●●●新選組！～未来の可能性

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2004.06.06

(4)

テーマ：新撰組！(309)

カテゴリ：カテゴリ未分類

まばゆく見える。
未来を思い描き先を見据える。
愚かであろうとも滑稽であろうとも。

八木家での奉公で貯めたお金を
懐に抱く佐伯又三郎。
殿内義雄が頭によぎる。
新しい自分を思い描きながら彼らは
芹沢鴨の刃に散っていった。

生きてゆくために。
佐之助や永倉は
満面の笑顔で相撲興行のビラをまく。
自分に向いているかどうかは、
生活の基盤を固めてから考えるのが大人か。
斉藤一の戸惑いは若さ故である。

だが斉藤には割り切れても
沖田総司にはまだ割り切れないものがある。

何が正しくて何が間違っているかとか。
どうして自分の思うようにならないのかとか。
煮えきれない自分の状態に苛立つのも
やはり若さ故か。

取り入る相手を間違えればどうなるか。
またはやり方を間違えればどうなるか。

金にまかせて強引な席取りをした捨助は
相撲も観れずにつまみ出されてしまっていた。

葛藤の中で歴史は動いてゆく。
桂小五郎が、長州が動いた。
坂本龍馬が奔走している。
未来へ。
未来へ。

硬直した幕府が動くつもりはない。
その様は勇でさえ苛立たせるほどだ。

まばゆくさえ見える。
松平容保は京都に腰をすえた。
時代とは逆行してはいるがそれでも
彼には彼なりのビジョンがある。

勇はいつも考えている。
将軍がいなくなっても浪士組は京にとどまると。
容保がいれば自分の働く場所はある。
歳三はますます未来を見据え
血走っているようにさえ見える
山南は冷静に見えても
ずっと計算を怠ってはいない。

屋根の上に鴨がいる。
土方と山南は彼が自ら未来を捨てたのを
心なしかほくそ笑んでいるかのように見える。
勇は直感で全てを感じていた
彼の未来から芹沢鴨が
うっすらと消えようとしているのを。

会津と長州と薩摩が手を結べば。
龍馬と勇は発想が似ているようだ。
自分と芹沢鴨。
手を結べばいいのだ。

ただし。
常にうまく行くとは限らない。
思い描く未来は
可能性の一つに過ぎないのだから。

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