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イノセント・ゲリラの祝祭バチスタシリーズの四冊目。正直な感想は、一冊目が一番面白いって事。「ジェネラルルージュ」はそれなりに面白かったけど、「ナイチンゲール」はちょっと発想がとっぴ過ぎるというか、あまり現実的な話ではなかったので、「バチスタ」の流れを期待していた人間にとっては不満が残るんじゃないかなって感じ?今回の作品は、ミステリーと言うよりは、現場で働く人間が医療行政に対して提言をしているっていう風で、延々と行政批判が続く展開なので、そっちに興味がある人にはいいかもしれないけど、ミステリーを楽しみたい人には「ナンじゃこれ?」と受け取られるかもね。まあ、それなりに田口と白鳥のキャラクターは生かされてるけど、お話の中身的にはイマイチかな。海堂さんも、名前が売れてきたので、ここらでガツンと言ってやりたいって思ったのでしょう。確かに、現場の苦労は良くわかります。政治家と官僚の無能が、この国を悪くしているというのも良くわかります。それにしても、このようなミステリージャンルの読み物でこういった告発がなされるっていうのも、この国らしいなぁ。舛添さんも「トゥーレート!トゥーレートすぎる!」とか言ってる場合ではないのでは…。個人的にはよくやっておられる、と思ってますけどね。
February 15, 2009
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告白去年発売されたミステリーで、相当売れてるみたい。作者のデビュー作ということになるらしいんだけど、自分的にはあんまり好きではないかな(じゃあ読むなってか)。いつも言ってることだけど、基本的にミステリーは好きじゃないので、どうしても辛目の判定になるのでフェアーではないけどw。でも、出来のいいミステリーは、確かに読ませる作品が多いので、やっぱり読んじゃうんだよねぇ。この作品も、ある出来事をそれぞれ別の人物の視点から書かれてあるという形をとっていて、そういう仕組みもよく考えてあるし、文章も上手。ちょっと作りすぎなところはあるものの、特に破綻なくまとめてあるのは素直にほめたいところ。でも、読後になんか引っかかる部分があって、いったい作者は何を言いたかったのかっていうのがイマイチ不明なんだよね。登場人物の行動を肯定しているのか否定しているのか、微妙?問題提起といえばそれまでだけど、若い子が読んだら肯定的にとるだろうなってところもあるし、どうでもいいって言われたらそうなんだけど、自分としてはこういうはっきりしない作品は苦手。どろどろならどろどろで、犯罪者はどろどろなんだよ!という作品のほうがわかりやすい。まあ、そういう作品ははっきりキライですが(笑)。ミステリーでも、「人間には希望がある」っていう作者の意図がはっきりとわかる作品もあるよね。最後に一筋、救いが見えて終わるっていう。そういうのはマル。この作品では、結局、復讐して満足して終わりなの?って感じだけど、犯罪犯して反省のないやつには直接罰を下してやれっていうのを肯定している作品でもないし、でも、作品全編通して作者の言いたい正義も見えてこない気がする。そういう意味では、仕掛けだけで終わっちゃってる気がして、その辺が消化不良なんだなぁ。でも、確かに面白い作品ではある。読み出したら止まらないというのもワカル。文章も上手で読みやすいし。脚本賞やラジオドラマ大賞なんかを受賞しているようだけど、確かにドラマっぽい筋運びかもしれない。情景が思い浮かぶような文章だから、若い人にもいいかもね。
February 5, 2009
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ちょっと遅いんだけど、「NAVY YARD vol.9」の紹介。艦船プラモの本なんだけど、なかなか面白い本です。自分はプラモの趣味はないので、メインである作品の紹介は出来ないんだけどね。実は今回、買うのが遅れちゃって、ネットで注文しようとしたらどこも売り切れで焦った。最近は書店では雑誌の取り寄せはなかなかしてくれなくて困ってたんだけど、「そういや、近所に一軒だけ模型屋さんがあったなぁ」と、正直、店に入るのは勇気がいったんだけど、そこで置いてるかどうか聞いてみた。そしたら、そのお店の人がとってもいい人で、置いてないけど取り寄せしてくれることになって、ようやく手に入った次第。いやあ、しかしほんとにいい人だったなぁ。一見の、しかも模型じゃなくて本をくれなんていうやつにいやな顔ひとつせず親切にしてくれたもんね。今度はぜひ、模型を買いに行きたいなぁ。G軍曹さん。素人が買ってもいいような、手ごろな艦船模型を、今度紹介してくださ~い。で、本の紹介だけど、今号の特集は真珠湾攻撃の後編で、この本で一番楽しみにしている、当時の状況を詳細に記した相曽氏の記事も載っている。相変わらず、うまい語り口で読ませる文章になっているところはさすが。なんとなく、日本海軍への愛が感じられるのも泣けるw。あとは、上田氏の艦艇ギャラリー。氏の熟練の腕は相変わらずだけど、昔のスケッチの紹介があって、もう、とにかく「スゴイ!」の一言に尽きる。当時の郵便葉書にスケッチされた艦艇の素晴らしいこと。持ち出して紛失してはだめだってことで、氏のご自宅で写真撮影したらしいけど、そりゃそうだろうね。宝物だもん。歴史的な価値は計り知れない。まあ、とにかく、いつもおんなじこと言ってるけど、プラモデル作品の紹介だけで終わる本ではありません。学校の歴史の時間にこういう授業を受けたかったなぁ、と思えるような本です。
February 4, 2009
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イリアムオリュンポス(上)オリュンポス(下)去年の11月くらいから、約三ヶ月かけてようやく読み終えた。まあ、間に違う本も読んでたので遅くなっちゃったんだけどね。とにかく面白い。最高に面白い。前に「ハイペリオン」シリーズを紹介したけど、あれを読んだ人はぜひ読むべき(自分が言うまでもなく読んでると思うけど)。話の筋なんか説明しようもないのでしないけど(笑)、ギリシア神話の神々やギリシアの英雄たち、現代や未来の人類、超テクノロジーを有する謎の多いポストヒューマン、人間が作ったAIから自己進化した木星系に生存する人工知能体モラヴェックetc。とにかく、「こんなに風呂敷広げて大丈夫?」ってくらい話が広がるんだけど、そこはシモンズ、最後は見事にまとめてくれるからすごいねぇ。いろんな視点から語られる物語が複雑に絡まって終結していく様はほんとに見事。訳者曰く「シモンズ節」は相変わらず健在だ。とにかくエンタテイメント小説。読者を飽きさせない。「ここはこうなって欲しい!」ってところで上手に話が展開していくから、ハマるとたまりませんな。自分的にはシモンズの作品は脇役がいい!この作品では、モラヴェックがいい味出している。キャラクター的にもいいし、ストーリー上の役割もいい。戦闘シーンとかね、「きた、きたー!待ってました!」って感じでね。ただ、たまにエロい描写が出てくるんだけど、別に必要ないのでは?って思えるんだけど、読者サービス?作者が書きたいだけ?(笑)ギリシャ神話って淫行の嵐だから、まったく触れないわけには行かないと思うけど、ちょっとサービス過剰?まあ、いいんですけど、子供には読ませられないなぁ。
January 22, 2009
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アルテミス・ファウル(オパールの策略)G軍曹さんおすすめの「氷と炎の歌」第三部を早速図書館で借りてきた。えっ?じゃあなんで「アルテミスファウル」なんだって?いやー、子供の本を探してるときに、見つけてしまったわけ。まだ読んでなかった、四冊目を。ていうか、この手の本は子供のコーナーに置いてるわけだ。やけにファンタジーが少ないなぁと思ってたんだ。シモンズとかキングとかしかないんだもん。ちゃんとあったんだね。ファンタジーが色々。で、とりあえずこっちを読んでしまえと読み始めたんだけど、めちゃくちゃ面白い!相変わらず、面白すぎる!一気に読めるから、借りたその日にすぐに読んじゃったけど、面白いねぇ。何でこれが売れないのかなぁ、「ハリーポッター」みたいに。まあ、正直いうと、感動とかはあんまりないんだけど、とにかくエンターティナーというか、これでもかってくらいにイベントの連続で、息もつかせぬ展開って感じだね。だいぶ前に出てる本だけど、面白いものは面白い。一応、四冊出てるって事は、それなりに売れてるってことなんでしょうね。それはそれで一安心。で、前から映画化って散々あとがきで書いてあるんだけど、いまだに話を聞かないなぁ。どうなってるんでしょうね(笑)。
December 6, 2008
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テメレア戦記(1)アメリカで大ヒットを記録しているというドラゴンファンタジー。あのピーター・ジャクソン監督が映画化権を獲得したというから、それなりに玄人好みのする作品だろうという予測はできる。基本的には「エラゴン」系のドラゴンに人が搭乗して戦うというパターンなんだけど、舞台がナポレオンの時代のヨーロッパで、実際の史実に沿って話が進んでいくあたりが面白いみたい。なんといっても、一人乗りだけじゃないからね。ドラゴンのでかさがはんぱじゃねーって感じで、ゾウを丸呑みできるくらいのドラゴンに、十人以上の兵士が乗り込んで空中戦しちゃうんだから、好きな人にはたまらんのでしょうねw。要するに、陸軍と海軍だけの時代にドラゴンの空軍があって、いろいろと絡まってくるわけだ。冒頭の、ドラゴンが孵化して乗り手を選ぶシーンなんかは、マキャフリィの「竜騎士」シリーズとダブってくるんだけど、そのあたりは散々言われているようなので割愛。まあ、著者自身がマキャフリィファンでもあり、影響を受けるのは当然なんだろうけど、ある程度のベースになってるのは間違いないみたい。当時の戦史に詳しい人間が読めばさらに面白いんだろうね。残念ながら自分は世界史は苦手w。そろそろ勉強する必要ありかなぁ。作品自体の評価はまあまあ面白い。ストーリーでぐいぐい引きつけるタイプではなく、細かい仕掛けなんかを楽しむタイプだと思うので、巻が進むにつれて面白さが増していくんだと思う。著者が子供のころに好きだった作品に、「ゲド戦記」「指輪物語」は定番だけど、「エンダーのゲーム」や「デューン・砂の惑星」なんかが出てくるところは、年代的に自分とかぶってるんだなーという感じで、感慨深いものがあるね。根が単純だから、それだけで親近感がわくっていうか。単純すぎる?まあ、いいじゃないの。がっつり読むってタイプの作品ではないけど、続巻が楽しみです。「パーンの竜騎士」が好きだって人は一度読んでみてください。
December 2, 2008
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ガリレオの苦悩「ガリレオ」シリーズの最新刊。東野圭吾は「放課後」しか読んだことないんだけどね。もちろん、このシリーズも読むのは初めてw。いきなり最新刊かよ!と、言われそうだが、司書さんが「大丈夫ですよ」と言って薦めてくれたので読んでみた。確かに大丈夫だった。特につまづくところもなく、すんなりと読みすすめられた。それはそれですごいよね。途中から読まれてもいいような書き方をしてるってことだし。基本的にミステリーは得意ではないんだけど、短編ということもあって楽しんで読めた。ストーリーがメインではなく、トリックがメインになってるところもちょうどいいのかも。かといって、内容が軽いということでもない。短編でこれだけきっちりと話をまとめるっていうのも、やっぱりすごいよね。湯川のキャラクターもいいね。どうしても福山のキャラにかぶっちゃうんだけど、それはそれでよしって感じ。ここぞというときのセリフが特にいいねぇ。確かにこれはドラマ向きだな。ドラマはまったく見てないんだけど、先に小説を読んでたら見たかもしれないな。そのくらいの面白さはある。まあ、自分的にはハードカバーを買ってまで読めとは言えないけど(笑)。
November 27, 2008
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「NAVY YARD vol.8」ようやく手に入れた。7月には出てたと思うんだけど、買い忘れていて、やっと買った。今号の特集は「真珠湾」の前編。前から言ってるけど、自分はモデラーではないので、本来この本を買うであろう人たちとは見るところが全然違うってことは憶えておいてほしい。自分がメインで見るのは、戦史や当時の作戦の解釈、艦船の生い立ち(?)など。そういう意味では、今号は、そういうテキストの情報が若干少ない気がした。しかも、一番楽しみにしていた相曽氏の記事がないじゃないか!これは正直ショック・・・。毎回毎回、日米両軍の行動の詳細な分析が書かれていて、感心しながら楽しく読ませてもらってたんだけど。今回は、代わりに?日本側の一士官の航海日誌の原文が載せられていて、それはそれで貴重なものなんだろうけど、そこから何かを読み取れるほど頭良くないんですけど(泣)。まあ、とはいってもそこかしこにいろんな情報が満載されていて、相変わらず読み応えはある。あと、今号で自分的には四冊目なんだけど、写真を見ただけで矢萩氏の作品が見分けられるようになった(笑)。いやー、素人目に見てもすごいですよ。いきなり、写真の解像度が上がったような印象があるからね、氏の作品には。もちろん、他のモデラーの方もすごいですよ。空母のフルスクラッチとかね、神業だと思いますよ。でもね、矢萩氏の作品はねぇ、ほんとに「神、降臨!」という雰囲気があるんだよね。もう、芸術作品だね。艦船プラモが好きな人は、ぜひともこの本を買うべきなんじゃないでしょうか?自分が言うのもなんだけど、矢萩氏だけではなく、他のモデラーの方の作品も全て、見る価値アリ!と思います。自分は「e-hon」を利用して、ネット通販で購入。送料も1500円以上は無料。ネット購入できるうちに、ぜひ手に入れてください。早く買わないと、なくなるかもしれないよ~。
September 5, 2008
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王狼たちの戦旗(上)王狼たちの戦旗(下)実はこの作品は、「氷と炎の歌」というシリーズの第二部で、第一部は「七王国の王座」という上・下巻の作品。もちろん、それも読んだんだけど、とにかくすごい作品。何がすごいって、ジャンルで言えば剣と魔法のファンタジーなんだけど、字が小さい(笑)。いまどき珍しい、上下二段に分けられた構成で、ページに字がびっしり。当然、「セリフのたびに改行」などというばかげたルールもないw。ちなみに、第二部も上・下巻で、下巻は467ページある(ハードカバー)。さらに、そのあとに、登場人物の名簿が40ページほどある(爆)。まあ、文章量がすごいと言いたい訳じゃなくて、物語がすごいんだけどね。最近は、剣と魔法のファンタジーというと、「剣」とか「魔法」が主人公になってしまって、人物はおまけみたいな作品が多くて、肝心の物語は全然、というものが多い。最終的には子供の主人公が悪いヤツをやっつけて終わり、というパターンね。なんだか、ゲームっぽい感じ?ところが、この作品はとにかく物語がすごい。第一部では、登場人物が多すぎてついていけないくらい。でも、それぞれの物語がきちんと書かれてあって、まったく破綻しないところがさらにすごい。第二部で、ちゃんとそれぞれの話がつながってくるからね。そのあたりは、和製、超大河ファンタジーと違うところですw。で、何が言いたかったかというと、これ、第三部もすでに日本で出版されていて、確か三巻構成だと思うんだけど、それで完結なんだと思ってたわけ。三部作なんだってね。けど、第二部のあとがきを読んでると、どうもまだ完結してないみたいなんだよね。本当の第三部を書く前に、やっぱりもう少し途中が書きたいってことで書いちゃったみたい。それで三巻の物語になるんだから・・・。まあ、面白いのは間違いないので、たくさん読めるのは喜ぶべきなんだろうけど・・・。最近は、本を読むのにも疲れちゃって(笑)。相当、肩がこるんだよね。特に、面白い本は根をつめちゃうからよけいにね。この作者、昔、「ワイルドカード」っていう、複数作者で書き繋いでいくっていう形の作品を書いてたんだけど、これもけっこう面白かった。アメコミヒーロー風の作品で、わりと好きだったんだけど、何冊か出て途中で終わっちゃったのかなぁ。ま、この「氷と炎の歌」のシリーズは、本国では相当評価されてるようだけど、日本ではうけないだろうね。誰も読まないでしょ、こんな字の小さいファンタジー本。「バーティミアス」とか「アルテミスファウル」も、自分が評価するようなファンタジーはあんまりうけないね。「ライラの冒険」は、映画はこけたみたいだし?(見てないのだが)やはり、「ハリーポッター」にかなうものはないのか?(そんなに面白い?)
August 26, 2008
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たまたま、実家に転がっていたので読んでみた。新野剛志というと、「八月のマルクス」という作品で、第45回乱歩賞を受賞している。これは読んだことがあり、なかなか読み応えのある作品だった記憶があったので、この「FLY」も面白いかなぁと思ったわけ。乱歩賞作品は、個人的な経験から言わせてもらうと、「はずれ」がない。そんなにたくさん読んだわけではないけど、どれを読んでもそれなりに面白い。この間、亡くなられたけども、藤原伊織の「テロリストのパラソル」なんかは、わりと好きだった。本当はミステリーって、あんまり好きじゃないんだけどね。どうしても、登場人物が不幸になって成り立つジャンルだし、暗い結末にしかならないところがあるから。そういう作品は、基本的には好きじゃない。でも、乱歩賞は、どちらかというとエンタテイメント指向なので、ストーリーで読ませる部分があるし、賞の規模からいっても相当レベルが高いので、好きか嫌いかは別にして、どれを読んでもそれなりに納得できるものがそろってる(と思う)。で、その乱歩賞作家が書いたこの「FLY」はどうだったかと言うと・・・。正直、最初のほうはきつかった。何がきついかと言うと、ミステリーでは当たり前だけど、不幸な生い立ちの登場人物が、どんどん不幸になっていくのがありありとわかるから。もう、それこそ転がり落ちるように、である。「あー、もう、なんでそうなるんだ、やめてくれー」という感じで、先を読むのが嫌になるくらい。しかも、本の厚みからいって、まだまだこれからなのに、もうこんなに不幸なのか、この先どこまで不幸になるんだって感じなのである。そういうわけで、一章を読み終えるのにけっこう時間がかかった。もう読むのを止めようと思ったくらい。ところが、ですよ。二章に入って、急展開ときたもんだ(?)。登場人物が、がらりと入れ替わり、また違う視点から話が始まった。で、とたんに面白くなってきた。一章に一週間くらい(笑)かかったのに、二章からは一日だ。読むのを止められないくらいの面白さだった。読み手を飽きさせない展開。これが、ミステリーの真骨頂なんだろうね。終わり方も、自分としては「ほっとした」終わり方をしてくれた。当然、ハッピーエンドではないんだけど、人間には強い部分もある!っていう前向きなメッセージが感じられる。読み終わって、落ち込むような作品は嫌だからねぇ。まあまあ、面白いかなという作品です。
April 17, 2008
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ほうかご百物語第十四回電撃小説大賞受賞作品。正直、人前で読むには相当覚悟がいる表紙イラストなわけで・・・。なんでこの本を読んだのかと言うと、作者が知人の知人(要するに他人だ)の息子さんだということで、その知人に、「これ読んでみてください」と、渡されたから。イラストは置いといて、電撃小説大賞作家というと、思い浮かぶのは有川浩。そういうこともあり、これはけっこう面白い作品なのでは・・・という期待は外れた(笑)。まあ、面白くないとは言わないけど、自分みたいな人間が読む本じゃぁない。ティーンズノベルでもローティーンだな、これは。というか、電撃小説自体がそういうモノになってるんだろうと思う。有川浩と比べると、大人と子供くらいの違いがある。よく書けてるんだろうけど、結局、その時その時のイベント中心の作品で、何を読んでるのか良くわからない。読み終えた後も、何を読めばよかったのかわからない。どうして、これが大賞なのかもわからない。選評を読んでみたいと激しく思う。多少は納得できるかも。「萌え」を味わう作品なのか?そう、問うてみても自分には答えが出せないので、誰に薦めていいのかも良くわかりません(沈没)。作者は色んなことを良く知ってるんだろうと思えるんだけど、その博識ぶりが生きてない気がする。別に、そんな部分がなくても作品として成り立ってるし、オタク感を味わうにはつっこみが足りない気がする。こちとら、幼少期に「げげげの鬼太郎」に親しんで、荒俣宏にどっぷりって時期もあったんだから、こんなものでは物足りないね、全然。そういう意味で、完成度は高いけど、なんか中途半端感が残念な作品でした。
April 10, 2008
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日曜の朝は、子供のTVアニメの時間なんだけど、まあ、自分も一緒に見るという形になるわけだ。プリキュアとかはどうでもいいんだけど(笑)、仮面ライダーのシリーズは、なかなか面白いものが多い。最近は、キャストもイケ面やらモデル系やらをそろえてきてることもあるし、それより何より、なかなか凝った話の作りをしていることが多い。「電王」はちょっとお笑い系だったけど、「キバ」は結構面白い。毎回、きちんと見ておかないと、話がわからなくなりそうなくらい。正直、子供はそこまで見てないんじゃないかと思うけど、製作してる人間は、楽しみながら作ってるんだろうなという気がする。第十話は、なかなか見ごたえのある内容だった。単純といえば単純なんだろうけど、好きだなぁ、こういう話。どこまで掘り下げて作ってくれるかはまだわからないけど、「ウルトラセブン」みたいな感じになってくれたら言うことないんですけどね。
April 4, 2008
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セカンドウィンド(1)スポーツ青春小説?知り合いが紹介してくれた本なんだけど、最近、キテる感じもある、スポーツ系の小説。自転車を題材にしているので、割と感情移入できた。まあ、自分はマウンテンなのでロードの感覚は全然ワカランのですが(笑)。ティーンズ系の割には、細かい部分までよく考えられている作品で、まだまだ導入部なんだけど、うまく伏線も張られている感じで、続きが楽しみでもある(読むかどうかは?ですが)。スポーツ系なんだけど、スポーツ一本っていうストイックさはそれほどでもなくて、人間関係の方がメインな感じなので、あまり汗臭いのはニガテという人でも、すんなり読めるんじゃないでしょうか。
March 21, 2008
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アーマーモデリング3月号別冊という形で発売されている、艦船プラモデルの本。(ピンボケで申し訳ない・・・)毎号、見所のある内容となってるんだけど、今号もなかなかのもの。個人的な感想としては、毎回、特定の海戦を特集してるってところが良い。漫然と作例を並べているのではなく、模型の本なので当然作例の紹介がメインなんだけど、その艦船の歴史的な背景などが随所に語られているので、模型ファンではない自分でも、楽しんで読めるところはグッド。キットの改造やフルスクラッチ作業などを見ていると、車のレストアに通じるところもあるなぁ、とも思う。「一分の一スケール」である、車の修理作業に疲れちゃったら、部屋で黙々と模型を組み立ててみるのも、案外アリかもしれない。この本を読んでると、そんな気もしてくるね。
March 20, 2008
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「図書館」シリーズ、最終巻。相変わらず、読ませる作家だなと言う印象。若干、失速したという感じもあるけど、話の展開としては、「おぉ!そうくるの?」というところもあり、読んで損するものではない。さすがに、カップルが三組もいて(熟年を入れると四組か)、それに全部オチをつけるとなると、まあ、大変だね。個人的には、そういう話はどうでもいいんですけどねw。なんか、アニメ化される?らしいけど、むいてるんじゃないでしょうか。漫画みたいな話だからね。テキストの量は非常に少ないので、この大きさのハードカバーなのに、読むのに二時間かからないのはちょっと…って感じ?もう少し、字を増やしてください。
December 14, 2007
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海堂尊の作品、「チームバチスタの栄光」。このシリーズでは三冊既刊かな?「このミス」の大賞にも選ばれていて、確かに面白い。とにかく、キャラクターが魅力的で、話の運びもうまい。最期まで飽きさせずに読ませる筆力は、並ではない。ま、それはいいとして、新聞で、映画の宣伝を見かけたんだけど、安部寛と竹内結子って…メインキャラは男二人だろ?もしやと思って調べてみたら、田口役が竹内かよ!なんで、男の役を女にするんだ?全然、話が違ってくるだろーに。まあ、原作通りに映画なんて作れるわけはないんだから、全く違う作りにしちゃうってのも一つの手だろうけど、原作が好きな人間は、見に行かないんじゃない?少なくとも、自分は見に行こうとは思わないねぇ。この作品の一つの魅力が、「行灯」こと、田口なんだから、あのキャラは、男だから成り立つわけで、藤原さんとの掛け合いとか、男のドクターでないと成立しないもんね。ていうか、男二人でないと、作品の魅力は出せないと思うけどね。どういう映画になるんだか…違う意味で、興味深いですね。
November 14, 2007
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有名なシリーズなんで、説明は要らないと思うけど、国家による強制的な検閲から図書館の自主独立を守るために、「図書隊」という武装組織を独自に持つに至るという設定が、まずぶっ飛ぶよね。普通ではありえない設定だけど、一応、そこに至るまでの紆余曲折というものもあり、なぜそうなったかということがきちんと作者の中で整理されているので、特に違和感を感じないところがすごい。基本的にはキャラクター小説かなと(自分では)思うんだけど、とにかく魅力的なキャラクターばかりなので、四冊で終わってしまうのはもったいないねぇ。主要なキャラだけでも8人くらいはいるけど、それぞれ人物もきちんと書けているし、それぞれのストーリーがサブできっちりと進行しているところもうまいなぁ、と思える部分。とにかく、エンターテイメントとはこういうもの!と思える作品。作品の性格上、どうしても偏った立場の目線になるのは仕方がないとして、なかなかするどい視点もあり、若い人たちにも読んでもらいたい(つーか、若者向けだけどね)作品です。二巻目だったかな?少年犯罪の調書をそのまま出版して、出版差し止めになるというエピソードがあるんだけど、実際、こないだあったよね、そういうニュース。是か非かというのはさておき、出版側が何を目的とするか、ってところが大きなポイントかなと思うけどね。「問題提起」と言えば聞こえはいいけど、結局はお金(や名声)が欲しいってことなんじゃないの?と思っちゃうしね。「お金が欲しいんじゃない」というのなら、その印税はどうするんだ。少年犯罪撲滅のためとか、少年の更生のために使ってもらうのか?そうじゃないだろ。やっぱり、胡散臭い部分は残るよね。「取材に違法性はない」って言う主張もね、違法じゃなかったらいいの?って、なっちゃうよね。モラルの問題ね。逆に、「違法とはわかっていたけど、法を犯してでも、あえて世間に問うてみたかった」、くらいのことが言えないと・・・まあ、実際、売れちゃうからね。そういう興味本位だけの読者がほとんどだろうし。正直、自分だって読んでみたいと思うけど、どうせ読むなら一切の脚色がされていないものじゃないと、意味ないけどね。ライターの意思が入っちゃうと、もう、それは小説だもん。ちなみに、作中では調書をそのまま、いっさい省いたりせずに載せて出版したという設定だった。話がそれましたが、「図書館戦争シリーズ」。文句なく、面白い作品です。主人公のキャラクターについていけない人は苦しいかもしれないけど(笑)。今からだったら、最終巻が出るまで待って、一気に四冊読むっていうのもアリかも(おすすめ?)。一晩で読めます。
October 11, 2007
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双生児これは、面白い本なんだけど、誤解を恐れずに言えば、読み手を選ぶ本だと思う。少なくとも第二次大戦後期のイギリスとドイツの関係や、ある程度の戦史を知っていなければ、本当の面白さはわからない。正直、自分はそのあたりのことをほとんど知らない。この本を薦めてくれた人物は、「チャーチルとかヘスとか、名前くらいは知っていないとつらいかも」と言っていたが、それはかなり控えめな表現だと思う(笑)。逆に言えば、この両名の名前を聞いて、「誰?」と言うような人は、読んでも面白くない・・・というより、読めないでしょう。たぶん、最初の数ページで挫折するだろうね。作品、全編を通して、相当の情報量が詰まっているので、一度読んだだけで、全てを見通すことが出来る人は稀だろうと思う。それでも、あとがきを読んだら、「よし、もう一度読むか!」と、思いたくなるくらい、面白い本だ。まあ、自分の場合は、イギリスとドイツの戦史を、勉強してからでないと意味ないんだけどね(笑)。作品的には、ディックの「高い城の男」に近いものはあるけど、内容は(当たり前だけど)全然別物。でも、「高い城の男」を、面白く読んだ人ならいけそうな気もする(微妙?)。普通に読み進めると、「あれ、ヨーロッパの歴史って、こんなんだっけ?」という、軽い戸惑いを覚える。作品内世界を補完するための資料などがたびたび、実にそれらしく挿入されるので、まるでノンフィクションでも読んでるような気分になる。で、そのうちに微妙なさまざまな「ずれ」に遭遇することになり・・・・エンディングではほとんどの人が頭をひねることになる、って寸法。まさに、作者の思惑通りなんだろうね。なんかねぇ、読んでる最中はそれほど「面白い」って思わないんだけど、なぜか途中でやめられなくなるんだよねぇ。作品後半に突入して、「あれ?もうここまで読んじゃったの?」と思う頃に、あぁ、この本は面白い本なんだ、とわかるという、そういう本なんですよ。第二次大戦史が好きな人はぜひ!そうでない人はちょっと予備知識を入れてからよむと、さらに面白く読めるんじゃないかな?プリーストと聞いて、たしかSFも書いてたんじゃないか・・・と思っていたら、やっぱり「ドリームマシン」という作品を過去に読んだことがあった。手元にあるはずなので、もう一度読んでみようかな。そんなに印象に残ってる作品じゃないんだけど、名前を覚えてたくらいだから、つまらないモノじゃなかったはずだし。しかし、早川文庫も相当力を入れてるみたいだけど、これは売れる本じゃないよね・・・本当はこういう本が売れて欲しいんだけどね。そうしたら、日本の出版界も、もう少し面白くなると思うんだけどなぁ。もう、出版業界、ダメダメっぽいらしいからね。早川文庫にはがんばってほしい。新刊買う金はないけど、ガンバレ!(爆)
September 5, 2007
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昨日、子供に見せるDVDを借りにツタヤに行ったら、「アタゴオルは猫の森」があったので、借りてきて早速(一人で)見た。「ブレイブストーリー」は、前にテレビで放送されたものを録画していたので、とりあえず見てHDDから消去せなアカンので、適当に(笑)見た。「ブレイブストーリー」は、原作があまり面白くなかったので、期待してなかったけど、やっぱりイマイチだったね。宮部みゆきは、現実のドロドロした部分を書かせると天下一品だけど、ファンタジィは面白くない。基本的に、ロールプレイングゲームの感覚で書いてるようなので、しょうがないと言えばしょうがないんだけど、「理由」とかを読んで、スゲー!と思った、そういう面白さはほとんどないもんね。映画とかにすると、それをさらにはしょって、きれいごとな部分を強調するもんだから、よけいに見ててつまらなかったね。絵的にも、リアル風な描写に違和感感じまくりだった。もっと、アニメっぽくしたほうが良かったんじゃないかと…ま、これは個人的な好みだろうけど。ちょっとね、優等生すぎるメインキャラっていうのは、いまどきウケないのでは?なんか、主人公がきれいごとをうなってるだけで、特に苦労してるように見えないし、負けちゃったキャラの方が、よっぽど努力も苦労もしてるように思えるんですけど…世の中、そんなに甘くないし、絵空事すぎるよね。ドラえもんとかアンパンマンとかそういう作品ならそれでいいんだけど、「そういう」作品じゃないでしょ?まあ、それなりによく出来た作品なんだけどね。「アタゴオルは猫の森」は、まあ、ますむらひろしのファンなので、とりあえず見ておかないとね、イカンでしょ。フルCGは、まあ、あんなものでしょうね。よく出来ているとまではいかないものの、そう違和感は感じなかった。しかし、いきなりギルバルスが出てくるあたり、「そりゃ、ジャングルブギだろ!」と、突っ込みたくなる。おかげで、キャラ的にかぶるからか、月見姫がほとんど普通の女の子になってたのが残念。ファンとしては、もっと活躍するかと期待したんだけど…まあ、でも、個人的にはジャングルブギを映画にして欲しかったので、そういう意味では、動いているギルバルスが見れただけでも大満足。敵キャラ(?)のデザインはますむら風ではなかったので、そのへんはバツ。ヒデヨシのキャラは、まあ、ヒデヨシ的でよかったかな?善とか悪とか、そういうモノに囚われないキャラなので、こういうストーリーに使うのは、すごく難しいと思うんだけど、そのあたりは、うまく出来てたんじゃないかと思う。どこまでますむらひろし本人が関わっているのか、全然知らないんだけど、人(猫)が、花になるっていうのは、「夏の終わりにやって来た春」という短編の中で描かれてるので(いい作品です)、ますむら作品を好きな人が作った映画なんだな、というのはわかる。それより、この映画、モトが取れたの?って心配でね。ファンが見ると、それなりに納得っていう作品だろうけど、全然知らない人は見に行かないでしょ?そんなに、ファンがいるの?って思ってしまうんだけど、ますむらひろしの本って、どのくらい売れてるんだろうね?次回作も期待したいんだけど、無理かな?「銀河鉄道の夜」があって、こりゃぁ、次はないな、って思ってウン十年たった頃にコレがあって…忘れた頃にやってくるからなぁ(笑)。次は是非、真の月見姫をお願いしたい(笑)。
August 18, 2007
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本年度の芥川賞受賞作である。自分は文学は良くわからないので、特に芥川賞を受賞した作品だからといって、読みたいとは思わない。読んで、面白いと思ったこと正直もあまりない。この作品も、特に面白いと思わない。なぜ読んだかというと、村上龍と石原慎太郎が絶賛、と書いてあったから(意外に単純)。この二人が薦めるのであれば、何か「おおっ!」と言わせるものがあるに違いないと思ったのだが、残念。芥川賞って、なんかおもしろくないね、ほんとに。村上も石原も、若い女に毒気抜かれちゃったんじゃないか?って思える。こんな、へたれ女(失礼!)の自己憐憫日記みたいなもの読まされても、楽しくもなんともない。まあ、文学ってそんなものだろうけど。直木賞は面白い作品がいろいろあるのにねぇ。エンターテイメント志向だから。ま、自分は何か得るものがある作品が好きなので、こういう、毒にも薬にもならないような話はもともと好きじゃないんで、しょうがないね。文章自体は上手なので、暇つぶしにはなるかもしれないけど、一人称と会話主体の作品はテキスト量が非常に少ないので、あんまり読んだ気にもならないし、どうせ目が疲れるだけなら、映画でも借りてみてるほうがましかな。全然、オススメじゃない作品紹介でした(笑)。
July 28, 2007
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アーマーモデリングという隔月刊の雑誌の別冊という形で出版されている本で、軍艦のプラモデルの本と言えばわかりやすいかな。大日本絵画出版の本。アートボックスと言ったほうがいいのかな?http://www.modelkasten.com/ ここをどうぞ。自分は特に軍艦に興味があるわけでもないし、プラモデラーでもない。ならば、なぜこのような本を手にしているのかというと、たまたま知人がこの本の出版に関わっているから。で、買わんとあかんな~と思っていたところに、なんと、その知人が「せっかくなので」と一冊プレゼントしてくれちゃったわけ!「けっこう高い本だから、買ってもらうのもなんだし・・・」とのお言葉。実のところ、今月けっこうピンチだったから、めっちゃ助かった!まあ、宣伝も兼ねてブログに書いちゃおうというのもあるんだけど、これがなかなか読み応えがあるんだ。一応、一冊ごとにテーマがあるようなんだけど、この号は「マリアナ沖海戦」後半というもの。第二次大戦末期のマリアナ沖海戦で活躍した、日本軍、米軍双方の艦船がメインに紹介されている。こう聞くと、「戦争万歳」みたいな、ミリタリーオタクが見る本か?と思いがちだけど(自分もそう思ってたところはある)、これが、そうでもない。まあ、オタク的要素はもちろんあるけど(趣味の世界はなんでもそうだね)、意外と客観的な立場からその当時の戦況を分析してあったりして、見るだけではなく読み応えがある本だった。当たり前だけど、オトナの本である。もちろん、プラモデル自体もすごいものやら面白いものやら、たくさん。自分くらいの年代の男の人なら、たいてい一つくらいは戦闘機や軍艦なんかを作った覚えがあるんじゃないかと思う。自分も小学生のときに(なぜか)一式陸攻のプラモデルを作って、しばらく大事にしてた思い出がある(普通ならゼロ戦とか紫電改とかなのか?)。まあ、単純に組み立てただけだったけど。その後、調子に乗ってタイガー戦車のでかいヤツを(三千円~五千円くらいした)買ったはいいものの、結局組み立てられずに泣く泣く廃棄した。コレがトラウマになったのか、ガンプラブームが来ても、ほとんど手を出さずじまいだった。この本を読んでると、そんな思い出みたいなものを思い出した。あと、軍艦とかだと、無駄なものを極力そぎ落とした、機能美みたいなものが感じられる。車でいうと、F1に代表されるようなモータースポーツで活躍する車両みたいなもんかな?そういうところ、なんか車好きに通ずるところもあるかもしれない。デザイナーみたいな人種だと、「戦う機械は醜悪だ」とノタマウかもしれないけど、そんな知り合いはいないからかんけーない。それから、この本の販売趣旨とは全然関係のないところなんだけど、単純に「せんそうはんたい!」とか言って、戦争に背を向けるのではなくて、戦争をいろんな角度から見ることで、たくさんのことがわかってくるもんだなと思った。だって、この本に関わってる人って、モデラーの人も編集の人も、自分よりずーっと戦争についてよく知ってるし、よく調べてるからね。しかも感情論ではなく、きちんとした写真や資料を基に「事実のみ」を知ろうと奮闘しているところがいいねぇ。いろんな意味で、勉強にもなるし、楽しめるし、まさに、一冊で二度も三度も美味しいという、そんな本でした。プラモデル好きの人、ぜひ買ってやってください!
June 29, 2007
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今日から読み始めてる。ますます、面白くなってきた。作家のライフワークみたいに、長い年月にわたって書き続けられる作品は多いけど、段々、作風が変わったり、面白くなくなったりするモノもあるなか、これは、どんどん面白くなるシリーズだ。作者の円熟度が増してるのか、合間合間に書かれた他の作品によって、さらに作品世界が深みを増すからか、よくはわからないけど、サイコーです。これまでは、けっこうスロースターターって感じで、冒頭は割合かったるい(失礼)気もしたけど、これはそれこそ一行目からグイグイ引き込まれる感じ。早く続きが読みたーい!でも、我が家での読書は禁止なので(読書に集中すると周りを無視するようなので)、仕事場での休憩時間にしか読めないのであった。ま、どーせ子供に邪魔されるから、家では読めませんけどね。面白い、ホントに面白い作品です。
June 12, 2007
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まあ、今読んでる本なんだけど、読めば読むほど、星新一という人のすごさがわかる本です。自分は、こういう文体の本はどちらかと言うとニガテなので、なかなか読みきれないんだけど、時間があれば一気に読みたい!!と思う。いやー、でも星新一って、SF作家だったの?そういうつもりは自分的にはぜんぜん無かったんだけど、そうみたいね。でも、日本のSF界にとって、氏がこれほど大きな存在だったとは、ちっとも知らなかった。そういう面から見ても、この本は星新一ファンだけでなく、SFファンにもぜひぜひ、読んで欲しい一冊ですね。もちろん、氏の作品もぜひ読んで欲しいけどね。
June 4, 2007
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昨日の朝、起きたときは結構しゃきっとしてて、「おぉ!風邪ひいてないよ!」って感じで、復活モードだった。でも、今日はやっぱイマイチ。体力ないよ、ほんとに。ま、それはそれとして、前から読みたいと思っていた「死のロングウォーク」。知ってる人が、わざわざ図書館で借りてきてくれたので、早速読ませてもらった(感謝!)。「バトル・ロワイヤル」の元ネタになったというだけあって、基本的な設定は似てる。ただ、こちらは非常にシンプル。最後の一人になるまで、ひたすら歩き続けるってだけだからね。そのぶん、やっぱり読ませるねぇ。さすがキングです。コレ読んじゃうと、「バトル・ロワイヤル」の斬新さっていうのが薄れちゃうね。「最後の一人になるまで・・・」という発想が命なんだけど、すでにキングが書いてたわけだから。文章の量はキングにしては少ないほうなので、スカッと読めると思う。これを、大学一年の時に書いたってんだから、すごいよねぇ。
April 24, 2007
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ここのところ、全然、車をいじってない。だからというわけでもないけど、小説の紹介ばっかりになってます(汗)。でもねえ、これはホントおもしろいよ。自信を持って、紹介できるね。「ハイペリオン」は、どちらかと言えば、SFらしくない感じの作品だったけど、これは一転してSF!って感じです。スペースオペラ(古い?)と言ってもいいかも、というくらい。宇宙艦隊同士の戦闘とかもあるし、SFらしいSFですね。それにしても、相変わらず、読ませる作品。最後まで飽きることなく読み続けられる。すごいよ、ほんと。こんなにすごい作家を今まで知らなかったなんて、なんか、すごくもったいない気分になる反面、続きが出るのを何年も待つ必要がないので、得した気分にもなる。それは、今、平行して読んでる「ダークタワー」シリーズについても同じ。「ダークタワー」は完結してるけど、足掛け20年くらいかかってるんでしょ?20年って・・・「グインサーガ」には負けるか・・・(爆)「ザ・スリー」も読んじゃったけど、面白いねぇ。ダン・シモンズもそうだけど、作品の雰囲気が、がらりと変わるところがすごいね。ビックリ箱みたいで、「次はどうなるんだ?」という楽しみが倍増する。普通の作家だと、ただ、続いてるというだけで、ながーい作品を分割しただけということにしかならないんだけど、この二人に関して言えば、内容もテーマも、一巻ごとに変化していく感じがあるね。ぜひぜひ、読んでみてください。
March 14, 2007
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「ダークタワー」シリーズの第一巻。「ガンスリンガー」というと、Avalonhillのボードゲームを思い出すんだけど、絶対、キングのこの作品を下敷きにしてるんだと思い込んでたけど、どうも、ぜんぜん関係ないみたいですね。たぶん編集Gさんがこのゲームを持ってるはずなんだけど、自分は結局、プレイしたことないと思うんだよね。単に、「ガンスリンガー」は「拳銃使い」という意味なんでしょうね。プレイしたことないもんだから、この小説を読みながら、プレイヤーが「黒衣の男」を追いながら、「暗黒の塔」を目指すゲームだと、てっきりそう思ってました。ま、いいんですけど。そうそう、作品の感想だけど、完全に導入部って感じで、謎だらけのまま話が進んで、謎のまま終わる。そんな感じ(笑)。相変わらず、殺伐とした話の流れで、子供には読ませられないね(読まないと思うけど)。善とか悪とか、そんな簡単に割り切れるものじゃなくて、何を選ぶか、何を捨てるか、強烈なまでの自分の意思を持つキャラクターが進んでいく道。とても、感情移入なんて出来るものじゃないけど、まぜか、この男がどこまで行くのか、最後まで見たくなるんだよねぇ。第二巻の「ザ・スリー」も、ちょこっとだけ読んだけど、「いきなり、そうくるのかよ!」ってな感じで、期待を裏切りまくりです(笑)。しばらくは、楽しめそう。
March 10, 2007
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自分にしては珍しく、青春スポーツ小説なんぞを読んでみた。どちらも、去年出版された本。陸上を題材としたもので、前者は短距離、後者は長距離の物語。どちらも、ストレート!真っ向勝負!みたいな感じで、サクサクっと読める。どちらも、とってもいい話だ。自分でも意外だったのが、こういうスポーツ系の青春小説を読んで泣けたという事。悲しくて・・じゃなくて、アツいシーンで感動して、だからね。昨今は暗い内容の作品が話題になることが多いけど、そういうのは全然、読む気がしないし、こういう明るい面白い作品が売れるといいねぇ。三浦しをん氏の「それから三四郎は門を出た」「三四郎はそれから門を出た」という、エッセイをまとめた本も読んだんだけど、・・・後から読んでよかった・・・という感想。本人、ぜーんぜん運動できないみたいで、よくこんな作品が書けたなーってくらい。面白いキャラクターだけどね。
February 27, 2007
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ちょっと前から、気になってた本。80年代後半くらいのSF小説。ヒューゴー賞・ローカス賞をダブル受賞してるようなので、面白くないはずがない。思っていた通り、最高に面白い内容だった。あとがきで訳者が述べていたことだけど、きちんと「読ませる」小説だ。わくわくドキドキの連続・・というタイプではないんだけど、無駄な描写がなく、スミからスミまで考え抜かれたストーリーという感じで、何がどこにつながって、どう関係してくるのか、それを確認したいという、それだけでも読み進めたくなる。いやー、久々に、読み終わって読み疲れしました。結構、分厚い本だけど、一気に読んじゃったからなぁ。でも、まだ続きもあるんだよね。うれしいねー。この本は、SF好きの人じゃなくても面白く読めるんじゃないかな?むしろ、そういう人に読んで欲しいね。
February 22, 2007
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子供が見たいというので、まあ、クリスマスプレゼント代わりな感じで、一緒に見に行ってきた。映画館に映画を見に行くというのは、10数年ぶりだ。まあ、最初から期待はしていなかったけど、見事に予想通りと言うか、つまらんというか・・最初の3分で、「こりゃ、つまらんな」と、はっきりわかる内容。任天堂も、もう少しちゃんと作って欲しいよね。子供の見る映画だからって、ほんとに子供だましの内容でいいのか?こういう、一発モンの映画は、今回だけ人が入ればいいって感じで、後の事は考えなくていいから、こんなにつまらん内容でも上映しちゃうんだろうなぁ。ま、子供(5歳)は面白く見てたみたいだし、それはそれでいいんだけどね。子供向けの映画っていうのは、シリーズで続いてるものは、意外に大人が見ても面白いものが多い。「クレヨンしんちゃん」なんかは、けっこう隠れファンがいるらしいし。「アンパンマン」や「ポケモン」、「ドラえもん」なんかも、じゅうぶん最後まで楽しめるしね。そういう意味で、ほんのちょっとだけ期待してたんだけどなぁ・・世界の任天堂が製作してるわけだしぃ・・・つまらん映画を見ると、ほんと、肩がこるね。今は、頭がイタイよ。
December 27, 2006
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昨日、何気なくニュースを見ていたら、「レッツダチ公」の背表紙が映っていた。知る人ぞ知る(?)少年チャンピオンで連載されていた、ヤンキー漫画だ。「タイマンはったら、ダチじゃあ!!」この、金言を残した、不滅のタイマン漫画である。あんな漫画が流行って(?)いたなんて、やっぱり平和な時代だったんだね。現在の小中学生も、この漫画を読んで元気を出そう!こういう漫画が流行るようになれば、いじめも自殺も、無くなるんじゃないかなぁ・・なんとなく、そんなきがしました。
November 24, 2006
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言わずと知れた、「エンダーのゲーム」の著者である。題名からして、「エンダー」のその後の地球を舞台にした作品。「エンダー」はすごく好きな作品の一つ。まあ、そういう人は多いと思うけど。ただ、その後の作品、「死者の代弁者」とか、「ゼノサイド」とかは、ちょっと毛色の違ったものになってるので、「あれ?」って感じにはなるけど。自分は一番最初の「エンダーのゲーム」が一番好きです。この作品は、まあ、後から考えて出来たものだから、「おいおい、そうっだったの?」という部分ももちろんある。エンダー自身も出てこないし。全く違う作品として読んだほうがいいのかもしれない。現に三部作の二作目のようだけど、前作の「エンダーズ・シャドウ」は読んでないけど、特に不都合はなかった。出来はいい作品だし、読んでみても損はないと思う。作中で、日本がアジアの国の中で唯一(?)中国の覇権に対して抵抗している国として描かれているのが面白かった、というか気持ちよかった(笑)。ディックの「高い城の男」でも、日本が戦勝国として描かれてるけど、日本人としてはどうなの?って感じで、ホントのところはこういうのはけっこう複雑かもね。なんか、意味がわかんなくなってきたので、このへんでやめとこ。
November 8, 2006
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星新一 「未来イソップ」説明するまでもなく、ショートショートの第一人者(?)。小学生の頃から好きで、よく読んでいた。独特のブラックな作風がすごく新鮮で、この短い文章の中で、きちんと起承転結がまとめられているところが、子供ながらにすごいと思っていた気がする。今回、ちょっとしたことからこの本を紹介され、初期の作品集ながら読んでいなかったので、借りて読んだという次第。久しぶりに読んだけど、やっぱり面白い。初期の作品だからか、若干、丸い部分があるかな、と思うけど、「少年と両親」という作品では臓器売買がテーマになっているし、星氏の世の中と未来を見据える目、というものは本当にすごいものがある。昭和46年発行の本ですよ!まあ、いわゆる天才ですな。天才作家、ではなく、天才がたまたま小説を書いたという感じ。この本の中では、最後の「たそがれ」という作品が好き。こういう物悲しさを、この短さで出せるのはこの人しかいないだろう。星新一。まだ読んだことのない人は、ぜひ読んでください。どれを読んでも面白いけど、「ぼっこちゃん」あたりがおすすめかな?
October 26, 2006
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自分が不眠症だから、と言うわけではないが、キングの「不眠症」を読んでみた。いや~びっくり。ミステリー(ホラー?)でしょ?これって。SFじゃないですか!まんまSFですよ!まさか、こんな話を書いてるとは思ってもいなかったんで、うれしい誤算と言うか・・・話も、前半はかなりきついもんがあったんだけど、上巻の後半になると、がぜん面白くなってくる。かなりのテキスト量なんだけど、読み終わってみるとそんなに長い話に思えないのが不思議。読ませる本ということなのかな。作品中にタイプグレイ(笑)が出てくるんだけど、名前がラキシス、クロートー、アトロポス。ファイブスターのファティマと同じ名前。ま、元ネタが同じなんで当然なんだけど。「ファイブスターストーリーズ」は大好きな作品なので、妙にうれしかったっす!この漫画は、また別の機会に紹介するつもりだけど、某ブログを書いている方のご主人も大好きだとか・・・世間は狭いものですなぁ・・・キングの作品は、名前は色々と聞いているけど、ジャンル的に興味がなくて読んでなかった。これを機に、他の作品も読んでみよっと。流れ的に最悪のエンディングを想像してたけど、すごくいい終わり方だったので二重丸です。
June 20, 2006
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最近は、あまり読まないけど、漫画も大好き。世代で言うと、ジャンプ世代になるのかな?「リンかけ」「北斗の拳」「キン肉マン」などなど。少年漫画全盛の時代だった。まあ、そういう漫画も好きなんだけど、今日紹介するのはちょっと違った漫画家。ますむらひろし「アタゴオル」のシリーズが有名かな?メジャーなところでは、アニメ映画の「銀河鉄道の夜」のキャラクターデザインをしていたってのもある。独特の作風で、ちょっとシニカルなところが好き。今はもう売ってないのかもしれないけど、サンコミックで出ていた初期の短編集なんかはブラックなところがかなりイイ!「アタゴオル」みたいなほのぼのした作品もいいんだけど、「ジャングルブギ」のようなシリアスな作品もいい感じ。作者本人、けっこう西部劇が好きなのでは?という気もする。最近の作品の絵は、なんだかロットリングで描いてるような感じなので雰囲気がもう一つのような気もするけど。昔の、ペンでゴリゴリ描きましたって感じの絵がよかったなぁ。たしか、この人、ジャンプ出身なんだよね。当時のジャンプ、いろんな漫画家を発掘したという功績は大きい。今のジャンプは見る影も無いけど・・・
June 10, 2006
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編集Gさんからのコメントで思い出したけど、「マストドニア」、最高です。何で忘れてたのかなぁ、と思って本棚を探してみたら・・・ない!!マストドニアだけ!なぜ?誰かに貸したか(姉が怪しい)、本棚以外のところにいってしまってるか・・・自分は、本は基本的に購入して読む人だったので、必然的に本があふれてくる。まあ、本当の読書人に比べたら微々たるもんだけど、SFとファンタジーだけでどのくらいだ?600?800?手製の本棚に収めてるけど、入りきらないからそこらへんに山積みしてるものも多々あり。どっかにいってるのかなぁ・・・念のために、まだ売ってるのか調べてみたら、ほとんど入手不可か絶版・・・・・もう古典SFなんだね、シマックって。「アンドロイドの氾濫」という本だけ手に入るみたいだけど、それだけ読んでないなぁ。正直、出版年が新しい作品ほど面白さは薄れてくるような気もするんで、「人狼原理」「法王計画」くらいまでかな。おススメは。コメントにも書いてるけど、「子鬼の居留地」はほとんどファンタジーなんで、SFが好きな人には「都市」がおススメ。シマックらしさは、自分は「マストドニア」が一番だと思うけど。中学生のときに読んだけど、チョー感動ってやつですか。本を読んで感動したのは、小学生のときに「冒険者たち」(ガンバの冒険の原作)を読んで以来だったので、「SFってかっこいいだけじゃなくて、感動もあるんだ!」と目からウロコだった。今から読もうという人には古本しかないみたいだけど、ぜひ、手に入れて読んでください。
May 20, 2006
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「一番好きなSF作品は?」とか、「一番好きなSF作家は?」とか言われても、非常に困る。好きな作品も作家もたくさんありすぎて、一番なんて決められない。それは誰でもそうだと思うけど。あえて選ぶとして、一時期(20年程前?)はクリフォード・D・シマックの「子鬼の居留地」と言っていた。そのときは本当にシマックが好きで、「牧歌的」と言われていたその作風が大好きだった。生きとし生けるもの全て(それこそ無機物にいたるまで!)に対する愛情が、全ての作品に感じられる。それから、少しだけ哀しさも。この哀しさがあるから、シマックの作品が大好きだった。あー、こうやって書いてるとまた読みたくなってきた。「都市」とか「中継ステーション」とか、外れは無いって感じですよ、ホント。もっとも、最近の作品(あったとして)は、ぜんぜん知らないけど。いまなら、何を選ぶか。昔の作品ばっかりだけど(新作とか全然読んでないし)、ゼラズニィの「光の王」。主人公は仏陀なんだけど、ブラフマンやカーリーといったオリエンタルな神話のキャラクターが入り乱れて、独特の神話世界を作り出している。とにかく、自分の好きな 「かっこいい」 作品になっている。いかにもゼラズニィらしい、「哲学」もきちんと書かれていて、いろんな方向から楽しめる。ちょっと分厚いけど、読み出したら止まらないくらい面白い作品。自分は、あんまり同じ作品を読み返すことはしないんだけど、これはもう、四回くらいは読み返してると思う。こういうSFって、最近はあんまりなさそう。
May 16, 2006
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今日、3巻を読んだ。これは、あれだね、ジェットコースターストーリーってやつですか。最初っからぐいぐいと引きこまれて、最後までノンストップって感じだね。まじで、面白かった。たぶん、ハリー●ッターより面白いと思う(読んでないから断言は・・・)。3巻完結と聞いていたけど、4巻目を執筆中とのこと。これに関してはそれもありかなと思う。どう考えても、続きがあるような終わり方だったし。ストーリーにある程度リセットがかかったような感じだったので、それがキャラクターにどう影響してるかという楽しみもある。4巻の発売を待っとこ。訳者あとがきで、作者の好きな作品、10作というのがあったんだけど、その中に、自分の好きなフィリップ・プルマンの作品があったので、妙に嬉しくなってしまった。(日本では)マイナーな作家だと思うんだけど、意外なところで目にしたなぁって感じです。アルテミスを面白いと思った人は、ぜひプルマンの作品にもチャレンジして欲しい。ちょっと分厚い本の三部作で、アルテミスのようなノンストップストーリーではないけど、三部、全てを読み終えたら、何かが心の中に残ると思う。そんな作品です。
April 12, 2006
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今読んでいる本。アルテミス・ファウルのシリーズ。アルテミス・ファウル大分前に一巻を読んで、「続巻はいつでるのだろう」と気をもんでいたのだったが、先日、すでに完結していたというのに気付き、愕然。さっそく、2巻3巻を借り、読んでいるところ。まあ、このくらいの本だと仕事の合間に読んで、一日で読めるので、2巻はもう読み終わった。1巻はかなり面白いと思った。キャラクターの設定がかなり強烈なのと、演出がかなりエンターテイメント的なので、最後まで飽きずに読み通せるという感じ?大人にも勧められる作品だった。2巻は、どうしてもキャラクターのインパクトが弱くなるので、その分、厳しい面はあるが、十分面白いと思う。難をいえば、ストーリーの展開が行き当たりばったり的で、せっかくの主人公の天才的な側面がいまひとつ現れてこないところが残念だった。明日、3巻を読むのを楽しみにしているところ。映画化決定らしいが、どんな映画になるのかな?ナルニアの映画は、知り合いによると、戦争シーンが結構あるとかで、結局、そういったアクション面を前面に押し出した俗な作品に仕上げたようだ。ま、手っ取り早く売れる作品にしようと思えばそうするべきでしょうけど。確かに、原作そのままに映像化しても、退屈でしょうがないだろうしねぇ。次の餌食は、ゲド戦記か?
April 11, 2006
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小川洋子氏の作品。確か、寺尾聡主演で映画にもなっていると思う。本屋の店員が選ぶ、本屋大賞(?)にも選ばれているようだ。いい話である。非常に心地よいリズムに乗せられながら読める本だ。野原をゆっくりと流れる川の流れのようなストーリー展開である。無駄な描写が一切なく、最初の一文字から最後の一文字まで一つの円を描くような見事な流れの話を読ませてくれる。本来は自分の興味のあるジャンルではないのだが、これだけ見事な作品にはなかなかお目にかかれない。本のプロである店員さん達に支持されるというのも納得の一冊である。登場人物たちの境遇は決して幸せいっぱいの人生ではなく、むしろ不幸な生い立ちのはずなのだが、作品からは暗さはまったく感じられない。そこには明日へとまい進していく一人ひとりのパワーがこめられているようだ(博士には明日というものが存在し得ないのだが)。数式というものを、堅苦しさを感じさせずうまく扱っているところにも感心する。なんだか、感心してばっかりであるが。個人的に暗い話は嫌いで、前に天道荒太氏の「永遠の仔」を読んだときには、なぜこんな作品が売れてしまうのかと思ったことがある(決してデキの悪い話ではないが)。ただ明るいだけの話でもつまらないのだが、どのような境遇にあってもとにかくポジティブに生き抜いていく登場人物がいる作品が好きだ。言い換えれば、その作者が人間を好きと感じているか嫌いと感じているかということなのかもしれない。そういう意味で大好きな作家が浅田次郎氏である。作品を紹介するまでもないメジャー作家なのだが、とにかく読む作品、読む作品すべてに感動しきりである。そこにはあふれんばかりの人間への愛が感じられる。氏の作品をつまらないというヤツとは付き合えんなと思うくらいだ(人格を否定するのではなく、性格が合わないということ)。まあ、そんなことはどうでもいいのだが。この小川洋子氏の作品もそうなのだが、このような作品がさらに大勢の人に読まれるようになれば、日本ももう少しましな国へなるのになぁといつもながらに思ってしまう。古い話だが、「バトルロワイアル」を暴力シーンだけの有害書籍だと断罪するような大臣がいまだに幅を利かせているようでは(お前ほんとに読んだのか?と思ってしまったが)、まだまだこの国の未来は暗いなということである。ちなみに、自分は「バトルロワイアル」が出版された当初に読ませてもらったけど、アクション青春学園小説だと思いました(笑)。泣けてくる、いい話である。ま、過激なシーンの功罪については百論あるでしょうけどね。先入観にとらわれず、一度読んでみてもいい作品だと思いますよー。話がそれたが、この「博士の愛した数式」。本を読んで心地よい気分になりたい人にはオススメの一冊である。逆に、本を読んで落ち込みたい人は、絶対読んではイケナイ。そういう人は前述の「永遠の仔」を読むか、野島伸二作のTVドラマでも見るがヨカロウ。
March 8, 2006
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読むと、不思議な気持ちになる作品である。読み始めてしばらくは、話がどの方向へ向かっているのかわからず、イマイチ入り込めない感じがするのだが、後半を過ぎる頃になると、ばらばらだったエピソードが見事に収束していくのがわかるようになる。同じ作者の「プラネタリウムのふたご」という作品も読んだが、自分は「クーツェ」のほうが好きだ。プラネタリウムのふたご両作とも、どこだかわからないちょっと昔っぽい外国が舞台になるのだが、作品世界のつくりが絶妙で、なんとなくブラッドベリの匂いがするような気がする。その世界に対する、作者の「愛」を感じる、そんな作品だ。どちらかといえば暗い感じのエピソードが多いのに、読んでいる間も読み終えた後も心があったかくなるような気持ちになれる本だ。こういう本が売れるようになれば、日本も平和な国になると思うんだけどなぁ。
January 27, 2006
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T・A・バロンの「マーリン」のシリーズ第4巻。マーリン(4)いわずと知れたあの魔法使いマーリンの子供時代の話、という筋書きだ。大手新聞紙上でどーんと宣伝されていたので、ご存知の方もいるかもしれない。「映画化決定!」「本格ファンタジー」などという派手な宣伝がされてたから。かくいう自分もそれで期待をして読んだけど、それほどでもなかった。子供向けの本である。アナタが中学生くらいなら読んでみてもいいかも。それなりに面白い作品ではある。だから、自分も4巻まで一応読んでいる。まあ、訳本というのは訳者の力量にも左右されるので難しいところではあるが、訳自体も子供向けにしてあるようで、そのあたりがよけいに鼻につくのかもしれない。内容自体も、とくに目新しいものでもない。読んでいて無駄に思えるエピソードなどもあるし、もう少しスリムにしてエッジを効かせるような作品になればもっと面白かったかもしれない。興味のある人は、一巻からどうぞ。こういうファンタジーなどの作品を評価するときに、自分がよく引き合いに出すのが演劇。よく出来た作品がプロの劇団の舞台とすると、この「マーリン」はせいぜい中学の演劇部の舞台というところか。作品世界のつくりが甘く、リアリティーが無い。登場人物に生活感が無いというのは、ファンタジーやSFでは致命的。ただでさえ非現実の世界での話なのに、その作りこみが足りないと、どれだけストーリーが良く出来ていても薄っぺらな作品にしかならない。脚本が良くても演技が下手では駄目、と言えばわかりやすいでしょ?なんて、勝手なことばっかり言ってるけど、なかなか面白いファンタジーに巡り合えないからストレスたまってるんだよねー。それほど数を読んでるわけでもないけど。どうも、こういう前宣伝の派手なものほどつまらないものが多い気がするなぁ。もっと面白い作品があると思うんだけど。やっぱ、子供向けじゃないと売れないんだろうね。そのうち自分のオススメする本を紹介します。いっぱいあるから、どれにしようか迷うなぁ。
January 21, 2006
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中学一年のときにレンズマンシリーズに出会ってからSFを読むようになった。最近は諸事情から子供向けのファンタジーを読むことが多い。が、はっきり言って大人が読んで読み応えのあるものはほとんどない(あたりまえだけど)。その中でも、バーティミアスのシリーズはめちゃくちゃ面白い。中身的にはもう少し深いところが欲しい気もするが、読み物としては申し分なし。ハ●ー●ッターなんかよりこっちを読め!と言いたい。三部完結との事で、めでたく完結したわけだが、最初から最後まで、文句なく面白かった。無駄なエピソードなどがほとんど無いところは賞賛に値する。作者にはぜひ次回作を書いて欲しい。ハリウッドで映画化するそうだが、子供向けのつまらないものにならないことを祈る。●リーポッ●ー以来、ファンタジーの映画化がどんどん進んでいるようだけど、ゲド戦記はともかく、ナルニアなんかはどうだろ。ディズニーアニメくらいの方が良かったのでは・・・一般に広く知られるようになるのはファンタジーファンとしてはうれしいけど、一過性のブームで終わってしまうと再び盛り上がるのは難しいだけに大事に扱って欲しいよなぁ。
December 26, 2005
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仮面ライダー、結構はまってますこんなの子供が見てんの?ってくらい、シリアスなつくりのときもあるし。今日は、斬鬼がとうとう死んでしまった不覚にも、ちょっと涙ぐんでしまった・・・こういう単純に「かっこえー!」っていう漫画を見ると、童心に帰ってしまうなぁ来週もまた見よっと
December 25, 2005
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