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IRANKARAPTE.
(アイヌ語:こんにちは)
石狩振興局地域政策課のミーシャです 。
深井克美という画家をご存じでしょうか。
画家人生は 10 年に満たない、
わずか 30 歳で自殺してしまった画家です。
今年度、生誕 70 年・没後 40 年となる
深井克美の回顧展を
現在道立近代美術館で開催しているので、
先日取材に行ってきました。
様々な関連資料、
師事した画家の作品も含め、
深井克美の人生を細かく振り返りながら、
作品を辿る展示となっています。
画家の人生を知らずして見た時の作品の印象と
画家の人生を振り返ったあと見た時の作品の印象は
全く違うものでした。
『オリオン』
函館で生まれた深井克美は
幼少期に父と死別し、
生後間もない妹との離別を経て
東京で母子二人きりの生活を始めます。
難病脊椎カリエス(肺からの結核菌が血行性に運ばれて発症する結核性脊椎炎)を患い、
病気がちな少年期を過ごしながらも、
絵画への関心を抱き、画家となりました。
深井克美が描く作品は、
自己や人間と徹底的に向き合い、
自身の内奥に抱く苦悩や悲しみが色濃く映し出されています。
また、作品の多くはシュールレアリズムといって
空想や夢の中のような
現実にはない世界を表現しています。
『旅への誘い』
この作品の多くが緻密な点描と豊かな色彩で描かれ、
その画法がより一層、
繊細かつ孤独で寂寥な空間を作り出しているようでした。
今回の展示のコンセプトとしては、
作品の読解に一つの正解があるわけではないので、
見る人に「深井克美」の作品の意味を考えてほしいとのことでした。
一つの正解がない作者が作品に込めた意味を
鑑賞者が自分で考えるからこそ、
より深く印象に残るのかもしれません。
私自身、
画家の生き方や人生を空想しながら見た作品に
多くを考えさせられ、
この展示会を見た後は浅はかな言葉では表せない、
何にも表現しがたい感情になりました。
明るく煌びやかな作品を見た後とは違う余韻を
多くの人に感じて欲しいと思います。
今後何度も行われる作品展ではないとのことでしたので
貴重な機会にぜひ皆様も足を運んで、作品と対峙していただきたいです。
痛く、苦しく、切ない作品のあと
画家が最後に描いた「未完のランナー」に
皆様は何を感じるでしょうか。
『未完のランナー』
「深井克美展」
2019 年 2 月 5 日(火)- 3 月 21 日(木)
北海道立近代美術館
札幌市中央区北 1 条西 17 丁目
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/exhibition/cl_H310205.htm
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