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2023.12.05
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カテゴリ: 報徳記を読む
鷲山恭平著「報徳開拓者 安居院義道」の現代語訳復刻版クラウドファンディング終了まで  ​残り39日​

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報徳記  巻之七 

【6】相馬候躬から領民に勧農の道を諭す その2

是(これ)に於(おい)て大夫(たいふ)謹(つゝし)みて命を受け、直ちに破れたる小屋(こや)を修復し、幼君(えうくん)をして此(これ)に居(を)らしめ、婦人は悉く退け、質直(しつちょく)誠實(せいじつ)のものを選びて巵從(こじゆう)となし、教ふるに仁義を以てし導くに忠孝を以てし、朝(あさ)は未明より文學(ぶんがく)を勸(すゝ)め武道を講じ、衣(い)は綿衣(めんい)を以て常とし、食は二味(み)を重ねず。
悉く艱難を以(もつ)て養育心を盡(つく)せり。
是(これ)を以て其(そ)の長(ちやう)となり玉ふに至りて能(よ)く艱難に堪へ、下情(かじやう)に達し、父君(ふくん)の志(し)を繼(つ)ぎ國家(こくか)再興の大業を開き、譽(ほま)れ遠近に及ぶものは其の質(しつ)甚だ美なりといへども草野大夫(たいふ)忠心の力なり。
曾(かつ)て先生此の事を聞き歎賞して曰く、
夫(そ)れ諌(いさめ)めを納(い)れ愛(あい)を割(さ)くことは人情の難(かた)んずる所なり。
然るに先君斷然(だんぜん)として諌(いさ)めに隨(したが)ひ、愛子(あいし)を以て艱難の地に養はしむ。
且(かつ)諫言は臣の難(かた)んずる所なり。
草野屡々(しばしば)諌言(かんげん)し兩君(りやうくん)をして仁政を行はしむ。
君臣素(もと)より此の如くにして國家(こくか)再興せざる者はあらず。
今我が仕法の彼の國(くに)に流行(りうかう)すること、實(じつ)に一朝一夕の故にあらず
 と。



高慶曰く
草野大夫の君に事る要を得たる者と謂ふ可し。
古自り忠義の士拮据國に勤め人主驕恣放縦諌め行はれず
言聴かれず忠良廢黜し奸邪事を用るに國事日に非に百姓離畔す。
知者有りと雖も之を如何ともす未だ之を如何ともする者比々是れ也。
大夫夙に國家の衰を擧んと欲し是に於て進てトウ言を以て幼主をして艱難の中に安んじ儉を尚び用を節するを知らしめ位を立て嗣ぐに及びて沛然として膏澤四境に浹ねし。
傳に曰く、
一たび君を正して國定ると。
大夫焉有り。


「補注 報徳記」(佐々井典比古訳注)

著者(富田高慶)は思う。
草野家老が君に仕えた生き方は、要を得たものと言うべきである。
古来、忠義の士が苦心して国事に勤めても、君主がわがまま放縦で、諌めも忠言も聞き入れられず、やがて忠良の臣は廃せられ、奸邪の臣が政権を握るに至って、国事は日々に非道に陥り、百姓は離反し、知者があってもどうにもしようがなくなる例が実に多い。
家老は早くから国家の衰微を興そうと志していた。
ここにおいて進んで直言し、幼主が艱難のうちに安んじ、倹約節用の尊きを知るように仕向けた。
果たしてこの君が立って位を継ぐに及び、仁沢は慈雨の降り注ぐように四境にあまねく行き渡った。
古語に「一たび君を正して国定まる」とあるが、この言葉を実行した者に草野家老がある。





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最終更新日  2023.12.05 00:00:18


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