じゃくの音楽日記帳

じゃくの音楽日記帳

2020.08.01
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カテゴリ: かけクラ
7月のかけクラはテーマが「映画かけるクラシック」、それで突然の新企画、日本かけデミー賞選考会が3回にわたって放送されました。第1回SF部門、第2回犯罪映画部門に続き、7月26日には第3回(最終回)として青春映画部門が放送されました。今回は高校陸上部のマラソンランナー耕平と、陸上部マネージャー紗椰、陸上部の奥田瑛二監督(ゲスト出演)による、マラソン大会を舞台に綴られるストーリーでした。恋の行方はいかに?

ノミネート1枠目は、くらりさんによる、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番ハ長調、前半部分が第一楽章の途中、後半部分が第2楽章の途中でした。思いがけない状況に直面して、いろいろな想いで混乱している耕平の頭の中を表すような、錯綜して意味深な作品でした。恋の行方は赤信号?

2枠目は、BWV1000さんによる、グリーグのノルウェー舞曲第2番。1曲まるごと流した作品でした。ユーモアある雰囲気がほほえましく、最後の和音になんとも温かくにじむ幸せ感があり、ほんわかと癒されました。しかも、耕平が転ぶ場面でのアップテンポへの変化、再び耕平が走り出すところでのんびりした音楽に戻る変化、最後の監督のセリフの終わりと音楽の終わり、この3箇所のタイミングが完璧にあっていて、セリフと音楽の奇跡的なシンクロでした!

そしてBWV1000番さんが、栄えある日本かけデミー賞青春映画部門最優秀音楽賞に選ばれました。BWV1000番さんおめでとうございます!潔い1曲主義の貫徹で、早くも栄冠をつかまれましたね、お見事です!

なお3枠目は、赤ワインずきんちゃんさんによる、ウォルトンの2作品、前半部分が交響曲第1番第1楽章の冒頭部分、後半が戴冠式行進曲「宝珠と王の杖」の中間部でした。この赤ワインずきんちゃんは、実は私です。これを聴いた紗椰さんが「怪我を押し切ってまで頑張った、そうやって稀勢の里は壊れたんですよ。照ノ富士も。それを忘れないで」と、突然のマニアックなコメントが! 市川さんが相撲マニアであることを知りませんでした。いずれは「相撲かけるクラシック」月間が訪れるのでしょうか(^^)。

ところで今回の投稿にあたって、いくつかの音盤を聴き比べたところ、2曲ともウォルトンの自作自演盤がすごく良いことを再認識しました。どちらも1950年代のモノラル録音ですが、交響曲第1番はリズムの切れが鋭く気迫がこもっていて立体的な音楽が聴こえてくるし、「宝珠と王の杖」の方は途中からテンポを大胆に落としてじっくりと歌い上げ、もはや行進曲ではない、スケールの大きな演奏です。そこで投稿では、もしも可能なら2曲ともウォルトン自身が指揮をしてフィルハーモニア管が演奏した音源で、とお願いしました。(番組でかかったのはプレヴィン盤でした。)

――――――――――――――――――――――――――――――――――
○おまけ:これまでブログに書いたウォルトン関係の記事をまとめておきます。

☆交響曲第1番
1)自分の保有するCDについて書いた記事3本: 
「ウォルトンの交響曲第1番:その1」 (ウォルトンの自演盤3種類)
「ウォルトンの交響曲第1番:その2」 (プレヴィン盤、マッケラス盤、トムソン盤、ラトル盤)
「ウォルトンの交響曲第1番:その3」 (ホーレンシュタインのライブ盤、ボールトのライブ盤)

2)2013年、尾高&N響によるこの曲の演奏会を聴いた感想:
「尾高&N響によるウォルトンの交響曲第1番」

3)ウォルトンの交響曲第1番のエンディングとシベリウスの交響曲第5番のエンディングが似ていることについて:
「きらクラボツ投稿!:ウォルトンとシベリウス」

☆戴冠式行進曲「宝珠と王の杖」:以前きらクラ!で戴冠式行進曲「王冠」がかかった回のブログ記事に書きました。後輩から結婚式のBGM選曲を相談され、いくつか候補曲を出したところ、この曲を気に入って入場に使ってくれました。
「きらクラ!背中を押してくれる真理さん(2016/3/20放送分)」

☆ファサード組曲:BGM選手権に2回投稿してどちらもボツになりました。
「きらクラ!BGM選手権:田辺聖子とウォルトン」 (1回目)
「きらクラ!BGM選手権:太宰治とウォルトン」 (2回目)

2回目のときは、僕がBGM選手権に投稿した曲が、違うリスナーさんからのお便りによるリクエストでかかり、そしてウォルトン強化月間がいきなり始まってしまいました。。。心優しきブロ友の皆さまから、いたわりのコメントを寄せていただきました。

そしてこのウォルトンの強化月間の最終回に、大好きなヴィオラ協奏曲を投稿したのですが、番組でかかったのはヴァイオリン協奏曲でした。あぁぁ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
以上のように、結局きらクラでは、計4回のウォルトン関連投稿をして、全てボツでした。
きらクラでは実らなかった僕のウォルトンへの思い入れが、かけクラでようやくかなって、うれしいです。



ウォルトンの自作自演集、CD4枚組の「Walton Edition」です。1枚目に交響曲第1番、3枚目に「宝珠と王の杖」が収録されています。





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Last updated  2020.08.01 01:38:37
コメント(14) | コメントを書く


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Re:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
嫌好法師 さん
この回の放送は再放送も聴き逃しました。BWV1000番さんもじゃくさんも採用されていたのに惜しいことをしました。お二方、おめでとうございます!

>いずれは「相撲かけるクラシック」月間が訪れるのでしょうか

市川さんは大相撲中継のゲストで時々出演されているような気がします。私はつまみ食いでしか観ませんが。
それより、例のハイドンマラソンを「楽しむための音楽講座」で、「ハイドンの交響曲を相撲を通して分析する」というユニークな講座が去年開かれました。大相撲ファンの野村誠氏と作曲家の鶴見幸代さんによる強引な分析がなかなか面白かったです。
(講座のあと鶴見さんと個人的にお話しできて嬉しかったです)

だから相撲とのかけクラ、実現性高いですよ。 (2020.08.01 08:10:24)

Re:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
BWV1000番 さん
「日本かけデミー賞」2部門ノミネートおめでとうございます。
9枠のうち2枠だなんて、なかなか出来るものではありません。
じゃくさんは、曲をよく聴いて、明らかな意図があって組み合わせているのだなぁと、いつも思います。
私は、たまたま「あっ、この曲ぴったり」と単純なのです。
それが「男気あふれる」と言われる所以なのでしょうか。 (2020.08.01 09:48:03)

Re[1]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
嫌好法師さんいつもありがとうございます。法師さんには是非聴いていただきたかったです、いつかチャンスがあれば押し付けでお聴かせしたいと思います(^^)。

市川さんが大相撲生中継のゲスト出演って、NHKテレビの中継ですか、有名なマニアなんですね。

ハイドンマラソンの音楽講座で相撲音楽分析、そんな面白いものがあったとは!野村さんも鶴見さんも全然知りませんでしたが、ネットで調べたら、相撲好きのえらく面白そうな作曲家の方々ですね。直接お話したというのも素晴らしい。

いやこれはありますね「相撲かけるクラシック」。歴史上の名力士の架空対決実況中継のお題にBGMをつけるとか? (2020.08.01 18:23:43)

Re[1]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
BWV1000番さんいつもありがとうございます。ご一緒の採用は初めてですね、うれしいです!

>明らかな意図があって組み合わせている

そういう風な時もありますけど、なんとなく思いついた曲を、合わせてみて合えば良し、合わねばまた次を、という感じで、思いがけず合ったら結果オーライ、理由を後からこじつけるみたいな時もあります(^^)。

BWV1000番さんは、1曲主義などの、ある種の信念を徹底して貫き続けているのが、すごいです。そういった潔さが「男気がある」という所以だと思います。 (2020.08.01 18:51:40)

Re:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
いーとも さん
凄いですね、また採用されたんですね。おめでとうございます。

>ウォルトンへの思い入れが、かけクラでようやくかなって
良かったですねぇ。

赤ワインずきんちゃん、赤ワイン飲み過ぎて頭、ズキンズキンとならぬように~
(2020.08.02 12:59:20)

Re[1]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
いーともさんこちらにもありがとうございます!

以前の、突然のウォルトン強化月間の時、驚きと無念さで
「ウォルトンが好きなリスナーが、ここにもウォルトン!」と吠えたことが懐かしいです。


>赤ワインずきんちゃん、赤ワイン飲み過ぎて頭、ズキンズキンとならぬように~

スルドすぎるご助言、痛み入ります(^^;)。前は良くそういうことがあったのが、このラジネを思い付いた最大の理由です。この頃は飲み過ぎに気を付けて、飲んだ後に水分をたっぷりとるように心がけて、赤ワイン好き、くらいで踏みとどまっております!

いーともさんがかけクラを聴いていないというお気持ち、わかるつもりです。自分もそういう気持ちがあります。

別な番組、と割り切って聴けば良いのでしょうけれど、実は今日もそういうつもりで聴いてみましたが、なかなか気持ちは割り切れません。舘野泉さんのセブラックや、フィンジのエクローグが、普通に軽くポンと出てくると、、、。

頭ではわかるんです、別にきらクラの専売特許の音楽じゃないんだし、普通に聴けばいいんだと、でもいろいろな記憶がよみがえり、なんかちょっと感傷的になってしまったりして。まだきらクラロスから十分には癒えてないようです。   ましてや、誰よりもキラクラを愛するいーともさんです。

勝手な憶測です、違っていたらすみません。 (2020.08.03 00:11:48)

Re[2]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
いーとも さん
じゃく3さんへ

先のコメントに中途半端な表現「自由」と書いて申し訳ありません。

きらクラ!は確かに本当に自由な番組でした。ですがその底流にあるのはあらゆる者、物へのリスペクト感だったと思うのです。
(そういうことを感じたリスナーが多数いて人気番組になっていったのではないかと。あ、いや番組当初からそういうのを感じさせてくれたんだと。)
一方でかけクラは、まぁ若者向きなのかも知れませんが、バラエティー感を前面に押し出したような、ただ楽しければいいじゃん、みたいなところを強く感じ聴く気が萎えてしまいました。

それと、一番聴かない理由は、女性MCのしゃべり方がワタシの性に合わない、ということです。何に対してもリスペクト感がまったくないように聞こえたのです。同じMCだったふかわさんが言葉を選んで電波に乗せていた語り方とは大違いだと感じたのです。その後変化したのか知りませんが一度イヤになっちゃんともう聴きたくない、となっちゃいました。そういう意味では、
>舘野泉さんのセブラックや、フィンジのエクローグが、普通に軽くポンと出てくる
というのも、ひょっとすると番組自体にリスペクト感が薄い、ということなのかも知れませんね。自由というよりバラエティーに徹してる?、と書くべきでしたね。(リスペクト感がない、とはさすがにそこまで強くは書けないのでぇ)

>きらクラロスから十分には癒えてない
お察しいたします。ワタシは「きらクラ!」初回から聴き直すつもりなので、ロスも後8年はなんとかなりそうです。(^^;)

長々とすみませんでした。 (2020.08.09 09:15:55)

Re[3]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
いーともさんおはようございます!

>きらクラ!は確かに本当に自由な番組でした。ですがその底流にあるのはあらゆる者、物へのリスペクト感だったと思うのです。

本当に、本当に、おっしゃる通りだと思います!お二人のMCのお人柄ですね。お二方とも、そういうリスペクト感にあふれる方でした。

きらクラが始まって比較的最初の方には、ふかわさんが、やんちゃすぎの発言をしたときに、真理さんが柔らかくいさめたりすることが、たまーにあったりして、そんなふうにして母なる真理さんのもと、ふかわさんがのびのびとまっすぐにご成長(ふかわさんごめんなさい!)されたのだなぁと思います。

かけクラに関するいーともさんのお気持ちも、わかります、わかります。同じような気持ちを持つ方も他に見聞きします。でも彼女なりのいいところもありますし、番組が進むにつれ、少しずつ変わっていくかもしれないですし。今度は前と逆に、男性MCの父性に期待?

>「きらクラ!」初回から聴き直すつもりなので、ロスも後8年はなんとかなりそうです。

(^^)/ ワタクシも、そうさせていただきます。ありがたや~!!
(2020.08.10 06:28:33)

Re:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
高速タンギング さん
じゃくさんお久しぶりです。
高速タンギングです。
今日かけクラのかけ田川賞でベストをゲットしてましたね。
おめでとうございます。
僕は2枠目のバルトークが採用されましたよ。
今思えば僕のBGM選手権「草枕」編でもじゃくさんと一緒の採用でしたね。
懐かしいですね。 (2020.10.11 21:07:14)

Re[1]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
高速タンギングさん、とてもお久しぶりです!コメントありがとうございます。

今回の二枠目、高速タンギングさんだったんですね、バルトークの御採用おめでとうございます!以前にも確かバルトークが採用されてましたね。

本朝の再放送を聴いてからお返事しようと思っていたら、今日の再放送はなくて力が抜けました(^^;)。

草枕、懐かしいです。もう5年前になること、ちょっとびっくりです。
お元気そうで何よりです。引き続きご活躍を楽しみにしています。 (2020.10.12 13:15:48)

Re[2]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
高速タンギング さん
じゃく3さんへ
以前採用されたのは第4楽章「中断された間奏曲」
「柿の種」犬のアクビ編です。
いわくつきの回でしたね。 (2020.10.13 15:55:01)

Re[3]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
高速タンギングさん、そうですか「柿の種」、覚えています。調べたら6年前ですね。私は丁度この頃から投稿しはじめました。 (2020.10.13 23:25:06)

Re[4]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
高速タンギング さん
じゃく3さんへ
お久しぶりです。
実は今回の放送でベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番
「スプリングソナタ」の第4楽章をリクエストしたら採用されました。
市川さんが好きな24系の車両にちなんだクラシックでした。 (2020.11.30 16:28:32)

Re[5]:日本かけデミー賞青春映画部門とウォルトン(08/01)  
じゃく3  さん
高速タンギングさん、またまた採用おめでとうございます!

この頃私は何かと忙しく、放送をほとんど聴いていないのですが、車両にちなんだクラシックというコーナーがあるのですね。

引き続きご活躍ください! (2020.12.01 20:26:24)

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