【アンマン時事】過激組織「イスラム国」による日本人人質事件で、後藤健二さんとみられる男性は日本時間27日夜に公開が確認された新たな画像で「残された時間は24時間」と言及した。同じく拘束されているヨルダン軍パイロットの安否が交渉の行方を見極める焦点となっている。パイロットが殺害されれば、後藤さん解放の条件である女死刑囚との交換による解決が困難になるのは必至だ。
後藤さんは新画像で、「私には24時間しか残されていない」と話す一方、「パイロットに残された時間はそれよりも短い」と述べた。ヨルダン側が死刑囚釈放に応じなかった場合、イスラム国はパイロットを先に殺害する可能性が高まっている。
ヨルダンのエンスール首相は、新画像のメッセージではパイロットが解放されるかどうか明らかでないとの認識を示している。パイロット解放が保証されなければ、死刑囚釈放に応じるのは難しい状況だ。パイロットが殺害されれば、釈放は受け入れられないとみられる。
一方、イスラム国は過去に動画で殺害を警告したケースでは言葉通りに実行してきたが、パイロットはヨルダン政府との重要な交渉材料でもある。米軍主導の有志連合の攻撃などでイスラム国が苦境に陥っているとの見方もあり、パイロットの拘束を続け、有志連合メンバーのヨルダンをさらに揺さぶるシナリオも否定できない。
イスラム国側が20日に投稿した動画では、身代金支払いの期限を「72時間」と区切ったが、湯川遥菜さん殺害のものとされる画像が投稿されたのは、期限とみられた23日から1日たってからだった。今回の「24時間」の期限も、いつまでなのかはっきりしていない。(2015/01/28-15:02)
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