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40代女性、右下7、自発痛++2、3日前、夜も眠れないほど痛くて、うちが休診日だったので救急センターに行ったが、痛み止めと化膿止めをくれただけだったとか。ま、良かった、神経を取られなくて。。レントゲンを撮ってみたが、なんか破折片が見える。咬合性外傷か。。破折片と痛みが関係があるのかないのか分からないのだが、天蓋を開けてみた。あ、麻酔は使っていません!大出血!(大して痛くない)つづく
2024/05/08
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403200000/時系列はこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/いつものあの子、前回から5年後、16歳時2015/11/18ものすごいポリープができている電気メスで除去すると残根が見えるが、通常治療では抜歯となる歯根はバラバラ、、誰が見ても保存は無理だと思うピンレッジドコアにしているので冠を作ったのだが、その後来院なしwそれから6年後完全な残根になっている。保存治療をしようと思ったが、来院なしさらに3年後もうしらねww
2024/03/26
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いつもの20代女性、左上6、隣接面カリエス、自発痛+https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/咬合性外傷による虫歯だと思うが、原型を留めている最後の6番だ。このCR充填は続けて2回している。1回目の数日後に痛くなったとかで1週間後に2回目をした。その後は来ないので痛くは無くなったのだろう。通常診断では痛みが出ている歯の神経は不可逆性の歯髄炎と言って、歯髄を保存することはできないとされているので、ほとんどの歯科医師は何も考えずに麻酔をして神経を取る作業に入る。しかし本当はそうではなく、天蓋を落とすと壊死した歯髄は溶けているので水流で飛ばすだけで壊死していない歯髄が残る。その上に3MIX+α-TCPを直覆すればよい。今回は1回目の治療では露髄は認められなかったのでそのまま3MIX+α-TCPで覆罩(ふくとう)してCR充填したのだが、数日後には痛みが出て眠れないほどだったという。2回目に開けたらバーが歯髄に当たった時に痛みで一瞬のけぞっていたので(歯髄は生きていることを確認した、麻酔は使っていない)、出血を確認し(壊死部分が残っていないこと)止血後再充填した。露髄部分は2箇所ある。1回目の治療から2回目の治療露髄部分は2箇所ある神経を残す治療はできないことはないが誰もやらない最大の理由は診療報酬の問題だろう。小1時間かかって保険診療では3000円程しか支払われない。助手の時給と材料費を除くとボランティアになる。これは50年以上も保険診療報酬が据え置かれているからで、国際標準の1/10以下となっている。これでは誰もしないだろう。では自費でやれば良いだろうと思われるが、それで歯科医院が成り立つ程の多くの患者はいない。やはり神経を取ってセラミックスの冠を勧める方が儲かる。
2024/03/24
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20代女性、左下6の治療経過https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/2010/05に治療しているがこの時の5年後には歯冠崩壊して、今は残根になってしまっている。この子は何も考えていないので、治療しても虚しい。どうにもならなくなってから来院する。この症例は3MIX+α-TCPによるCR充填なので根管充填ではないのではないかと思われる向きもあると思うが、露髄していなくても露髄していてもやることは同じということだ。さらに生活歯髄切断法という歯髄を部分的に取るものでも、歯髄を根尖まで全部取るものでも、その途中まで残すのでもやることは同じだ。3MIX+α-TCPを使えば露髄とか拔髄か何も考えることはない。生きている歯髄があれば残せるからだ。3MIX+α-TCPは歯科医療の概念を根底から変えてしまう。コメント欄でもお答えしたのだが、3MIX+α-TCPを使う方法が普及すると既存の神経を取って被せるというビジネスモデルが崩壊してしまう。90%以上の歯科医師は路頭に迷うだろう。素人さん向けにもう少し解説すると、神経は3MIX+α-TCPによって残せるのだが、歯医者はそれには見向きもせず痛くなったら神経を取るしかない、虫歯は自然治癒しないので残してはダメだという抗生物質とα-TCPのなかった100年以上前の拔髄法にこだわり続け、神経を取った歯は脆くなるので丈夫な冠で被せるしかないと自他共に思い込むしかないのです。一番儲かるのが高価な歯冠修復物を患者に販売するところにあるからだ。2010/05/10〜26この頃は既成のストリップスを使っていたようだ
2024/03/20
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20代女性前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403170000/20年前から見ているので、画像を時系列で集めてみた。いつも痛くなってからか、どうしようもなくなってからの来院だ。しかも1、2回しか来ない。1回で終わるしかない。乳歯を除けばいつも6番が壊れるようだ。まだ詳細な原因の分析はしていないが、咬合性外傷だろうと思う。少しずつアップしてみようと思う。こうして時系列で並べてみると無力さを感じざるを得ない。。2004/07/272006/07/072010/05/012015/11/182021/05/112024/03/24
2024/03/18
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20代女性、右下6、Per、他院で根管治療を受けていて1年以上放置この子は20年前から診ているが、痛くなったてからしかこない。症例はたくさんあるのでご紹介予定。これは最近の症例で、髄床底が抜けている。つまり治療途中で放置しすぎて虫歯で底が抜けていてポリープができているものだ。通常は治療困難もしくは治療不能につき抜歯症例となるが、今回は一回で治してみることにした。軟化象牙質(虫歯)は接着に必要なの縁部分しか除去していない。根管も超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しただけだ。ポリープはそのままα-TCP+3MIXで直覆した。1次充填(α-TCP+精製水)で出血が収まらなかったがそのまま2次充填(α-TCP+50%クエン酸)してCR充填した。1週間後に見てみたが、特に痛みも出なかったそうだ。止血が困難だったがなんとかなる。信じられないだろうが事実だ。
2024/03/17
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202402260001/特に治療痕やクラック、歯周病などの細菌感染の要因が見当たらないケースでは咬合性外傷による歯髄炎が疑われる。この機序に関してはまだ一般化していない。ここで提唱しているだけだ。今回の画像の最後に咬合紙による犬歯誘導路を見ることができるが、かなり当たりが強いことが見て取れる。歯ぎしり食いしばり等の咬合性外傷により歯髄の血流が阻害されて歯髄炎ひいては歯髄壊死を起こすことは考えられる。外傷性の歯髄炎で痛みが出ているケースで歯髄を開けて見てみると大血管から見ると末梢の冠部歯髄は壊死しているにもかかわらず末梢ではないと考えられる根部歯髄はまだ生活していることを経験する。このことは根尖口付近の血管が咬合性外傷力により損傷し血栓などが冠部歯髄の末梢血管に詰まり塞栓症を起こしていることが想起させられる。咬合性外傷による塞栓症による歯髄炎はワーファリン等で改善することができると思われる。今日は根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄後、水平エアブローで水分を取り除き、α-TCPの精製水練り+3MIXを根管内に充填し、余分な水分を綿球で吸い取り、2回目の通常練りのα-TCP+3MIXでその上をカバーする。その上にCRで充填して終わる。儲からないが冠は被せない。お金のことは考えない。漏洩のないCR/ボンディングシステムを使わないと必ず失敗する。根管に水平エアブローで水分を吸い上げる1次根管充填エンドチップで可及的に奥までα-TCP+3MIXを届かせる。緊密な充填は必要ない。隙間は自然に埋まる。この時超音波も水流も使わない、ただ押し込むだけだ綿球で余分な水分を押さえる2次根管充填すぐに固まるのでこの上にCRができるCRでカバーしたところ咬合確認。側方運動時に強い当たりが認められる
2024/02/27
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202402250000/歯髄を裏から開けてみたが、特に細菌感染に特有の腐敗臭はしない。歯髄は完全に溶けてしまって跡形もない。臨床上は多くの歯科医師はこのようなことを経験しているはずなのだが、完全にスルーしている。そんなことよりお高いセラミックやジルコニアの冠を患者に薦めて如何に契約をゲットするかに心を奪われている。なぜこのようなことが起こるのかその話は次回にでもしよう。現在の歯科医学ではまだ解明されていないのだが。一般的な根管治療では根管内壁の有機物質をファイル(ヤスリ)で掻き取って細菌感染しないように有機物を除去し、清掃・乾燥後、根管内を根管充填材で隙間が無いように緊密に充填するということが求められるのだが、実は必ずしも必要ない。というか多くの場合このような理想的な根管治療は望めない。それは歯科医師の頭の中だけにあるイマジナリーな理想主義的なもので、やってみると上手くいく方が稀な術式だ。僕の経験上も50%上手くいくかどうかといった感じだ。しかし、少なくとも3MIX+α-TCPセメントを根管内に入れるだけで(緊密に充填する必要はない)、独りでに根管は閉塞する。根管内の清掃方法は根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで重曹水洗浄するだけだ。根尖に届くとかオーバーするとか感染しているとか、そんなことはどうでも良い。さらに洗浄後は根管内を乾燥させる必要もない。しかも全体の所要時間は15分という歯科医師にとっても夢のような根管治療法なのだ。やらない手はない。今日はここまでとなる。つづく
2024/02/26
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死このところ歯の色が変わって暗い色になったとか、根尖付近に違和感があり押すと痛いとかの症状が出たという。確かに隣の歯より茶色味が強いようだし、根尖相当部に圧痛もある。レントゲン写真を撮ってみると3番の根尖部に陰影がある。Per(根尖性歯髄炎)の所見だ。通常細菌感染や化学物質の侵入により起こるとされているのだが、一度も削ったこともおなく、明らかな象牙質に及ぶクラックや虫歯、歯周病もないのにいつの間にか歯髄が死んでしまっている。つづく
2024/02/25
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50代女性、右下6、自発痛++前回のつづきというか、あんなに痛かった痛みは嘘のように出ないということだったので、用意しておいたCKをセットして経過観察することにした。もし再治療が必要になったとしても、咬合面からタービンバーでアクセスするだけで良い。メタルコアなどと違って、ハイブリッドの咬合面と薄い銀合金のメタルフレームとその下はCRのポスト無しのコアしかないので、簡単に咬合面に穴を開けて根管口にアクセスできるし、唾液も入らない。
2024/01/17
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1回で終わるというか根管充填というよりは自然に根管が充填されるという根管治療が普及すれば、歯科業界にとっては革命的なものとなる。自然に根管が充填されるというのは、その機序は不明ながらも観察すると、カルシフィケーションというのか、2次象牙質ができるように根管が閉塞する。この症例は永久保存版としてフリーページにページに掲載しておくことにします。・・50代女性、左下5、Per、咬合性外傷(食いしばりがひどい)左下6も咬合性外傷により歯根破折で再植となったが、とうとう遠心根は抜けてしまった。近心根も風前の灯だ。一年程前、5番の遠心が虫歯になっていて痛くなったのでCRで修復したが、咬合性外傷による接着剥がれもしくは外傷性の歯髄炎で歯髄は死んでしまった。痛みは無いようなのだが、放置すると抜けてしまうので、根管治療をすることにした。ここでの治療は岩久正明先生の3MIX+α-TCPによる治療を基礎にしているようだ。ようだというのはたまたま同じだったということだ。基礎にしているということはα-TCPに3MIXを添加するというのは特にアレルギーがない限りデフォだ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/9002/3MIXの中身も岩久先生のものとは同じではなく、たまたまあった手持ちの抗菌剤を使っている。α-TCPセメント(ニューアパタイトライナー2)は製造中止になったのだが、その主成分のα-TCPは製造元から入手できる。ググれば簡単に見つかるはずだ。「太平化学産業」というところでサンプル(とはいえ1kgだが)が入手できる。α-TCPはクエン酸等の有機酸で硬化することは確認している。50%クエン酸水の作り方はこちら。根管に緊密充填する必要があるかというご質問があったが、必ずしも必要ではない。岩久先生の本にもあるようだが、近くにα-TCPがあるだけで根管が勝手に埋まるそうだ。(そうだというのも僕は本を持っているだけで読んでいないからだ)僕は精製水練りの3MIX+α-TCPをディスポシリンジで超音波洗浄済みの根管に押し込み、超音波スケーラーのエンドチップを根管内で上下させながら可及的に広がるように根管内に充填している。決して緊密ではない。これで根尖だけではなく根管内が2次象牙質ができるように埋まってしまう。水分は綿球で軽く吸い取り、50%クエン酸練りのα-TCPでカバーする。こうしないとCR充填できない。なぜなら精製水練りのα-TCPの硬化は遅いからだ。一年前の虫歯の治療前今回、根尖付近に陰影が見える。歯肉の腫脹根管内は#15〜20のエンドチップをオーバーして出血させないように洗浄する。薬液は0.6%重曹水だ。超音波洗浄後は水分を根管とは垂直方向にエアブロウして吸い出すだけで、綿栓等で乾燥させる必要はない。細菌感染させるだけだし、根管充填は3MIX+α-TCPの精製水練りで水分は使うからだ。以下の画像は1回目の根管充填。3MIX+α-TCPの精製水練りだ。根管内部は綿球で水分を吸い取り余分なα-TCPを拭い取る。2回目は3MIX+α-TCP(50%クエン酸水練り)で硬化待ち硬化後CRで充填して終わる。CRのボンディングシステム以外は使用不可だ。インレークラウンのセメント合着系は漏洩がひどいので、必ず、失敗する。もしこれで腫れが引かないとか再発するようなら同じ方法で再治療すればよい。実際にはあまりないが。
2024/01/13
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70代女性、左上4、外傷性Per最近は頑張れば頑張るほど上手くいかない従来型の根管治療に代わって簡単でかつ予後良好な方法が試されているように見える。MTAセメントによる根管充填もその一つだと思う。ここではα-TCPによる根管充填法をこの10年以上試しているが、予後は良好なので、公開しておきたいと思う。連続で2症例いきます。左上4はレントゲンでも根尖付近に陰影が認められ、口腔内写真でも腫れているのが分かると思う。典型的な根尖性歯周炎(Per)の症状だ。具体的には虫歯や咬合性外傷から歯髄が壊死しそこに細菌感染していると思って良い。咬合面からアクセスする根管を明示したら超音波スケーラーの#15のエンドチップで根管内を洗浄横からエアーブロウするだけで水分は残してもよい。なぜなら1回目のα-TCPは精製水練りだからだ。エンドチップでα-TCPを押し込み、余分な水分は綿球で押さえるだけ。2回目のα-TCPは硬化させるため50%クエン酸で練ったもので覆うCRで漏洩のないように充填して終わる。
2024/01/10
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16歳男子、右上1、外傷性歯髄壊死薄暗がりで柵のチェーンに気が付かず、転倒。顔面から着地し、右上1打撲。修学旅行中だったので、処置が遅れて、歯髄が壊死してしまった。こういうケースの場合、動揺度2〜3となるので、根尖口から歯髄に入る動脈が損傷し、血流が滞り歯髄が壊死に陥ったり、血栓が歯髄の毛細血管に詰まって塞栓症を起こすこともある。壊死は抹消である冠部歯髄から始まり根尖側に波及していく。冠部歯髄は壊死していても根部歯髄はまだ生活していることもあるからだ。このことは歯周病で動揺が出ている場合も同じで、後者の塞栓症が多いように思う。歯周ポケットから細菌感染する上行性歯髄炎は少ないようだ。4日後に歯列固定したが手遅れだった。数日後に変色が始まったので、歯髄を開けて見ることにした。リーマー・ファイルを使わない根管処置を公開しておきます。簡単確実にその場で処置が済み、感染もさせることもなく予後も良好だ。象牙細管内部に血液などが浸潤し変色が始まっている根管口が見えるが、歯髄は溶けてしまっているピンク部分は除去しないと後で黒くなる若いので髄角も含めて歯髄は大きい超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄する。ファイルで根管拡大する必要もない。エアブロウだけで根管内を綿栓等で乾燥させる必要もない。要するに根管内を感染させることもなく、手早く処置が済む。3MIX+α-TCPの精製水練りで1次根管充填余分な水分は綿球で吸い取るα-TCPの精製水練りだと硬化が遅くCR充填できないので、2次根充はα-TCPの通常練り。50%クエン酸水で硬化する。漏洩がないように注意してCR充填で経過観察
2023/12/28
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60代女性、左下6、Per、歯根破折、フィステルかなり大きなフィステルができていて、痛くはないが気持ち悪い。遠心根にはクラックがあり、フィステルはこのためかもしれない。離断していなければクラックもα-TCPで埋まる可能性はある。クラックがある超音波スケーラーのエンドモードで根管内を洗浄する。残った水分はエアブローするだけで、綿栓などで水分を取る必要もない。精製水練りのα-TCP(硬化が遅い)+3MIXで根管充填50%クエン酸練りのα-TCP(硬化が速い)+3MIXで覆うCRで充填して終了。後は経過観察。症状が再度出た時は処置を繰り返せば良い。
2023/09/28
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70代男性、右上1、Per、自発痛++、排膿++上行性の歯髄炎と良く呼ばれるのだが、実際にはそうでは無いことの方が多い。というのは、歯髄の中枢側である根尖付近の歯髄は生きていて、歯髄の抹消側の冠部歯髄は死んでいることの方が多いからだ。これは外傷性(グラグラすることにより)に血管が損傷して血栓等が冠部歯髄に詰まることによって起こると考えられる。いずれにしても、壊死している歯髄は超音波スケーラーのエンドチップで除去洗浄して3MIX+α-TCPセメントで根管充填するだけだ。後は根管は勝手に埋まっていく。カルシフィケーションと呼ばれる現象が起こる。α-TCP(ハイドロキシアパタイト)による根管充填は1回目は精製水練りで行い、2回目は50%クエン酸練りの2回法で行う。1回目2回目CRで塞ぐ、だけ。
2023/09/16
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7歳男子、右上D、Per、自発痛-歯茎が腫れているので、気持ち悪いとの主訴だった。神経を取った歯には起こりがちの症状で、永久歯だけではなく乳歯でも起こる。どこからか根管内に細菌が侵入したことがその原因だ。この場合はCRが歯質に接着しておらず、そこから細菌が侵入したものと思われる。CRを除去してみると内部は硫化鉄(黒色物質)で覆われているので、硫酸塩還元細菌が侵入していたことがうかがわれる。根管充填材の同定はできなかったが、緊密な根管充填ではなかったのだろう。細菌は侵入し放題だったと思われる。処置方法は新鮮歯質を出し、根管充填材も超音波スケーラーのエンドチップで綺麗に除去し、3MIX+α-TCPで充填し、CRで漏洩が無いように充填するだけだ。α-TCPは酸性環境で硬化する。酸ならなんでも良いと思われるがMMSで使用した50%クエン酸で固まるのを確認したことがある。では時系列でどうぞ
2023/09/12
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30代女性、左上1、Per、非細菌性歯髄壊疽なんだか、鼻の下を押さえると違和感があるというのでこれは歯髄が失活(死んでいる)なと思って、根管を開けてみた。確かに麻酔もしていないのに痛みもなく、出血もしなかった。細菌感染しているとも思えず、細菌性特有の腐敗臭もない。非細菌性の歯髄炎には外傷性の歯髄梗塞や出血によるものもあると思う。心筋梗塞や脳梗塞や脳出血と同じメカニズムによるものだ。その他には30年程前に問題になったことを思い出すが、CR壊疽という事象があった。CR充填の後に歯髄壊疽を起こすというもので、当時からマイクロリーケッジ(微小漏洩)説、残留モノマー説とあって、結論は出ていなかったが、いつの間にかそういう現象は起こらなくなったので、議論も立ち消えになってしまった。CRのモノマーはBis-GMAというもので、重合してしまえば問題はないが、未重合のものは細胞毒性があるので、これによる歯髄炎だった可能性が高いように思う。いつの間にか残留モノマー対策がなされていたのだろう。今回の歯髄壊死がどの原因かどうかは分からないが、処置は同じだ。根管内を拡大する必要もなく、超音波スケーラーのエンドチップで洗浄して3MIX+α-TCPの精製水練りと通常練りの2回法で根管充填するだけだ。しかも緊密充填など必要がない。勝手に埋まる。というかカチカチになる。α-TCPは歯質の構成成分のハイドロキシアパタイトそのもので、これと水分があれば、歯根内でハイドロキシアパタイトの再結晶化が起こるのだと思う。この根管治療法は僕のオリジナルで術式は非常に簡単なので、これが普及すれば、歯科治療に革命が起こるはずだ。今までの面倒なだけで予後不良な古臭い根管治療法は一掃されてしまうと思う。処置前歯髄にバーが到達歯髄部分は除去する。#20の超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄しつつ根尖口まで届かせる。根管長は21mmと標準値に近い。1回目は3MIX+α-TCPの精製水練りをディスポシリンジに入れて根管充填。さらにエンドチップで根管内に押し込みつつ根尖まで行き渡らせる。余分な水分を綿球に吸い取った後は3MIX+α-TCPの通常練りで覆う。CRで充填して処置を終わる。信じられないかもしれないが、これだけだ。慣れれば15分で終わる。
2023/08/03
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40代女性、右下4、多分咬合性外傷によるカリエスと思われるが、この時すでに自発痛が出ていた。露髄していたが、α-TCP+3MIX で痛みは瞬時に止まった。神経を残すことは難しくはない。どんなに少なくてもだ。現在では神経を取るということは必要ない。はずなのだが、現実はそうではないようだ。これは一種の思い込みか、大人の事情か、ま、そんなところだろう。
2023/06/08
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60代女性、左下4、インレー2次カリエス、時々しみる。この様に広範囲に及ぶ虫歯はもう一度インレーを作成したり、神経を残したまま冠を被せるのは難しい。なぜなら、型取りをして口腔外で修復物を作成しセメント合着する修復法では切削量は大きいし、接着剥がれが起こるなど、結局痛くなってしまって、歯科医師としては評判を落としてしまうことを恐れる。だから神経を取ることに躊躇しないという一面がある。CRでの充填修復ではその様なことはないので、ちゃんとした術式を踏めば神経を残すことは難しくはない。では時系列でどうぞ
2023/05/26
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40代女性、左上6、隣接面カリエス、時々痛い。象牙質内部は溶けてしまっている。象牙質は柔らかいので咬合力ですり減るというか溶けやすいというのはエナメル質形成不全症のところでみたと思うが、機械的な刺激のない歯の内部でも溶ける。これはエナメル質と象牙質間のイオン化傾向の違いや内部と外部の酸素濃度差による電気化学的な腐食によるもので、これを虫歯と呼ぶ。しかし、エナメル質形成不全での機械的な外力によるものがメインになっているものとは似て非なるものだ。この辺りを誤解している向きがあることを指摘しておきたい。痛みが出ていても、露髄していても、3MIX+α-TCPで覆罩し、漏洩のないCRで修復すれば何の問題もなく治る。では時系列でどうぞ
2023/05/14
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92歳男性、左上3、義歯性の虫歯、自発痛-義歯を入れっぱなしにしていると酸素濃度差虫歯になる。この程度の高齢になると痛みには鈍感になることが多い。もっと若ければ、痛みが出ている。虫歯を除去する過程で露髄したが、一瞬痛みを感じた様だ。もちろん麻酔は使っていない。止血を確認したら3MIX+α-TCPで直覆してCR充填した。口は開かないし、よく見えないし、お互いに疲れているし、あと数年持てばいいし、まあ、テキトウです。
2023/05/09
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40代女性、右下4、隣接面カリエス、時々痛い露髄しただけの症例を根菅治療のカテゴリーに入れたのは、部分的な露髄だろうが、生活歯髄の切断だろうが、ほとんど根尖まで歯髄が失活していようが同じ事だからだ。出血していて歯髄が生きていれば、それはα-TCP+3MIXで直覆すれば歯髄の保存はできると考えて良い。では時系列でどうぞ以下の処置は麻酔は使っていない。使うと痛みがないので、歯髄が生きているかどうか判らないからだ。露髄した。出血したので、一瞬痛みがあるが、歯髄は生きていることがわかる。ボスミンで止血してα-TCP+3MIXで直覆CRで充填修復して処置を終わる。
2023/05/08
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40代女性、右上7、咬合性外傷、Per、慢性副鼻腔炎(上顎洞炎)他の歯科医院や耳鼻科でCTを撮ってもらって、根尖が副鼻腔と交通している歯性副鼻腔炎と診断されたそうだが、根管を触った感じでは僕にはそうは思えなかった。根尖付近の歯髄はまだ生活しているように思えたからだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202304300001/今日は冠部歯髄を開けてみる。痛みはあまり感じないようだったので天蓋を突き破ってみた。出血したので、少なくとも歯髄の一部は生活(生きている)していることが分かる。出血したのが口蓋根に見えたので、最初は生きているのは口蓋根かと思った。しかしよく見ると口蓋根の歯髄は失活していて一夜干し(?)化していたが、腐敗臭はしなかった。もちろん天蓋を開けた時も腐敗臭はしなかったと思う。これはどういうことかというと、歯髄は無菌的に失活していて、細菌感染はしていないということを示している。このことは歯根尖は副鼻腔と交通していなかったということだ。もし交通しているとすれば必ず副鼻腔から細菌感染する。もちろん逆のことも言える。細菌感染した歯髄から副鼻腔に感染を広げたわけでもない。このことから歯性上顎洞炎(ちなみに歯科では上顎洞炎ということが多いように思う)ではないと思われる。歯髄の失活と副鼻腔炎は別の話だということだ。ではなぜ細菌感染なしに歯髄は失活するのか?現在の歯科医学では知られていないが、経験上歯髄梗塞または歯髄塞栓症というのがあるように思う。食いしばりや歯ぎしりで、根尖付近の血管が押し潰され歯髄への血流が滞ったり、外傷性にできた血栓や血管壁のデブリが歯髄内の毛細血管を詰まらせてしまうことによる歯髄血管障害だ。脳梗塞や心筋梗塞と同じだ。出血が治ったので根管を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄した。リーマー、ファイルは削片が生じるので使わない。知覚があった時の作業長13mmで、標準より3mm短い。3mmだけ歯髄は残っているということだろう。あとは3MIX+α-TCPセメントの精製水練りと通常練りの2回法で根管充填する。1回目2回目CRで充填して歯冠を再建して一旦終わり経過観察に入る。左側があまり噛まないので、右側を使うことが多いと思われる。必然的に右側が過重負担となりやすい。右側の臼歯部に外傷性咬合による障害が起こりやすいことが考えられる。左側右側
2023/05/01
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40代女性、右上7、咬合性外傷、Per、(歯性?)慢性副鼻腔炎他の歯科医院や耳鼻科でCTを撮ってもらって、根尖が副鼻腔と交通している歯性副鼻腔炎と診断されたそうだが、根管を触った感じでは僕にはそうは思えなかった。根尖付近の歯髄はまだ生活しているように思えたからだ。・・歯ぎしり、食いしばりがあり、既製のナイトガードの後ろ半分をカットして使っていたそうだ。小臼歯部が噛まなくなってしまっている。噛み締め過ぎて歯を押し込んでしまったのだろう。当たる大臼歯が過重負担になってしまう。一時期激痛があったが、今はそれほどでもない。冠部歯髄が死ぬ前の断末魔だったのだろう。歯医者ジプシーのようで、あちこちの手が入っている。僕としてはどういうことになっているか分からないので、出たとこ勝負になってしまう。経験値が生かせない。今更仕方がないが。なんとも下手な(失礼!)CR充填だ。打診で違和感のある7番から慎重に既存のCRを剥がしていく。中身がどうなっているか分からないからだ。麻酔はしていないが、痛みはほとんど感じないようだ。歯髄が死んでいるのかどうかも分からない。隣の6番のCRにも隙間があって形が良くないので、これも同時に再治療することにした。これも慎重に既存のCRやセメントを剥がしていく。実像(直視下)セメントはグラスアイオノマーセメントに見える。CR充填を始めた唾液が入らないようにコンタクトと辺縁隆線まで作った。つづく
2023/04/30
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20代女性、左上6、2次カリエスインレーの2次カリエスかと思ってメタルインレーを除去したが、神経を取る治療がされていた。はっきりとは分からなかったが、水酸化カルシウム製剤による根管充填に見えた。僕がやっているα-TCP(ハイドロキシアパタイト)に近い。根尖口はしっかり閉じていた。通常のガッターパーチャーによる根管充填より確実性が高いと思う。もちろん歯質そのもの(ハイドロキシアパタイト)による根管充填の方が信じられないほど根管が埋まってしまうが。時系列でいきます。α-TCPの精製水練りα-TCPの通常液練りあとはCRでの再建、ストリップスは使っていない。
2023/04/12
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院では再根管治療は難しいので、抜歯してインプラントと言われてうちに来られたが、前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303170001/3MIX+α-TCPセメントを使えば、上手くいくはずもない、やっていると絶望的な気分になる従来の根管治療など不要になる。具体的には前回の記事を御覧ください。今日は根管充填後の歯冠再建の画像だ。CRで一気に再建してみる。慣れればストリップスなど使う必要はない。むしろ使わない方はコンタクトも緩くならず、簡単とさえ言える。では時系列でどうぞ
2023/03/18
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院で抜歯してインプラントと言われてうちに来られたが、根管治療は労多くして実入りが少ないので、歯医者の本音としてはやりたくない。特に保険治療では世界平均の1/10の診療報酬しかない。2回目の治療となると前医が何をやらかしたなど、開けてみるまで分からないし、上手く治療できるかという保証もない。抜歯してインプラントが最も実入りが良いというのが業界のトレンドだ。それはそれでトラブルを抱えてしまうこともあるのだが、そんなことは知ったことではない。ここでも「今だけ、金だけ、自分だけ」だ。レントゲン写真を見ると、近心頬側根の根尖相当と思われる部位に大きな陰影が見える。確かに通常の治療法で治療を始めても上手くいく保証はない。低い診療報酬で何度もなんども治療を繰り返してもラチは開かないかもしれないことが目に見えている。歯医者から見ると身体を痛めてしまうだけで、絶望的だ。そういう意味でも抜歯というのは分からない選択肢ではない。CKを外して内部のCRコアを部分的に残して根管口を明示する問題の根管の充填材を除去すると内部は硫化鉄:FeSで真っ黒だ。これは硫酸塩還元細菌が侵入していたことを示している。理想とされる緊密な根管充填など夢物語に過ぎないことがわかるだろう。根尖まで器具を届かせる必要はない。既存の根管充填材を外して、超音波スケーラーのエンドチップの届く範囲を洗浄するだけだ。1回目の根管充填は3MIX+α-TCPセメントの精製水練りだ。2回目は3MIX+α-TCPセメントの通常練りでカバーする。精製水練りは固まりにくいので、再治療が容易になるが、固まるまで時間がかかるので、その後の充填治療ができないからだ。こんな簡単なことで通常治療法では治療困難な症例でも治る。再発しても再治療も容易となればやらない手はない。つづく
2023/03/17
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院で抜歯してインプラントと言われてうちに来られた。とりあえずは before/after から。beforeafter つづく
2023/03/17
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60代女性、左下1、咬合性外傷レントゲン写真を見るとわかると思うが、歯が残り少なくなっていて、グラグラで痛いだけではなく抜けそうだ。仕方がないので歯冠をカットするのだが、今日はクビチョンパのスプラッタ系だ。このように歯冠を切り詰めて短くすると、外傷力を避けることができる。カットする時には一瞬歯髄を横切る時に痛みを感じるので、麻酔はしている。神経は当然出るのだが、3MIX+α-TCPセメントで直接覆髄すれば特に問題ない。神経を取る治療は逆効果で抜けてしまうことを助長してしまう。カットしても2次象牙質で歯髄は細くなっていて出血もあまりしない。根管を少し彫り込んで3MIX+α-TCPセメントで覆とうCRでドーム状に盛り上げる。これで外傷力を避けることができる。
2023/03/15
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40代女性、右下6、Per、フィステル、咬合痛+やろうと思えば一回で終われるのだけれど、歯冠再建を別にしたのと、1週間でどの程度治るか見てみようということで二回に分けてみた。クラウンを外すとメタルコアも緩んでいる。根尖を確保する必要はない。根管充填材を除去したら超音波スケーラーのエンドチップで洗浄する。3MIX+α-TCPセメントの2回法で根管充填する。1回目はα-TCPの精製水練り。2回目はα-TCPセメントの通常練り。緊密根充も必要ない。象牙細管を通して薬剤は歯根内部に染み渡る。これだけだ。CRで再建していく1週間後、フィステルは小さくなっているのが分かると思う。フィステルは乳頭状に膨らんでいるのだが、炎症の後なので色素は沈着しているので膨らんでいるように見えるのだが、もう平坦になっている。口腔内での歯冠再建にはスーパーテクニックが必要になるが、これは如何ともしがたい。
2023/03/05
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40代女性、右下6、Per、フィステル、咬合痛+やろうと思えば一回で終われるのだけれど、歯冠再建を別にしたのと、1週間でどの程度治るか見てみようということで二回に分けてみた。とりあえずbefore/afterフィステルが少し小さくなっているのが分かるのだが、afterは下半分が隠れている。後ほど別の画像がまた出てくるはずだ。beforeafterレントゲン写真でも、根管治療は上手くいっていない。近遠心の歯根尖にまたがって大きな膿瘍ができている。特に近心根は器具でステップが付いて根管充填材は根尖まで届いていない。通常方法での再治療は無理だろう。他院では抜歯を勧められるはずだ。つづく
2023/03/04
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70代女性、左下6、クラック、遠心根Per、自発痛+++一昨日から痛み出して、ご飯も食べられない、眠ることもできないということで、電話してこられた。歯肉を除去しようと電気メスを当てると大量に排膿した。もう痛みに堪えられないので、抜いてほしい、、ということだったが壊死している遠心根を洗浄して2回法で3MI◯+α-TCPで根管充填したCRでカバーして抗生剤投薬、この後はもし保存可能ならばということではあるが、他の磨り減った歯をバイトアップして咬合を整え、この歯には補強冠を入れる予定。
2022/11/10
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30代女性、咬合性外傷、右上6、CRの2次カリエス、Per上顎6番は通常3根管なのだが、たまに4根管のこともある。よく見ないと見逃してPer(根尖性歯周炎)になることがある。いや、根管治療をしてもなるのだがwこれがレントゲン写真でのbefore/after だ。治療後1ヶ月後がafterだが、4本目の根尖の炎症は縮小傾向に見える。ただ口蓋根の炎症(陰影)がはっきり見える。根管治療などしてもこのざまだ。神経を取って被せようなんていう考えは捨て去るべき時代になっている。必ずトラブルが発生するからだ。このような考えは人生50年、60歳まで生きれば上等という時代の治療方法だからだ。60歳までは持つかもしれないが、それ以降はダメだろう抜歯になる可能性が高い。それ以降は入れ歯だ。今の時代、60歳で死ぬと、早すぎるね?悪い病気だったの?それとも自殺?なんて勘ぐられるwbeforeafter1ヶ月後これが治療前CRを根管治療ができる程度まで除去した。4本目の根管はどこだろう?みっけwここからが近未来の根管治療。リーマーファイルは極力使わない。使うのは超音波スケーラーの#15〜20のエンドチップだけ。0.6%重曹水か2酸化塩素入りの重曹水でもいい。届く範囲を超音波洗浄するだけだ。乾燥もしない。エアブローするだけだ。汚い手袋で巻いた綿栓で拭きあげるとか、正気の沙汰ではないだろう。細菌を根管内壁になすり付けるだけだw3MI◯+α-TCPセメントの精製水練りを根管充填する。余分なセメントを棉球で拭い、2回目は通常練りのα-TCPセメントを被せる。根管充填済みの3根管は触っていない。どうせ緊密に充填されていないのだから、根管充填材と歯質の隙間から3MI◯が浸透して根尖病巣が治ることすら期待できるのだ。歯質は根管治療をすると外側しか残らない。だから多くの歯科医師はコアを入れ、グルッと周囲を削り倒して冠を入れたがる。もちろんそれが商売だからだ。こんな歯ですから欠けますよ。しっかり被せて長持ちさせましょう、、と。しかしどうだろうか?10年、20年後は抜歯になるのではないだろうか?再治療が可能なのだろうか?ま、その話はまとめてあるので、この次にでもw歯というものは極力削ってはいけない。次が無くなるからだ。欠けてもいいではないですか?次の手があるのだから。
2022/10/18
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50代男性、左上4、歯牙破折、Per、フィステルありこの方、昔からブラキシズム(噛み締め)がひどく、後ろの5番も歯根破折で10年前に抜歯・再植している。今度は手前の4番だ。幸い、上の方で破折していたので抜歯・再植にはならなかったが、露髄後、歯髄は死んでいて、外側にフィステルができていた。補強連冠を入れていたのだが、こんなものは御構い無しに破折した。というかすでに10年前にはクラックが入っていて、それがとうとう離断したということだろう。根管治療というよりは根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しただけだ。リーマー、ファイルは使っていない。混尖確保とかする必要はない。α-TCP+3MI◯で自然に根尖は閉じる。これをカルシフィケーションといったと思う。では時系列でどうぞこれが根管が見えているところ。露髄という。冠部歯髄腔を開拡すると根管口が2つ見える。有機物を完全に除去する必要もない。余計な感染をさせなければ良いだけだ。α-TCPは生食練りと普通練りの2回法で根管を充填する。後は歯冠を再建して、補強連冠を再製作する。
2022/09/30
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これまでの根管治療法のシリーズと言っても、根管治療というのは歯髄を取るという処置なのだが、そんなことはそもそも必要がない、生きている歯髄は完全に保存出来ることが分かったと思う。もちろん生きていなくてもだ。今回も同じ対応で臨む。40代男性、右下7、自発痛+、咬合性外傷突然痛くなって、割れたかも!来てもいいですか!?、、再植覚悟でいらっしゃった。以前から、咬合性外傷で歯根破折したり、クラックがあり破折しないように補強冠を装着したりしていた。この歯は他院でのCRが施されており、そのCRを除去するところから始めた。内部にはクラックが見えるが、あまり痛みを感じない。もちろん麻酔は使っていない。知覚は歯髄が生きているか否かの重要な情報だからだ。生きているのどうか確認するために露髄させてみた。出血しているので生きてはいる。しかし、知覚が弱いので、失活寸前なのかもしれない。クラックに矢印を書き込んだ。とりあえず、α-TCPセメント+3◯IXで覆ってCRで再建修復した。根管処置と言ってもこれだけなのだが、細かいノウハウはある。理論的科学的に臨機応変に対処するということなのだが。少なくとも歯科医学は科学ではないとだけは言っておこう。遠心のクラックは開拡してCRで塞いだこれだけでは咬合性外傷力に耐えられないので、補強冠を装着した。もったいないというか、見てくれは悪いが仕方がない。引っ張り応力に耐える素材は金属に勝るものはない。今後どうなるかは経過観察することにする。痛みが出ても、神経が出ても、いきなり神経を取る必要性など全くないことが分かると思う。最終的には破折というか離断してしまうかもしれない。その時は抜歯・再植となる。それでも抜いてインプラントにするよりはまだマシだ。インプラントには歯根膜がなくクッション性がないので、対合歯に2倍のダメージを与えてしまう。特に咬合性外傷がある人には致命的だ。対合歯が割れるか抜けるか、散々歯科医師に貢いだ挙句、入れ歯になる。 歯医者は入れ歯でさらに儲ける w
2022/04/15
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根管治療というものはイマジナリーつまり西洋医学的な西洋人の頭の中にしかない理想主義的だが実現困難な幻想に過ぎない。ラバーダム装着は元より根管内に挿入する器具はその都度使い捨てにするくらいでないと、無菌的な処置は出来ないだろう。少なくとも世界標準の1/10の価格の日本の歯科保険医療では絶望的だと思う。当時40代女性、左上7、歯冠崩壊前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202204120000/今日はあれから7年後のことだ。7年もったのが長いのか短いのか、評価が分かれるのかもしれないが、患者は7年問題なく食事ができたのでありがたかったとおっしゃる。右下6も同時期に修復したのだが、これはまだもちこたえている。これはまた後ほどご紹介したい。レントゲン写真を見ると、内部が溶けてしまっている。α-TCPセメントが溶けてしまっているが、歯質はそれほどひどい虫歯にはなっていなかった。このセメントは歯質と同じ成分のハイドロキシアパタイト(HA)だが、歯質より粗なのでイオン化傾向は大きい。接着が剥がれ漏洩が起こると歯質の前にHAが溶けて歯質が虫歯になるのを防ぐ働きがある。これを腐食工学分野ではカソード防食というのだが、歯科業界は完全無視している。こんなことが知れ渡ったら、虫歯などなくなってしまう。飯の食い上げに直結してしまう不都合な真実なのだ。それほど闇が深いのがこの業界ということだ。歯科医学は少なくとも科学ではない。レントゲン写真のbefore/after だが、歯肉縁下3mmの修復処置が必要なので、通常治療では治療不可能症例だが、なんとか修復した。1.5時間もかかる超絶技巧が必要となる処置で、患者も術者も体力的に限界に近い。さすがに歯根が歯冠長より短いので、咬合力にどれだけ耐えられるか、注視が必要だ。最終的には前後の歯を連結固定している。beforeafter左上7の歯質が欠けたということだったが、CRも接着が緩んでいて、簡単に剥がれた。内部は歯根が頬舌的に離断していて歯肉息肉が上がってきていた。歯髄は3根とも2次象牙質の蓋ができていて、根部歯髄は生きているようだ。これは何を意味しているかというと歯髄には自己防衛能力があるということだ。歯髄を取る必要は全くない、勝手に治るのだから。根管口付近だけ3◯IX+α-TCPセメントで覆罩してCRで再建した。ストリップスは使えないので、積み上げ法で修復している。この手のCRによる修復はストリップスを使わずにできないと始まらない。この段階で99%の歯科医師は脱落するだろう。まずこういうことができるのだという認識から始まる。では時系列でどうぞ
2022/04/14
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根管治療というものはイマジナリーつまり西洋医学的な西洋人の頭の中にしかない理想主義的だが実現困難な幻想に過ぎない。ラバーダム装着は元より根管内に挿入する器具はその都度使い捨てにするくらいでないと、無菌的な処置は出来ないだろう。少なくとも世界標準の1/10の価格の日本の歯科保険医療では絶望的だと思う。当時40代女性、左上7、歯冠崩壊歯肉息肉に覆われていて、冠部歯髄は失われているが、根部歯髄はどうなっているだろうか?近心根は出血するので、生きている。その他の2根は生きているのか、そうでないのか分からない。超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しつつ生きているかどうか確認するのだが、出血してもしなくてもそのまま3◯IX+α-TCPセメントで根管充填しても差し支えない。歯科医師の皆さんは信じられないだろうが、これで長期的に安定した状態が得られる。あれから7年経過して歯が欠けたということでいらっしゃることになったので、それはまた次回にでも。では治療過程を時系列でどうぞ歯肉息肉は電気メスで除去した近心根はかなり上の方まで生きている。エンドチップですぐに出血したことでわかる。上行性の歯髄炎と称して、根尖から炎症が波及するといわれることがあるが、実際にはそういうことはない。歯髄の炎症による失活は歯髄の抹消つまり冠部歯髄から始まる。3つの根管口はエンドチップをゆっくり挿入して根管内を生きているところまで洗浄するのが正しい。ファイルで内部を一層削り取って綺麗にしようなどとしてはいけない。感染を広げるだけだ。これがα-TCPセメントだCRで再建して終わる
2022/04/13
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70代男性、右下1、外傷性歯髄炎このところ、近未来の根菅治療の実例を供覧している。従来の根管治療というものが如何に労多くして益少なしというものか分かると思う。この症例は歯髄は完全に失活しているが、部分的に失活している症例と治療の考え方は基本的に同じだ。生きているところまでα-TCPで覆えば良い。それがこの症例の場合、根尖口ということになる。この症例は虫歯や歯根破折等により細菌感染しているものではなく、強い咬合力により、歯根尖付近の血管が傷つき、血栓等が歯髄内部の毛細血管につまり歯髄炎を引き起こすことがあるケースだ。初期症状は知覚過敏のことが多く、その後歯髄は失活してしまう。その他の原因として、高脂血症や今回話題の新型コロナワクチンによる血栓症を疑わせる症例にも遭遇したことがある。脳梗塞や心筋梗塞などの塞栓症と合併することがあるので、細菌性ではない歯髄炎がある場合は要注意だ。レントゲン写真で見ると根尖性歯周炎の症状で、歯根尖付近が腫脹しており、2次感染もあり、不快症状を呈している。治療方法は難しいものではなく、歯髄腔を明示し、根管内を超音波洗浄し、α-TCPセメント+3◯IXの精製水練りで充填し、その上を通常練りで裏装しCRで蓋をする。これだけだ。根管内をファイル等で傷つけることもなく、細菌感染させるだけの綿栓等による乾燥過程がない。余分な水分をエアーで飛ばすだけだ。
2022/04/12
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20代男性、咬合性外傷による虫歯、歯髄息肉前回に引き続き、現在の歯科医療の水準では抜髄(神経を取る)になる症例だが、近未来では歯髄は保存できる症例をアップする。・・痛くなって何ヶ月も放置していたが、意を決して来院された。露髄してしまうと痛みはあまりない。露髄するまでが痛い。その前に歯髄が死んでしまうこともある。むしろ露髄してラッキーだったと言える。歯髄は息肉(ポリープ)になっているが、このままα-TCPセメント+3◯IXで覆ってCRで再建しても何ともなく治る。痛みもないことが多い。CRで再建するところがミソだ。インレーやクラウンでは漏洩が多すぎて失敗する。この段階で脱落する歯医者続出だろう。使用材料はフリーページで公開している。
2022/04/11
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17男子、左下6、歯冠破折、露髄>歯髄息肉この子は野球部で遅くまで歯を食いしばって練習をしていた。それで歯が壊れてしまう。抜髄(神経を取る)というのは基本的にする必要がない、というのが近未来の標準治療になるだろう。それは感染根管治療でも同じだ。歯髄が生きているところまで3◯iX+α-TCPセメントで覆えば良いのだ。それがたまたま、根尖付近ということになるだけだ。この子の場合も、露髄して何ヶ月も経過しているが、そのまま覆罩しても何の問題もない。歯髄には麻酔もしていない、歯肉息肉を除去するときには歯肉縁だけに麻酔はしている。電気メスを使うのでそれは仕方がない。矢印部分が歯髄息肉だ。もちろん細菌と歯髄が戦っている場所だから、位相差顕微鏡で見ると細菌はたくさんいる。こんな状況で抜髄する必要がないなど、信じられないかもしれないが、事実だ。そのまま3◯IX+α-TCPセメントで直接覆髄してCRで再建している。今の所CR+ボンディング材でないと失敗する。インレー・クラウンなどのセメント合着系の修復法では漏洩するからだ。では時系列でどうぞ
2022/04/10
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40代女性、左下5、Per、自発痛++咬合性外傷の強い方で、歯髄が壊死してしまうことがある。根尖付近の血管が咬合力で破損し、血栓などが歯髄の毛細血管に詰まり塞栓症を起こす。軽いものでは知覚過敏症、ひどくなると歯髄梗塞となり歯髄が壊死してしまうこともある。髄腔を開けてみると歯髄は壊死していて、伽藍堂になっているが、腐敗臭はしない。細菌感染による歯髄炎ではないことがわかる。リーマーファイル等で根管内壁を傷つけてはいけない。超音波スケーラーのエンドチップで洗浄するだけにとどめ、後は3◯IX+α-TCPセメントで根管充填する。1回目は精製水練り、2回目は通常練り、その上をCRで緊密に充填して終わり。では時系列でどうぞ
2022/04/04
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20代女性、右下7、Perここのコメント欄で教えてくれる他の歯科医院のホームページを見ると、うちの真似をしていると思われる画像も見受けられます。とても良いことだと歓迎します。世界の歯科医療の水準が爆上がりすることでしょう。前回の続きhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202203300000/かなり腫れている(GA)ので、歯髄が死んでいて感染していることがうかがわれる。レントゲンからも根尖付近には広範囲の透過像が認められる。この歯は近くの歯医者さんで、水酸化カルシウム製剤を使って神経を残す治療を受けたそうだが、上手くいかなかったようだ。保険診療でも認められているのだが、失敗したらその後の根管治療が減額されるというペナルティー付きの意味不明の治療法だ。僕もやってみたが上手くいかないのを確認したことがある。CRの仮封を除去すると水酸化カルシウム製剤が見えるので、全部除去した。露髄しているが出血しないので、歯髄は溶けて無くなっていると判断して、天蓋を除去した。この天蓋を除去するという画像は歯科医師以外は見ることができない貴重なものだと思う。少し出血したが、遠心根は粗完全に失活しており、そこからの出血だ。近心根は歯髄息肉になっている。僕もこのような症例は初めて見たのではないかと思う。とりあえず、近心根はα-TCPセメント+3◯IXで直接覆髄してCRでカバーした。遠心根はレントゲン写真を見ると思ったより長かったので、α-TCP根充2回法を採ることにした。遠心根のみ再明示して、2回法で根充した。これで腫れが引けば治る見込みがある。この歯は他の歯科医師の手が入っているので、完全な封鎖性が得られているかどうかの確証はない。もし、再度症状が出るとなれば再治療が必要となる。
2022/04/01
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20代女性、左下8、露髄痛みはないのだが、虫歯によるものだと思われるが、露髄して露髄した部分が息肉になっている。この息肉というのはポリープとも呼ばれていて、外界の刺激に対応するための組織だ。この組織を顕微鏡で観察してみると細菌と人間の免疫系が戦っている場所ということがわかる。これはこのまま3◯IX+α-TCPセメントでカバーして微少漏洩がないようにCRで充填すれば、そのまま治ってしまう。歯髄はiPS細胞が採取できるほど原始的で強靭な組織なのだ。歯髄を取らないと痛くなるというのは嘘なのだ。こんなことは現在の歯科医学では考えられないことだろう。従来の歯科保存学では歯髄息肉は細菌感染しているのだから、歯髄は完全に除去しなければならないとされているが、大嘘だ。抗生剤のない時代ならそうだったかもしれないが、今はそうではないはずだ。多剤耐性菌では無理だと思うが。レントゲン写真でのbefore/after から、左下7も同日に同じような治療をしている。これは次回にでも。 beforeafterちなみに麻酔は必要ない。では時系列でどうぞ
2022/03/30
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20代女性、右上6、便宜的抜歯今日はスプラッタ系なので閲覧注意!しばらく休んでいた矯正治療を再開しようと思うのだが、邪魔になっている異所性に萌出した6番?7番?を抜歯するに当たり、一回では抜歯は難しい、分割抜歯は必須だろうと思って、一回目は意図的に露髄させ、その場で直接覆髄して、1週間後の二回目で歯髄がどうなっているか確認して分割抜歯することにした。ま、こんなことは普通はしないし、見ることもできないので、参考になるだろうと思ってアップしてみることにした。もちろん麻酔は使ったが、冠部歯髄を除去して根部歯髄だけにして直覆しても術後の痛みも出ない。歯髄はとても侵襲に強い原始的な組織だ。こんな強靭な組織を取る抜髄という治療行為が普通に行われていることには疑問を感じざるを得ない。全くそんなことは必要なく、単にそうしないといけないと思い込んでいるにすぎない。100年以上もだ。では時系列でどうぞ髄角部露髄冠部歯髄冠部歯髄を除去し根部歯髄を根管口から見たところ3◯IX+α-TCPセメントで直覆しCRでカバー1週間後、CRとセメント除去。歯髄は何の変化もない。1ヶ月程すると2次象牙質で創面は覆われる。分割抜歯
2021/11/25
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60代女性、右下6インレー、2次カリエス、咬合性外傷(食いしばり)、自覚症状なしこの方、15年ほど以前、後ろの7番も歯牙破折して抜歯再植したが、5年ほど前に自然脱落した。仕方がないので、補強冠ブリッジを作ったが、インレーに隙間ができたので、セメントを入れて次回外してみることにした。外してみると内部は軟化象牙質だらけで、削っても痛くない。露髄したが出血もしない(赤矢印)。排膿も腐敗臭もない。黄色矢印部分は髄角部の2次象牙質だ。歯髄部分はがらんどうで歯髄は溶けてなくなっているが、細菌感染はしていない。歯髄は細菌感染して失活すると信じられているが、実は違う。咬合性外傷により根尖口付近に咬合力が集中し、歯髄血管が圧迫されたり、血管壁が損傷し血栓やデブリができ、それが歯髄内部の毛細血管に詰まり歯髄が壊死する。僕はこれを咬合性歯髄塞栓症とか咬合性歯髄硬塞と呼んでいるが、まだ現在の歯科医学では知られていない。こういう場合は通常の根管治療をして、根管を充填しようと思ってはいけない。α-TCPセメント+3◯IXで直覆してCRで埋め戻せば良い。歯髄内部をいじると感染させてしまってろくなことにならないのがオチだ。昔から歯髄の乾酪壊死ということが言われていて、歯髄が死んでしまってもミイラ化して、根尖口は自然に閉じることがある。根管は極力いじらないことだ。では時系列でどうぞ
2021/11/16
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リクエストがあったが、業務経験の長い歯科医師でないと解りにくいのではないかと思う。というか、歯科医師でも何が起こっているのか意味不明だと思う。80代男性、左上7、歯髄壊死>Per(根尖性歯周炎:歯髄が壊死して炎症が歯根外に波及している状態)多分CRの辺縁封鎖が破れて歯髄に細菌感染したものと思われる。2週間程前から痛かったそうだ。やっと昨日位から痛みが治まった。歯髄があらかた死ぬまでが痛い。ズキズキの激痛だ。よく我慢しましたね。受付が杓子定規だから今日しか空いていないとか言ったのだろう。僕に直電すればのたうちまわらすによかったと思うのだが。近心根付近の根尖相当部が腫れている。歯ぎしりが酷い方だ。歯のすり減り具合でわかると思う。内部の歯質にもCR部分にもクラックが多数見える。ここから細菌感染したのだろう。冠部歯髄は壊死していて空洞になっている。口蓋根は2次象牙質で塞がれているらしく探せない。頬側の2根には超音波スケーラーのエンドチップが入る。頬側近心根の歯髄は完全に壊死していたが、頬側遠心根は完全に壊死してはおらず、痛みを感じ、出血する。少し赤いので分かると思う。α-TCPの2回法で根管充填したが、1回目で出血した血液がセメントに混ざっているのが見えると思う。2回目で内部を固めてCR充填して終わった。こんな感じで1回で処置は終わる。従来法しか知らない歯科医師は驚くと思う。えっ、こんなことで治るの?!
2021/10/28
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前回の続きなのだが、ファイバーコアやセラミックスクラウン(ジルコニア含む)というのが、儲かるだけで、どうしようもなく使えない代物かということを述べてみたい。こんなことを書くと大多数の世界中の歯科医師を敵に回すことになるのだが。うちでは神経を取ることもない、僕から見たらまっさらな歯を削り倒して最初に入れるのがセラミックスクラウンなのだ(金属冠も同じではあるが)。僕に言わせれば、条件の良い歯だからそんなクラウンを入れられる、そもそもそんなものは必要ない。これからご紹介するのは「近未来のクラウン」しか入れられない、通常はうまくいかなかったら抜歯ですよ?といわれる症例だ。レントゲン写真を見ると分かると思うが、エンド治療不良による根尖病巣(Per)と歯根分岐部病変がある。この方は60代女性、20年ほど前に治療したのだが、最近は時々歯茎が腫れたり噛むと痛いということで、他院に行ったら、歯根分割の手術が必要、最悪抜歯と言われたとかで当院に来られた。要するに何が起こっているかというと、セラミックスクラウンだろうが金属冠だろうが、入れて20年後には抜歯になる可能性が高いということなのだ。そんな歯を治して、どうにか使えるようにしてほしいという患者の依頼なのだが、(最初から安易に神経を取ってクラウンを入れるのは)やめて欲しいというのが本音だ。再発するリスクもある。その時のフォローはどうする?全部壊さないでも再治療ができるようにしておく、そんなことを考えながら再建していくわけだ。ジルコニアは硬すぎて穴を開けるのも大変だ。セラミックスクラウンはものによっては硬くないものもあるが壊れやすい。穴を開けての再エンド治療には耐えられないかもしれない。隣の歯と連結固定もできない。セラミックス系は接着剤が効きにくい。なんとか残そうとする僕が大変なのだ。これが使えない理由だ。セラミックスクラウンを入れて、儲かった!あとは野となれ山となれ〜・・か? やめてくれよ。。その答えが「近未来のクラウン」なのだ。穴を開けて再エンド治療も可能で、穴はCRで塞げば良い。接着剤も良く効く。再治療過程を全てアップする。解説は以前にしているので、省略する。では時系列でどうぞ
2021/10/24
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40代女性、左上1、PerCRの隙間から歯髄に細菌感染したのか、根管を開けると排膿した。前回の症例とは異なり、レントゲン写真からも粘液貯留系の嚢胞ではないように思う。排膿が収まったら、根管内を超音波洗浄し、α-TCPで根充、CR充填した。投薬3日。急性も慢性のもただのPerならこれだけの処置で治るとこが多い。
2021/10/07
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50代女性、左上 2、歯根嚢胞嚢胞液を位相差顕微鏡で確認したところ2種類の細菌が見られた。歯根嚢胞の原因はよくわかっていない。小唾液腺の細胞が迷入したとか元々根尖付近にあったとかで、粘液を産生し続け嚢胞が大きくなり続ける。細菌感染が2次的なものか、きっかけになったものか、それもわからない。患者も大きくなるのを心配して、他科を受診されてCT、MRI検査で悪性のものではない。歯性嚢胞だろうという診断だった。保存的治療法は3つある。1、嚢胞内にビタペックス等を注入し続け嚢胞壁の腺細胞を破壊するまで続ける。2、抜歯再植術の応用で、歯根尖に固着した嚢胞を一塊として抜歯し、嚢胞だけを除去し再植する。3、開窓し、歯槽骨が上がってくるのを待つ。今回は嚢胞内にはビタペックスを注入し、根菅内はα-TCPで充填した。これだけで嚢胞は治る可能性は低い。あとは外科処置の2か3になりそうだ。結果はどうだろうか?つづく
2021/10/06
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5歳男子、右下D、Per。右下E、隣接面カリエスPerというと歯髄が細菌感染していて炎症が歯根の外に波及し、腫れている。当然、神経は失活して(死んで)いるということになっているが、そうでもない。特に乳歯はそうでもなく、神経は完全には死んでいない。根管治療は全く必要ないことが多い。この症例も冠部歯髄を開けることもなく、3MI◯+α-TCPセメントで覆罩してCRで再建したが、特に問題なく治ると思う。そもそも神経を取るとか必要があるのか?とつくづく考えさせられる。5歳児を簀巻きにして押さえつけて麻酔をして処置をするとか、考えただけでも恐ろしい。生涯PTSDに悩まされるかもしれない。では時系列でどうぞ
2021/09/26
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