関係がぐちゃぐちゃにゆがんで、

入り乱れる夢や記憶の時間を表現したと言われます。



サルヴァドール・ダリ
​Salvador Dali​

1904年5月11日〜1989年1月23日(84歳没)

スペイン・フィゲラス出身の画家・デザイナー。


​【サルヴァドール・ダリのプロフィール】​

流派= シュルレアリスム(リアリスト的シュール)

得意なモティーフ= ガラ、時計、アリ、漁村。

尊敬する芸術家= 基本は「自分が一番」だが、

 フェルメールのことは絶賛。
 ​
 ルネサンス絵画も研究。

家族・恋愛= ガラひとすじ。

 ただ、見出し歌手になったマンダ・リアは別格で、

 どんなパーティーにも連れて歩いたという。

活動= ルイス・ブニエルの
 ​
『アンダルシアの犬』 で脚本と美術、

 ヒッチコックの
 ​
『白い恐怖』 でも、美術を担当。

 宝石や香水や、ぺろぺろするぺろり
 ​
チュッパチャプス のデザインまで、

 手広く活躍しました。


うわさ= 過激なパフォーマンスと強気の発言は、

 自信のなさの裏返し。

 繊細で潔癖症でナルシスト。

 こんなややこしい性格の子を

 手玉に取れたガラさんは、

 やはりすごい女性です


【ダリの ざっくり ​年譜】​

​1904年5月11日、​ スペイン・カタルーニャ地方の

 フィゲラスに生まれる。

1921年、 マドリッドの国立美術学校に入学。

1925年、 バルセロナの画廊で初めての個展を開催。

1929年、 詩人:エリュアールの妻:ガラと暮らし始める。

1934年、 ガラと結婚。

1940年、 ニューヨークへ渡る。

1941年、 ニューヨーク近代美術館などで大回顧展。

1948年、 スペインに帰国。ポルト・リガトで暮らす。

1974年、 フィゲラスの古い劇場を改装し、

 ダリ美術館として開館。

1989年1月23日 、フィゲラスの病院で死去(享年84歳)。




夢の中の光景が・・・

現実以上にリアルに感じられることがあります。


シュルレアリスムとは・・・非現実ではなく、

そのような超現実感を追求する芸術です。


フロイトの精神分析 に影響され、

理性や常識に抑圧された記憶や妄想を

描き出すことで人間の内面を探ろうと、

詩人:ブルトンらが提唱。


ダリは、画風に迷っていた21歳の時に、

この運動に出会って開眼し、

一躍、

シュルレアリスム絵画の旗手として注目を集めます。


のちに政治色を強めたブルトンによって、

仲間から除名されますが、

ダリこそが、

シュルレアリスムを体現する画家であったことは、

誰の目にも明らかであります。




サルヴァドール・ダリを分析すると・・・

トレードマークの髭や、

数々の奇行と傲慢な「オレ様発言」から、

自信たっぷりの大芸術家と思いきや、

素顔のダリは、

むしろ逆。


病死した兄の身代わりとして、

育てられた幼少期がトラウマとなって、

自信が持てず、

極度の女性恐怖症。

「柔らかい自画像」 や、

​「溶ける時計」​ は、

性的不能への恐怖の表れともいわれています。



そんな彼に自信を与えてくれたのが、

シュルレアリスムという方法と、

ガラという女性でした。


詩人:エリュアールの妻だったガラは、

ダリと出会って即座に乗り換え、

公私にわたって彼をサポート。




正確には、

ダリを完全に尻に敷き、

ガンガン描かせて稼いだお金で

若い恋人を囲ったりして・・・。


傍から見れば、

悪妻でも、

ダリにとっては・・・生涯の美神。

彼の芸術活動は、

ガラに出会った時から始まり、

彼女の死とともに終わります。


(参考文献:幻冬舎/西洋絵画入門より)
(写真撮影:ほしのきらり)

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最終更新日  2022.11.19 00:10:10
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