5月21日(火)
昭和萬葉集(巻十三)(149)(昭和三十五年~三十八年の作品)
講談社発20行(昭和 55年
Ⅱ(45)
生活の周辺(4)
街(4)
清原令子
曇り低く昼も燈ともす窓ありて見えざる鞭の下ゆくごとし
田谷 鋭
ウインドウの中ゆく我は現実よりやや暗く風に服皺みたり
阿久津善治
なにゆえのこの飢餓感か音なくて遠き屋上に観覧車めぐる
半沢 裕
店頭に積める 亜炭 の塊が土に 馴れゆくかたちに乾く
國枝龍一
桶の水透きとほりつつ涼しげなり 蜆 あぎとふ昼下りの店
(つづく)
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