まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.04.23
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カテゴリ: ドラマレビュー!
朝ドラ「虎に翼」on NHK。
吉田恵里香の脚本の非凡さが、
話が進むほどに際立ってきてる感じです…。

前の記事にも書いたとおり、
大森美香の手法に倣ってる面もあると思うけど、
ただそれだけじゃないことが分かってきた。



大森美香の手法というのは、
簡単にいえば、ヒロインを不幸にしないこと。
そのもっとも典型的な例が「あさが来た」です。

周りに不幸なキャラは登場するけれど、
ヒロインは基本的に幸福な家庭に生まれ育って、
幸福な家庭に嫁いで、幸福なままに人生を終える。

これが、
朝ドラにもっとも適したスタイルであることを、
2015年の「あさが来た」は強力に証明したと思う。

いまのところ、
今回の「虎に翼」も、
その手法に倣ってるように見えます。


しかし、
吉田恵里香の脚本は、
たんに大森美香の方法論を真似てるだけじゃない、
…ってことが、だんだん見えてきました。



第一に、この「虎に翼」は、
のですね。

社会的なテーマを扱ってますが、
それはけっして過去の話ではなく、
きわめて現代的な内容になっています。

朝ドラが、
ここまでアクチュアルな問題に挑んだことは、
過去に例がないんじゃないかと思う。



これまでも吉田恵里香は、
テレ東で「チェリまほ」を書き、
NHKで「生理のおじさん」「恋せぬふたり」を書いており、
果敢にジェンダーの問題に取り組んできてる。

今回の「虎に翼」でも、
現代社会におけるフェミ議論を挑発したりと、
社会的なテーマをしたたかにエグってますし、
それを朝のエンタメの枠組みのなかで巧く見せてます。

こういう面においては、
むしろ大森美香の「シッコウ」などを上回っている。



わたしは、
NHKの「恋せぬふたり」は見ましたが…

残念ながら、
テレ東の「チェリまほ」は見てなかったし、
NHKの「生理のおじさん」は終盤部分を見ただけ。

もともとNHKが、
ジェンダーや月経の問題に取り組んでることに、
ある程度の注目はしてたつもりだけど、
脚本家の吉田恵里香のことは意識してませんでした。

しかし、NHKは、
彼女のポテンシャルを見抜いてたのでしょうね。
この若い脚本家の能力をうまく引き出してると思います。



第二に、
失礼を承知で言いますが、

今回の「虎に翼」には、
美男も美女も登場していません。

ヒロインは美女ではないし、
そのお相手になる男性もイケメンではない。

つまり、メインのキャラのなかに、
典型的な美男や美女がひとりもいない。
唯一「美女」と呼べるのは石田ゆり子だけだと思う。

第4週には、いちおう岩田剛典が登場してますが、
彼も一般的な「イケメン」の役回りとは違っていて、
むしろ悪役になりそうな雰囲気を漂わせてます。

こういうところも、
従来の朝ドラのセオリーを大きく破ってますが、
おそらく意図的なのでしょうね。



すなわち、このドラマは、
男性はもちろん、女性にさえも、
「美」の役割=ジェンダーを求めてないのですね。
そのこと自体がとても政治的だといえる。

実際のところ、
女に対して安易に「美」を求めるのは、
本来ならポリコレに反するはずなのだけど、

いまのところ、
NHKにも、民放にも、
その倫理規範にまともに向き合ったテレビ番組は、
ほぼ存在していません。

報道番組も含めて、
あらゆるテレビ番組は、
意識するとせざるとにかかわらず、
ほぼ例外なく女に「美」を求めてしまっています。

でも、今回の朝ドラは、
そのことにすら抗ってるように見える。


この公式ツイートはおそらく意図的なミスリード。
これもミスリードになってました。


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最終更新日  2024.04.24 17:07:15


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