6月17日(月)
「幸福論」(ヒルティ)(第二部)(354)
ヒルティ著草間平作訳
発行所 岩波書店(1935年5月15日)
(注) あくまでも、訳に忠実にしていますが、簡略化や意訳や
表現の変更(例えば、「…である」を「…です」に変えたり)し
ています。それもすべて自分自身のためです(後藤瑞義)。
人生の階段(6)
(前日)伝記作者がその体験の意味すら十分に理解しえない場合があるからです。一方そうした体験を物語うるはずの自叙伝も、たいてい、著者の虚栄心によって汚されていて、時には、逆に伝記のなかで最も真実の少ないものとなっています。(よりつづく)
ですから、このような著作では個人的性格が強く出ており、人生の正しい道を行く「方法」といったものはおよそ存在しないのだ、と考えて大体さしつかえないでしょう。なおこの場合でも、最も役立つものは、おそらく、すぐれた人たちがたまたま残したごく実際的な言葉でしょう。それは、これまでたくさんの人が歩いた道でありながら、しかし誰にもよくわからないこの人生の道の途中で、旅人が疲れかかると元気をつけてやり、また、今の道を歩き続けるのが不安になり、予想した方向から 逸 れたような気がする時その迷いを解いてやるのに、役に立つでしょう。
(つづく)
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