まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2006.06.06
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● 「男子ひとすじ」で、音楽なんてどうでもよかった、ハツ美。
● 「絵画ひとすじ」で、女なんかどうでもよかった、冬吾。

マロニエ荘で、
いちばん対照的だったのは、この二人でした。


これをチャートにすると、下のような感じです。


芸術ひと筋
冬吾

     恋愛は二の次  ← →   恋愛ひと筋
              ↓

ハツ美
芸術は二の次


ハツ美の「男子ひとすじ」ぶりは、説明するまでもありません。

他方、
自分に思いを寄せてくれていたマリのことを置き去りにして、
モデルにするため毎度服を脱がせていた八重には挨拶もせず、
そのうえ、郷里からたずねてきた約束の女の人の目も眩まして、

あらゆる女のしがらみを振りきって、
ひとり岡崎の有森家までやってきた、冬吾。
やっぱり、冬吾にとって、「女」は二の次です。

有森家で冬吾が目をつけたのは、一番上の姉の笛子だけど、
ここでの彼の興味の対象も、
もっぱら“モデル”としての、笛子の凸凹であって、
「異性」としての興味じゃ、これっぽっちもありません。

にもかかわらず、
またもや勘違いしてしまいそうな笛子が、
いまからもう、可哀想。


芸のためなら女も泣かす・・。
そんな冬吾の女性観に、いつか変化は来るんでしょうか。



ところで、達彦って、
上のチャートにあてはめると、どの辺りに位置するんでしょう??


けっきょく、音楽の道をあきらめた達彦。

ここまでのドラマを振り返っても、
彼がどれほど「音楽ひとすじ」だったのかは、かなり疑問。
そもそも、何の音楽が好きだったのかも、よく分かんないし。

やっぱり、かねが言ったとおり、

達彦が東京に行ったのは、
「音楽を追い求めて」じゃなく、
「桜子を追い求めて」のことだったと見るのが妥当?

音楽学校を目指したのも、
マロニエ荘に引っ越したのも、
ダンスホールに潜入したのも、
すべては「音楽」じゃなく、「桜子」目当てだったわけで。

今も、音楽のことをあきらめはしたものの、
やっぱり、桜子のことはあきらめきれない様子。

そう考えると、
イケメンに目移りの早かったハツ美なんかとは、
まったく比べものにならないほど、
達彦こそが、正真正銘の、「恋愛ひとすじ」人間です。
彼にとって、
音楽なんて、二の次三の次だった?



つぎに桜子。

十代にして劇団ひとりと結婚の約束を交わし、
こんどは達彦と密会する毎日をすごしてる桜子。

そのかたわらで、
味噌屋のキヨシも、すでに射程圏内に入ってる。

早くも「恋多き女」の本性を現しつつある桜子だけど、
逆にいえば、どの恋愛も、
彼女にとって、さほど真剣じゃないって証拠でもある。

自分から本気で誰かを好きになったり、追いかけたりしないし、
そもそも恋愛に興味があるとは到底思えないほど、鈍感。
いわゆる恋愛オンチ。

ひとことで言えば、桜子の恋愛観って、
たんに 来る者は拒まず ってやつ?

劇団ひとりに「好き」って言われれば、
すぐに結婚の約束だってしちゃうし、

達彦がストーカーみたいに追いかけてきたら、
劇団ひとりに教わったとおり帽子もプレゼントしちゃう。

ついでに、軽く頬っぺにリップサービスしちゃうぐらいは、
お茶の子さいさい。お安い御用。

もし、彼らへの想いが、代えがたいほど切実なら、
あんなに簡単に劇団ひとりから達彦に乗り換えたりしないはず。

今回も、達彦と密会する約束をした桜子だけど、
きっと、キヨシに同じことを頼まれても、
同じ顔で、同じ答えを返すんだろうことはウケアイ。

けっきょく桜子にとって、
イケメンたちの存在は、
彼女が音楽の夢を目指していく上での、いっときの寄り道。
心の余興。

たぶん桜子も、冬吾と同じように、
「芸のためならイケメンも泣かす」くちだと思う。

ついでに冬吾のことも泣かせることができたら、
桜子の「魔性」っぷりも、ほんとに一流なんですけど。

ま、
イケメンになど目もくれず、
音楽のある所へ無心に走っていってしまう桜子の幼なさが、
かえって男子諸君のロリ心をくすぐってるんでしょーね。



このドラマにおけるジュリエットは、
もちろん桜子ひとりなんですが、
ロミオのほうは、これから30人くらいまで増えると思う。

そんなこととはつゆ知らず、
自分こそが“唯一のロミオ”だと信じてる純情な男子諸君は、
あまりにも気の毒。

でも、
何人ものイケメン君たちをその気にさせておきながら、
本人自身は、まったくもってなんの悪気も無いってとこに、
桜子の、もって生まれた「魔性」の片鱗が垣間見えるってもんです。

出てくるイケメンたちを次々にたぶらかしておきながら、
あくまでも、ぜんぜん悪気がない桜子こそが、
ある意味では「純情」そのもの、と言えるのかもしれないけど、

ほんとうに「純情」なのは、
そんな桜子の「魔性」にコロリコロリとひっかかってしまう、
うたがうことを知らないイケメン君たちのほうです。

この際、タイトルも、
『純情きらリ』より『純情コロリ』のほうがいい。

世間のお父さんがたは、
いまだに朝ドラヒロインの「処女性」だの「貞操観念」だのを信じて、
さぞかし毎朝、目を細めて桜子のことを眺めてるんでしょうけど、

哀れなのはあなたのほうですよっ!おとうさんっ!!

劇団ひとりも、
達彦も、
キヨシくんも、
桜子の人生にとって、有用な持ち駒のひとつにすぎませんよっ。
じっさい、戦中・戦後を生き抜く中で、
使えるロミオは、なるべく沢山確保しておいたほうがいいんだから。

だいいち、これから先、
ジャズの演奏会じゃ客席の罵声を浴びせられ、
空からは、山ほど爆弾も降ってくるってのに、
いったい、どのイケメンとどんな約束をしたかなんて、
いちいち覚えちゃいられない、っつーの。

そもそも“ヒロインの処女性”なんてものは、
『風のハルカ』のときに、あっさりと放棄されてるし。

ハルカが、大阪で最初につきあった男子というのは、
正巳でも、啓太郎でもなく、
物語とはなんの関係も無い、顔もろくに映らないような、
「そこらへんのお兄ちゃん」でした。
そのぐらいアッサリなほうが、現代の視聴者にはちょうどいい。

昭和初期の桜子に、
ハルカと同じ“軽さ”を期待するのは無理かもしれないけど、

このまま、
何人かの男の人と思わせぶりな関係を維持しつつ、
戦後になったら、一気にハジケてくれて全然かまいません。

数々のイケメンたちと華麗な男性遍歴を積み重ね、
最後は親子ほども年の離れた年下のイケメン君に看取られて、
波乱万丈の人生を終える、みたいな、

そんなイカした人生でもいいんじゃないでしょうか。
ジャズピアニストなんだし。(←偏見?)



つーか、
いまどき「たったひとりの人と最後に結ばれる」みたいな、
朝ドラのお決まりの展開じたい、いいかげんウザったいし。

何組ものカップルの可能性をちらつかせて、
「さて誰と誰がくっつくでしょう?」みたいな、あざとい脚本の手口も、
なんだか見てる視聴者のほうが弄ばれてるみたいで、腹たってくる。

この歳になると、
別に、どのオニーチャンとオネーチャンがくっつこうが、
そんなこと知ったこっちゃないし。

NHKの朝ドラのテーマって、
いつから「恋愛レース」一辺倒になっちゃったの?って感じ。

まあ、せっかく出てきたんだから、
出てきた登場人物にはとりあえず幸せになってもらいたいけど。
「恋愛レース」オンリーな展開は、ゲップ出そうです。




浅野妙子には、
今までの朝ドラ・ヒロインにまつわる、
ウザったい処女性だの、貞操観念だの、結婚の幸せだの、
その種の幻想を思いっきりぶち壊してもらうべく、
このまま桜子の「魔性の女」ぶりを全開させてもらいたい。

ついでに宮崎あおいちゃんも、
これを機に「優等生タレント」から解放してあげてください。



※現在、​ 音楽惑星さん ​にお邪魔して、「斉藤由貴」問題について考えています。






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最終更新日  2020.09.26 20:53:09


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