5月26日(日)
近藤芳美『短歌と人生」語録』
作歌机辺私記 (85年2月)
今日の「個」(1)
例年のように、新聞の、新年詠などを作らなければならない日が来る。その新年詠を考えているうちに、四十年、ということばがふと心を占めた。戦後とよばれた日から四十年が過ぎたという思いである。あるいは、日本が、「大日本帝国」の滅亡ののち「日本国」と生まれ替ってからといえるのか。その間、わたしたちはこの国に生き、その時代を生きる時代とし、さらに、短歌作者であるために、その生きる時代の上に短歌を作って来た。歴史ともいえるし、短歌史ともいい得よう。
(つづく)
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