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ゴールデンウィークに北海道の博物館・美術館めぐりを計画している教育庁文化財・博物館課のアヤコです。
候補のひとつが網走の天都山にある 北海道立北方民族博物館
。
この博物館ではただいま春のロビー展 「カザフの刺しゅう壁かけ トゥス・キーズ」
が開催されています。
カザフ
というのは、中央アジアの カザフ高原
で遊牧を暮らしてきた 民族
の名前です。現在は、モンゴル、カザフスタン、ロシア、中国に暮らす人びとです。そして本ロビー展では、モンゴル西部のバヤンウルギー県に住むカザフに伝わる布製の 大きな刺しゅう壁かけ(カザフ語でトゥス・キーズ)
を中心に、カザフの伝統的な暮らしや文化が紹介されています
さてこちらが、 刺しゅう壁かけ(トゥス・キーズ)
です。
モンゴルのバヤンウルギー県で牧畜を営むカザフの人びとは、テントに似たフェルト製の移動式住居で生活してきました。
刺しゅう壁かけは、住居のなかのベッド脇の壁にかけられ、防寒や砂よけの役割を果たします。ベッドの大きさに合わせ、平均して縦140cm、横220cmくらいに仕立てられています。
移動式住居での生活に必要な道具で、彼らの意識では「家具」という位置づけだそうです。結婚などのお祝いのときに作られ贈られることも多いそうですよ。
さて、刺しゅうのやり方ですが大きな木枠に布を張り、かぎ針を使うのが特徴です。
(撮影・提供:廣田千恵子氏 結婚されたお子さんに贈るための壁かけに刺しゅうをしています)
こちらが、刺しゅうにつかうかぎ針(全長約10cm)です。かぎ針自体も手づくりで、材料は スプーン
などの手頃な鉄。やすりでけずって作られています。このかぎ針を布に刺し、裏から糸をひいて鎖目をつくってゆきます。慣れるととても早く刺しゅうができるので、一枚のトゥス・キーズを、1ヶ月程度でしあげてしまう人もいるそうです。
それでは、刺しゅうのなかの特徴ある文様をご紹介しましょう。
花のような形の中央にある青い渦巻きは、 ヒツジの角を象徴
した文様です。
ハートに似た形は、 ヒツジの頭
を象徴しています。
伝統的なカザフ文様のほとんどは、ヒツジの角や頭を象徴しているといわれています。
三角形は「 腎臓文様
」と呼ばれる文様。この壁かけでは四つが組み合わされたものが、たくさん刺しゅうされています。ヒツジなどの家畜の腎臓に似ています。
カザフが飼育する動物のなかでも、ヒツジは特に大切な家畜です。 肉
は 食料
に、 毛(羊毛)
は 衣服
や 住居
の材料になり、人びとの生活を支えます。ヒツジが象徴された刺しゅう文様は、こうしたカザフの生活とむすびつき、今日まで受け継がれているんですね。
ところでよくみると壁かけの下端には刺しゅうが施されていません。こうすることで、この部分に、 「
世界が永遠に続くことの願い」
がこめられているそうです。
1960年代~1990年代に製作された刺しゅう壁かけ(トゥス・キーズ)のほか、羊毛やラクダ毛が材料になっている手織り紐やフェルト製じゅうたん、 現地写真
や 民族衣装
なども展示しています。
北海道立北方民族博物館ロビー展「カザフの刺しゅう壁かけ トゥス・キーズ
」
会期:平成26年4月19日(火)~5月11日(日) ※休館日5月7日(水)
観覧無料
主催:北海道立北方民族博物館・NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ
問合先 北海道立北方民族博物館
〒093-0084 網走市字潮見309-1 0152-45-3888
公式サイト http://hoppohm.org/
ツイッター https://twitter.com/HoppohmMuseum
フェイスブック
https://www.facebook.com/HoppohmMuseum
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