雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2013年08月31日
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カテゴリ: 動物愛護法関連

 今後、大型インコに詳しい人が、問題を指摘してくれると思うのですが、昨日、備忘録で知って指摘したので( コチラ )、その後さらに気がついたことを書き記しておきます。

 千葉市動物公園は、薄い皮膚しか持たないベニコンゴウインコの幼鳥に対し、わざわざ近寄って麻酔銃を使用し、即死させてしまいました( 朝日新聞記事 TBSテレビ報道 )。動物園側の説明によれば( PDF )、7時10分に 「麻酔銃により鎮静を図り確保」 、同25分 「動物病院で死亡」 と説明されていますが、それを聞き流すのは、よほどのお人よしだけでしょう。そもそも、心臓に当たれば、普通に即死でしょう。映像を見る限り、確保段階でピクリとも動いていませんから、ほぼ即死と考えるのが妥当でしょう。

 その後、調べたところ、 この動物園には、同様の前例があった ことがわかりました。4年前に、アフリカハゲコウを「丸3日の逃走劇」に追いやっているのです( 朝日新聞2009年4月5日記事 )。
 ※朝日の記事の引用が多いですが、たまたまその記事が詳しいからで、購読をすすめる意図は皆無です。念のため)。
 ここで、鳥の「逃走」について、一般に誤解されやすいので、付言しておきます。「逃走」と聞くと、あたかも、鳥が自らの意思で人間から逃げ回っているような印象を受けると思いますが、そのように認識すると、事実に反することになります。人間という二足歩行動物が大勢で追い掛け回すので、訳も分からず恐怖心で「逃走」しているに過ぎず、そもそもその「逃走」の原因は、迷子にしてしまった人間側にあることを、しっかり前提として認識しなければいけません。例えば、幼い子供が迷子になった場合、それを「逃走した」と表現する人はいないはずです。それは、親の注意不足で、子供を迷子にしてしまったという大前提を認識しているからだと思いますが、同様に、飼育下の生物が、 人間の用意した飼育環境から離脱するのも、人間側の不注意で迷子にしてしまっただけ で、生き物側に原因を求めることは出来ないのです。
 今回の件も、犯罪者が自らの意思で脱獄したのと同じように勘違いし、『逃げたから捕まえようとして、反抗したから撃った』、などと見なさないで頂きたいです。あくまでも、 「動物収容時の扉の確認が不十分であり、扉が完全に閉まっていない状態で作業をした 『不注意で迷子にしてしまった罪のない生き物を、散々追い掛け回して怯えさせ、挙げ句の果てに撃ち殺した』、のが今回の事件 なのです。
 さて、4年前、生後3ヶ月のベニコンゴウインコよりも、巨大で飛翔力に富み、そして知能的には劣ると思われるアフリカハゲコウは、市街地まで飛んで行ってしまい、マンションの屋上などを転々と移動、捕獲しようとする動物園職員などを翻弄し 、「鎮静剤入りの小アジでおびき出すも興味を示さず、麻酔入りの吹き矢も羽で跳ね返された。投網も一歩届かず、苦戦続き」 といった状態となり、都市の住民たちに良い見世物を提供することになっています。
 この時と今回の件は比べた時、捕獲作業に相違点があることに、報道記事だけからでもお気づきになるのではないでしょうか。今回は始めから麻酔銃を使用しているのですが、前回は麻酔銃は一切用いられていないように思われるのです。そいいった物騒なものは用いず、鎮静剤入りのエサや吹き矢での麻酔が試みられ、最終的には 「高所作業車で近づいた職員が竹ざおでとらえようとし」 、鎮静剤の効果か空腹で体力がなかったかわかりませんが、落下したところを手取りにしているのです。
 なぜ、違うのでしょうか?そして、なぜ、今回も前回と同様の対処、エサで釣り、吹き矢で狙い、体力が落ちれば竹竿の先端の鳥もちで絡め取る、をしなかったのでしょうか?私は、この相違を、この動物園が、前回のハゲコウの一件で、間違った教訓を得た結果のように思えてならないのです。つまり 、《市街地に飛んで行ってしまうと騒動になり、近隣住民が多いので麻酔銃が使えず、捕獲に手間取ることになるので、園内で麻酔銃を用いて速やかに対処すべし》 といった教訓を持ってしまったため、今回の対処に至ったと、勘繰らざるを得ないわけです。
 しかし、 「集まった近隣住民からは、「よかったー」「安心した」など、安堵(あんど)の声とため息が漏れ」「捕獲後には公開時期の問い合わせもあ」 った点にこそ、教訓を見出すべきだったのではないでしょうか。現在の日本人は、とても優しく、時には優しすぎて、人間を襲った凶悪なサルの殺処分さえ許さないほどですから(殺処分するのが行政の義務だと私は思う)、「よかったー」「安心した」は、ハゲコウが逃げ回って衰弱死したり交通事故に合わずに良かった、の意味で、その助かった姿を確認して喜びたいので、公開が望まれたに相違ないのです。つまり、動物の生命を大切にする気持ちが、一般市民に強固に存在し、(その生き物が人間に危害を加える類でない限り)命長らえて捕獲されることを何よりも望んでいることこそ、教訓にしなければならなかったと思います。つまり、この動物園が前回の事件から得なければならなかった教訓は、 《出来うる限り、生命の危険が生じない方法で捕獲する》 であり、その点で、前回の捕獲を失敗ではなく成功と認識していれば、今回の悲劇は防ぐことが出来たのではないでしょうか。
 動物愛護の啓蒙をする立場のはずですので、動物園には、今一度、しっかりと、何を優先させねばならなかったのか、お考え頂きたいと願っています。

 世間的に、今回の捕獲行動を、どのように見られてしまうか、参考のため、鳥マニアではなく文鳥マニアながら、他の鳥類も他の生物同様に、たいていは好きなので、腹を立てている私の邪推を示しておきます。
 本格的な捜索を始めたのは、27日の朝6時で、7時に西口ゲート付近の樹木に止まっているのを発見し、 「竹竿で追い落としをかけ」 ていますが、追い落と去ねばならない理由がわからないので、9時半の開園前に、とりあえずそこから移動させることのみを意図したものではないかと、邪推します。
 開園中、園内を点々と移動するのを目撃しながら放置していたのに、閉園の近づく16時になって(入場は16時まで) 「来園者の安全に配慮しながら、麻酔銃を使用した」 のは、なぜなのか、まったく見当がつきません。せっかく園内をうろついていたのですから、一時封鎖するなり休園にして、様子を見る選択をしないのが不思議です。それをせず、 他に何らの工夫もなく、いきなり麻酔銃の使用 に踏み切るのは、明らかに、捕獲手段として麻酔銃を使用することが決められていたものと、邪推します。
 28日、6時40分 「北口駐車場脇水路付近で鳴き声を確認親鳥を連れ(鳴き交わしを期待して)捜索」 とありますが、大勢の捕獲要員と一緒に連れ回していたのでしょうか?置いて見守ることをしなかったのは、駐車場を一時的に閉鎖することさえ避けた結果ではないのかと、邪推します。
 同12時15分 駐車場脇水路付近の斜面林で確認」 「麻酔銃を使用したが、飛び立ってしまった」 とありますが、開園したまま実施しているのでしょうか?行楽客の行き交う中を、鉄砲を担いだ職員がウロウロする姿は、面白そうではありますが、少々常識的感覚が欠落しているのではないかと、邪推します。
 さらに、同17時30分 「園内に追い込むため、花火を使用し、追い出しをかけた」 とありますが、まったく不可解としか言い様がありません。生き物は捕獲する際は、脅かさないのが基本なのは、蝉取りの幼児でもわきまえているはずですし、バンバン打って追い掛け回したら、どこに飛んで行ってしまうのかわかりません。 園内に追い込むつもりでも、園外に追いやる可能性が十分あり ますが、その危険性を考慮していたのでしょうか?
 29日5時26分 「駐車場の園内側斜面林へ追い出し作業開始」 、42分 「麻酔銃用意し待機」 し、6時24分 「西口の北斜面林に」 インコを追い立てることに成功し、52分に 「高所作業車で捕獲を試みるが取り逃が」 して、 「北口西側斜面林に」 インコを追いやる結果となり、7時10分に射殺しています。一体何がしたかったのでしょう?これを客観的に見て、衰弱している鳥を追い立てて殺しているだけです。

 29日付けの園長日記で 「園内で外敵等から守りながら給餌している生活から、外界へ出た場合、自立した生活が困難であるため、職員一丸となり懸命に捕獲に向け活動して参りましたが、このような結果となりましたこと、心よりお詫び申し上げます」 としているのですが、 「外界へ出た場合、自立した生活が困難」なインコを、「職員一丸となり懸命に」追い掛け回すなど愚の骨頂ではないでしょうか?
 このインコの来歴を知りませんが、おそらくは人間の給餌も受けたはずの幼い個体なので、困れば人間を頼った可能性が強く、実際、外界に出てしまってからの行動を見れば、動物園の敷地周辺を離れようとはしていないのです。早朝から、ガッチャガチャと大勢でで追いかけ回す バカ騒ぎ をしなければ、27日の日中のように 「インコ舎周辺の樹木へ移動」「その後、園内の各所を移動」 するのを繰り返し、禽舎におびき寄せるのも容易だったように思います。むしろ、一日休園にし、そのようにしなかった理由をお尋ねしたいものです。
 朝から晩まで追い掛け回し、来園者が行き交うままにし、その インコが考える暇も与えない とは、いかなる考えに基づく行動なのでしょうか?大型インコは、脳化指数からも、その動物行動学に基づく科学的知見からも、犬以上に「賢い」判断をしている生き物なのです。従って、私の見るところ、 来園者がおらず静かな早朝に、追い掛け回すことに終始したのは、 致命的失敗 です 。その時間帯こそ、ベニコンゴウインコの飼育員以外は退去し、禽舎からの鳴き声を遠くに聞こえるようにし、そちらに誘き寄せるべきだったのではないでしょうか?そういった考え方をしないのは、その生物種に対するどのような知見に基づいての判断なのか、ご説明いただきたいものです。






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Last updated  2013年09月05日 18時21分02秒
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