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2023.10.15
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カテゴリ: 識別について
毎年、10月中旬から下旬にかけての夜に柏市のオフィスの上空をホオジロ属の鳥類たちが
鳴きながら通過していきます。ホームグランド手賀沼や近郊の印旛沼の葦原周辺でオオジュリン、カシラダカの姿を見かけるのもそろそろです。
ホオジロ属に関して越冬地での分布や行動に関する報告は少ないのが現況が、
山岸ほか(1969)が印旛沼で行ったホオジロ属の越冬時期の分布ほかを調査した結果を
報告しています。これからの時期、沼の葦原周辺で姿を見かける際の参考までにその概要を整理したものを提供します。
(1)どんな環境を選択しているか
オオジュリンは沼沢地帯と水田地帯の中にモザイク状に残されている沼沢部に限って出現し、きわめて環境選択の巾が狭い種、カシラダカは沼沢、水田、山麓の巾広くで出現したが量的には沼沢地にかたよる傾向があったと述べています。
ホオジロはカシラダカと同様の環境に出現したが荒地、路傍、林縁等が選択される傾向がある、ホオアカは、沼沢地帯の水田の畦で出現し、アオジは主として山麓地帯で記録され水田地帯で記録されたとしています。
(2)オオジュリンとカシラダカの行動の違い
オオジュリンは垂直に立った草本の桿に横どまりすることができ、その状態から上下方向にも移動ができ、足を開いて桿から桿へと渡り歩くこともできると報告しています。
一方、カシラダカはほとんど地上採食し、垂直な桿に横止まりして採食することはないと述べています。カシラダカは水のないヨシやガマの倒れたオープンな場所で採食するという事実も
カシラダカの採食姿勢とよく一致していると指摘しています。
(3)オオジュリンとカシラダカの群れの大きさ
カシラダカは100羽以上の集合を成し得るのに対して、オオジュリンは大きくても15羽以下だったと記しています。カシラダカの群れに対して、オオジュリンが小さな単位で分散しているのは、
種子食のカシラダカと昆虫食もまざるオオジュリンの食性の違いから来ていると報告しています。
(引用)
山岸哲・中村登流・須山才二・飯島一良・牛山英彦・香川敏明.1969.
ホオジロ属5種の越冬生態の比較研究.山階鳥研報.第5巻.第6号.p1-16.
(写真)
オオジュリン:2018年3月12日手賀沼、
カシラダカ:2016年1月17日野田市、2018年2月10日流山市で撮影













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最終更新日  2023.10.15 11:22:31
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