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僕僕先生中国は唐の時代。親の金でぶらぶらと何するでもなく日々をすごしている青年王弁の前に現れた仙人「僕僕先生」。一見、美少女風のその仙人と王弁が目的もない旅に出て・・・という感じの作品。日本ファンタジーノベル大賞受賞作なので、そこそこの出来ではある。唐の時代の知識が豊富なんだろうと思うけど、歴史上の人物や出来事がさらりと紹介されていたりして「好きなんだろうなぁ」という好感が持てる。ただ、キャラクターが弱いような気がする。僕僕先生もインパクトはあるけど、そこらのティーンズノベルのキャラがそのまま仙人になった感じで、時代小説とのアンマッチングという点では評価できるけど、キャラそのものの魅力は薄い。王弁にしても、僕僕先生に恋心を抱くというのはお約束のパターンで、作品途中の妙なアツさは少々ウザイ。自分的には最後までのんびりキャラを貫いて欲しかった。面白いのは間違いないんだけど、期待通りのストーリーで展開が素直すぎるというか、読者を裏切る展開が欲しかった。あとは、当時の生活感がもう少しあればもっと違った印象だったかもしれない。有名な人物や事件のことは良く理解できるツクリだけど、庶民の生活がどうなのかという部分が弱くてリアリティがイマイチだったのが残念。続編、続々編もあるようで、伏せられていた部分が解き明かされていくと思うので、ちょっと期待しようかな。
March 5, 2010
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かのこちゃんとマドレーヌ夫人「プリンセストヨトミ」の作者の新刊書き下ろし作品。一年生になったばかりの女の子、かのこちゃんと猫のマドレーヌを軸にして話は進んでいく。主人公が子供なので子供向けの話にも思えるんだけど、しっかりマキメ節で、大人が読む作品になってる。かのこちゃんの視点では子供っぽい流れで、マドレーヌの視点では大人っぽい流れのストーリー。作品自体はそれほど長い話ではないので、ちょっとあっさりしすぎな感もあり、軽く読み流して余韻を楽しむという作品かなぁ。この、ちくまプリマー新書というものが誰を対象にしているものなのか不明なのでなんとも言えないけど、次回作に期待したいところデス。
March 4, 2010
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サクリファイスこの二月に文庫になったので読んでみた。自転車ロードレースを題材にした有名なサスペンス小説。同じくロードレースを題材としている「セカンドウィンド」は、プロになるまでの過程を描いている青春小説だけど、これはプロを主人公にしている作品で、素人の意見としてはこちらのほうがよりロードレースを理解できるであろう作品になっていると思う。大勢のレーサーが一群となって走る姿はテレビなんかでたまに見るけど、ルールとかは良くわからなかった。この本を読むとロードレースが団体競技であり、チームのエースを勝利させるために己を犠牲にして走るアシストの力があってはじめて成り立つ競技だということが良くわかる。ロードレースがそういう競技であるからこそ成り立つストーリー。それがこの作品のすばらしさなんだろう。この本を読んで自転車に興味を持つようになったとか、そういう話も良くわかる。サスペンスなんだけどポジティブな力が滲み出てくるような感じ。主人公も最初はぱっとしない印象だけど、じわっと輝きを増すような味わいを出してる。脚光を浴びるエースとしてではなくアシストとして本領を発揮、そして大舞台へ・・・というところがいいね。続編も近々出るようなので、ぜひ読んでみたいなぁ。セカンドウィンド(1)
March 2, 2010
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武士道セブンティーン武士道エイティーン「武士道シックスティーン」の続編。これはいい作品だ。読んだ後に、「よかねえ、よか作品たい!」と、思わず口にしてしまうくらいいい作品だ。前作ではヒロイン二人の成長がメインで、そこに剣道を通じて「武士道」がチョイ首を出すって感じだったけど、今回はヒロインの人間的な成長に磨きをかけていく過程もあるけど、現代の剣道が伝える「武士道」とは何ぞや?っていう問いかけに対する作者なりの答えを出そうとしている向きが大きい。おそらく完結編と思われる「武士道エイティーン」では脇役たちのショートストーリーを絡めて構成されているので本筋が少々散漫になってしまってるんだけど、これはこれでいいかも。自分的には、特に桐谷先生と吉野先生のパートが好き。これには久しぶりにゾクッときたねー。この構成がたまらんばい。三作に共通するのがリアルな空気感。スポーツ作品には不可欠なもので、言葉を頭で解釈する前に感覚で感じられないとリアリティーが出ないんだけど、この作品では剣道を良く知らない人間でもその試合を見ているような感じにさせてくれる。各人の殺気や気合を肌で感じられるような表現力は、さすがハードな作品も書いている作者の力量が感じられる。これはホントいい作品だよね。暗い描写もあるにはあるけど、登場人物みんなが前を向いて進んで行ってるので、読むと何か元気や力をもらえる気がする。なんつっても、脇役がいいよね。荻原規子さんが書いてたんだけど、長い間読み継がれている優れた児童文学には必ず主人公を見守る温かい大人達、脇役の存在があるって。そういう脇役たちがこの作品にも大勢出てくる。この作品は児童書ではないけど、そういう「誰かが支えてくれてるから自分がある」っていう雰囲気が自然と感じられるところが気持ちいいのかもしれない。それにしてもやたら読みやすいんで、読み終えた後もパラパラ気に入ったシーンを何度も読み返したり・・・なかなかこんな作品には出会えないよねぇ。青春スポーツ物が好きな人は、ぜひ読むべし。
February 26, 2010
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難民探偵西尾維新の本ははじめて読むんだけど、まあそれなりに面白かった。とりあえず、西尾先生の本は表紙でひいちゃうんで今まで読まなかったんだけど、独特の語り口で「ああ、これは好きな人はたまらんのだろうなぁ」と思える作風だった。登場人物の名前とか、たぶん適当につけてるんだろうなと思えるんだけど、そういう投げやりな雰囲気も今風と言えば言えるんだろうか。一応、推理小説ということらしいんだけど、とりあえずメインキャラの女の子の語りが「しつこい!」というくらいに多い。同じようなことを繰り返し繰り返しえんえんと語ってくれるので、何が本筋かわからなくなるくらい。慣れると適当にスルーできるようになるので、スイスイ読み進められるんだけど、これがだめな人は・・・ダメだろうねぇ。話の筋がどうとかいう作品ではなくて、登場キャラの特異なノリを楽しむとか、作家の語り口や世間に対するシニカルな見解(?)を楽しむものなんだろうね。この作品に関しては、出版の世界の裏側みたいな部分を書いてるので、業界の裏話的なノリも味わえて色々興味深いところもあったかな。キャラクターの一人に「変人の売れっ子作家」というのがいるので、西尾先生とかぶってるのか誰か知り合いのことなのかはわからないけど、そういうところを考える面白さもある。暇があったら、他のシリーズも読んでみるかなぁ。
January 23, 2010
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【DVD】ダークナイト 特別版バットマンの初期の頃を描いた作品。バットマンの映画は「暗い」という評判で、痛快な作品を好む自分としては避けてたわけだ。でもまあ、この作品はなんだかパッケージを取って見たときになんとなく見てみようという気になった。めちゃくちゃ面白かったね(暗いけど)。日本ではイマイチ受けなかったようだけど、これはいい作品だと思う。SFという範疇を超えて、映画好きな人が見ればわかると思うけどなー。アメコミヒーローといっても、バットマンは生身の人間だからそれほどSFしてないし、ストーリーの核にあるものは人間ドラマだからね。ラスト付近のオチもありきたりと言えば言えるんだけど、そこに至るまでの演出がすばらしいので見入ってしまった。いやー、こういう作品だとは思わなかった。アメコミヒーロー物でここまで演出に気を配って作られた作品があったとは・・・。勉強不足でした、スイマセン(誰に謝ってんだか・・・)。ぜひぜひ、続編(次の作品ね)も作って欲しい。その前に「バットマン ビギンズ」を見なければイカンなぁ。
January 21, 2010
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アイ・アム・レジェンド 特別版[2枚組]ウイルスミスの人類滅亡映画。結局、人類は助かるんだけど(たぶん)、ウイルスミスが不死身ではないことが証明されたw。まあ、お金がかかってるのでそれなりに見られる作品にはなっている。見飽きた感はあるものの、やっぱりウイルスミスは好きだなぁ。エディマーフィみたいなわざとらしさがなくて、がむしゃらな演技に好感が持てる。ということで、ストーリー自体は特に見るところなし。フラッシュバックのように出てくる回想シーンなど、凝ってみたという演出もわかるんだけど、内容がお粗末なので入り込めない。ゾンビみたいになった人間に少しずつ知能がついてくるところなど、獣扱いしていた彼らをどうするのかという葛藤などが出てくるのかと思って見てたら、結局何にもなかったし。ウイルスミスがやられるためだけの演出だったのね。人間は空気感染するけど犬はしないとか、なんて都合のいい設定なんだって感じだし、ところどころに引っかかる部分があるので、全体を通してスムーズに入り込めるものではなかった。その気になればもっといい作品に出来ると思うんだけどねぇ。
January 18, 2010
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アナタノ知ラナイ兵器模型雑誌のスケールアヴィエーション、ネイビーヤードで連載されていたものを一冊の本にしたもの。ネイビーヤードでは現在も連載中。ネイビーヤードで連載されているものはリアルタイムで読んでるんだけど、そのときから素人の自分から見ても「ちょっと変わってるなぁ」というのと「かなりのこだわり(愛?)がある」というのはわかった。こうやって一冊の本になると、さらにその思いが強くなる。とにかく、相当こだわりがあるね。マニアの目から見るとどうなのかはわからないけど、著者の他の本のレビューなんかを見てると、素人は素人なりに、マニアはマニアなりに楽しめるという評価がされていて、「なるほど~」と思ったね。自分はとりあえずイラストが秀逸だと思う。著者も書いているように、「この兵器のこの部分はどうなってるの?」ってところにこだわって描いてあったりするので、イラストイコールこだわりの部分という見方もできる。「こんなアングルのゼロ戦、見たことねーよ!」っていうイラストもあるし、それがまたカッコイイんだよね。やっぱり、こだわりと愛が筆に出てる気がする。ちょこちょこと書き込んである注釈も面白いし、解説してるというよりは著者のおしゃべりを聞いてる感じなので、肩肘張らずに読めるところもいい。エッセイを読んでる感じかなぁ。スケールアヴィエーションに連載されていた航空機編はそこそこ名前を聞いたことがあるような機体がほとんど。ゼロ戦五二丙型、月光、銀河、雷電、渋いね!ネイビーヤードで連載されている艦艇編はマイナー(というかナニコレ?って感じ)なものだらけ(だと思う)。それこそ「こがしゅうと節」の嵐(笑)。「甲標的」「海龍」はまだしも、「一輸」「大発」とか「電探」とか、これって兵器のカテゴリーなのか?と突っ込みたくなるんだけど、確かにコイツらがなければ戦争もできないもんね。そんなマイナー兵器たちをエッセイ感覚で読んじゃうって・・・、なかなか体験できないぞ!まさに、トワイライトゾーンですヨ。ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ≪月光≫
December 15, 2009
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ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディションウィル・スミスが飲んだくれダメヒーローを演じたヒーローもの(?)。スーパーマンでありながらアル中で、人を助けているつもりが物を壊しまくって嫌われ者になってしまっているという発想は面白いと思う。シリアスな話にせず、コメディタッチで進めていくのもアメリカらしくていいんだけど、結局はウィル・スミスのラブコメで終わっちゃってる感じがするなぁ。ハンコックの生い立ちの謎解きなんかも一応あるんだけど、ラブコメのために取ってつけたようなものだし、スーパーマン的な面白さが少なくギャグで終わらせてるから、ヒーロー物として見ると全然面白くない。何のためにウィル・スミスを持ってきたのか、もったいないよね。いままでスーパーマンは白人がやってたわけで、黒人のスーパーマンにちょっと期待してたので。人種問題がどうのというんじゃなく、ウィル・スミスならでは、というスーパーマンをもっと見たかったという人は自分以外にもいるんじゃないかなと思うけど。ちなみに、本家スーパーマンシリーズは大好きで、旧シリーズはテレビの洋画劇場で何回も見たし、「スーパーマンリターンズ」はDVDで見たけど、個人的には満足のいく出来だった。それだけにこの「ハンコック」、どういう作り方をしてくるのか楽しみだったんだけどなー。スーパーマンものでは「アメリカンヒーロー」とか「スーパーガール」とかあるけど、両方とも面白かったもんね。「スーパーガール」は最初の方の飛ぶシーンのワイヤーアクションがすごく良かったし、がんばって作ってるなーという印象があった。アンチであってもなくても、そういうスーパーマンらしさが欲しかったと思えた作品でした。「ハンコック2」は無いだろうなw。アメリカン・ヒーロー DVD-BOX PART.1
December 11, 2009
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ヘルボーイ ゴールデン・アーミー リミテッド・バージョンこれは面白かった。というか、この手の作品は好みだってことなんだけどね。前作も結構面白くて、内容がどうこうというよりも映像の雰囲気がいい。全体通して、退廃感が漂っているという感じで、ロックなサウンドもマッチしてる。今回はちょっとファンタジーよりの作品作りを意識したのかも知れないけど、しっかりと「ヘル」な味が出てる。いかにも悪役顔のエルフの王子のアクションがどう見ても中国拳法なのは違和感あるけど、序盤の「緑のエレメント」のシーンなんかはちょっと感動もん。ああ、これは違うぞ~と思わせるものがあったけど、それほど深く掘り下げることなく普通の展開で終わっちゃったのがちょっと残念。まあでも、「形だけ作ってみました」みたいなモノじゃなくて、好きな人が作ってるのかなぁという雰囲気はバシバシ出ててすごくいいと思う。こういう、B級の雰囲気のある映画にすごく出来のいいものがあるところが米国映画界の懐の深さなのかな。ストーリーだけを見ると人間の業の深さを描いたような作品かもしれないけど、メインのキャラクターを見てると「そんなのどうでもいい」という気持ちになってくるところが面白い。結局、異端者は異端のままで普通じゃないんだぞ!って感じ?X-MENみたいな良い子になりたいけどなりきれない、そういうところが面白さだと思う。あと、ヘルボーイの表情がいいね。特に最後の「子供・・達?」ってところなんか、特殊メイクなのにうまく表現してるなぁ…と思いました。なんとか、次回作もがんばって欲しいデス。
December 5, 2009
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NAVY YARD (ネイビーヤード) 2009年 11月号 [雑誌]艦船模型雑誌、ネイビーヤードvol.12の紹介。今号では高速戦艦を特集している。自分の場合、ここでネイビーヤードの紹介を始めた頃は模型はもちろん艦船についての知識も皆無だったんだけど(今でもほぼ皆無だが)、最近はちょっとはわかるようになって来た。というか、なかなか面白いものだね。模型制作にはまだ取り掛かれてないんだけど、作ろうとする模型がどんな歴史を持っているのか、それをちゃんと知ってから作るっていうのがモデラーさんの醍醐味みたいなものだろうか。当たり前なんだろうけど、見た目がカッコイイとかよりも、こんな活躍をしたとか奮戦むなしく撃沈されたとか、そういうものに惹かれる気持ちはわかるなぁ。それからさらに進んでいくと、戦争の歴史に行き着く。軍の艦船がどのように変遷していったのかということを調べていくと、それはそのまま戦争がどのように進んでいったのかということにもなる。それが歴史っていうものなんだなぁと、今になってようやくわかったね。で、今回の特集の高速戦艦。それまでは攻撃力と防御力が大きければそれで良しとされていた戦艦が、海戦の様変わりによってプラス機動力も必要とされるようになってきた。第二次大戦になって艦隊のメインが空母に変わってしまった時に、その機動力も手に入れて活躍を続けたのが高速戦艦、ということらしい。どのような経緯でその高速戦艦たちが産まれていったのかってこともこの本を読めばよくわかる。きちんと時代考証に基づいて再現製作されている模型を見ることで、さらにわかりやすくなってるからね。圧巻なのは相曽氏による「八八艦隊計画」の記事。いつも楽しみにしている氏の記事が、今号はびっしり8ページ!!ものすごいテキスト量にうれしい悲鳴をあげてしまったね。いつもながらの豊富な知識量と流麗な文章。なんでこんなにややこしいことを、こんなにわかりやすく書けるのか不思議。「超弩級」という言葉の由来がかつての戦艦の名前からきてるって、皆さん知ってました?こういうプチ雑学も身に付く模型雑誌ってそうそうないんじゃないかなw。個人的には、「原子力潜水艦シービュー号」の模型が欲しくなっちゃった(特集とは関係ないのだが)。作る暇もないし飾る場所もないけど(もっと言えば買う金もない?)。今買っておかないと無くなっちゃうかな~。【ポイント10倍】メビウスモデル 1/350 原子力潜水艦シービュー号 オーロラスケール版【MOE808...
December 4, 2009
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地球が静止する日<劇場版&オリジナル版>コンプリートBOX(初回生産限定)どれだけ面白い映画になってるか楽しみだったけど、正直、面白くなかった。オリジナル版はあんまり憶えてないけど、昔テレビで見てかなり衝撃を受けた記憶はある。それもあって期待してたんだけど…。結局、キアヌで始まってキアヌで終わった感じだな。大体、無駄なシーンが多すぎ。冒頭からして意味ないだろ。山登って球体と遭遇するシーンに何か意味あるんだろうか?あの数分のシーンをじっと見るだけでも退屈してしまったなぁ。CGがきれいなのはわかるけど、キラキラ光る玉はもういいって、そんなに見なくても。全体のストーリーとしては、大きなテーマが人間ドラマに格下げされた感があり、残念。まあ、米国の映画だからアメリカン!なのはしょうがないけどね。もっとサイエンスフィクションして欲しかったな。「宇宙生物学者」の肩書きとか、何の意味もなかったよね。ほんとに。これ、映画館で観た人はご苦労様でした。↓こっちの方が百倍は面白いと思いますw(マジで)。ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 カスタム・コンポジットBOX
November 30, 2009
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船に乗れ!(3)ついに完結だー!終わった・・・終わりました。いい作品だね、ほんとに。音楽のことなんてほとんど知らないんだけど、それが苦にならないっていうか、これ読んでると自分が音楽のことめちゃくちゃ知ってるみたいに思えてくるから不思議だね。それだけ文章がうまいって事なんだろうか。ジャンルはぜんぜん違うけど、夢枕獏の格闘小説なんかを読むと自分が格闘家みたいに思えるのと同じか(笑)。とにかく、等身大の主人公がいいね。過去の自分のことを語るっていうスタイルなんで、下手に飾ったりせずにストレートに描写されてるところがイイ。前にも書いたけど、世代的にかぶってるところがあるので、端々に懐かしい描写が控えめに出てくるという自然なノスタルジー感がこれまたイイ。まあ、正直なところ二巻までの展開から考えて、自分で勝手に期待していたモノとは違うエンディングだったのでちょっと残念な部分はあったんだけど、自分の思うようなモノだとマンガみたいになっちゃってこんな名作にはならないでしょうから(苦笑)。これ以上書くとまだ読んでない人の面白みが減るといけないんでやめとくけどw。こういう作品が書ける人はいいね。基本的にはハッピーエンドが好きなんだけど、こういう作品はもっと大好き。自分勝手的には、ようやく浅田次郎さんのあとを継げる作家が出てきたか!って感じ?他の作品も読んでみたいし、これからの作品に期待が持てる。早くも一巻の増刷かかったみたいね。売れるうちにじゃんじゃん売っちゃってください!!
November 26, 2009
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ツタヤから百円クーポンのお知らせが着てたので、昨日行って一気に9タイトル借りてきた!しばらく全然DVD借りてなかったので、見たかったやつを手当たり次第に。アイアンマン、ハンコック、地球が静止する日、ウオッチメン、ハムナプトラ3、イーグルアイ、ヘルボーイ、ハルク。ほとんどSF。一週間で見られるのかって?がんばって見ますよ!!ま、家では見られないんだけどねー(笑)。
November 22, 2009
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RDGレッドデータガール(2)メッチャ面白い!!サイコーです!!ホントは「ミレニアム1」の下巻を読んだのでそっちを書くつもりだったんだけど、吹っ飛んでしまったw。それくらい面白かった。まあ、自分の好きなタイプの作品だってことなんだけどね。一巻に比べると俄然、盛り上がってきたなぁ。ミステリーなんかと違うところは、この作品の結末がどうなるかってことももちろん気になるけど、それと同じくらい途中のプロセスが楽しいってことかな。だから、読み終えても「続きを読みたい」というより「もう一度読みたい」と思っちゃうんだよね。こんなことめったに思わないんだけど。この本を読んでつくづく、「日本人でよかったなぁ」と思う。この微妙なニュアンスは日本人ならではのものだと思うしね。同時に、日本にもこんなにすばらしいファンタジーの語り手がいることを誇らしく思う。もちろん、他にもたくさんいるんだけどね。これはほんと、子供に読ませたいなぁ。というか、これを読んでくれる子供になって欲しい!頼んまっせー!
November 17, 2009
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ミレニアム(1 〔上〕)Gさんオススメのミステリーをようやく読んだ(と言っても1部の上巻だけだが)。スゥエーデンで発売されるや否やあっという間にベストセラーになったという、社会派(?)のミステリー。自分のイメージとしては、スゥエーデンという国は教育・福祉先進国で人権的なことに関しては非常に洗練されているという刷り込みがあったんだけど、世の中そんな甘いもんではないということがわかるね。そういう意味でも面白い話だな。まだまだ上巻の範囲では話が動きだすか出さないかというところなので、「面白い」ところまでは行ってないんだけど、ツクリは非常にうまいという印象。いい具合にえさをばら撒いてくれていて、はまりだすと止まらなさそう。キャラクターもなかなかいい味を出していて、現実離れする一歩手前といういい感じのところに収まっている感じがする。非常に残念なのは、なんと作者がこの本を発刊する直前に急死しており、続刊の予定もあったようなのだが、その機会が失われてしまったということ。三部作が発刊済みなんだけど、続編を予感させる部分もあるらしく、全部読む前から言うのもなんだけどほんとに残念。まだ50歳だったので、これから何冊でも作品が書けたのに…。全三部作、心して読ませていただきます。
November 11, 2009
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船に乗れ!(2)「船に乗れ!(2)」である。前作、「船に乗れ!」の続きなのである。当たり前なんだけどね。いや~、よかった!想像通り、いやいや、想像を超えてよかったね。ここまで自虐的な内容だと辟易するところもあるんだけど、それを超えて読むべきものがある。かなり相性がいいんだろうんね、この作品と自分と。ここまで入り込んで読んだのは久しぶりかなぁ。今年読んだ本のインパクトで言うと「プリンセス・トヨトミ」のほうがでかいけど、入り込み度で言うとこっちの方が上だな。ま、逆に言えば合わない人はこの作品だめだろうね。主人公のキャラクターがとことんイヤならキツイだろうし。それだけいけ好かないキャラクターなんだけど、そのキャラクターがあってこその作品なのでそこんところは我慢してほしいなぁw。でも、そこそこ歳をとった男子ならこの主人公のように生意気で鼻持ちならない「オレ様」だった時期が必ずあると思う。今から思うとたくさん回りに迷惑かけたし傷つけたりもしたし、逆に迷惑かけられたり傷つけられたり…。そういう、言葉にすれば陳腐になりそうな表現が、音楽的表現で語ることで見事に昇華させられてるというか、まさに言葉が音楽のように心に響くねぇ。ホント、いい作品だよ。11月に三冊目(完結編!)が出るそうだけど、絶対読むぞ!今読みてぇー!!二冊目は楽天ブックス売り切れだね。早く仕入れてよ!ひょっとしたら、品切れか?5万部くらい刷っとけよ~。
October 13, 2009
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船に乗れ!(1)高校の音楽科を舞台に、主人公の回想という形で進んでいく、音楽青春小説。作者の歳からすると、たぶんこの主人公と同じくらいのときに自分も高校生だったんじゃないかと思う。そういう親近感もあってか、とても懐かしい感じのする作品だった。一冊で読みきりではなくて、二冊目がすでに出ているようで、近々三冊目も出るらしい。なので、まだまだ断定は出来ないんだけど、この作品は面白いぞ!(断定してるじゃん)一人称の語りがメインになるので(特に最初のほう)、正直、読み始めはちょっとつらかった。しかし、良い作品の常というか、後半過ぎた頃から話が動き出すので、あとは締めに向かってゴーだ!って感じで、一気読みだったな。もちろん続き物なんで、これ一冊で完結してるわけではなく、色んな伏線を残したまま次にいっちゃうんだなぁ。猛烈に続きが読みたいぞ!!(最近こんなのばっかりだな)先日の「文化祭オクロック」に続いて高校生の青春小説だけど、こっちは年代的に共感できる部分が多いので非常にマルですな。かといって古臭いムードが漂うわけではなく、うまく現代風にアレンジされているところもあり、作者の力量が感じられる。男子と女子、なんていまや死語じゃないの?キャラクターの恋心など、漫画チックにならずかといってあっさりでもなく、「わかるなぁ~」などとおっさん全開の感想を抱きつつ面白く読めた。レコードでクラシックやジャズなんかを聴いてた世代はイケルんじゃないでしょうか?けっこうおすすめかもねー。しかし、主人公が恋心を抱く女子の名前が「南枝里子」なんで、呼び方が「南!」なんだけど、我々世代が「南!」と言われて次に来るのはやっぱり、「たっちゃん!」だよねぇ~。どうでもいいですか?あっそう。シツレイシマシタ~。タッチ完全版(1)
October 9, 2009
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文化祭オクロック高校の文化祭を舞台に、ちょっとした謎解きを絡めて今の高校生の世界を書いた青春小説ってところかな。とりたてて「面白い!」というものでもないけど、文化祭の様子や登場人物などうまく書けてると思う。文化祭って、大抵の人が何らかの思い出を持ってるだろうし、高校生の青春を書くとするならいい題材なんだろうね。最近の若者を書いた作品には多いけど、これにも引きこもりや無差別殺人といった現代社会の暗部を論じるところがしっかりと出てくる。そのあたりは正直、「またか」と思うところもあるんだけど、まあ、避けては通れないところなんでしょうか?とはいっても、かなりソフトに扱ってるのでうざったいとまではいかないんだけど、どうしてもキャラの向こうに作者の存在が見えてきちゃうので、キャラ物好きの自分としてはそういうところはマイナスポイントだった。キャラクターが主張する前に作者が主張しちゃったら、なんか入り込めないんだな。そういうところが、もうひとつかなぁと思ってしまった。でも、全体通して明るい話だったのでよかった。前述の話にしても、さほど重くない取り上げ方だったし、高校の文化祭らしい「終わりよければ全て良し!」って感じで、いいまとめ方だった。ちょっと青春を顧みたい(省みたい?)人は読んでみたら面白いかも?
October 7, 2009
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装甲騎兵ボトムズCRIMSON EYES(1)装甲騎兵ボトムズCRIMSON EYES(2)なにやらガンダムに便乗して、何周年かの(25周年か?)企画に絡んで出版されたみたいだけど、ボトムズ好きとしてはちょっと気になって買ってしまった。原作アニメの何かを求めて読むとがっかりするかも(あたりまえか)。原作とは何の関係もない内容で、時々出てくる固有名詞に懐かしさを感じるくらい。若干、キャラクターを似せようと苦心しているようなふしもあるけど、まあ、メインキャラの女の子は全く関係ないからね。装甲騎兵のバトリングをメインに持ってきて、言ってみればポケモンみたいな「バトル」を中心にして話を引っ張っていってる。それはそれでいいんだけど、肝心のバトルシーンで、「これはっ!」っていうワンシーンが描ききれてないところが惜しい。メカ同士のバトルシーンを苦労して描いてるんだけど、決めのカットがコレといってない所がねぇ…。ただ、サブキャラクターは結構好きなタイプがいてるかな。ハリラヤなんかは作者も筆がノッテる気がするんだけど、いい味でてるよね。もうちょっと活躍させてほしかったけど。(じゅうぶん活躍してる?)あとはおっさんキャラ全般的に好きな感じが多い。この作者、おっさんのほうが得意なんじゃない?名前もない軍曹とか、いい感じかなーと思い出したらあっさりやられちゃったりしてるし(涙)。全体的に、まとまりがないというか、話の流れとオチの関係、あんまりないだろっていうか、まあ、そんなことを求めてはいけない漫画なんだけどねw。正直、予告として描かれてる続きのほうが面白そうだと思うんだけど、たぶん、続きはないんだろうな(悲)。ところで、ランバートの声って、銀河万丈なんだろうか?
October 2, 2009
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木の中の魔法使い昨日はミリタリー、今日は児童文学ってかw。あんまり期待しないで読んだんだけど、これがなかなか、結構面白かった。さすがアリグザンダー。ほんとはプリデイン物語を読み進めたいんだけど、二巻以降が(値段が高すぎて)手に入れられないので、たまたまブックオフで発見したこれを読んだってとこ。正直言って、この本は表紙で損してるね。あと、題名も。表紙の絵と裏表紙の紹介文を見たら、とんまな魔法使いのお話かと思っちゃうもん。ところがどっこい、そのとんまぶりもちゃんとした理由があるわけで、作者の深~い考えがあるわけなんだよね。けっこうファンタジー買うときって、表紙である程度選んじゃったりするところがあると思うし、わざわざこんなカラー絵載せるより、白黒のペン画を載せておくほうがずっと購買意欲をそそると思うなぁ。挿絵のほうがずっと雰囲気あるもん。それにしても、実世界と密接に関係していて、なおかつちゃんとファンタジーしてるところはスゴイ。夢を夢だけに終わらせないで、きちんと「明日」に目を向けさせているところなどは、ほんとうに作者が読者である子供のことを考えているってことなんだろうね。これは絶対にウチの子にも読ませよう。
September 30, 2009
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先日紹介した、「帝国海軍軍艦作例集2」だけど、けっこう皆さん見に来てくれてるようで、ありがとうございます。休み明けだというのに、このブログ二度目の200ヒット超えですよ(笑)。「日向、伊勢」とかでキーワードに引っかかったのかな?案外「綾波」で、違うところから引っかかってる可能性もありますがw。つーことで、作例集に載っている艦船名を一応紹介しておこうかな。戦艦 「金剛」 フジミ航空戦艦 「伊勢」 ハセガワ戦艦 「日向」 ハセガワ軽巡洋艦 「大淀」 アオシマ軽巡洋艦 「川内」 アオシマ軽巡洋艦 「夕張」 タミヤ駆逐艦 「響」 ピットロード駆逐艦 「雷」 ピットロード駆逐艦 「綾波」 ピットロード駆逐艦 「敷波」 ピットロード重巡洋艦 「筑摩」 アオシマこんな感じです(フウ…)。基本的には完成作品の紹介なんだけど、市販のエッチングパーツなどのディテールアップパーツの流用の仕方なども説明されているので、モデラー的にも非常に役に立つ本になってます。というところで、調子に乗って本日の紹介本なんだけど、オスプレイ・ミリタリーシリーズの 「装甲列車」 だ!装甲列車これは英国のオスプレイ社が発刊しているシリーズの邦訳版で、この「装甲列車」が39巻。他にもこのシリーズ何冊か持ってるけど、とにかく普通の雑誌だと特集記事でも数ページで終わってしまうようなところを一冊丸々、びっしりと書かれてあるので、非常に資料的な価値が高い。たぶん、載っている写真なんかも、すごく貴重なものが多いんじゃないかな。詳細なイラストが多いところもマルだな。それから、自分的には、著者が外国人なので日本人とは違う目線で書かれてある内容がとても興味深い。ある意味、(日本人から見ると)第三者的な立場でものを考えているので、「なるほど~」と思えるところがある。この本でも、「こんな列車が兵器として使われてたんだなー」という面白さと、「装甲列車」が開発された経緯や主に使用された地域の特徴、なぜ短命に終わってしまったのかなどなど、非常に興味深い内容が盛りだくさんだからね。(ほとんどは)線路という軌道でしか移動が出来ないわけだから、その利点と弱点がはっきりしているが故のデザインが面白い。形あるものには必ず理由があるっていう感じで、ちょっと不謹慎だけど、「かっこよし!」。ロシアから満州まで流れ流れてきた「アムール軍団」号とか、張作霖の奉天派から関東軍、NRAへと主を変えながら活躍(?)した「湖北」号など、それぞれの装甲列車の歴史もあり、良くこんな本、出版したなーと感心することしきりだねw。写真とイラストだけでも、十分買う価値ありですよ。
September 29, 2009
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Takumi明春の1/700艦船模型至福への道其の四である。前回紹介したものはディティールアップの方法を具体的に説明してくれていたけども、これは作例集なのでほとんどは作品の紹介という形になってる。ただ、自分的には、各艦艇ごとの歴史的なプロフィールが載っているので読み応えがあって大変よろしい。空母に改造された戦艦「伊勢・日向」など、なぜそういう改造をされてしまったのかという経緯が書かれてあるので、「なるほど~」と唸ってしまうこと請け合いである。もっとも、こういう雑誌を購入する諸兄はそんなことはとっくにご存知で、むしろ内容の不備に突っ込みを入れるくらいの気合が入っているのだと思うんだけどねw。まあ、とにかくどれもこれもしぶいねぇ。駆逐艦「綾波」なんか、説明文読みながら「はんぱねえ!!」と叫びたくなる。いつものことながら、こういう本を読んでると考えてしまう。「先の大戦はなんだったのか?」ってね。結果だけをみれば、大国アメリカに無謀な戦争を挑んだ小国日本ってことになるんだろうけど、戦局ごとを見てみると決してぼろ負けってわけでもなかったみたいだからね。勝ったとか負けたとか、そういうレベルの勉強は学校で教えてもらえるけど、もしこの戦争を起こさなかったら日本はどうなっていたのかとか、そういう勉強はまったくしてきてないもんね。今になって思うけど、そういうことがホントの歴史の勉強なんじゃないかなと思う。年号とか覚えるだけなら、教科書読んでりゃいいじゃん(その年号すら覚えてないんですけどね)。まあ、そういうことをつらつらと考える一助にもなるという、貴重な雑誌だと思います。
September 28, 2009
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先日、実家で懐かしい本を発見した。「世界のジェット戦闘機」というカード形式の本。昭和52年初版。もちろん、初版本。スーパーカーが大流行してたときだったけど、「スーパーウエポン」という映画があって、こういう兵器関係も結構人気があったんだよね。ちょうど、F14トムキャットとかが出てきたときだったかなぁ。実家でこれを見つけて、「え~、こんなんまだ残ってたんや!」と、感激してたら、姉が、「こないだ整理しといてやったよ」と言ってた。「捨てないで、残しててくれたんや」と言ってたら、「捨てるかいな!私も好きやし、こないだも見てて、 カッコイイ順番に並べなおしといたで~」だってさ!(爆笑)さあ、姉が一番カッコイイと思ってる戦闘機はどれでしょうか?(笑)50枚くらいのカードがあるけど、その裏に性能なんかの表と、作者(写真も)のコメントが載ってて、これがまたなかなか面白いんだよね。さてさて、ミリオタ的にはどのくらいのレア度なんですかね?Gさん、飲み会に持って行きましょうか?
September 12, 2009
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しばらく書いてなかったら、また書き込み画面が変わっとるね。ま、いいけど。夏休みが終わって、なんかばたばたしてたら、一週間あっという間だな。新型インフルが流行ってきたってことで、案の定、幼稚園でも小学校でもしっかり感染者が出てるようだし、職場でもちらほら出てるみたい。早いうちにかかっておくほうがいいのか、ワクチン打てるようになるまでがんばるほうがいいのか…。まあ、こっちで選べないからどうしようもないけどね。その話は置いといて、「スパイダーワールド」。スパイダー・ワールド(賢者の塔)スパイダー・ワールド(神秘のデルタ)コリン・ウイルソンとくれば、自分の中では「賢者の石」がすごく衝撃を受けた作品で、人間の内的世界っていうか、SFでこういう作品が書けるのか~っていう感動を今でも覚えてるわけで。クラークの「幼年期の終わり」にも似たような感じはあるんだけど、こっちはもっと人間くさいところがあったかな。で、この「スパイダーワールド」は、基本は同じような感じで、人間の中の秘められた力が主題ではあるけど、人間と対するものとして、巨大な「蜘蛛」が人間を支配してるっていう設定なわけ。作者が昆虫の生態にかなり興味を持ったみたいで、その精神構造と対比するような形で人間の精神を書いてるってとこでしょうか。正直、文章としては情景や出てくる生き物達の描写がウザイと感じるところが多いかな。そんなに丁寧に書く必要あるの?って思っちゃう。まあでも、発想としてはすごく面白いし、物語としてみてもそれなりに読める。子供向けに書いてあるらしいので、メインキャラがすごく「よくできた人間」的なのも鼻につくところはあるけど、好きな作家だから許しちゃおう。久しぶりにウイルソンの作品が読めたから、それでいいや。三部作らしいけど、二巻までしか出てないみたい。しかも二巻とも売り切れ(楽天では)。ひょっとして、すでに絶版か?まあ、出版されただけ御の字だけどね。
September 4, 2009
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永遠の0Gさん、イチオシの作品、やっと読んだ。いや~、百田ワールドです。こういうまっすぐな作品はいいねぇ。前から「いいですよ!」と聞いてたんだけど、ほんとに良かった。このゼロって、あの零だったのね~。そらGさんハマりますって。しかし、読みやすい文章だね。こういうテーマだと、文章が重くなりがちなんだけど、全くそういうことがない。うまくまとめてるなぁと、感心するね。先の大戦の戦歴をなぞるような形で進められる話だけど、実際の出来事や人物をもとに書かれてあるので、ちょっとした歴史読み物にもなってる。もっとも、作者の側からの思いがかなり入ってるので、この話をそのまま真実だと思っちゃうとダメなんだけどね。そのへんは、戦争を扱った作品を読むときには注意しないといけない。自分としては、百田さんの言ってることは正論だと思うけど。まあしかし、あれだね、こういう作品をなぜもっと広めようとしないかなぁ。ほんと、いい作品なのに。作中で、ちょびっとマスコミ批判してるから、新聞とかは取り上げないのかなぁ。
August 22, 2009
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穴 Holes.Gさん、オススメの本を読んでみた。ルイス・サッカーの「穴」という作品。アメリカでは有名なベストセラー作家と言うことで、色々と児童向けの本を書いているみたい。この作品も、子供向けにはなってるけども、大人が読んでもじゅうぶん楽しめる。最初の方はちょっと毒のある作品なのかなぁと思ったんだけど、読んでいくうちに、そうじゃなくて人間の毒の部分を笑い飛ばそうという作品なのかなと…。描写的には多少キツイ部分もあるけれど、メインキャラの少年達はつらい思いをしながらも、なぜか明るい。だから、読んでいても暗い気持ちになることはない。アメリカの子供たちに絶大な人気、というのもわかる気がする。なによりも、行き当たりバッタリに進んでいくように見える物語が、実は絶妙に交わり、関係していく運びがすばらしい。いかにも、Gさん好みの作品ですね。アメリカ作品らしく、貧富や人種の問題もきっちり書かれているので、日本の子供たちにはピンと来ない部分もあるかもしれないけど、いい本です。読んでると死にたくなってくるような作品が最近流行りになってきてるけど、そんな本は、大笑いで吹っ飛ばしてしまえる強さが感じられる作品です。楽天で探してみると、なんと映画になってるね。穴/HOLES(DVD) ◆20%OFF!グリーンレイク・キャンプの所長役がシガニー・ウィーバーってのは、けっこうはまってるかも?レンタルにあれば、今度借りてみよう。
August 9, 2009
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バレエダンサー(上)バレエダンサー(下)一応、子供向けの作品なんだけど、なかなかイイ作品です。生まれたときから、容姿端麗で、親に望まれてバレエを始め、もちろん才能もあり、苦労せずにダンサーへの道を歩き始めた姉、クリスタルに対して、子供たちの中で一人だけ味噌っかすで、望まれずに生まれてきて、親にも余計者扱いされ、姉の靴持ちとしてバレエ教室へ行くようになった弟、デューン。お話としては、よくあるシチュエーションなんだけど、ただの子供の話では終わってない。二人を取り巻く大人たちが、しっかりと存在感を持って書けているので、話に奥行きが感じられる。喜びや悲しみや憎しみ、苦しみといった心の動きがよく感じられるし、物語の流れにうまく溶け込んでいるので、グイグイと引き込まれるように読んじゃった。小学校の高学年くらいなら読めるんじゃないかなぁ。夏休みの課題図書なんか、つまらない話がほとんどだし、そんなもの読んでるくらいなら、こういう作品を読むほうが100倍有意義だと思います。
August 1, 2009
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ファンタジーのDNA(ディー・エヌ・エー)荻原さんのエッセイ集。作家のエッセイ集は、作品を読みながらなんとなく想像していた本人の人となりが、想像通りなのかまったく違うのか、そういうところが面白さのひとつかなぁと思う。荻原さんの場合は、「概ね想像通り」(笑)。まあ、奇想天外な話を書く方でもないし、前回も書いたように、「まじめで手堅い」という印象だから、そうそう本人とのギャップもないだろう。ただ、やっぱりファンタジーに対する思い入れは相当なものがあるみたい。筋金入りのファンタジーファンだから、あれだけのスケールの話が書けるのだということがわかって、少しほっとした。本人にそのつもりはないのかもしれないけど、昨今の軽薄短小なファンタジー作品に対する苦言もしっかりと書かれてあるところは、ちょびっと拍手したい。あと、本人の好きな作家や影響を受けた作品などが紹介されてるけど、好きな作家さんが自分の好きな作品なんかを紹介してると非常にうれしい。「ナルニア」や「ゲド戦記」のような有名どころはともかくとして、まさか出てくると思わなかったのがコードウェイナー・スミスの「ノーストリリア」。人類補完機構だっけ?(エヴァンゲリオンみたい)確かにちょっと変わった作品だけどね。「砂の惑星」のシリーズは、SFファンの間では一世を風靡した作品だけど、これもちょっと意外かなぁ。結局、全巻そろえてなかったような気がする・・・。途中からちょっと間延びしたような展開だったような記憶がある。映画にもなったよね、ポリス(当時)のスティングが悪役で出てましたけど。番外編的には、別冊宝島のユング特集。自分も持ってるよ、この本(笑)。当時はニューサイエンスとかが流行っててね。「夜想」とかね、よく読んでました(ちょっと違うか?)。ファンタジーでは「妖女サイベルの呼び声」。これはねぇ、自分も大好きな作品なんですよ。これを紹介してくれてるっていうのはものすごくうれしい。学生時代に読んだ作品だけど、ものすごく印象深い作品で、自分の好きなストーリー系の作品じゃないんだけど、「これがファンタジーだ!」という確信があったねぇ。こうしてプロの作家さんに解説してもらってはじめて「なるほど~」と思えました(笑)。やっぱりSFもファンタジーもいいねぇ。自分もいい年になって、さすがに漫画はほとんど読まなくなったけど、小説だけは相変わらず読み続けて、新たな感動もあって・・・。読んでてよかったなぁと思う。文庫本とかは、すぐに絶版になっちゃうけど、基本的に学生の頃は「買って読む」人だったから、当時読んでた本はいまだに大量に持ってる。捨てなくてよかった。今は、なかなか買えないけどねー(予算が・・・)。
July 28, 2009
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RDGレッドデータガール荻原さんの作品はいくつも読んできたけど、相変わらず、まじめだなぁ~。おそらく、メインの読者層は子供ということを念頭においてるんだろうけど、きっちりと子供向けに作ってある感じがする。そういうことを、どこまで気にしてるか、ということまではわからないけど、そのあたりが大人の自分には物足りない印象になるのかな(当たり前だ)。あとは、前半部分、少し盛り上がりに欠ける。これがウケを狙った本なんかだと、ポイントポイントで大きなイベントを持って来るんだろうけど、そういうところはあまりない。もともとシリーズモノの一冊目なんで、「さあ、始まりましたよ」っていう感じの滑り出しになってる。そういうところも「まじめだな」と思えるところ。子供には安心して読ませられるけどね。ただし、荻原さんの作品には大きな「心棒」がきっちりと通っている。それは、日本の神話をもとにファンタジーを書きたいという作者の思いだ。これが、他のメイドインジャパンのファンタジーとは一線を画している大きなポイントである。荻原さんの本を読んで感じるところは、各人さまざまだと思うけど、自分の場合は日本に生まれて日本で育った日本人の血に訴えかける「何か」を感じる。それはたぶん、子供の頃に遊んでいた近所の神社の裏の森の中の匂いであったり、田舎の親戚の家の屋根裏の雰囲気であったり、そういう生活に密着したかすかな「神性」を感じ取れる部分なのかなぁと思ってる。言葉にして書くとたいそうな感じになっちゃうんだけど、素直な感覚としては、「読むとほっとする」ってところかな?この本は、まだまだ始まりの段階なので、これから読む人は二巻も同時に読むことをオススメします。絶対読みたくなるから。ラストのほうでようやく話が動き出すので、「やっとキター!!」って感じになること請け合い。さりげなく話を進めてるんだけど、含んでるモノはかなり重そうなので、今後の展開が楽しみ。伏線も色々と張ってるしなー(勝手に思ってるだけかもしれんが)。オレも二巻、早く読みてー!!
July 24, 2009
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最初に言っちゃうけど、絶賛します。絶賛。とにかくすごいよ、この本。あらすじなんかはどうでもいい。読み出してすぐに気が付くのが、無駄なく簡潔で流れるような文章。ほんとに無駄な字が一つもないというくらい。自分は普段は飛ばし読みをしちゃうんだけど、その自分が飛ばし読みをしない。早く先が知りたい!と思ってるのに飛ばさない。それなのに、普段、飛ばし読みしてるときくらいの速さで読める。作者が、言葉とか言語といったものに対して、かなりこだわりを持ってるというのはどこかで読んだ記憶がある。それを突き詰めた結果がこの作品だと考えると良くわかる。ひとつの段落ごとに起承転結がきれいにまとめられている。読みながらどこにもつまづくところがない。読んでいる最中には物語の結末が気にならない。「読む」というプロセスそのものが楽しめるから。こんなにすごかったんだね、村上春樹って人は。発売前から大評判で、発売してすぐにバカ売れして、もちろん出版社やマスコミの思惑があったんだろうけどね。これだけ売れちゃうと、あんまり読む気がしなくなって、しばらく静観してるつもりだったんだけど、たまたま知り合いが貸してくれたので読んだ。これは読むべきだね。しかも、ページに空白が少ない。会話部分以外の改行がほとんどないので、文字量が多い(でも全くわずらわしくない!)。それだけでも、普通のハードカバーの倍はお得だね。ただねぇ、百何十万部って売れて、それだけの人が読んで、いったい何人の人がこのすごさに気が付くんだろうと思う。普段、それなりに小説になじんでる人ならわかると思うんだけどなぁ。作品の内容に関わらず、その整然とした文章を目にするだけで納得できるなんて、自分でも半分信じられない。しばらく時間がたてばもう少し落ち着いて考えられるのかな?いやー、しかし一冊目(book1)の途中で鳥肌立ったからね。なんてことない伏線だったんだけど、もうそれは伏線なんかじゃなくて必然って感じでね。ただ物語が進行してるだけなのに、その場で「すげぇ・・・」と唸ってしまいました。その内容に、とか、仕掛けのすごさにとかじゃなく、そのあまりの自然な流れに気がついたときにびっくりしたんだねー。いやもう、何言ってんのかわかんなくなってきたので、このへんでやめとこう。自分が広める必要なんて、こっれぽっちもないし。しかし、続きはいつ出るんだ?
July 17, 2009
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朝のこどもの玩具箱新聞の夕刊に週一で連載されていた短編を集めた短編集。あさのあつこさんの作品はこれが初めてなんだけど、こんなものなの?ちょっと期待が大きすぎたのかもしれないけど、どの作品もそれなりの出来ではあるけど、「これは!」っていうものはない。どんな読者層に向けて書いてるかってのも不明だし、イヤに子供向けもあれば大人向けもありで・・・。一番残念なのは、オリジナリティが感じられない点。アイデアというところで見れば、どれもどこかで見たような内容だし、二番煎じの感が強い。かと言って、強烈なメッセージ性も薄いし。フルコースの料理を期待してたら、前菜だけで終わっちゃったって感じ。子供に読ませるものと考えれば、それなりにいい出来だとは思いますが、読み応えのある作品ではないかなー。
July 14, 2009
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またまたきました!「NAVY YARD vol.11」の紹介だ!今号は「帝国海軍水雷戦隊ノ死闘」だ。素人の自分にはピンと来ないんだけど、魚雷戦を主に行う艦船て事かな。戦艦や重巡洋艦のような「砲塔の塊」というすごさはないんだけど、ものすごくスマートで洗練された印象がある。魚雷っていうと地味な感じもするけど、九三式酸素魚雷の射程は、な、なんと!!三万メートル!!まじで?!ぶっとぶねぇ~。まあ、そういう兵器の性能はともかくとして、水雷戦隊が活躍した大戦初期の戦闘を見てると、なかなか興味深いものがあるね。ほんと、いろんな意味であの戦争は大きな変化を起したわけだ。ほんとに、この本読んでていつも思うんだけど、下手な歴史書読んでるよりも、戦争についてのことがほんとによく理解できる。そりゃそうだ、当時戦争やってた中心の人たちの考えてることイコール海軍の動き、みたいな捉え方もできるからね。自分の大好きな(待ちに待った)相曽さんの記事は相変わらずスバラシイ!この、淡々と事実を積み重ねているだけのようでいて、深い洞察を感じる文章はいつ読んでも感心するしかない。これだけでも、十分読む価値ありですよ、ホント。だが!今号はあの、「神」矢萩さんの作品も載っておるのですよ!ハセガワ1/350、海軍駆逐艦「不知火」「浜風」なんですが、もう、絶句モノです。自分のような素人が口を出すことではないんだけど、モトがプラモデルとは思えない。これ、ほんとにプラスチックなの?質感がもう、プラモデルじゃないもん。とにかく、これは見るしかないっすよ、マジで。もちろん、他のモデラーさんの作品もすごいものばかりなのですが、矢萩さんの作品は(自分的には)「けたが違う」と言わせていただきたい。ほんとに、拝むしかありません。あとは、上田画伯の「絵描きの真髄」もズシンと来るものがある。画伯と自分とを比べると、人として一つ(もっとか?)先の存在になっておられるんだろうなぁと思ってしまうね。画伯は近隣の小学校で講演をなされることがあるそうだが、原画を何枚か持っていかれるそうだ。すると、子供たちの目の色が変わるということだけど、そりゃそうだろ!う、羨ましすぎるぞ!オレも小学生になりたい!!とにかく、今号はいつにも増してお得な内容だと思うなぁ。ネットでもじゃんじゃん売ってくれたらいいのに。雑誌系はネットではすぐ売り切れちゃうけど、出版社にはバックナンバーもあるみたい。模型屋さんに頼んだら、取り寄せたりしてくれるところもあるからねー。
July 10, 2009
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テメレア戦記(2)ちゃんと二巻が出るのか?と心配だったけど、出ました。自分的にはそれほど待望してたわけではないので、淡々と感想を述べていきます(笑)。今回は、テメレアの故郷である中国への旅がメインなんだけど、やっぱりというか、もうひとつ物足りない。この作品の見所の一つが、戦闘シーンだと思うんだけど、自分はあんまり興味ないんだよね。ユニークだとは思うんだけど。となると、あとは本筋のテメレアの物語しか読むところがないんだけど、なんだか普通だなぁ~と…。この作品のドラゴンは、まんま「人間」なんだよね。人間の言葉を話すという設定なので、しょうがないとは思うんだけど、一巻ではまだ「ドラゴンらしさ」が垣間見えてた気もするけど、中国に行った時点で完全に人間化しちゃったわけだ。「人権」ならぬ「竜権」に目覚めちゃったりしてるから。なんかねえ、そんなもんなの?読者は人間らしくなっていくテメレアを見たいのかな?なんか、ペットの犬みたいな扱いだな。全然関係ない話だけど、今、「硫黄島の戦い1945」っていう本を読んでて、その中に軍用犬として硫黄島に行ったドーベルマンの写真が載ってるんだけど、その犬たちは戦争が終結すれば処分されちゃうんだよね。軍用に訓練されてるから、一般の飼い犬には戻れないわけ。それを見て、ひどいと思う?自分は微妙。軍用犬だからカッコイイとか、そういうことじゃなくて、その、塹壕の中で眠っている兵士の横で警戒にあたっているドーベルマンの姿がすごくきれいというか、うまく言えないけど犬本来の姿に見えた。決して幸福な一生ではないけど、兵士と生死をともにしている、その姿は鮮烈だった。ほんとに震えが走った。だから、テメレアも、人間らしいドラゴンなんかじゃなくて、ドラゴンらしいテメレアになって欲しいし、そういうテメレアを見たいんだよね。そうじゃないと、ファンタジーの意味がないよ。ドラゴンである必要もない。本国では相当盛り上がってきてるようだけど、日本ではウケないだろうね。実際、それほどバカ売れしてるわけでもないだろうし。路線としては「指輪」の方向なんだろうけど、あれは映画があってこそだからね。コレも、映画化してから出したほうがよかったかも?まあ、評価としては悪くはないです。よく書けてる作品だし、見るべきところはたくさんある。ナポレオン時代の戦記なんかが好きな人は、より楽しめるんじゃないでしょうか。今回は中国での話が半分なので、その部分は相変わらず「ん?」という描写があるけどねw。相変わらず、日本や中国はヨーロッパの人にとっては神秘の国なんでしょうかね。「叩頭の礼」に対するイギリス人のこだわりなどは、私には理解しがたい…。
July 2, 2009
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ザ・万歩計小説ではなく、エッセイ集。小説家を志したきっかけや、デビュー前に行っていた外国旅行について、あるいは日常生活でのエピソードなどが面白おかしく綴られている。やっぱり、面白い作品を書く人のエッセイは、面白いね。何気なく書かれてあることなんだけど、いくつかはツボにハマって爆笑しちゃった。よく考えると、誰でも遭遇してるような日常なんだろうけど、受け止め方が少し、常人とは違うのかなぁ。昔、「まんが偉人物語」(みたいな題名)のアニメのエンディング(だったと思う)の歌詞に、「同~じ人間、同~じ地球、同~じ空気~、見ている物が~、してることが~、変わってるんだなぁ~」(たぶんこんな感じ)てな歌があったと記憶してるんだけど、まさにそんな感じ?ごく普通のことなんだけど、著者の目と脳を通して文章になると、一風変わったモノに変化しちゃうんだろうな。ダウンタウンの松本人志の「スベラナイ話」みたいな感じ。まあ、あれは完全にすべってる人もいるけどね。見てるこっちの好みもあるとは思うけど、芸人の技量がわかるよね。話の上手な人は少々すべり気味でもうまく話をまとめるし、話も下手で面白くもない人はまったくウケてないし。逆に、完全に話の内容的にはすべってるのに、それがウケてる人もいるし、面白い。あまり関係ないけど、著者も「ごっつええ感じ」世代のようなので、なんとなく納得できるなぁ。「夢で逢えたら」の話題まで出てくるあたり、どっぷりつかってたな、というのが良くわかる。いまだに、見ててあれだけ馬鹿笑いできる番組も少ないもんね。学生時代の、良き思い出ですなー。
June 27, 2009
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風に舞いあがるビニールシート直木賞を受賞した表題作を含む、短編集。森絵都さんと言えば、「DIVE!」である。ってくらい、「DIVE!」は大好きな作品なんだけど、この短編集も良かった。実は短編は苦手なんだけど、いい作品はいい。それが実感できた本だった。自分が好きなのは、しょっぱなの「器を探して」。シルヴァスタインの「ぼくを探しに」とダブらせるのは少々考えすぎだろうけど、題名を見てなんとなくそういうイメージで読んじゃったんだけどね。直木賞受賞の表題作品はそれはそれですごいなと思ったけどね。短い作品だから、徹底的に無駄をなくしていって、それでいて一つの作品として完結させるっていうのは短編の常なんだろうけど、ホントにそれを具現化したっていうか、そんな「すげえ!」と思わせるものだった。けど、自分としては「器を探して」みたいな、ちょっと遊び心のある、そういう作品が森絵都さんらしくて好きです。最後のシーンでも、「おいおい、この先どーなるんだ!?」って感じで、想像力フル回転モードで、楽しいねぇ。あまりシリアスすぎると、読後が疲れるというか、考えすぎるというか、「誰か癒してくれぇー」と叫びたくなっちゃうもので。この短編集は、癒される作品と考えさせる作品がうまくミックスされてるので、そういう意味では良かったかな。作家の懐の深さも感じられた本でした。
June 24, 2009
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新世界より(上)新世界より(下)分厚いハードカバー上下巻の本だけど、テキスト量としてはそれほどでもないので、割とスムーズに読める。Gさんオススメの本ですが、自分はもうひとつ、しっくりこなかったかなぁ。出来はいいと思う。発想もなかなかいい。ただ、ちょっと無駄が多いというか、書くべきものを絞りきれてない印象がある。博物学的な描写が多々出てくるけど、そんなに書かなくてもいいだろうというところが一つ(ミノシロの語源とかね)。自分はそういうの好きなので、読み込んじゃうんだけど、苦手な人は閉口するよね、たぶん。それに、読んだら読んだで意識がそっちに行っちゃって、本筋から一瞬外れてしまうので、あっち行ったりこっち来たりと散漫な感じがするんだなぁ。本筋のストーリーを書きたいのか、この世界の成り立ちを書きたいのか、ターゲットが絞りきれなくて、本筋に没入できなかった感があるのが残念。あと、「呪力」に関して。きっちりと科学的な説明をなそうとして作品を構築しているのは評価するけど、少々無理が目立つ。どうしても矛盾する部分が出てくるし、読んでても「ちょっとこれはおかしいんじゃないの?」と思ってしまうので、違和感があるね。この作品の一番大事な部分だからね。重要なシーンに全て絡んでくるのがこの「呪力」だから、その場面でやたら無理やり説明的な「~だから、こうなった」みたいな使い方されても、なんか納得できないでしょ。大体、不浄ネコというモノが出てくるんだけど、それって「き死機構」と矛盾してない?してると思うんだけど。命令下す人死ぬよね。そもそも、不浄ネコが可能なら、もっとパワーアップ版を用意しておけば悪鬼なんか怖くないと思うんだけど。そうなると、この作品世界の成り立ち自体が根底から否定されるわけだからね。なんか、そういうところが最後まで納得できずじまいでした。まあ、普通は「呪力」なんてものは雰囲気で「えいや!!」っと使うもんだから、それを「きちんと」使おうとすると、相当無理はあって当たり前だけどね。正面から捉えて、これだけの作品を書いてしまうこと自体がスゴイことなんだけど。まあ、なかなか面白かったと思う。作品のつくりとしては、それとなく謎な部分を残しつつ、この先どうなるかという興味を抱かせて読ませていくという、ドキドキ感の大きいもので、最後までグワッと引っ張っていくところは非常に上手。とにかく、仕掛けで読ませるタイプの作品かな。仕掛けと作り込み。そういうのが好きな人は、けっこうはまるかもしれない。最後に、自分がいまいちと感じた最大の理由。キャラクターに魅力がない。設定が安直過ぎる。中学生の五人組を作るとすれば・・・秀才タイプで心の優しい美少年、気の強い万能秀才美人、なんでもそつなくこなす腕白少年、ちょっと出来の悪いひ弱系の少年、特にぬきんでた部分のないまじめタイプの女の子、でも実は一番すごいんです・・・みたいな?なんか、「どうでもいい」みたいなキャラ設定としか思えん!確かにキャラ中心の作品ではないかもしれないけど、ここまでキャラが平凡だと、感情移入のしようがない。「このキャラの平凡さは実はわざとで、何かスゴイ仕掛けがあって途中で大どんでん返し!みたいなものが用意されてるんじゃ…」と思いながら最後まで行ってしまったからなぁ。まあ、珍しく書き込んでしまったけど、それだけ期待するものが大きかったというのと、出来もそれなりにすばらしかったというのがあって、「もったいない!」と思う部分がたくさんあったってことです。他の作品も、機会があったら読んでみたいですねー。
June 19, 2009
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プリンセス・トヨトミ面白い!ほんとに面白い!久しぶりに痛快な作品を読んだって気分。人に薦められて読んだんだけど、これははまった。見事にツボにはまった。ほんとは、Gさんオススメの「新世界より」を読み終えたので、それを書くつもりだったんだけど、続きで読んだコレのインパクトがすごかったので、こっちを先に書いちゃった。奇想天外な話なんだけど、それを見事に破綻なく書ききっている。まさに「そんなアホな」って話だけど、大真面目に書いてるところが痛快。どういうオチをつけるんだろうか、と興味津々だったけど、大満足。「ありがちやなぁ」とか「都合よすぎるやろ」とか言う人もいるだろうけど、自分の場合はストンと気持ちよく落ちてくれた感じ。このオチのための伏線がきれいに配置されてて、クライマックスのところでは今まで読んできた内容が走馬灯のように浮かんでくる。まあ、これはちょっと言い過ぎだけど(笑)。それくらい、素直に読めたってことです。大阪の町並みがよく描かれていて、くどさがなく自然なところがいい。情景描写もストーリーの一部に溶け込んでいる感じで、そういったところにも作者の筆力が出ている気がする。とにかくキャラクターがいい。こういう作品ではキャラクターが命だろうけど、出てくるキャラクター全てが愛すべきキャラばかりで、まさに自分好み。これはオススメですなぁ。紹介してくれたKさんにはホント、感謝感激です。痛快な作品を求めてる人は、是非!読むべきでしょう!
June 17, 2009
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容疑者Xの献身言わずと知れたガリレオシリーズの一冊。素直に面白かった。最初、もう少しどろどろした展開になるのかと思ったら、あっさりと殺人が起こったのでほっとした(?)。特にこのシリーズは謎解きがメインということもあるんだけど、ミステリーのどろどろした人物関係が好きじゃない自分としては、ほんとに安心して作品に没頭できた。さらに言えば、今回はキャラクターの書き方がうまいと感じた。石神というメインのキャラがいるんだけど、喜怒哀楽に乏しい設定であるこの石神の感情の動きをよくここまで書けたなぁと感心する。やっぱり東野圭吾ってすごいんだなーと、なんか、売れっ子ミステリー作家ということだけで敬遠していた自分が恥ずかしい・・・。ガリレオシリーズとか、最新刊しか読んでないし、他の作品も読んでみよう。読書って、こういう発見=楽しみがあるからやめられないよねぇ。
June 5, 2009
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中原の虹(全4巻セット)前々から読もう読もうと思っていたんだけど、やっと読みました!すばらしい!!自分などが評するというような次元ではないので、それしか言えない(笑)。いやぁ、好きだなぁ。「蒼穹の昴」の続編だったんだね。そうとわかっていれば、もっと早く読んだのに。全四巻なんだけど、二巻の後半で早速泣いてしまった。感動して泣ける作品ってなかなかないよねぇ。あまりの感動に、三巻を読む前に「蒼穹の昴」を再読してしまった。まあ、正直言うと、あまりの登場人物の多さに、しかもその多くが主役級というすさまじさに、さすがにページが足りないんじゃないか?という作品構成に思えるんだけど、ただひたすら「もっと続きが読みたい!」という欲求からくるんだろうな。十巻くらいは欲しいね。四巻構成だけど、読みやすさ優先からか、ページあたりのテキスト量は控えめなので、実際は上下巻程度の文章量でしょう。浅田次郎氏の作品を読むと、いつもそうだけど、明日への活力が湧いてくるね。自分が本屋の店員なら、こういう作品を薦めるけどなぁ・・・。最近の「本屋大賞」は、どうもビジネス臭くていかんね。「売れなさそうだけど、ぜひ読んでもらいたい!」そういう作品のための賞かと思ってたのにねぇ。
June 3, 2009
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阪急電車「図書館戦争シリーズ」の著者が書いた、阪急車内での出来事をメインエピソードにして、各駅ごとのストーリーを絡ませていくという、なかなか凝ったつくりのお話。「心温まる」と形容されるような話が多いんだけど、そこは有川さんなので、いつもの「正義感あふれる」熱血さも滲み出てます(笑)。まあ、一時からすると、ずいぶんスマートに書かれるようになったなぁという印象はあるけどね。関西に住んでるものからすると、自分になじみのある電車が取り上げられるのはうれしいことなんだけど、残念ながら京阪沿線で生まれ育ったので微妙だなぁ(苦笑)。京阪だったら、ここまでスマートな話にはならんだろうけどね(沿線の人、ゴメンナサイ)。京阪、阪神はもうちょっとゴミゴミっとしたイメージがある・・・、というか阪急っていうとスマートな沿線っていうイメージかな。ほとんど、乗ったこともないしなー。作品の印象は、「少女マンガ」って感じかな。悪い意味ではないよ。少女マンガ好きだし。「こんな話、ありえへんやろ!」と突っ込みたくなるんだけど、なんとなくのせられて読み進んでしまうのが、有川さんの作品のいいところだからね。もっともっと、続きを読みたかったなー、と思えるくらい、いい作品でした。OLさんと「字の上手な」駅員さんの恋の話はないのか?絶対あると思ってたのに。あれだけ伏線張ってたのになー。マジで、これで終わりってのはもったいないよなー。
May 24, 2009
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艦船模型の本なんだけど、戦時の輸送船の特集。素人の自分からすると「輸送船?」と思っちゃうんだけど、これがなかなか奥が深くて興味深い。特に、島国日本にとって、海戦時の物資や人員の輸送は大きなポイント。そのあたりを「輸送船」の考証を通して考察する…って感じかなぁ。これだけ色々な輸送船が存在したっていうのも面白いけど、どうしてその船が作られたのか、とか、海軍と陸軍の確執、とか、なかなか興味深い内容で盛りだくさん。最近、ようやく自分にも「艦船模型を作る楽しみ」というものが、ちょびっとだけどわかってきた感じがする。なんで「当時のそのままを再現する」事にこだわるのかってこと。ほんとに「色んな事」を「色んな角度」から考える必要があるからね。そういうことも含めた楽しみがあるんだろうな。ま、まだなんにも作ったことのない自分には、まだまだわからないことなんですが(笑)。そうそう、この本、上田画伯のイラストも満載なので、その方面に興味のある人は必見!自分も、氏のイラストの大ファンなので、それだけとっても大満足です。
May 6, 2009
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風の中のマリア「BOX」の作者が書いた、書き下ろし作品。なんと、オオスズメバチが主人公だ。蜂を擬人化して、一匹の働き蜂の視点から、ひとつの巣の営みが描かれている。オオスズメバチといえば、最強の昆虫ってことで、メインのキャラクター「マリア」も働き蜂とはいえ餌を狩るハンターなわけで、戦いの描写が多い。まあ、基本的にはオオスズメバチの生態をわかりやすく物語り風に描写したっていうところなんで、人間同士の悲喜こもごもを題材にした作品と比べてしまうと、盛り上がりや面白さには欠けるかもしれない。でも、センチメンタルな部分もうまく織り交ぜてあるし、興味深い蜂の生態も良く書けてあるし、一読者としては「出版社もよくチャレンジしたなー」と拍手を送りたい気分。ただ、どういう読者層をターゲットにしてるのかはちょっと不明。「BOX」がなければ自分も読もうとは思わないだろうし、コレ読んで素直に「良かった」と思う読者が何人いるかはとっても微妙なところでしょう。自分も普通には薦められないかなー。「BOX」読んで感動した経験があり、なおかつ、昆虫に興味のある人は読んでみてはいかがでしょう。そんなヤツ、いるか?(苦笑)
April 27, 2009
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のぼうの城ようやく読んだ。前々から薦められてた本なんで、早く読みたかったんだけどね。正直な感想は、「面白かった」。そのまんまだね(笑)。自分はそれほど時代小説は読まないし、ちょっと前に津本陽とかをいくらか読んだことがあるくらいで、そういう比較は出来ないんだけど、まあ、よく書けてるんじゃないかと思う。戦国時代とか、そういうものに興味がない人でも、豊臣秀吉くらいは知ってるだろうし、その程度の知識でもたぶんいけるんじゃないかな。要所での説明も、くどくなってないし、大河ドラマのナレーション程度に収まってる感じ?テキストの総量はたいしたことないと思うんだけど、それでこれだけの話をまとめてしまってるところが、この作品のすごいところかもしれない。とにかく、人物が面白い。全てのキャラクターになにがしか魅力的な部分があるように書かれてあるので、万人にウケるような要素があるのかな。ちなみに、自分は正木丹波守利英が好きかな(普通?)。「のぼう様」もいいけどね。描写が少ないし、はっきりしたキャラがないので、パス。最後まで底は見えずじまいでしたけど。発売当初から売れてたけど、本屋大賞の二位受賞で、さらに売れるでしょうね。こういう、面白い本が売れてくれるのは、とってもいいことです。が、大賞受賞は「告白」って…。う~む、「売れる本」なのかもしれないけど、「売りたい本」にしちゃうわけ?自分が店員なら、絶対薦めませんけど(苦笑)。
April 21, 2009
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すべてがFになる冷たい密室と博士たち「スカイ・クロラ」の森博嗣のデビュー作と二作目。いまさら説明とかする必要もないと思うけど、面白かった。今、机の上にこのシリーズが9冊積まれてるw。知り合いが貸してくれたんだけどね。以前、「笑う数学者」を読んだことがあって、その時はそれほど思わなかったんだけど、やっぱりすごいなぁと思ってしまった。デビュー作でこれだもんね。しかも、下書きとか一切しなくて、頭の中だけで作って、いきなりワープロで文章化してるっていうんだから、もうあきれるね。ミステリーが好きじゃない自分が読んでも違和感がないっていうか、とりあえず一冊だけ読んどこうってつもりが一気に2冊読んじゃったのは何故だろう?それは、最初から最後まで無駄がないところだろうなぁ。ほんとなら、こういう状況描写の説明が多い文章は大嫌いで、SF作品ならほとんど飛ばし読みするようなところもミステリーだから読まなきゃならないんだけど、素直に読んでる自分が不思議。おかげで肩がコリまくってるんだけど(笑)。ミステリーは乱歩賞作品くらいしか読もうと思わないんだけど、あっちはエンターテイメント系で、こっちはたぶん正当派?というか推理小説!って感じだね。作家本人じゃなくて奥さんが大のミステリー好きだというところにも原因はありそうだけど、こういう無駄のないシンプルな作品はいいね。ミステリーだから当然、殺人が起こるわけだけど、何故起きたかっていうところがメインじゃなくて、どうやって起きたかっていうところがメインなので、自分にもウケてるんだろうね。しかも、不自然な解釈とかは一切なくて、とっても理路整然とした流れがあるし。すごく良く出来たパズルという感じ?好きじゃないタイプのミステリーは、同じパズルでも最後の最後でうまく解けない部分をわざと持ってきてる感じがして「どうも納得いかない」気分の悪さがあるんだけど、この作品は最後まで読んだらすかっと解けて爽快になるパズルだな。しかし、SF好きとしては、森博嗣がもし「SF」を書いてたらどうなってたかっていうのがすごーく気になる。たまたま奥さんがミステリー好きだったからミステリーを書いたのであって、SF好きだったらSFを書いてたかもしれない。クラークやアシモフに匹敵するハードSF作品を書いてたかも・・・とか思うと、非常に残念。(クラーク、アシモフって古すぎ?でも頑張ってもホーガンとかブリンくらいしか出てこない・・・)理系人間がSFって、当たり前すぎるかな?いやー、森さんならすごい作品が書けると思うけどなー。
March 27, 2009
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少女ベストセラーになった「告白」を書いた作者の新刊。新装刊されたハヤカワ・ミステリワールドの第一弾、ということらしい。相当、期待されているようですねぇ。読みたいと思って読んだわけじゃないんだけど、知り合いが貸してくれたので仕方なく読んだ。正直、「告白」はそれほど面白いと思えなかったし、作風も自分には合わないので、新刊が出ても読むことはないと思ってたんだけどね。で、読んだ感想はというと、やっぱり「告白」と同じで、作者は何を言いたいのか、何を読者に伝えたいのかさっぱりわからない。複数の女子高生の語りという形で話は進むんだけど、前半のほうはどれが誰の語りなんだかよくわからないまま進む。それはそういう風にわざと書いてるんだろうけど、ちょっと雑然とした印象で読み進めるのに苦労した。とことん作風が合わないなぁという感じ?読み終わって、きちんとオチをつけてるところは感心するけど、ちょっと作りすぎてないかという気もするね。ワイドショー的というか、誰が不幸になるのか?的なスリルを感じたい人はいいかもしれないけど、自分としてはこの作品を読んで何かプラスになるものがあるとは思えないので、評価は出来ない。「告白」のときも思ったけど、テレビドラマみたいな感じかなぁ。時間つぶしにはいいけど、敢えて見ようという気にはならない。うまく書けてると思うんだけどね。なんか、オチを読ませるために色々仕組んだぞっていうだけのモノに思えちゃって、そういう意味でも自分のココロには何も響きませんでした。
March 20, 2009
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鬼の跫音ジャンルとしてはミステリーだろうと思うけど、ちょっと違う感じ。江戸川乱歩とかの幻想怪奇譚っていう雰囲気。短編集なのでよけいにそう思うのかもしれないけど、無駄な部分がなくて、すぱっと読みきれる。ただ、面白いのかと言われると、自分は普通のミステリーのほうがいいかな(普通のミステリーってどんなんやねんって言われると困るけど)。文章が一人称メインなんで、乱歩の作品にもあったと思うけど、必ずしも語られていることが真実ではない場合が多くて、最後のほうで「実は・・・」っていう種明かしみたいな形でどんでん返しになることがあって、それってどうなの?って思ってしまうんだよねー。もちろん作者はそれを計算して書いてるんだろうけど、そうなると伏線もなにもあったもんじゃないし、完全な後出しジャンケンだからね。客観的な描写が何もなくて、語ってる人物の精神状態が普通じゃないとなれば、何が真実かなんて全くわからんわけですから。結局、わけわからんままエンドになって、雰囲気だけ味わって下さいみたいな?もやもや気分だけが残る気がして、どうもすっきりしないね。作者はかなり評判がいい作家のようで、そろそろ大きな賞でも取るかなぁって人みたいだけど、「乱歩賞」という感じではないのでは?でも、文体は乱歩みたいで、文章もおどろおどろしいフォントで印刷されてる。雰囲気先行?幻想小説ならブラッドベリの方がいいなぁ。
March 14, 2009
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「NAVY YARD vol.10」、今回はすばやく手に入れたよ~、って、実は、またまた頂いてしまったのだ。しかも、もう一冊、「1/700戦艦の作り方vol.2」までいっしょに!しかもしかも、艦船プラモふたつもいっしょにもらってしまった・・・。いいのかなぁホントにもらっちゃって。ありがとう、Gさん。今度メシでもおごらせていただきます(いつ会えるかわからんけど)。キットは「日向」と「青葉」だ。自分にはぴんと来ないんだけど、「日向」は今号の特集、レイテ沖海戦に出撃している戦艦だ。いやー、なんかそれだけでうれしいと感じてしまうのは単純なのか?しかし、Gさん曰く「日向のほうは相当難しい」らしい。なんといっても、プラモに関しては素人だからね(笑)。だから、「戦艦の作り方」まで一緒にくれたのかな?確かに、すごく参考になる。参考になるんだけど、ちょっと難易度が高いなぁ。車の板金は若干経験があるので、書いてあることはわかるし、やれば出来るだろうと思うんだけど、なにせ道具が何もないし、一からそろえるのは結構大変だなー。オークションとかで、「もう使いませんので・・・」とかいう感じで、一式格安で出品されてないかな?そううまくはいかないだろうなぁw。まあ、「青葉」のほうは割合簡単らしいので、ぼちぼち組んでいくとして、接着剤とかパテくらいならなんとかなるでしょ。塗装までこぎつけるのは相当先っぽいし、塗料とかガンとかはゆっくり考えよう。コンプレッサーはあるし(車用はでかすぎる?)。しかし、パソコンのアップグレードして、デジタル一眼まで買っちゃって、これでプラモまで始めちゃったら、ますます車なんか手が回らなくなるぞ、絶対。手の前に財布が回らんな・・・。
March 5, 2009
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Dive!!(全4巻セット)少々前の本だけど、面白い!この人の本を読むのは二作目だけど、キャラクターがいいね。ぐいぐい引っ張り込まれる感じで、飛び込みなんて種目のことはぜんぜん知らないのに、読んでるうちに飛び込みファンの目線で読んでる自分に気づく、って感じの作品。出てくる主要な登場人物は、もちろん飛び込みの選手なんだけど、みんなカッコイイ。とにかくカッコイイ(笑)。飛込みがカッコイイ。四冊ある本なので、長編の部類に入るのかも知れないけど、あっという間の展開で、長さはまったく感じない。完結までに四年くらいかかったようだけど、いつも思うことだけど、リアルタイムで読んでた人はじれったかっただろうなと思う。めちゃくちゃ面白いだけに、「どうなるんだ次は!!」って感じで、待ち切れなかったろうなぁ。自分がスポ恨ものを読むようになってまだ間がないんだけど、こんなに泣けるものなんだねw。もともと感情移入するタイプなので、悲しい作品やつらい作品は好きじゃなくて、そういう意味では本を読んで泣くってことはほとんどなかったんだけど、この「DIVE!!」は泣ける。自分は、最後のクライマックスではなくて、一巻の最後のほうで泣けました。ミステリーなんかとは違って、伏線張ったりとかそういうカラクリがないだけに、直球勝負なんでごまかしが効かない。だから、文章がうまい人じゃないとこういう作品は書けないと思うね。すごいなぁ。ほんとに、読んで損はしないと思う。
February 28, 2009
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別冊 図書館戦争 1&2 著:有川浩 (アスキーメディアワークス)「図書館戦争」シリーズのサイドストーリーのような作品。時系列的には厳密にその後ってわけではないんだけど、まあ、その後って感じで読める。本編のような筋立てを期待して読むと大ハズレ。2はまだましだけど、1はもう痒くなるような描写のオンパレード(笑)。まあ、これがだめな人は本編も読んでないだろうし、この痒さが味でしょうから。自分は正直苦手。作品世界の設定はすごいと思ったし、話の筋も抜群なんだけど、このキャラクター(特に台詞回し)は我慢ならんものがある。もう少し何とかならんものか・・・。あまりにも現実的ではないというか、それこそメディアに一方的にに流れている「いまどきの若い子」キャラクターって感じで、どうも退いてしまうねぇ。男性キャラは男性キャラで、絶対にこんな男はいね―よって感じの、女性から見た理想のキャラ?風なので、これまた退いてしまう。少女マンガと考えればいいのかもしれないけど、少女マンガのほうがもう少し泥臭いんじゃない?作品自体は面白いです。ただ、今回は人物中心になってるからか、作りこみの甘い部分が気になる。話に無理があるところが多い。おいおい、ここで一人で帰すか、とか、鳩尾一発で人を気絶させるってお前は格闘家か、とか、女一人バッグに入れて、普通一人で担げねーよとか、プライベートな情報が漏れたときって、一番近い人間をまず調べるだろ、とか、突っ込みどころ満載である。敢えて、そうしてくれているのかもしれないけどw。とりあえず、読んでる間はそんなことを考えずに一心不乱に読んでましたけど(笑)。そういう意味では価値はあるけど、本編読んで面白かったって人向きですかね。
February 22, 2009
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