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2012年01月04日
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カテゴリ: 読書感想文
昨年、借りたままにしていた本です。
読んでから時間が経ってしまいましたが、せっかくなので感想文など。

最初に借りた時は、活字の本だと思っていたのですが、
カバーを開くと漫画だったので、すいすい読めました♪



どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心




結婚しなくていいですか。 すーちゃんの明日




カフェで店長をしているすーちゃんは、しっかりしていて面倒見の良い性格。
お金もなく、彼氏がおらず、周りが結婚をして仕事を辞め、
自分とは違う道を歩いている事に対して
コンプレックスと不安を抱えながら日々を送っている。

毎日の仕事先での人間関係に疲れ果て、
自分の将来への不安ばかりが募る日々を感じ、
それでも進もうとしています。

すーちゃんの仕事先でかつて働いていたさわ子さんは、
介護が必要な祖母と、母親と暮らしています。

周りの女性は皆結婚退職しており、焦っています。
祖母の面倒を見ている母親は、介護疲れもあり
だんだん祖母を重荷に感じている事も知りながら、
自分もそうであったと気付いていきます。

ある日、職場の先輩から男性を紹介され、交際をしてみたけれど、
相手の親から結婚の条件として、赤ちゃんが生めるのかの証明書をもらう為に
体を検査するよう言われてしまいます。
これが原因で、彼への愛情が冷めていきます。

すーちゃんのいとこのあかねちゃんは、付き合っている彼氏と
結婚をしようとしていましたが、ふとしたきっかけで彼への愛情に疑問を感じ、
プロポーズされた後で、延期を申し出ます。


どの女性の話を見ていても、共感したし、何とかならないのかなとか
自分ならどうするかな、という
気持ちになる話ばかりでした。


主人公のすーちゃんには、職場で勝手な行動ばかり取り、
すーちゃんをいやな気持ちにさせる向井さんという同僚がいます。

すーちゃんは、向井さんに対してかなりのストレスを感じており、
どんどん嫌いになっていってしまいます。
向井さんと仲良くしている人の事も、嫌いになりそうな思いがこみあげてきます。
そして、そういう自分も嫌いになっていってしまいます。

この話の最後は、それぞれの女性たちがその後どうしていくのかや
どのように現状を突破していくのか、という具体的な部分は描かれていません。

ただ、すーちゃんのお母さんが、最後に言った言葉や
自分と向き合っているすーちゃんの言動は、
読者に対して、救済の余地が大きくあると思いました。

誰にでも嫌いだと感じる人の、ひとりやふたりはいると思います。
感情によって動く事がほとんどの生き物ですから、
人間らしい、という気がします。

身近に反面教師が多い私には(苦笑)
そう思う段階で心持ちが軽くなっているのかもしれません。
いや、軽くしようと意識をしているのかも。
つまり「私は絶対に、ああはならないぞ」という思いで、より一層頑張るという部分です。


それでも我慢が出来ない時も、当然あります。
そういう時に考えるのは、「どうして嫌いなのか」という事です。

気持ちを抑圧する事がストレスになり、それが蓄積されていくと
誰かに対して攻撃的になったり、自分自身を責めていくのだと思います。

どうして相手の事が嫌いなのか、の理由は、突き詰めていくとある程度答えが出てきます。
多くは、自分が禁止している事を、平気でしてくる人に対して
嫌悪感を抱くのではないかな、と思います。

すーちゃんの場合、向井さんに嫌味を言われたり、
すーちゃんの店長としての立場を無視した数々の言動に対して、疲れています。
向井さんと仲良くしている人達にさえも、嫌悪感を持つようになっていきます。
とても苦しんでいる様子が描かれています。



心理学者のユングが提唱した「シャドウ」という言葉があります。

「意識において、ある自己イメージが選択されると、
それに対立するイメージは無意識に抑圧され、生理的に受け付けない人物として投影されていく。

シャドウを否定する事は、自分自身を否定してしまう事であり、
潜在的な可能性を捨て去る事になる。
自分の中のシャドウを向き合って対決する事が、個性化の第一歩になる」


と、ユングは説いています。


自分がなりたくないと思うものや、苦手なものや生き方として
シャドウ(影)という言葉を定義しているのです。

例えば、私を例に挙げてみます。
昔話ですけど(^_^;)

若くて小柄で可愛くって肌が綺麗で…流行のファッションに身を包み、
世渡り上手で、男性に媚びてモテモテな女の子がいると…
ちょっと前の私だったら「どうせ私はでかいし可愛くないし」と
いう気持ちから、その女の子に対して優しく接する事ができませんでした。

しかし、この愛らしい女の子の存在が「シャドウ」だとしたら、
人に甘えたり、可愛い格好をすることが出来なかったとか、媚び方を知らない、
とかいう自分がいて、こういう部分を封印せざるを得なかった、
という経験があります。

また、隣の芝生は青々としているように見えてしまい、
自分の持っている芝生に、お手入れをせずに枯らしている事に気付かなかった、
という事もありました。

この弱さや痛みを許して、受け入れていく事で、
自己否定をするのはやめて、自分の心を癒してあげるのです。

そうする事でこの女の子と接していても、辛い気持ちはなくなり、
自分は、自分のパーソナリティを大切にしていこう、
と考えをあらためる事が出来るのです。


シャドウ(影)の存在は、強迫的で自律的で、所有欲も強いので、
私たち人間は恐怖や怒りなどの感情を覚えますが、
影自体は悪ではないため、この闇のエネルギーと和解するためには
精神的な努力が必要だと、ユングは示唆しています。

自分自身の中のシャドウと向き合う為には、
受け入れていくという意識が大切なのかも、と思いました。


この本に、すーちゃんのこれからのヒントもあるのかもしれません。
難しい事が苦手な私でも、読みやすい本でした。



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最終更新日  2012年01月04日 22時47分35秒
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