まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.09.21
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今回のテーマは、
さしずめ「ダークファンタジー」ってところでしょうか?



ダンロップは6人も殺した極悪人のようです。

しかし、
そのわりに料理が上手だったり、
陽気に仕事の手伝いをやったり、
身だしなみや身のこなしもよく、
いろんな流行の歌を知ってたり、
ダイアナのピアノ演奏に合わせて楽譜をめくったり、
詐欺師ならではの教養?? も感じさせる…。

考えてみれば、
ネイトとダンロップは、
カスバート家に下宿代を支払ったうえに、
土地の掘削機やら顕微鏡やら地質学の書物まで用意して、
かなりのお金をかけて周到な詐欺をやってますよね。



ダンロップが、
ダイアナのピアノ伴奏で歌っていたのは、
アリス・ホーソーンの「The Friends We Love」 という曲。

アリス・ホーソーンというのは、
「Ten Little Indians」を作ったセプティマス・ウィナーの別名。
本当は怖い歌として知られる「10人のインディアン」は、
インディアンの子供がひとりずつ消えていく内容です。

ちなみにセプティマス・ウィナーは、
ゴシック作家ナサニエル・ホーソーンの親戚なのだそうです。
彼の書いた「緋文字」は暗黒ロマン小説の名作ですけれど、
そういえばネイトの本名もナサニエルです…。



アンは、
森の幽霊のことを自分で想像して自分でおびえています。
これは原作にのっとったエピソード。

一方、学校の教室では、
英国ファンタジーの「アーサー王と円卓の騎士」を朗読している。
これは、ランスロットが森をさまよう物語でしょうか?

ジョーシーは、
ランスロットとグィネヴィア王妃の不倫をなじります。
アンは、原作でもそうだったけど、
やっぱりエレイン姫の悲恋に憧れているようです。
孤独な少年コールは、
授業中にキャメロット王国のお城の絵を描いて叱責されます。



ところで、
マシューも、アンも、
下宿人の詐欺にはまだ気がついていませんねえ。

とはいえ、マシューはかなり慎重です。

マリラも、
ネイトのことを意識して色気づいたりしてるけど、
金採掘の投資話には容易に乗ろうとしません。

やはりマシューとマリラの兄妹は、
長老派教会の日和見な老牧師なんぞよりも、
よっぽど敬虔な信徒であって、
保守的だし、堅実だし、質実剛健なのですね。



ギルバートの働く蒸気船はカリブ海に入って着岸し、
トリニダード島に住む黒人たちの実情が描かれました。

奴隷制は廃止されたけど、人種格差は消えていません。

しかし、食文化にかんしては、
プリンスエドワード島よりも、
トリニダード島のほうがずっと豊かなようでした。



最近はだいぶマシになったと思うけど、
もともとイギリス人の食べ物って不味いですよね…(笑)。
いつもフィッシュ&チップスばかり食べてるイメージ。

日本人や地中海沿岸のラテン人たちは、
いろどり豊かな野菜や魚介類を豊富に食べるけど、
アングロサクソンやゲルマン系の人たちは、
肉やジャガイモしか食べないから、味覚も乏しいと思う。

プリンスエドワード島は、
ただでさえ保守的なスコットランド系の社会なので、
質素な食文化があまり変化しなかったのかもしれません。

トリニダード島は、
いちおう英国領ではあったけど、
黒人やスペイン人も混じった南の島なので、
そのぶん食文化もいろいろと変化したのでしょう。



ギルバートは、
閉鎖的な故郷を嫌って広い世界を夢見ています。
一方の黒人たちには、そもそも帰るべき故郷が存在しない。

その対比が描かれます。

そんななかで、ギルバートは、
"にんじん" 呼ばわりしてアンに殴られたことを、
ふと懐かしく思い出したりします。

そのとき割れてしまったアンの石板は、
マシューの小遣いで、やっと買い替えられました。

割れてしまった古い石板は、
アルファベットを覚えはじめたジェリーのために、
マシューが捨てずに取っておいたようです。





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最終更新日  2021.10.08 14:08:39
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