6月11日(火)
山桝忠恕 先生のイギリス滞在記
「東も東西も西」師弟友情通信 ―― (下)(9)
同文舘発行(昭和 41 年)山桝忠恕著「東も東西も西」より
(注)わたしは、39年40年に山桝ゼミに在籍しました。
「なんとなく 申し聞かせて おきたくて」(9)
ただ、それら既成の学問が徒らに実用知識の城に低迷することなく、科学としてのこんにちの体系を整えあげることのできたのは、それにかかわりをもつすべてのひとびとが、そのときどきの当面の問題点の解決策の案出にあまんじることなく、志操を高くもち、幾代にも亘って終始地道な沈潜をつづけたればこそであります。
やがては、まぎれもなく二十一世紀の科学としての光栄を荷うことであろう会計学の座に連なる君たちが、自己の専攻する学問に誇りと愛情とをもって、日々たくましくその究明に献身して下さるよう、ここロンドンの空の下から切にお願いをしてやみません。
それでは、けさは、とりあえず、これまで。 不一
九月五日 あさ
(つづく)
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