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2024.06.23
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カテゴリ: コーヒー


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​ORIGAMI COFFEE(折紙珈琲)​



岐阜県瑞穂市別府1170

open 10:00-16:00

土日祝10:00-17:00

close 第1水曜日 毎週木曜日

P10台





瑞穂市カーマ横の折紙珈琲、3度目の訪問。
初回こそすさまじく印象的なヌルめのコーヒーだったものの、2回めでだいぶ客観的に見れるようになった同店。一通りラインナップは試したものの、季節変わりの豆なんかがあると良いなと思いながらの訪問。



営業時間、定休日も変わっていない模様。

さて、まだ飲んだことのないのはあったかな・・・



たしかこいつはまだ飲んだことなかったはず。
グァテマラといえば個人的には割りと思い入れがある産地で、自分で初めて選んで飲んだシングルオリジンでもある。盟友S氏に最初に勧められたのはマンデリンだったが、専門家からの意見を聞いて真面目に選んだというだけあって、自分から飲んだコーヒーがこれなんだよな。バランスが良くこれといったカドもなく、フレーバーがとにかく上品なものが多い。

ただ、 この仕様書の中で一際目を引く項目があるとすれば、 精製方法がナチュラル だということ か。
一般的に流通しているスペシャルティコーヒーのグァテマラといえばその大半がウォッシュト精製(湿式)。ミューシレージを除去して乾燥させるタイプの精製方法で、クリーンかつ豆そのものの素材の良さが生かされやすい(素材という概念をどう定義するかによるとは思うが)が、こいつはナチュラル精製(乾式)なのだという。グァテマラでナチュラルってのは初めて見た・・・かもしれない。

いちおう、中米でナチュラル精製といえば、たとえばニカラグアなんかは比較的盛んだし、拘りがあってなおかつ高品質なナチュラル精製が存在しているのはよく知っている。ずいぶん前の話になるが、10年ほど前にLCFで一時期流通していたパナマ・カジェホン農園のゲイシャにもナチュラル仕様があり、異次元の果実感とクリーンネスを実現していて思わず唸ったものだが、グァテマラにもあったとは・・・驚かされた。

そして、オーダーした後によくよく落ち着いて読んでみると、



パワーワード過ぎる( ゚д゚)
いや、たしかに、ナチュラル精製やパルプトナチュラルだと、印象的な発酵感を伴うものも決して珍しくなくて、 「ワイニー」 「ブランデーのような」「完熟」 といったカッピングノートが用いられる ことも割りとよくあることなんだが、まさかの ​「赤味噌」​ という言葉が用いられるとなると、かなりクセのある発酵感が出てしまってるんだろう。ちなみに、一般的にスペシャルティの世界では「発酵」という評価はネガティブな評価として使われることの方が多く、発酵豆=欠点豆であって、小生のようにかなり肯定的な意味で評価する人は少ないんではないかと思う。クリンネスよりも尖った特徴を優先して求めがちの自分としては言葉の使い方にこまるところではあるんだが、とりあえず一般的な評価は置いといて、けっこう期待したくなるパワーワードだった。

と思っていると、カウンターの方ではちょうど抽出が始まり、その瞬間に強烈に発酵感のあるフルーティなアロマがふわふわと漂ってくる。素晴らしく幸せな香り。これは期待大。

あっという間の抽出からの着丼。早い早い。


​グァテマラ オリエンテ ナチュラル精製 フルシティ​ ​​


フルシティということで、一般的にはいわゆる「深煎り」「中深」あたりに相当。
さて、まずカップを持った第一印象は、相変わらずヌルいな~といったところ。ハンドルを持たなくても普通にカップを持てる(さすがにちょっと熱いが)レベル。
アンチ熱々派として常日頃主張し続けている小生としては、これこそがスペシャルティコーヒー専門店のホスピタリティであり至高の飲み方だろうと思いたいところなんだが、おそらくはほとんど理解が得られないであろうことは想像に難くない。特にこのモーニングサービス界の魔境、東海地区では・・・。
といった世間の風潮にもめげずに、これからもずっとヌルいコーヒーで孤軍奮闘していただきたい。



肝心の官能評価だが、改めて思うのは、この店の焙煎豆そのものって、かなり苦みがシャープなんだなということ。これはどちらが先なのか分からんけど、焙煎環境を考慮するとどうしてもこういう仕上がりにしかならないために抽出温度を低めに設定しているのか、ヌルめで提供したいがゆえにヌルくてもある程度苦みが出るように焙煎しているのか。おそらくは前者だと思うんだが(ただの勘)、結果として、提供された直後はかなり香ばしく、マンデリンの深煎り的なスモーキーささえ感じるほど。コスタリカやグァテマラに共通したカカオ感も上々で、付け合せのミルクチョコとの相性は抜群。

しかし、抽出中はかなりフルーティなアロマだったが、こうしてカップで出てきた時の香りの印象は全く違う。これは自分でも毎日淹れているのでよく分かるが、こういうもんなんだよね。抽出中のアロマとほとんど差が無いコーヒーって、自分の体験ではのべ5%ぐらいかな・・・。ほぼ記憶にない。


後半戦に差し掛かり、元々ヌルめで提供されたコーヒーは明確にヌルく、はっきり言えば冷めた状態に。ただ、小生に言わせてもらえば、ここからがスペシャルティが真価を発揮するところ。素材が悪いとこのあたりから嫌な酸味と苦みが舌に絡んで嫌悪感だけが増してくるタイミング。

結論から言うと、提供直後と比べると、明らかに冷め切ってからの方が美味い。スモーキーと言って過言でないほどの鼻につく香ばしさがすっかり影を潜め、エチオピアのナチュラルと見紛うほどの華やかで軽やかな香味、そして赤い果実系コーヒーに共通する深い余韻と、絡みつく舌触り。誤解を恐れずに言えば、ちょいと雑味の多い中品質なイルガチェフェナチュラルの雑味を意図的に出しまくったような味か。

温度の変化を楽しめるスペックを持つコーヒー=良質 というのが小生の中では既に定式化されているが、これはむしろ、変化後の方が10倍楽しめるコーヒーと言って良いか。これを狙ってやっているとしたら店主はそうとう曲者。

料理なんかでよく聞くのは、「最初の一口が一番美味しくなるように作っておりますので、どうかできるだけ早く手をつけてください」みたいな文句だが、こいつはむしろ、「最後の一口が一番美味しいので、とにかく時間をかけて食べてください」といったところか。
個人的にそういう設計思想やアプローチは嫌いじゃない。むしろ大歓迎だね。

と、一見するとベタ褒めなんだが、最後の四口ぐらいまでは正直なところかなり微妙だった。赤味噌感もよくわからなかったし、全体的に苦みが脳裏にチラついて、終盤までそうとう時間稼ぎをしたので(5分ぐらい読書してた)、もう少しチューニングしてほしいなと。あくまで主観やけど。





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最終更新日  2024.06.23 19:02:04
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