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2024.05.19
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カテゴリ: 夢中文庫


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2024年3月刊
夢中文庫プランセ
著者:天衣サキさん

今この瞬間だけは、あなたは私のもの──聖女だった母から蔑ろにされ、妹の第二王女には婚約者を奪われ、諦念を抱き生きてきた第一王女のセシリア。ある日、身を寄せていた教会で破滅的な影を纏った謎の男・ヴィルと出逢い、諦めるだけの人生だったセシリアは初めての愛に目覚めていく。けれど王女である以上、彼と寄り添える未来はない。そんなセシリアにある日縁談が持ち上がった。王族の義務から逃れられないセシリアはある決断を下してヴィルを誘惑する。震えるセシリアをヴィルは狂おしいほどの情欲で貫き快楽で蕩かしていくのだが……たとえ与えられるものが恐怖でも痛みでも、あなたからなら構わない──



登場人物
  セシリア=両親と妹から虐げられていた第一王女。
ヴィルヘルム=帝国の第二皇子。正体を隠してセシリアと知り合う。
 ロイガール=セシリア付きの護衛騎士。
  ロージー=セシリアの3歳下の妹。我儘で傲慢な性格。
 ルドヴィカ=故人。元聖女で娘のセシリアを嫌っていた。


パヴィエール王国第一王女・セシリアは、王妃・ルドヴィカを筆頭に父王と妹姫のロージーから虐げられて育った。父は聖女だった母にベタ惚れで盲目的に従っていただけのようだが、ロージーは苛烈な性格のルドヴィカそっくりで、とにかく姉を虐めるのが楽しくて仕方ないらしい。数々の嫌がらせをされてきたものの、婚約者のヘンリーまで奪われるとは思わなかった。
申し訳なさそうに婚約解消を告げるヘンリーに心苦しくなったが、もはや決定事項なのだから仕方ないと割り切った。以前はロージーの我儘を父が度々諫めていたので本来なら姉の婚約者を奪うなど許さなかったであろう。だが、去年王妃が病気で崩御して以来、政務も放り出し放蕩に明け暮れていると聞く。父の目が無いことで一層ロージーがやりたい放題ぶりが悪目立ちしているので、家臣たちも眉をひそめていた。

それにしてもなぜ母はこんなにも私を嫌ったのだろう。
物心ついた頃には既に邪険にされており、たまに顔を合わせれば憎まれ口ばかり。母に似たロージーばかりを可愛がっていた。
長い事こんな状況では諦めてしまう癖が身に付いてしまったが、流石に精神が疲弊しきってしまった。正直、耳障りな妹の声を聞いているのも苦痛で体調不良と称して国境にある別荘に行くことにした。そこはルドヴィカの故郷でハリアットという街。
父が母の為に建てた別荘があり、そこに身を寄せることになったセシリアはルドヴィカの日記を携えていた。人の日記を見るのは気が引けたもののどうしても母の本心が知りたかったから。

しかし、日記には聖女の術がかかっており開くことができない。
諦めかけていた頃、妙な夢を見たセシリアは翌朝突然聖女の力に目覚めていた。
恐る恐る日記に手をかざすと術が解除されてページが開き、驚愕の事実を知った。ルドヴィカは愛する夫との第一子であるセシリアの誕生を心待ちにしていて妊娠発覚から暫くは喜びの言葉で溢れていた。だが、いざ産まれて数か月経つとルドヴィカの聖女の力は薄れていき、セシリアに神聖力が溢れていることが判った。娘が次代の聖女と知り、母は力が使えるうちにセシリアの神聖力を封じていたという。
喜びと幸せの文章から一気に娘を呪う言葉ばかりになって彼女は日記を閉じた。本来聖女の力は遺伝しない。だが次の聖女が現れると当代の聖女は力を失う。聖女であることに誇りを持っていた母は赤の他人ならともかくそれが娘だと言うことで余計に思う所があったのだろう。
理由は判ったがこんな理不尽なことで嫌われていたのだと思うとやりきれない。でも、後々面倒なことになりそうなので自分が聖女だと言うのは当面隠しておいた方が良さそうだと漠然と思った。

それから暫く経って、懇意にしていた女性神官からパヴィエールと隣国・カサンドロ帝国が戦争になりそうだと聞いた。そして国境にあるこの街から早く離れるよう忠告もされた。
どうやら、父が未だに政務を放り出しているおかげで過激派の高官たちが呪術師を使い帝国に徒なそうと目論んでいるらしく、それが当の帝国の耳に入ったようだ。
帝国の怒りは尤もで、攻め込まれればこの国はひとたまりもない。結局どこに逃げても同じだとセシリアはこの地に留まることを決めた。
そんなある日、彼女は雨宿りさせてもらった教会で一人の青年と出会った。
彼はヴィルと名乗り、一見近づきにくい印象であったが話してみると気さくで、少し変わった受け答えをするセシリアを気に入ったようだった。
その後、街中で度々ヴィルと遭遇。会話しているうちに彼が帝国人だと判った。そしてヴィルもあの神官と同じく彼女に避難を薦めていた。固辞し続けているとそのうち説得を諦めたヴィルはハリアットから姿を消していた。

数日後、護衛騎士のロイガールから王都で襲撃事件があったこと、その際、呪術師とその雇い主の貴族達が全員惨殺されたと報告を受けたセシリア。
指揮を執っていたのは帝国の第二皇子らしい。カサンドロに悪さをする前に乗り込んで全て粛清したということはこれで戦争は回避されたとも言える。勿論、パヴィエールは相当の賠償を要求されるだろうが、直接王都に乗り込んでくれたおかげで結局一番危険視されていたこの街の民は救われたのだ。ほっとしたのも束の間、セシリアの元に怪我を負い更に呪詛を掛けられて弱っていたヴィルが訪れた。彼に心惹かれていた彼女は死なせまいと封じていた聖女の力を発揮しヴィルを救うと倒れ、目覚めた彼に聖女であることがバレてしまった。
その後、すっかり距離が縮まった二人はロイガールが止めるのも聞かず仲睦まじく暮らしていたが、彼女宛に王宮からの書簡が届いた。
そこには協議の結果、パヴィエールが帝国の属国化が決定したこと、忠義の証としてセシリアが皇帝に献上される旨が記載されていて・・・。


一応、聖女ものになるんですかね?
お互いの素性を知らず恋に落ちたセシリアとヴィルヘルム。ヴィルは彼女がいるハリアットを戦場にしないために直接呪術師をせん滅することで戦争回避させることに成功するも、呪詛を受け死にかけた所、セシリアの神聖力によって救われ、一層彼女に惚れるのでした。
そのうちにセシリアが王女と知り、ロイガールから彼女の境遇を聞くと怒りに燃え、先ず国王とロージーの抹殺を心に誓います。
そんな折、彼女が皇帝の側室になることが決まり、せっかく結ばれたというのにセシリアは彼に別れを告げ王都に帰還。その間、ヴィルは手をこまねいているわけはなく、父である皇帝に呪術師を一掃した褒賞として第一王女は俺が貰うと談判し、皇子妃にする許しを得たのでした。
セシリアは、処女でない事を理由に後宮入りを辞退する覚悟だったものの、迎えに来たのがヴィルでビックリ。ちゃんと皇帝には筋は通したと笑う彼が自分の夫になると判って嬉し泣き。
国王は政務の放棄で国を危険に晒したこと、ロージーは国費の使い込みによる贅沢三昧と使用人たちへの傷害など数々の罪に問われて王籍剥奪の上処刑が決まった時はスッキリしました。
あの妹が歪んだのは過分に両親のせいではあるんでしょうけど、善悪分別つかない年でもないんだからその後の悪事は完全に自己責任だと思います。
とはいえ、極刑になるようヴィルが手を回したようなので、妻を虐げた連中に慈悲など要らんという徹底ぶりが凄い。それだけに諸悪の根源であるルドヴィカが逃げるように早死にしてるのがモヤりますが。
王位は王が侍女に産ませた王子・ジョージが継ぐことになるんですが。この子はセシリアと仲が良かったことでヴィルからも可愛がられていることがおまけの後日談で語られていました。
お話自体は貴族TLとして割と王道展開だったと思います。


評価:★★★★★





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最終更新日  2024.05.19 09:00:11
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