王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

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2022.03.03
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2017年9月刊
ジュリアンパブリッシング・ロイヤルキス文庫
著者:佐倉紫さん

王女の筆頭侍女アンジュは、王女の嫁ぐ大国クーリガンへ婚姻の準備のため向かう途中、賊に襲われクーリガンの王国軍第一騎士団の騎士団長・オスカーに助けられる。ふるえる身体を抱きしめてくれるオスカーの逞しい胸に心ときめくアンジュ。オスカーも一目惚れとキスを降らせるけど、彼の秘密を知ってしまい…。ある晩、消えた王女の身代わりに晩餐会を務めることになったアンジュは、オスカーの力強い腕に抱かれ、灼熱を差し込まれ、純潔を散らされる。激しい愛の営みは二人を更に大胆にして!?
↑楽天ブックスより、あらすじ引用

kindle unlimited会員向けの読み放題にて読了。
所謂「身代わり花嫁」ものですが、不遇ヒロインではなく陰謀系になるかと。

ここからネタバレと感想。


ファンギール王国の王女・エメロードの筆頭侍女を勤めるアンジュは、その日主人である王女を宥めるのに苦労していた。
大国・クーリガン王国から結婚の打診があり、半年後にエメロードの輿入れが決まったのだが、当の王女はあんな相手とは結婚できないと泣き崩れていたからである。
元々、お互いの国の利になると幼い頃からクーリガンの王太子とエメロードの婚姻​は取り決められており、それが漸く正式に決定しただけなのであるが、当の本人は王太子の誠意のなさが気に入らないのだと言う。
王太子は未来の結婚相手に肖像画どころか手紙やカードの類も寄越さず、エメロードの誕生日も悉く無視されていた。
いくらファンギールの方が立場が弱いとは言え、こちらからは毎年王女の肖像画だけでなく、贈り物は欠かさず収穫祭の時期になればそれなりの付け届けもしているというのに​、その返信すら寄越さないとなればエメロードの怒りも仕方ないのかもしれない。
自分を大切にしない相手など願い下げだと嘆く王女に、アンジュはこの輿入れがファンギールにとってどれほど重要なのかを懇切丁寧に説いた。
クーリガンはつい最近まで戦争中であったため、陣頭指揮をしていた王太子はほとんど城に居なかったはずだ。婚約者への配慮が欠けてたとて責められない。
しかも王太子は大層戦上手とも聞く、野心に駆られて周辺諸国の統一になど乗り出されたらこの国などひとたまりもない。それ故になんとしても今のうちに縁戚関係を結んでおきたいのだ。
国王が溺愛する王女を嫁がせるのは相応の理由からだと言い含めてはみたものの、エメロードは納得いかないようであった。

そんな折、今まで無視し続けた謝罪のつもりか、王宮のエメロードが住む区画を彼女好みに設えること、輿入れの際は侍女や針子などそれなりの人数も一緒に連れて来ていい旨、クーリガン側から申し出があったらしい。
この破格の対応に多少はエメロードの機嫌も持ち直したが、まだまだ根付いた王太子への不信感は拭えないようだ。
そこでアンジュが先んじてクーリガンへ赴き、王女の輿入れ準備を整えることとなった。いずれ自分も侍女として暮らす場所であるのだし、半年の間に王宮で人脈を作っておくのも悪くない。
かくして、護衛の騎士たちと外交官のフォード伯爵と長の旅路となったわけだが、いよいよクーリガンの国境付近まで来た時、一行は山賊と思しき連中の襲撃を受けてしまった。
多勢に無勢で早々に窮地に陥った彼女たちを救ったのはクーリガンの騎士団であった。

アンジュは騎士団団長のオスカーと、彼の腹心らしいケレイヴと共に、クーリガン王宮へと向かい早速輿入れ準備に取り掛かるのだが、道中の交流により彼女は密かにオスカーに心惹かれていた。
当のオスカーもアンジュを一目で気に入っており、東屋で再会した二人は互いに想いを伝えあうのであった。
初めての恋にアンジュは喜び浮かれていた。だが、告白された翌日、偶然にもオスカーとケレイヴとの会話を聞いてしまった彼女は、オスカーが殿下と呼ばれていたことに衝撃を受けた。
その後、一人になったオスカーを捕まえ、アンジュは自分を弄んでいたのかと彼を責めると、あの告白は聞かなかったとしてオスカーを拒絶するのだった。
この出来事のせいで、ミスを繰り返したアンジュは作法の教師である女官長に叱責され散々であったが、騙されていたと思いながら内心では彼を嫌いになれない自分に気付いてもいた。

一方オスカーはたった一晩でフラれたことに大層落ち込んでいた。
実は花嫁をエメロードからアンジュに変更したいのだと秘密裏に宰相や大臣たちに報告していたと言うのにこの体たらく。
ケレイヴからは、先に身分を明かして花嫁の件も説明してから告白しなかった殿下の失策だとズケズケ言われたものの、オスカーはアンジュを諦めるつもりは毛頭ないらしい。
何か良い方法はないかと思案していると、ファンギールから急使が訪れた。

アンジュがオスカーの執務室に呼ばれると、そこにはフォード伯爵とこの国の宰相や大臣が何人か詰めており、ただ事でない事が起きたのだと察せられた。
予感は的中し、十日ほど前に王女が護衛騎士と駆け落ちしてしまったのだと言う。
最初の数日はファンギール側のみで処理できると踏んでいたようだが、一向に見つかる気配もなく、エメロードがお披露目の為にクーリガンの晩餐会に出席する日が近づいて最早どうしようもなく報告をしてきたようだ。
だが、アンジュはこの話が腑に落ちなかった。確かにエメロードは浅慮で我儘な面もあるが決して無責任ではないからだ。だとすれば何かの陰謀に巻き込まれた可能性も充分あり得る。
彼女の進言により陰謀論も踏まえクーリガン側も王女捜索に加わることとなったのだが、問題は三日後の晩餐会だ。次期王妃のお披露目と先の戦争終結の祝いも兼ねているため、中止には出来ない。
病弱な王族ととられても後々厄介なので病欠という手も使えず考えあぐねていると、自国の失態ということで容姿が似ているアンジュがエメロードを装い出席すると提案した。
元々二人は母方の従姉妹同士で並ぶとぱっと見には判らないほど似ており、間近で王女を見た者以外には見分けがつかないはず。
危険すぎると当初はオスカーも渋ったが、結局他に代替え案も見つからずこの作戦が決行されることとなった。

晩餐会当日、念のためベールを被っていたことが功を奏したようで、誰もアンジュがエメロードを演じていることに気付かなかったようであるが、乾杯の際、ワインに毒物が混入されていることにオスカーが気付き騒動になった。幸い、犯人はその場で取り押さえられたが自決してしまい誰の差し金かは判らずじまいであった。
その夜、思っていた以上に目の前で自決した犯人の様子にショックを受けていたアンジュは、部屋を訪れたオスカーに気遣われて何とか気を持ち直した。
彼の話によれば、東の小国群にはまだ終戦に異を唱える者も少なくないらしく、オスカーは恨まれているのだそうだ。しかも、国内でも彼の命を狙う者は多々いると言う。
黒幕の心当たりが多すぎて把握できない状況下で、アンジュだけは命に代えても守ると断言したオスカーはファンギールには花嫁を交代したいと打診してあること、おそらくあちら側は条件を飲むだろうと前置きするとどうしても君を妃にしたいのだと告げた。
アンジュはエメロードに忠誠を誓っているため彼女を裏切れないと言いつつ、やはり簡単にオスカーへの恋心は捨てられず、この求婚を受け入れ二人は結ばれたのだった。

花嫁交代についてはオスカーが前もって周りに知らせていたため、想像以上にアンジュとの婚姻は王宮内でも受け入れられていた。
そんな折、ついにエメロードの所在が判明。
やはり、東の小国群の終戦反対派の企てだったようで現在国境の砦に集結しているらしい。
砦付近の村から、貴賓の世話係として数名の女性が雇い入れられているそうだから、おそらくエメロードはそこにいると思われた。
王女を偶然保護したのでオスカーに確認に来てくれとの書状が届けられ、あからさまな罠である。
早速王女救出に向かうことになったが、いざという時に身代わりになれるとアンジュも同行を申し出たのだった。

当然、その申し出は却下されたものの、女性の世話係として潜入やすいのも確かであった。
作戦通りに上手く入り込んだアンジュはエメロードと再会を果たし後は逃げるだけとなったのだが、脱出の際に首謀者である東の小国群のグレイン侯爵に捕まり、オスカーとの交渉材料にされかかるも、寸での所で二人は踏み込んだオスカーとクーリガンの騎士達によって救出されることとなった。
東の小国群はもう戦争を望んでおらず、侯爵の独断によるものだったこともあり今回の件は内々で処理されることになったが、オスカーは次は無いと釘を刺すことも忘れなかった。
エメロードは駆け落ちした騎士から貰った麻薬入りの練り香をそれと知らずに毎晩焚いていたことからある種の洗脳状態だったようで、そこを付けこまれて連れ出され砦に監禁されたと判った。

その後、アンジュは国王の養女となりファンギールの王女としてオスカーに嫁ぐこととなった。
エメロード姫は晩餐会での暗殺未遂事件の心労により体調を崩したとして結婚を辞退したという触れ込みになっている。
挙式直前での交代劇のせいでエメロードには風評被害が付きそうであるが、婚約者がいながら護衛騎士に入れ上げていたのは事実なので甘んじて受け入れるつもりのようだ。
今後は学問にも励み立派な王族になって、いずれは相応しい相手と結婚するのが彼女の目標だという。

挙式後に王位を継いだオスカーと仲睦まじく過ごしていたアンジュは半年後に妊娠が発覚。
その後は世継ぎとなる男子含め三人もの子宝に恵まれた、
エメロードとは手紙のやり取りにより近況を報告し合い、友好国としての関係も良好だ。
東の小国群とも和平条約が結ばれ、オスカーとその子による統治は末永く平和であったと言う。 
で、〆

書下ろしSSは舞踏会に出掛けた国王夫妻のイチャイチャエピソードでした。


やっぱり、このレーベルさんはラブシーンの回数ノルマがあるのかなぁと思ってみたり。
そこそこページ数があるので致し方ないかとも思うんですが、でもやっぱり多いね(^_^;)
個人的には2回くらいが丁度いい。
さて、ヒーローが恋の成就のために政略結婚相手のチェンジを申し出ていましたが、まかり通っちゃう国力がある故の暴挙なので、普通に失礼に当たると思う。
そりゃヒロインも最初は突っぱねますわ。
結局惚れた弱みもあってヒロインは受け入れちゃいましたけど、結構今回のヒーローは拗らせ系な気がする。
戦略や政治には長けていても女性の対処法はよく判らんと自己主張していただけはあります。
その分、ヒロインは好感持てる子でした。
頭が切れるのと溺愛されてることもあり、結婚後は夫の手綱を取って上手い事やってそうではあります。


評価:★★★★
ヒーローの言動に賛否分かれそうですが、内容自体は面白いです。
イラストは表紙より本文の方がヒロインの美しさが分かり易いかも。
これは一目惚れされるわ。 ​​





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最終更新日  2022.03.03 16:32:07
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