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2024.02.20
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カテゴリ: DIANA文庫


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2024年1月刊
DIANA文庫
著者:時岡継美さん

ただいま。エミィ、今日もかわいいね。愛してるよーー旦那様が帰ってきた。でも、わたしたち、離婚したはずですよね?

あなたは今朝、離婚の手続きをすると言って出ていきました。あなたは今朝、「いままでありがとう、どうか元気で」とわたしに別れを告げて出ていきました……よね? わたしたちは本当の夫婦になれなかった。だってあなたの心にはずっとあの聖女様がいて……。清い関係のまま過ぎていったこの2年。兄が出場していた闘技大会で偶然出会った旦那様は、氷の公爵家の跡取りで、騎士団の副長。水の男爵家に生まれたわたしとは家柄も、使える石の能力も違いすぎました。そしてわたしたちは、離婚した……はずなのに、なんなの、旦那様のこの溺愛っぷりは……?

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
   エマ=水の聖石の力を使う男爵家の娘。
      アルノルトから求婚されて公爵家に嫁いだ。
アルノルト=王国騎士団副長。テイラー公爵家の後継でエマの夫。
レイヴィス=アルノルトの部下。
 サンドラ=癒しの石の力を使う公爵令嬢。聖女と呼ばれている。


エマはこの日、2年にも及ぶ結婚生活に見切りをつけて夫のアルノルトへ離婚を切り出した。なぜなら彼の方から求婚して来たくせに、寝室は別で一向に触れて来ないとなれば妻としての立場が無いし、色々と思う所があったからだ。​
離婚に関しては彼も割とあっさり承諾してくれたので、財産分与として夫婦が暮らしていたこのタウンハウスを貰った。アルノルトの荷物は公爵邸へ送り、使用人たちも全員そちらに帰ってもらったから、エマはここで一人暮らしとなる。
実家に帰っても良いのだが、兄が結婚したばかり。小姑に出戻って来られても迷惑だろう。
暫くは気ままな一人暮らしを満喫してこれからのことを考えよう。そう思っていたのだが、その夜、アルノルトが帰って来てビックリ。
しかも、いつもキリっとしている彼が何だか甘ったるい雰囲気に変わっているような。

帰宅早々、エマに愛を囁く彼に面食らっていると、付き添いで来たらしいレイヴィスが事情を説明してくれた。
今日の彼は意気消沈しており、どこか様子がおかしかった。有り得ないミスをしたり何もない所で転んだり。流石に心配になって見張っていたらまたもや転倒して今度は頭を売ったらしく気絶。目が覚めると180度性格が変わっていたのだそうだ。
アルノルトからエマと離婚することになったとは聞いていたが、目覚めた彼はこの屋敷に帰ると言って聞かず、仕方なく連れてきたらこの始末と言うわけだ。

記憶喪失とかでなかったのは良いが、この人は自分と離婚したことを覚えていないのだろうか。仕方なく、私たちは離婚してこの屋敷ももうあなたの物ではないから公爵家にお帰りください。と改めて告げると、彼は俺たちは離婚などしていないの一点張り。
エマをぎゅうぎゅう抱きしめて離れないため、レイヴィスと二人何とか宥めて公爵家に帰ってもらった。
他に好きな人がいるくせに、さもエマがいないと死んでしまうばりの執着は一体どういうことなのか。

そもそも二人には何の接点もなく、出会いも本当に偶然であった。
貧しい領地のために賞金目当てで剣術大会に参加した兄の対戦相手がアルノルトで、エマともそこで出会った。彼は何故か週に一度は男爵領を訪れ、エマを手伝い井戸掘りをしていた。
そして、幾度目かの来訪の時に彼から結婚を申し込まれ、なし崩しに結婚となった。二人の婚姻は氷と水の結婚として当時話題になったものだ。
水の石の力を持つローレンス男爵家と氷の石の力を持つテイラー公爵家。実は水の石は昔はもてはやされたものの色々と便利な時代になると一番の外れ扱いに。
水を操れるならと割り当てられた領地も貧しく、よりにもよって何故そんな家の娘がアルノルトと、とやっかみも凄かった。聞こえよがしな陰口を耳に入れたくなくて、結婚式後エマは公の場に出ることは無くなってしまった。

しかし、ハズレとは言われていても水そのものは貴重。石の力で水脈を見つけて欲しいとの依頼はたまに来るので、エマは数か月に一度の割合だが地方に駆り出された。
でもその際は必ずアルノルトが用心棒宜しく付いて来て作業を手伝ってくれていた。まるで一人では行かせられないと言うように。
そんな最中、彼の幼馴染という聖女・サンドラが派遣先に訪れ、アルノルトに付き纏いだした。たまたま巡礼の地の近くだったと言うけれど何度も遭遇すれば明らかに追いかけて来ているのが判る。さすがに言い訳も苦しいと思ったのか、彼女からアルノルトと別れろと言われた時はそいうことかと納得した。彼らはきっと自分が身を引くのを待っているのだ。
今日の派遣先では水ではなく熱湯を掘り当て失態も晒してしまった。彼にも恥をかかせて申し訳なくて、お望み通り離婚を切り出したのがつい先日のこと。

頭を打ち性格が激変したアルノルトはあれ以降エマに愛を囁き続け毎日花束を贈った。ついそんなに愛しているならどうして手を出さなかったのか尋ねると、初夜の日抱きしめたエマが震えていたからだと言う。思い当たったエマはそれは誤解であなたがバカ力で苦しかったからだと告げると、お互い誤解していたことが判明。でもやり直すつもりはない。あなたはサンドラと結婚するんでしょ。
こうなったら彼に嫌われるよう悪女になりきるかと我儘を言ってみたが効果無し。それどころかテイラー公爵家の面々を巻き込んでの騒動に。

何だか異常に疲れた。
だが、翌日現れたアルノルトは元の彼に戻っていて、これでいよいよケリを付けられると、必ず離縁届を提出してくれるよう頼んだ。
アルノルトが出て行ってから暫くして、屋敷に訪問者が。まさかまた性格が変わって戻ってきんじゃあるまいか。追い返そうとドアを開けたエマは見たことも無い男から当身を食らって昏倒。何処かへ連れ去られてしまい・・・。


アルノルトの性格が変わったのは実はサンドラのせいでした。
彼女は禁忌とされている本心を隠せなくなる自白剤のような術をアルノルトにかけ、その真意を知ろうとしたものの、彼は心底エマに惚れていた。
エマに一目惚れした彼は足繁く男爵領に通い、結婚に漕ぎ着けた。
離婚を承知したのはエマが望んだから。
彼にとってサンドラのことなど幼なじみという認識しかなく、彼女の独り相撲だったのです。
しかし、禁忌の術はそういわれるだけあって使うのはご法度。その代償として癒しの力も使えなくなってしまうと言う手痛い報いを受けることに。
一方、エマは次期公爵夫人ということで身代金目的で攫われるも、妻のピンチにアルノルトが現れて無事救い出されるのでした。
後に彼の口から今回の顛末が語られ、互いの本心を打ち明け合った二人は元鞘となって終わっています。

今作は両片想いの勘違い夫婦が復縁するお話なので、展開もそちらに重きを置いていて、最後はかなり子沢山になるらしいけど、ラブシーンの類は描かれずでした。
なのでTLというよりノリとしてはビーズログ文庫みたいな感じ。作中エマが掘り当てた熱湯はまぁそうなるよねぇということで。水脈だけでなく温泉をも掘り当てる力ということで水の石は再び脚光をあびることに。腹が立つのはサンドラですが、横恋慕の上に向こうも自分が好きに違いないと期待して、リスクも考えずに術を掛けてみれば相手はとんでもない愛妻家だったってのは相当堪えたろうな(^_^;) それに加えて力も失くすとか踏んだり蹴ったり。
やはり悪いことはできませんね。


評価:★★★★★





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最終更新日  2024.02.20 09:00:12
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