9月20日(金)
「作歌のヒント」(抜粋:後藤)(36)
著者:永田和宏(日本放送出版協会)
発行:平成十九年十二月二十日
第一章作歌の基本――ものの見方(34)
単純化の大切さ ―― 念を入れない、駄目を押さない(5)
単純化の名歌:
ゆふされば 大根 の 葉 にふる 時雨 いたく 寂 しく 降 りにけるかも
斎藤茂吉『あらたま』
一首の言っていることは、有方になって大根の葉に時雨が降っている、そのことだけです。どこで、だれが、いつ、どうしてと言った情報はすべて省略していることが、「いたく寂しく」という感情を、そんな澄み透った感情だけを一挙に浮かび上がらせていると言えるでしょう(永田和宏氏)。
(つづく)
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