9 月13日(金)
短歌集(378)
中公文庫:日本の詩歌29より
昭和五十一年十一月十日初版
柴生田 稔(19)
戦争の日の堪へがたかりし寂しさの何にうつつに今よみがへる
牙 落ちて老ゆれば 餓 ゑて死ぬといふ 獅子 の境界は 簡明 にして
庭の上に雪のはだれは氷れるを夜半に思へど心ゆらがず
しらじらと空になびきし薄雲の動きそめたり春の日のごと
この夕べ雲に入りゆく入りつ日のやうやく赤し春は近しと
(以上「入野」より)
(つづく)
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