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2023.10.17
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カテゴリ: 報徳記を読む
報徳記

巻之六【2】先生下館困難の本根を論ず

先生曰く、
夫(そ)れ諸侯の任たる專(もつぱ)ら領民を安撫(あんぶ)するにあらずや。
然るに民を治むるの仁政を失ひたるが故に今此の衰貧に至れり。
君臣共に前過を悔い厚く國民(こくみん)を撫育せんとせば、僻令(たとひ)其の事を行ふあたはずといへども、猶(なほ)其の本を知り仁政の志ありとせん。
然るに下民(かみん)の安危(あんき)を度外(どぐわい)に置きて之を憂ふるの心なく、專(もつぱ)ら君臣目前の艱苦を免れんとして其の道を我に求む。
是我が聞く所にあらざる也。

兩士(りやうし)曰く、
國民(こくみん)を撫育し之を安ぜんとすること素(もと)より君臣の願ひ也。
然といへども當時(たうじ)の租税過半は借債利濟(りさい)の爲(ため)に費(つい)え、一藩を扶助(ふじよ)することあたはず。
何を以てか下民(かみん)を惠(めぐ)むことを得んや。
借債減少の道を得ることあらば、必ず國民(こくみん)惠恤(けいじゆつ)の事も亦(また)之に由(よつ)て生ぜんとす。
先生願くは先づ此の急難を除くの道を教へよ。
先生曰く、
嗟乎(あゝ)惑ひたりと謂(い)ふべし。
君臣共に其の本體(ほんたい)を失ひ此の衰貧に至り、猶(なほ)其の本に歸(かへ)ることあたはずして、國本(こくほん)たる民の艱苦を後にし、其の末の憂ひを除かんことを先とす。
是(こ)の如く本末先後の道を失ひ、國家(こくか)をして再興せしめんと欲す又(また)難(かた)からずや。
然りと雖も君臣の憂ふる所借債にありて困窮胸中に迫れり。
何ぞ國家(こくか)の本源を論ずるに暇(いとま)あらんや。
此の借債衰貧何に由(より)て起れるや。
國家(こくか)の分度明かならず、入(いる)を計りて出(い)づるを制するの道なく、國用(こくよう)足らざれば他の財を借りて一時の不足を補ひ曾(かつ)て後難(こうなん)を慮(おもんぱか)らず、遂に貧困こゝに至るにあらずや。
先づ此の憂ひを除んことを欲せば、國家(こくか)自然の分限を明らかにせざる可(べ)からず。
分限一度明瞭なる時は貧富盛衰の由(よつ)て生ずる所衰廢(すゐはい)再興の道理自ら了然たり。
仍(よ)りて以前十年の租税を調べ、豊凶十年を平均し其の度に當(あた)るもの是(これ)則ち天分動かすべからざるの分度なり。
然して出財を制する時は國家(こくか)の基本始めて明らかなるべし。
次には數年(すうねん)の借債古借新借を分ち元利明白に調べ其の員數(ゐんすう)を明かにし、然後(しかるのち)其の償ふべきの道を參考(さんかう)せざれば何を以て卒爾(そつじ)に當然(たうぜん)の道を見ることを得んや。
速かに筆算の臣を此の地に招くべし
 と教ふ。

然るに一藩の扶助に充つべき米粟(べいぞく)なく將(まさ)に飢渇に及ばんとするを憂ふと云ふ。
先生大息(たいそく)して之を憐み、米粟若干を下館に贈り其の急を補ひ、然して後數月(すうげつ)畫夜(ちうや)の丹誠を盡(つく)し兩條(りやうでう)の調べを成就せり。

巻之六【2】先生下館困難の本根を論ず

先生は言われた。
「諸侯の任は専ら領民を安心して暮らせるようにすることではありませんか。
しかるに民を治める仁政を失ったために今この衰貧に至ったのです。
君臣がともに前に犯した過ちを後悔し厚く民を撫育しようとすれば、たとえその事を行うことができないとしても、なおその本を知っており仁政の志があるといえましょう。
しかるに下民が安心して暮らせるかを度外視してこれを憂慮する心がなく、専ら君臣が目前の艱苦を免れようとしてその道を私に求めようとする。
これは私が聞く所ではありません。」
両人は言った。
「国民を撫育しこれを安じようとすることはもとより君臣の願いとするところです。
しかしながら現在の租税の過半は借金の利子を払うために費え、一藩を経営することができません。
どのようにして下民を恵むことができましょうか。
借金が減少する道が得られれば、必ず国民を恵む事もまたこれによって生ずるでしょう。
先生願わくはまずこの急難を除く道を教えてください。」

「ああ惑っているというべきである。
君臣ともにその本体を失い、この衰貧に至って、なおその本に帰ることができず、国の本であるの艱苦を後にして、その末の憂いを除くことを先としている。
このように本末・先後の道を失い、国家を再興させようと欲する。困難ではないか。
しかしながら君臣の憂える所は借金にあって困窮が胸中に迫っている。
どうして国家の本源を論ずる暇があろうか。
この借金衰貧は何によって起ったのか。
国家の分度が明らかでなく、「入るを計って出ずるを制する」(礼記)の道がなく、国用が足らなければ他の財を借りて一時の不足を補い、少しも後難を思慮しない。
ついに貧困がここに至ったのではないか。
まずこの憂いを除かんことを欲するならば、国家自然の分限を明らかにしなければならない。
分限が一度明瞭になる時は貧富盛衰のよって生ずる所、衰廃再興の道理が自ら了然となる。
よって以前十年の租税を調べて、豊凶十年を平均しその度に当たるものが則ち天分の動かすべからざる分度である。
しかして出財を制する時、国家の基本が始めて明らかになる。
次に数年の借債のうち古借・新借を分って元利を明白に調査し、その金額を明かにして、その後その償還すべき道を参考にしなければ何によって当然の道を見ることができようか。
すぐに筆算ができる臣をこの地に派遣しなさい。」
両名は大変感じいって諸士数十人を桜町に派遣してこれを調査させた。
しかるに一藩の扶助に充てるべき穀物がなく、まさに飢渇に及ぼうとすることを憂慮しているという。
尊徳先生は大きくため息をつかれてこれを憐んで、穀物若干を下館に贈ってその急を補い、その後に数月の間、昼夜丹誠を尽くして両条の調査を成就した。



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1 決して怒ってはいけない。(p.20-21)
2 一人でいるときも、絶対に人の悪口を言っちゃダメよ(p.20)
3 汚い言葉を使ってはいけない。きれいな言葉を使いなさい。(p.20)
4 (1) 嫌なことがあるときに「ありがとう」と自分に言いなさい。
 (2) 良いことがあったら「感謝します」と言いなさい。
 (3)この言葉がとても便利で、たとえまだ起こっていないことでも、なんの疑いもなく不安も心配もなく、力まずに自然とそう思い込んで、言い切っちゃうと、そうなる可能性が高まる。(p.18-19)





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最終更新日  2023.10.17 06:00:14


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