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2023.03.01
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カテゴリ: 識別について
スズメの嘴基部の色が季節によって変化すると研究報告を目にしました。
身近な存在であるスズメですが、その嘴基部の色を丁寧に確認してこなかったので反省することしきりです。
玉田・池田(2019)は、北海道の札幌市と江別市のスズメ個体群を対象に嘴基部の色に着目して鳥類標識調査と野外観察を実施し、嘴基部の色の変化につい調査した結果を報告しています。
野外観察の結果から、6月から7月までの間、幼鳥の嘴基部の色は黄色であったが成鳥は黒色であった.9月から 12月は,ほとんどすべて個体が黄色になり、1-2月には黒色の個体の割合が増加し、3–5月にはすべて黒色との結果であり、嘴基部の色は,季節変化することが考えられたと述べています。
1月から 2月は黄色から黒色に変化する時期で,8月は黒色であった成鳥が黄色に変化する時期であると思われる。このことから、嘴基部が黄色のスズメをすべて幼鳥と判定することは誤りと指摘しています。
また、 1歳以上の成鳥で嘴基部が黄色の個体も確認されており、文献や図鑑で説明されている成鳥の嘴基部は黒色であるとする記述は、すべての個体で当てはまることではないことを指摘しています。
最後に調査結果からは、北海道に生息するスズメの成鳥には嘴基部の色が黄色と黒色の個体が存在することが明らかになり,色は季節によって変化することが考えらると結んでいます。
永井(2014)は、スズメ成鳥の嘴は黒色、嘴が淡色、黄色なのは若鳥、成鳥冬羽の嘴基部は黄色くなるといった解説があります。
また、石田(2015)や叶内(2020)では嘴は黒く、幼鳥は嘴基部がわずかに黄色味を帯びることを記しています。
(写真)
一枚目:2023年2月16日柏市増尾、二枚目2008年12月14日柏市内で撮影
したもの。嘴は黒色。
三枚目:2021年10月12日柏市増尾、四枚目:2020年8月15日野田市江川
で撮影したもの。嘴基部が黄色。
(引用)
永井真人.2014.野鳥図鑑670.p161.文一総合出版.
玉田克巳・池田徹也.北海道のスズメにおける嘴基部の色の季節変化と外部計測値による性判定の可能性.日本鳥学会誌第68巻.第2号.p349-355.
68(2): 349–355 (2019)













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最終更新日  2023.03.01 20:56:11
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