王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

PR

プロフィール

一夏5413

一夏5413

コメント新着

aki@ Re:個人的に面白かったと思う作品ランキング 1月中旬まで(01/21) この様な書込大変失礼致します。日本も当…

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2022.09.20
XML
カテゴリ: LUNA文庫

2020年1月刊
LUNA文庫
著者:群田景さん
才覚のない父のおかげですっかり没落貴族になり果てたフィネッティ伯爵家。長女のフィオリーナは弟のためになんとか学費を稼ごうと必死だった。そこに突然降ってきたのがアニエッラ王女付き侍女採用の通知。身に覚えがないものの、その給金につられ、いそいそと王宮に出向いていったのだった。しかし待ち受けていたのは、侍女仲間による嫌がらせのみならず、麗しい第二王子エルネストからの熱心なお誘い!? フィオリーナはあの手この手で逃げ回るものの、策士でもあるエルネストによって彼の自室に監禁されてしまう。なぜ私のような冴えない容姿の没落伯爵家の女を求めるのか、の問いに、エルネストの答えは思いもよらぬものだったーー眉目秀麗な王子と給金大事な没落伯爵令嬢の恋の駆け引きの行方は?


登場人物
 フィオリーナ=地方領主・ストラーニ伯爵の長女。父の代で家が没落したことも
        あり、金に煩い。高給取りと言う侍女に選ばれ王宮に上がる。
  エルネスト=第二王子。文武両道で顔も良い女性人気の高い人物だが、侍女に
        なったフィオリーナに付き纏い、嫌がられている
  アニエッラ=第一王女。愛らしい外見ながらかなりの毒舌家。兄が執心してい
        るフィオリーナに興味を持つ。
  デメトリア=王女付きの侍女を務める侯爵令嬢。王子妃の座を狙っており、エ
        ルネストに気に入られているフィオリーナに数々の嫌がらせをす
        る。

kindleの本棚を減らそうシリーズ。
初恋の人である生活苦のヒロインに金をチラつかせ、何とか手に入れようとするヒーロー。
お互いへの想いに温度差あるカップルのお話です。

ほんの十数年前までは羽振りの良かったストラーニ伯爵ことフィネッティ家。
だが、現当主であるフィオリーナの父には才覚が無かった。
投資に失敗し、金目のものは全て売り払い借金だけは逃れたものの、領地経営で入って来る金額は、家族4人の生活費とギリギリまで減らした使用人たちへの給料を払ったら毎度カツカツだ。
フィオリーナの案で、内職紛いのことで小銭を稼ぎ、塵積でも何とか食べることには困っていないが、長男・ジャンルカをそろそろ然るべき学校へ行かせねば。没落したとはいえ、未来の領主。ある程度の学が無ければ領地経営もままならない。
だが、今でさえギリギリの生活だというのに、入学金や授業料をどこから捻出すればいいのやら。
やはり、自分が外に働きに出るか。とは言え、女一人の稼ぎでは限界がある。
頭を悩ませていた彼女の元に、王宮からの手紙が。
またいつもの舞踏会の招待状か。ドレスどころか王都に出向く旅費が捻出できず、毎回欠席の返事を出しているというのに。
内心ムカつきながら、中身を見てみると入っていたのは見慣れた招待状などではなく、「王宮侍女採用のお知らせ」であった。
まさか、父か母が応募してたのかしら。特に疑問にも思わず、添えられていた規約等を読み進めると最後の方に書かれていた給金の額に驚愕。
侍女ってこんなに高級取りなの!?

しかも、フィオリーナが採用されたのは第一王女・アニエッラのお世話係というもの。
侍女と言いつつ、乳母の様な役割らしい。
それでこの金額。王族相手なので多少は気を遣いそうだが、何とも美味しい仕事ではないか。
おまけに、王都へ向かう旅費やら粗相のない程度の衣服を揃えるための支度金迄貰える。
4年も働けば、弟の卒業までの学費も心配ない。
一も二も無く飛びついたフィオリーナは、貰った支度金で身なりを整え、王都へ向かったのだった。

だが、現実は甘くない。
侍女にはなれたものの、王宮へ上がって一か月経っても肝心の王女様とは一度も目通りできぬまま。
どうも、王女付きの筆頭侍女である侯爵令嬢・デメトリアのお眼鏡に叶わなかったようで、卑しい没落貴族に姫様は会わせられないとシャットダウンされているようだ。
やらされる仕事と言えば、メイドたちに混じっての掃除と洗濯。本来は貴族令嬢である侍女には回ってこない仕事なのだが、これもデメトリアの嫌がらせであろう。
実家でも散々やって来たことなので全く苦ではないが、そんな彼女の扱いに文句たらたらなのが、第二王子・エルネストであった。
彼は初日からやたらと馴れ馴れしく、暇を見つけては彼女をティータイムに誘い、得意だというチェス勝負を挑んだ。
そして、毎度フィオリーナに負けている。
祖父譲りか頭の良い彼女もチェスが得意で、昔、家がまだ裕福だった際に初めてエルネストに会ったんだっけ。その時も勝負をして彼を打ち負かして泣かせてしまったという苦い思い出もあった。

エルネストは、そんな昔ばなしを楽しそうにしているが、今もほとんどフィオリーナに勝てていないし悔しくないのだろうか。
おまけに、彼女が嫌がらせをされれているのにも当然気づいているらしく、デメトリア達に聞こえよがしに僕は知っているぞとばかりにチクっとやっていた。
更に彼は、フィオリーナが初恋の人なんだと熱く迫り、彼女はほとほと困っている。
王族と関係を結んだ侍女は解雇される決まりがある。ので、大抵は恋仲になったら一線を越える前に退職し、婚約者なり公式愛妾になるのが常。
エルネストに絆されつつあったフィオリーナもこれだけ情熱的に迫られて悪い気はしないが、退職=無職になるのは避けたい。
まだ弟の入学金ですら貯まっていないいないのにっ。
せめて、あと4年我慢してくれないだろうか。恐る恐る言ってみたらエルネストに早々に侍女を退職させられた挙句、彼の部屋に監禁状態にされ・・・。

そんなある日、今まで全く会えなかった王女・アニエッラが彼女の元を訪れ、エルネストが如何に初恋の人に執着しているかを教えられます。
大して美人でもない自分のどこにそんなに惚れこむ要素があるのか。
その夜、意を決して尋ねたフィオリーナにエルネストが語ったのは、今の王家では想像できないお家騒動と、それが切欠で荒んでいた幼い彼のこと。
あの初めてのチェス勝負の後、フィオリーナが掛けた言葉にエルネストは救われ、以降ずっと彼女に執着し続けていたらしい。
その後、二人は一線を越え、フィオリーナは公式愛妾に。

えっ、ヒロインが愛妾になって終わりなの?と思いきや、それは、金金と必死になる彼女の為でした。
何故なら公式愛妾には多額の褒賞が出るから。
ある程度の期間愛妾のお役目を務めあげお金を貯めた後、正式にエルネストの婚約者になってお終い。

一応、細々と他に嫌がらせされたり、中盤のフィオリーナがエルネストとの関係に踏み切るまである程度日数経ってますが、その辺は敢えて記載していません。
短いお話なので、気になる方は読んでみてください。
ページ数の割に内容は纏まってたし、二人の温度差が面白いお話だったんですが愛妾にしちゃうのはちょっと(^_^;)
褒賞が出ると聞いて引き受けちゃうヒロインも夢が無いというか(苦笑)
彼のことは好きだけど、お金が要るの。
綺麗ごとだけではどうにもできない事情があって、ヒーローもそれを汲んだってことなんでしょうけどね。
ヒロインのポリシーが最後まで一貫してたのは良いと思います。
ヒーローは策士って言うほどではないかな、根回しはしてたけど悉く裏目に出てたし。
ただの執念深い人って印象。

評価:★★★★☆
結局金かと思いきや?なラストでした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.09.20 15:33:20
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: