歩人のたわごと

歩人のたわごと

2006/08/01
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カテゴリ: 読書


◇武士道は現に今も生きているのでしょうか。怒濤のように押し寄せてきた西洋文明の洗礼を受けた日本は、古来から継承してきた訓育の一切を根こそぎはぎ取られてしまったのでしょうか。一国民の魂がそれほど早く死滅してしまうのであれば、なんと悲しいことでありましょう。外からの影響にさらされて、いとも容易に負けてしまうものならば、それはまことに貧弱な魂です。

著者はすでに武士道(というよりその精神)が廃れつつあることを心配していた。そしてこの本の最後の部分で、次のように言っています。

◇幾歳月流れに流れてのち、やがて武士道の習慣などは葬り去られ、その名すらも忘れ去られてしまう日が来るとしても、武士道の香気は「路辺に立ちて、はるか彼方を眺めやれば」、目には見えない遠い丘の彼方から、渡り来る緑風に乗って漂ってくるでありましょう。

時は流れて100年あとの今
“怒濤のように押し寄せてきた西洋文明の洗礼を受けた”明治の文明開化の次に、終戦を経てアメリカの民主主義の洗礼を受けた日本、武士道はさらにさらに遠くなってしまいました。

武士道そのものは封建時代の遺物、それは当然の成り行きでしょう。
しかしその背景にあるもの、すなわち本書から拾ったキーワード
潔さ・奥ゆかしさ・礼儀・名誉・徳・美学・義・忍耐(我慢と勇気)
などの精神的土壌は、著者の言ったように、 目には見えない遠い丘の彼方から、渡り来る緑風に乗って漂ってきている のでしょうか



この本は正直、あまり読みやすくはありませんでした。
英文で外国人向けに書いているため、比喩も外国の例が多く、さらに聖書からの引用を多用しているせいでしょうか。

それでも、時代の変遷・外国文化の影響・科学文明の発達などどんな事情があろうとも、崇高なる精神は生き残るであろう、ということは理解できたかな、と思うのです。





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Last updated  2006/08/01 12:47:49 PM
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ひろみちゃん8021 @ Re:山科・毘沙門堂の紅葉(12/01) New! こんばんは(^^) 早速 行かれたのですね…
かめさんランナー@ Re:山科・毘沙門堂の紅葉(12/01) New! 毘沙門堂の紅葉がきれいですね。 ボクは1…
ビッグジョン7777 @ Re[1]:ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)(11/30) New! 漫歩マンさんへ 気をつけているといくら…
ビッグジョン7777 @ Re[1]:ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)(11/30) New! ひろみちゃん8021さんへ 名前は人間が勝…

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