●●●西洋鏡映画の夜明け | かくの如き語りき

100万ポイント山分け！1日5回検索で1ポイントもらえる

438681

HOME | DIARY | PROFILE

2004.10.18

●●●西洋鏡　映画の夜明け

(6)

テーマ：最近観た映画。(40525)

カテゴリ：合作映画

私は映画が好きです。
だからきっとあの中国人たちと
同じような顔をして観ているのでしょう。
1902年の北京。
世界初の商業映画「リュミエール工場の入口」が
中国のスクリーンで上映されてました。
映画を初めて観た中国人は豊泰写真館のリウ。
記念写真などの写真屋さんで働いている青年です。
新しいもの好きで愛嬌のある笑顔をしています。
写真撮影の腕はなかなかいいようです。
上映したのはイギリス人のレイモンド。
映画で一旗あげるために中国に来たようです。
そんなことだから奥さんに逃げられたようですが、
元・奥さんのためにもがんばろうと必死です。

Hello!
リウはレイモンドに
カタコトの映画で声をかけました。
リウは持ち前の愛嬌ある笑顔で、
動く写真の話を中国人たちにして回りました。
彼はごく自然に西洋と東洋の橋渡しをして、
映画をあれよあれよと言う間に
人気者にしてしまったのです。

当時の人気の娯楽は「京劇」でした。
名優タンの動き節回しアクション総てが
観衆を魅了して止みませんが
客足は少しづつ映画の方へと映ってました。
しかもリウはタンの娘を好きになりますが、
貧乏な彼は家のために
寡婦と呼ばれるお金持ちの未亡人と
結婚を余儀なくされてました。
すっかり友人となったレイモンドは
一緒に映画をやろうと誘いますが、
中国人の彼にはそんな不義理は出来ません。
西洋と東洋の間には意識の違いがあるのです。

けれども。
西洋の国の映画を観て、
たくさんの中国人は知りました。
同じ人間であることを。
映画はいろんなものを見せてくれます。
リウはレイモンドは中国を撮りました。
町の人々や中国の景色万里の長城を。
それを観た人々は口々に言います。
「こんな風だったのかと」
自分が映っているのを観て、
こんなに年をとっていたのかと改めて知ったようです。
太っていたり痩せていたりする自分を
改めて知ったようです。
中国の風景がどんなに美しいかを
改めて知ったようです。
映画は本当いろんなものを見せてくれます。
私もきっと彼らと同じ顔をして
映画を観ているのでしょう。

西太后の誕生日を祝うための
紫禁城での上映会がもとで、
リウとレイモンドは離ればなれになります。
けれどもその一時の別れこそが
実は新しい時代への幕開けだったのです。
後にフィルムに収められたのは
名優タンの「定軍山」三国志のお話である。
西洋の技術によって東洋の芸術は
永遠の命を吹き込まれたのである。
いつのまにやらリウとレイモンドは再会して、
アフリカまで繰り出していたようです。
子供たちの笑顔がイッパイです。
撮りたいものがあれば
どこまで飛んでいってしまいそうです。

「ニュー・シネマ・パラダイス」を
思わせる音楽です。
映画への愛情はどちらもあふれるほどに。
この映画は西洋と東洋の違いを描きながら
映画の前では皆同じなのだと教えてくれます。
スクリーンに映る人も。
映画を観る観客も。

私は映画が好きです。
だからこそ大事にしたい映画になりました。

西洋鏡（映画のHP）

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう