5月26日(日)
昭和萬葉集(巻十三)(154)(昭和三十五年~三十八年の作品)
講談社発20行(昭和 55年 )
Ⅱ(50)
生活の周辺(9)
乗りものの歌(1)
浅尾充子
釣革に身を委せつつガラス戸の白きくもりを今日も見つむる
赤間 昇
小さき画布抱きし少女は電車よりはき出されまた群に揉まるる
福田柳太郎
東京にこもる煙霧の 範疇 を出でて明らかに床照る電車
村崎凡人
今日もまた銀座に人の群れてゐてわが乗る列車高架渡りゆく
ただつとめ務めたりにし父が 生 を心たのみて生くべくぞ 念 ふ
(以上『島山』より)
(つづく)
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