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「私はもう殿下なんて愛さない! あんな浮気者、もう、愛してなんてやるものですか!」 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用
公爵令嬢ルミナ・ララーシュは天に向かって拳を高く突き上げ叫んだ。十歳で王子と婚約し、十八歳で婚約破棄される。ルミナは何十回もそれを繰り返していた。
ループするたびにあの手この手で王子に愛されようとするが、彼が心惹かれるのは妹のソフィー。何をしても結局王子は妹を選んでしまうのだった。
どんなに愛しても愛されることはない。ルミナはそれに気づき、ついに諦めることにした。これは、愛する人に愛されることを諦めたルミナが、自分の本当の運命を見つける物語
そもそも、ステファンは後ろ盾が欲しくてルミナを選んだのであって、彼女の為人を気にしていたことは無かった。だからこそ、婚約者の妹に出を出すなどと言うふざけた真似が出来る。
どちらもララーシュ家の娘なのだから、気に入った方を選んだだけ、その程度の心持ちなのだろう。
誠実さの欠片もない性格に、今思うと本当に腹が立つ。
だがもう未練も無いし、ルミナにも気になる存在が出来た。
宰相の息子でステファンの側近・シャロンだ。
彼は優しく、ステファンとの婚約を心底嫌がるルミナを気遣い、もし、王太子が心変わりして婚約破棄となったら自分と結婚して欲しいと言われている。
恐らく今世もステファンがソフィーを選ぶのは判っている。
先日、二人は印象的な出会いを果たし、お互い気になり始めているからだ。
予定調和とはいえど、ムカつく気分になるのは仕方ない。
つい、ステファンを責めてしまったが、それ以上にシャロンが彼に腹を立てていた。
ルミナへの態度が不誠実すぎると。
二人から責められたステファンは、その時初めてある違和感に気付いた。ルミナに条件を出されてから傲慢な態度を改め、自分なりに誠実でいようと戒めていたのに、誰かに操られているかのような感覚。
その戸惑う様を見ていたソフィーは定められたルートに軌道修正すべく、姉の始末を目論み・・・。
何のことはない、この世界はゲームのシナリオの一つだったと言うのが真相でした。
ルミナは本来悪役令嬢でソフィーがヒロイン。ステファンルートの物語だったのです。
悪役令嬢はザマァされなけれなならず、婚約破棄される運命。なのに、ルミナに自我が出来て自分の幸せを探し始めてしまった。おかげでルートは乱れに乱れ、ゲームの運営?が、ソフィーを操ってバグのような存在になっているルミナを消すよう指示。
しかし、シャロンによってルミナは危機を脱し、当事者たちに全てを打ち明けます。
神のような存在に、言動をコントロールされていたと知り、驚く彼らでしたが、どうしてもステファンがソフィーに惹かれてしまう理由がわかり納得。
その後、ルート通り、ルミナと仮婚約を破棄したステファンはソフィーを妃に迎え、ルミナはシャロンに嫁いで一応のハッピーエンドで終わっています。
何の前置きも無くこれはゲームの世界だったんだよ、聞かされて納得しちゃうヒロインは、現代人の転生者ってわけでもないので、そこだけがちょっと残念。
乙女ゲームの概念がまず無いでしょうからねぇ。
でも、少々ツッコミどころはあれど、大筋は面白かったです。
評価:★★★★
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