雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2008年05月11日
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 上野動物園のパンダのリンリン君が亡くなり、偶然にも中国の指導者が来日したこともあって、新たにパンダが2頭上野にやってくるそうです。
 私個人は、いかなる珍獣であっても、ガラス張りの飼育小屋の前の通路を、立ち止まることさえ許されずに「拝観」するなど願い下げですが(幼稚園の頃に連れられて行ったが、人間が多かっただけでパンダの姿を見た記憶がない)、それでも喜ぶ人はいるでしょうから、それ自体は別に文句を言うべきではないと思っています。ただ、日中両首脳の思惑がはずれたのか、このパンダの来園に否定的な意見が日本人に多いらしく、特にレンタル料だけで年に1億円以上必要だという点が問題視されているようです。
 しかし、仮にパンダ舎の前に賽銭箱でも置いておけば、好きな人が寄付してくれるはずで(しないなら入園料とは別に強制的に徴収する)、100000000円÷300日=約3400000円、老若男女問わず一人100円なら一日3400人が支払えば済む計算になります。「人寄せパンダ」と呼ばれるくらいの人気者ですから、それ以上も可能ではないでしょうか。ただ、巨額な飼育費用が別途必要なので、黒字になるかはわかりませんが・・・。
【参考】ナショナルジオグラフィックの特集記事
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0607/index.shtml

 個人的には、金銭面よりも、野生動物の保護の観点で、上野のあの人工的飼育小屋にパンダを放り込んで見世物にすることに、大きな違和感を抱いています。
 何しろ日本パンダ保護協会( http://www.pandachina.jp/ )によれば、野生パンダの生息数は約1596頭のみで、動物園などでの飼育数200頭弱を合わせても2000頭に満たず、当然ワシントン条約で絶滅危惧種とされているのが現状なのです。これでは見世物にする余裕などないのではないかと心配になります。
 早急に生息域の自然環境を保護し、中国の四川省に存在する施設などで繁殖したら、それを野生に戻すようにしなければ、大多数が愛らしく感じるはずの白黒模様の大きな熊状生物は、絶滅してしまう可能性が大きいです。その危機感、つまりは本当にパンダという生き物を愛して、その存続を願うのなら、上野のお山になど置いてしまって良いのかと、疑問に思うのが当然ではないでしょうか?

 しかし、パンダの愛くるしい姿が目の前にあればこそ、その保護を真剣に考える、もしくは真剣に考えなくともお金を出す人間が増えるのが、現実というものでしょう。 そもそも、中国政府はパンダを保護する活動の資金とする名目で、パンダを貸し出しています。この点特に政治家には誤解があるようですが、レンタルパンダとは、中国との政治的友好関係の証などではなく、その種を保護するための資金集めを目的に、世界各地で顔見世興行を行っているのが真実の姿です。つまり、あのパンダたちは、その自らの種を保全するために、故郷を遠く離れた異国の地で働いていると見なした方が良いのです。年収1億円の稼ぎ頭、まさにパンダ一家の大黒柱と言えるでしょう。

 何しろ、政治的思惑はもちろんのこと、国際親善のためだとか、その国の子どもたちのためだとか、そのようなパンダという生物種にとって無意味なお題目で、繁殖がより難しい地域や施設に、輸送の危険まで冒して絶滅危惧種の生き物が送り出されて良いわけがありません。あれはあくまでも、希少な野生動物であるパンダを保護するための資金をカンパしてもらうために、やむを得ず出張させているのです。
 当然ながら、もし中国政府が100%パンダの保護費を賄えるのなら、ただでさえ個体数が少ない絶滅危惧種を、国外に送り出す必要はないはずで、逆に政治的思惑だけなら、保護目的でレンタル料を請求するのはおかしな話となってしまいます。 もちろん中国政府も真剣に保護に取り組み、人工飼育での個体数は増えていますが、野生の生息域の環境保全には、より多大な費用が必要になるのが現実です。今後人工飼育かで増やしたパンダを、現在以上に世界各地にレンタルすることで(現在はアメリカ10、日本8、その他11頭に過ぎない)、その費用の一助にする必要があるものと思われます。
 個体数が増え、世界中の動物園でパンダたちがあふれる、これは良いことですが、当然その時には、野生のパンダの個体数も大幅に改善していることを願うばかりです。






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Last updated  2008年05月11日 18時45分33秒
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