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2024.02.09
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カテゴリ: アルファポリス


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2024年1月刊
レジーナ文庫
著者:砂礫レキさん

老人ばかりの村でたった一人の癒し手として診療所を営むリリアは、患者であるはずの村人から日々虐げられながら暮らしている。彼女の師である先代の癒し手に比べ、未熟者だからという理由で蔑まれ続けてきたのだ。そんなリリアのもとに、王都からお忍びで女騎士・ロザリエが訪ねてくる。彼女はある事情で癒し手を求め、この村までやってきたらしい。リリアの力が稀有なものだと見抜いたロザリエは、リリアを自分の専属としてスカウトし…… 

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用
登場人物
  リリア=稀少な治癒能力を持つ「癒し手」だが、親代わりのエルシアが失踪し
      た後は村人から虐げられていた。
 エルシア=規格外の癒しの力を持つリリアの養い親兼師匠。
 アドニス=ロザニエの護衛騎士。
 ロザリエ=王都からやって来た女騎士。
 グラジオ=ロザニエの乳兄弟で護衛騎士。
 ヴェイド=村長。とある事情から村民たちから軽視されていた。


王都から遠く離れた小さな村に暮らすリリアは、癒しの力を持つ「癒し手」
都ならばもてはやされたであろう、その力を持ちながらも彼女は村人たちからバカにされた挙句、タダ同然で治療させられていた。
師匠で養い親でもあるエルシアと暮らしていた時は、彼らはリリアのことも敬い可愛がっていたのだが、10年前にエルシアが失踪して以来、扱いが180度変わってしまったのだ。
それというのもエルシアは規格外の癒し手であったから。とにかく生きてさえいれば彼女はどんな怪我でも直すことが出来た。そんなエルシアを師とするリリアも実は相当な使い手なのだが、その差は歴然で遠く及ばない。不世出の癒し手の失踪は、彼女に依存し切っていた村人には受け入れがたい出来事だったのだろう。暫く経つと大した怪我でもないのにリリアの住む小屋を訪れては治療をさせ、その際に何かとケチをつけては彼女を罵倒し時には暴力を振るうように。

リリアとてこの理不尽な扱いから逃げようとしたこともある。しかし、貴重な癒し手に逃げられては拙いと思ったのか、彼らはお前がいなくなったらこの小屋を燃やすと脅した。いつかエルシアは帰って来ると信じているリリアにとってその脅しは効果覿面。それに薬剤のレシピや今までに作った薬を失うわけにはいかない。結局、リリアは何処にも行けず、この地で飼い殺しにされ続けていたのだった。

ある日、いつものように深夜近くまで治療させらていたリリアの元に、3人の客人がやって来た。騎士と思しき2人の青年に、ベールで顔を隠した若い女性。
治療して欲しいうのは女性で、ベールを取ると顔を含めあちこちの皮膚が石化した鱗に侵食されていた。どこからも匙を投げられたらしい症状もリリアは治せると宣言。多少日数はかかるが効果のある薬があるのでと説明された女性と騎士2人は胸を撫で下ろしていた。

女性はロザニエ・ルクスと名乗り、女騎士だという。
青年達は金髪碧眼の方がアドニス、赤毛がグラジオ。ロザニエは伯爵令嬢でもあるためその護衛を務めているらしい。貴族と聞いて村長は彼らをもてなしたが、ロザニエはリリアの小屋で療養することを望んだ。同年代の女性とのおしゃべりは楽しく、笑顔も零れたけれど卑屈な性格は簡単には治らずおどおどしている彼女の様子に、3人はすぐリリアの事情に気付いた。
彼女の癒しの力は王都で教会に囲われている聖女以上のものだ。本来ならこんな辺鄙な田舎で搾取されていい身分ではない。ロザニエは薬師としても優秀なリリアに自分の専属になってほしいと頼んだ。ここを離れられない理由を鑑みて本拠地はここでいいからと説得を続けると、リリアの気持ちも傾いてきた。実際、傍から見ても胸糞が悪いこの村に彼女を住まわせたくは無いのだが、ここで師匠を待ちたいと思う気持ちも判る。
小屋に押しかけてリリアを恫喝し、手を挙げようとした中年男はグラジオが殴って黙らせたが、同じ頃、リリアの扱いについて真偽を確かめるため村長を呼びに行ったアドニスが、それ以上の悪意と向き合っていて・・・。


エルシアという規格外な癒し手は、尊敬と共に一部の者には畏怖を抱かせる存在でした。現村長のヴェイドは後者の方。事故で全身複雑骨折で死にかけた息子のレストはエルシアに救われたものの、どうにも不気味に思えて見る見る回復した我が子を疎みます。
それというのも癒し手ってそこまでできるのか?と疑ってしまったから。
ヴェイドは目の前で実際に目にしていながらも実は息子は死んでいてこの子はどこかから連れて来た取り換え子なのではとバカな考えに陥り、村では珍しいエルシアアンチに。
でも、最愛の妻がクマに襲われた時は彼女に縋ってるんですから、ホント自分勝手だなぁと。結局妻はほんの一歩の差で間に合わずに亡くなり、ヴェイドはエルシアを逆恨み。アンチを通りこして恨み全開で彼女を憎んでいました。その矢先に彼女の失踪事件だったので真っ先に村長が疑われたのも当然。以降疎まれ始めます。が、村長は金品で村人たちに媚びを売り始め、その怒りの矛先ががリリアに向くよう仕向けたのでした。真相を聞いたアドニスは激怒。彼は一途で優しいリリアに心惹かれており、彼女を傷つけたこの村にずっと怒りを覚えていたことから、突如魔物に変異した村長を倒します。
村長の変異については色々彼にも自分勝手ながら事情があったんですが記載すると長くなるので割愛。エルシアが来たことで追いやられた薬師の娘・ミゼリの不幸など、ここの連中クズ過ぎて逆に笑えてきます。人間ここまで堕落するのか。
善意からだったとはいえ、彼らを歪ませた責任はエルシアにもあってリリアは完全にとばっちり。
それが当たり前だと思い込む彼らに改善の余地はなく、リリアもこれ以上期待することは止めて村を去ることを決意します。終盤エルシアも帰還し、あの突然の失踪の理由も語られたのですが、規格外って癒しの力だけじゃなかったのね、と色々予想外の展開でした。あと、リリアはアドニスと上手くいきそうなので、王都に行ってからは幸せになってほしい。
書き下ろしの番外編は2本。
エルシア目線で語られる自分の素性に関することと過去バナ、もう1本はリリアとアドニスの街中デートのお話。
それはそうと、この本もタイトルと内容に結構なギャップが(^_^;)


評価:★★★★★
村人が本当にクソ野郎者どもだったけどお話自体は面白かったです。





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最終更新日  2024.02.09 10:57:11
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