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残念ながらイレーサーキャップはパイロットS3には入らない。引出の中から壊れたボールペンの首軸が出てきた。記憶が定かではないが,安物の中華タッチチップ付き多色ボールペンの首軸のようだ。初めから壊れていたもので馬鹿馬鹿しくて放置していたもの。首軸を外してS3の尖端から被せるとすっぽり入った。にやり…でも,このままでは芯先が見えにくい。そこで尖端のテーパーになっている部分をクラフトのこぎりで切り落とす。切断面にはサンドペーパーをかけておく。シンプルな円筒形なのが幸いしている。最後にS3の尖端から被せると,あらま,ぴったし。S3のグリップ部は軸尾に向かって太くなっているので丁度良いところで止まってくれた。チープな感は否めないが,S3には似合っている。普通に使っていれば誰にも違和感は抱かれないだろう。このグリップ部の軸径12mm。メカニカルペンシルの軸径としても滅多にない。筆記感は快適そのもの。作業時間計5分。このところ,日記記入率優秀。
2011年09月23日
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パイロットカスタムヘリテイジ91 SFM入手した。もう新しいのを買うのは止めようと思ったのだが,カスタムシリーズの軟らかニブの感触を知りたくて…痴的好奇心というやつで…ともあれ書いてみた。インクはもちろんパイロットブルーブラックのカートリッジインクだ。外観とか諸元はネット上に溢れているので省略。装着後ペンポイントにインクが降りるまで十分くらいかかった。字幅はキャップレスのFMとほぼ同じか気持太いくらいで,実用上は同じと言って良い。インクフローは一般のパイロット細字よりも良い。低筆圧の私でもインクフローに不満はない。軟らかさはそれほどでもない。私の基準で言えば硬いが容易に撓ってくれるというところか。一番好きな軟らかさはパイロットカスタムグランデで今保有するのはOBBニブだが,それよりは硬い。エラボーSEFよりは少し軟らかい。ヴィンテージのフレックスニブも程度が千差万別で,自分の経験ではホールエバー(エバーシャープ)のフレックスと言われるものと同じくらい,シェーファーの20年代のフレックスよりは少し硬いくらいだ。フォルカンに比べればずっと硬い。しかしパイロット細字が初期状態でもインクフローが多いという評価をするほど筆圧が高い人にはふにゃふにゃのニブと感じられるかもしれない。私にはかなり好みに近いニブだ。早書きしようと思えば同じ字幅で書けるし,意図的に少し字幅を変えることも容易だった。ペンポイントの運筆の感じはキャップレスFMよりも硬い感じだ。引っかかるわけではなくごりごりとする感じだ。これは使い込めば解消するから気にならない。カートリッジインクを装着したときの重心位置はペンポイントから88mmくらいで私の理想領域にある。私にはカスタム74よりも優れていた。コクヨ帳簿用紙での筆記例インクは何れもパイロットブルーブラックインク。かなり好きになった。912のSFMにも興味があるが軸径とか重心などで好みに合わないかもしれない。実用上はもういいかという気もする。今までちょいと休養中のスティピュラノベセントとかグラフフォンファーバーカステルイントゥイションプラチノもペン先研磨で自分好みになって来たから今あるものを再確認する時期にあるのだろう。149は洗浄して仕舞った。多分もう使わない。146はテスト用紫式部がなくなったら余生を考えることにする。やっぱり価格ランクとかブランドとかではなくて,今の自分の用途,筆記癖に一番合った製品が最高の万年筆なのだろう。用途も筆記癖も変わるしね。自分で納得できるものなら何だろうと構わない。おまけにカスタムヘリテイジ91SFMおよびカスタム74Fの首軸はカスタムカエデ,平蒔絵(3万円の旧モデル)の軸に着く。カスタムヘリテイジのペンは銀色なので74のS系ニブを首軸ごと交換すれば面白い。つぎは74黒軸のSM辺りを買って平蒔絵にどうかなあ…(こらっ!)
2015年02月28日
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ペンケースシリーズで成り行きで。rethinkのリムペンスリーブです。楽天内には扱っているお店がないようです。http://www.rethink.jp/things/lim_pensleeve.html収納状態や構造は上記のページで一目瞭然です。それにしても何故にラミー?新色が出ているのかな。3本用でどのペンもさっと取り出して書けるというのが利点です。革も薄いし傑作だと思います。3本という太さが手に持ちやすい太さです。実はcyproduct4も3本が一番持ちやすく落ち着きがよいのです。ダブルバタフライでスリーブを閉じるのですが,バタフライ部分にはあまり太い万年筆は入りません。パイロットカスタム742,パイロットカスタムヘリテージ912,セーラープロフェッショナルギア,プロフィットスタンダードは入りません。ラミーサファリはぎりぎりで入りました。でもぴちぴちですので革にはよくありません。パイロットカスタム,プラチナ18Kスタンダード,古いパイロットカスタムグランディー,旧カスタムスターリングシルバー,パイロットデラックス漆,パーカーIMボールペン,ラミー4色ボールペン,ジェットストリーム1.0mm,ゼブラ蛍光OPTEX CAREマーカー,昔ながらのぺんてるサインペンは入ります。ブライヤーを2本とカランダッシュエクリドールリコシェ。本体2本のスペースにはモンブランNo.149, 146も同時収納できます。こういう太い万年筆が収納できるかどうかの方が気になりますよねえ。このようにクリップを互い違いに刺すことで互いに接触するのを避けることができます。私はモンブランNo.149, 146といえども実用の道具としか考えませんからこういうスリーブに入れて鞄に放り込んでおくことに躊躇を感じませんが,趣味で万年筆を傷が着かないように愛でていらっしゃる方には向かないかもしれません。天冠や尾冠がはみ出すことはないのですが,写真のようにかなり縁に迫っていますので,鞄の中で何かにぶつかって傷が着くことはありえます。ケースバイケースで。
2011年04月19日
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パイロットグランセ ゲルインキボールペン LG-7SR-Bマイブームに流されてグランセ ゲルインキボールペン LG-7SR-Bを買ってしまった。型番のLG-7SR-Bの最後のBは軸色ブラックを表す。但し完全な黒ではなくシルバーダークグレイとのマーブル模様だ。色違いでブラック&レッドのBRがある。万年筆の色展開ほど多色ではない。あるとうれしいスターリングシルバーがない。初期芯は0.5mmの黒BLG-5-Bだ。青と赤もある。同型でカスタム74ゲルインキボールペンの初期芯であるBLG-7-B/R/Lがある。HI-TEC-CキャバリエゲルインキボールペンのレフィルであるLHRF-15C4-B/R/Lもセットできる。ボディの保持感は良い。万年筆と同じだ。初期芯の性能はあまり良いとは言えない。インクフローが悪く,書き味も悪い。引っかかるわけではないが,どこかかりかりする印象なのだ。掠れもある。そこでLHRF-15C4-Bに入れ替えた。今までこの芯はオートのリバティ太軸に入れて使っていたものだ。この極細ゲルインキボールペンは重量級太軸に入れるととて書きにくかったが,グランセ軸に入れるとバランスも重量もぴったり,軸径10.9mmは以前なら細いと思っていたのだが,今だとなかなか書き易いと思える。軸径11.9mm(12mm)のシェーファーレガシーに他の0.4mmのゲル芯をセットして書いてみたが,僅か1mmの直径の違いでかなり大きな違いがある。11.7mmのカスタム74ゲルインキボールペンに入れた場合よりも書きやすい。同型リフィルに0.3mm LHRF-15C3があるが,HI-TEC-Cの0.3mm以下の細芯は引っ掛かるから好きではない。グランセ ゲルインキボールペン LG-7SR-BにはLHRF-15C4-Bをセットして0.4mm黒極細として使うことにした。黒インクの極細万年筆はいらなくなった。なお,カスタム74ゲルインキボールペンの初期芯であるBLG-7-Bは書き易いが,インクの粘度が高く,かつ,フローが良すぎるせいか,前日に書いた文字が乾ききっていないという情けない状態だったので,ぺんてるハイパーゲルKLR5 0.5mmに入れ替えた。無加工ではいるがペン先が少し(1mm)ほど出過ぎるので気になる人は軸尾を切り詰めて好きな長さにすれば良い。ユニボールシグノRT1の芯も同様にセットできる。グランセゲルインキボールペンも同様に芯交換できる。多分C300系水性ボールペンの芯もセットできるだろう(まだやっていないが。)。ノック式はラミースイフトを復活させて黒芯を入れた。これは胸ポケットにいれて高速メモ用だ。用紙に○を書いたり✓マークを入れたり,あるいは署名するには何の不都合もない。以前短い画だと線が途切れて漢字が書きにくいという理由で引退させたスイフトだが,商品の回転が速い販売店で新たに買った替芯はフローも豊富で全く問題が無い。前回買ったものは長期在庫でインクが変質していたか,あるいは,外れを引いてしまったかしたのだろう。クールビズは細身のタッチペンとラミースイフトプラチナコーティングに任せることにした。
2015年08月01日
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パイロットには昔からカーボンインクである証券用インクと古典 「的」どころではない本物のブルーブラックインクがあった。なぜ二種類あったのか。証券といえばまず思い起こすのが有価証券である手形,小切手だ。手形や小切手は体裁や記載事項は同じだが,記載内容は1通ごとに異なる。特に問題なのは額面(金額)だ。形式が整っている手形や小切手は支払場所に記載された銀行に満期に(小切手は振出日以後直ちに)持ち込めばその場で額面に記載された金額が形式上適法な所持人に支払われる。だから額面「金壱拾萬円」と書くのはたとえば「一」を「三」に書き換えたりされると困るからだし「「金壱佰萬円」と書き換えられたりすると困るからだ。ブルーブラックで十分ならば証券用インクはいらないはずである。単に好みの問題なのか,より保存性が高いからなのかはよく解らない。特に送金手段が限られていた時代,為替手形は送金手段として使われた。船や馬車で運ばれた書類は過酷な気候,気象条件に曝されるからより慎重になったのではなかろうか(国際送金ではなおさら。)。額面の記載にはチェックライターと呼ばれる額面専用の印字機がある。これがいつ頃からあるのかわからない(少なくと40年前にはあった。)。これは「金壱拾萬円」という文字をエンボスとカーボンで印字するものだ。エンボスもただ文字全体が浮き上がるのではなく,一角をより細い線で||||||||こんな感じで表現するので時には裏に貫通しそうなものもある。これだとインクを消してもエンボスが残るし,無理に消そう等すると紙も傷めるのでまず改ざんは不可能だ。それほどこの記載は改ざん不可能性が要求される(危険を覚悟するなら筆記用具はなんでもよいのだが。)。永久保存が必要な紙の戸籍簿,登記簿等の記入は,墨書,タイプライター(カーボン)で行われた。戸籍簿に関してはリソーのカーボンペン(プラチナのカーボンペンとカーボンブラックインク)による書き込み,サクラクレパスのピグマの使用が公式に認められていた。ブルーブラックインクで書いて良いという話は聞いたことがない。そのような次第で,公文書(公務所または公務員が職務上作成する文書)の内最重要なもの(長期保存,対外的重要文書)は昔は墨書,その後はタイプライターによるカーボン印字,或いはカーボン紙を用いた手書きになっていると考えてよい。しかし公文書にも種類があり,内部の報告書的なものや伝達文書だとするといわゆる伝統的レシピによるパーマネントインクも用いられただろうし,後にはボールペンやフェルトペンもあり得ただろう(必ずしも保存性が良い物とは限らない。)。但し最終的に複数通作成する書類は手書き原稿から最終文書である印刷物等になる。3部程度ならカーボン複写紙を用いたタイプライター印字でよい。こうして見てくると,日本ではやはり顔料インクの方が伝統的レシピによるパーマネントインクよりも信頼されていたのではないかと思われる。またかなり昔すでに化学的に作られた物は化学的に消せるなどといわれ,カーボンインクの優位性が指摘されていたらしい。ただ使い勝手は伝統的レシピによるパーマネントインクのほうが良かったので,特に墨書やカーボンが求められない文書は伝統的レシピによるパーマネントインクが用いられるようになったのだろう。かくして,本気で保存性を求めるなら顔料インクということになる。申請書など,民間人が作って官庁に提出するようなもの(この種の文書は私文書であり公文書ではない。ただし,公務所で保管使用されると公用文書となる。)は,その所管窓口に確認すれば良いことだし,色にこだわることなく,黒の油性ボールペンを用いればまず問題ない。定型書式に単語的に書き込むだけならボールペンで書けないことはない。長い報告書的なものはプリンターでモノクロ出力にしているから迷うことはない。どうでも良いところで「なぜ青ではいけないのか」などということにこだわる趣味はない。時間の浪費だ。そのようなものでないなら,早く乾き,手で擦っても掠れにくい,色のよいインクがよい。自分では耐水性のある古典的ブルーブラックがこれに添うので,古典的ブルーブラックインクに気持が傾くというだけの話だ。でもパイロットのブルーブラックやブルーは今一番消費量が多い好きなインクだ。それもフローが豊かなものがよい。
2014年11月09日
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前回欠番のところに入ることが予定されていたパイロットカスタム743PO(ポスティング)です。フォルカンの使い道を書いたときに,フォルカンとポスティングのコンビ云々と書きましたが,それとは全く別個の流れからたどり着いたのであります。その話はまたの機会に。さて,全景と重心位置(赤丸付近)です。重量バランスで違和感はありません。概ね書きやすい位置に重心が来ます。私の筆圧ではかりかり,がりがりという感じはありません。極細では不可避のさりさり感あるいはもう少し軽いしゃりしゃり感はありますが,以前検品調整済み定価販売の店で買った742EFよりずっと滑らかです。もとより筆圧の高い人にはがりがりという引っ掻く感じは当然あります。むしろ筆圧の高い人には極細は不向きだと考えた方がよいでしょう。ニブの先端が下向きに曲がっていることのメリットはよく分かりません。ただ,一般に極細は立てて書くのが良いとも言われますので,普通に持っても少し立て気味の状態になるのが私に合っているらしく,私には書きやすいように思います。もともと立てて書く人にはペンポイントの紙との接触点が見にくいという問題もありそうです。ペン先が触れればインクが供給され,万年筆の自重だけで筆記できます。また,件の高速シケインテストでも全く破綻がありません。15号ニブに格別感動はありません。742と比べてそれほど差はないと思います。軸の質感も変わりません。重心位置も似たようなものです。15号ニブは10号ニブより硬いとも言われているので,下向きの硬めの極細というポスティングの性格には15号が合っているのかもしれません。車に例えれば,4.5リッター車並の余裕で使うか,実用領域で十分な2リッター車で良しとするかという程度のものでしょう。字幅の比較です。インクはプラチナブライヤー プラチナBBエラボー 色彩雫 土筆シルバーン パイロットBBカスタム743PO 色彩雫 山葡萄カスタム パイロットパープル結果的に普通に使うには普通のEFと比較してPOを買う意味は特にありません。ただ私の狭い経験の範囲内では,極細にしては相対的に書きやすい,滑らかな部類に属すると思います。もちろん,極細ですからぬらぬらというわけにはいきません。なめらかの意味が違います。それから固体差もあることをお忘れなく。なんで極細かということは後ほど(忘れなければ)。
2011年07月02日
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パイロットフォルカンニブの筆記例例の動画で注目されたエラボーとフォルカン。エラボーにせよフォルカンにせよ手に入れただけで自在に字幅の変化する文字は書けない。特にエラボーは字幅をコントロールするようなニブではなく,筆圧をぐっと受け止めて跳ね返す性質を持つもので,普通のペンよりはとめ,はね,はらいが綺麗に書ける物理的能力を持つ。けれども実際に綺麗に書くには書き手の技能が必要だ。件の動画は万年筆が偉いのではなく書いている人が偉い。さて,このフォルカン,使用者の評価は高い。でも筆記例がない。どうしてだろう?本当に気に入っているのなら筆記例くらい…それともフォルカンを使いこなせる私って凄いって書きたいのだろうか?で仕様による悪筆でサンプルをば。筆記例はアメリカの万年筆店のサイトに載っている筆記例を真似してみた。こんなものだ。下のFalconがFaleonになっているのはcの書き損じ。字がうまくて軟らかい万年筆を自在にコントロールできる人なら素晴らしい字がけけるだろう。けれども凡人にはそうはいかない。あの動画の域に達したければ以下のことを実行しなければならないだろう。万年筆の自重だけで普通に文字を書けるようにすること。少しずつ筆圧を高めてどこまでいったら限界かを体感すること。筆圧を自由に変化させて字幅をコントロールする練習をすること。広狭とも安定した字幅を維持できること。カリグラフィーの教科書を買って来てただひたすら練習すること。西洋書道なのだから日本の書道やペン習字と同じ努力が必要だ。なんにしても正しい字形の理解と,普通の硬さのニブを持つ万年筆で綺麗な字が書けることが前提だ。それを飛び越して「毛筆のような」字を書こうとしても無理というものだ。よって,私は到底挑戦する気にはなれない。とはいえ,フォルカンも慣れると普通にノートをとるくらいのことはできるようになる。そして結構癖になる魅力はある。あまり出番がないのでインクを抜いておいてもいつの間にかインクを入れて机上にある不思議なペンではある。面白いけれども調教困難なじゃじゃ馬と考えた方がよい。何度も書くが,軟らかいペン=優秀なペン=高級なペンではない。カリグラフィーをやりたければ専用のつけペンが売られているからそれを使った方がよい。インクも万年筆用のインクに限定されない。
2014年10月04日
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プチブームのゲルインクボールペンですが,耐水性ってどうなんだろうということでテスト説明不要なほど明らかですね。耐水性の基礎はブルーのインクだと言うこともわかります。uniball Signoは顔料インクなのでこの見事な耐水性があるのでしょう。昨日の字幅ですけど,一般にボールペンの字幅はボール径の半分と言われています。これは油性ではそのとおりなのですが,ゲルインクの場合はどうもそうではないようです。0.5mmのジェットストリームと0.5mmのハイテックCを比べると明らかですよ。だから,こういうカタログスペックだけで判断するのは間違いの元です。
2012年09月11日
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博士のセコイ愛情または私は如何にして心配するのをやめ首軸を汚さずに一滴残らずボトルインクを吸入できるようになったか。 昔々の映画の題名をパクった表題である。 コンバーターユーザーや吸入式万年筆ユーザーの悩みは,インク吸入時首軸を汚すこととボトルインクを最後まで使い切ることができないことである。 一つの方法は少なくなったインク瓶に新しいインクを補充することだ。しかし,最後の補充インク瓶は使い切れないし,そもそも古いインクと新しいインクを混ぜるのは良くない。 コンバーターユーザーにはハミングバードというコンバーターに取り付けて長いニードルでインクを吸い込むことができる道具がある。これなら最後まで使い切ることができる。だが,ハミングバード自体使用後の洗浄を怠るとインクが詰まる恐れがあるし,インク補充のつどコンバーターを外すのは良くない。ねじ込み式のものは別として,コンバーターの抜き差しは次第に脱落しやすくなり不測の自体を招く。また,ハミングバードは吸入式には使えない。 一部には,インクマイザーという小容量のメートルグラス(液量計)のような器具を用い,これにインクを必要量だけ入れてインクを吸入する方法を実行している方々もいる。しかし,余ったインクは捨てなければならないし,首軸を汚すことに変わりはない。 やっぱり駄目かねえと思いながら,ペン先を上にして眺めてみる。ペン先を下にするという発想をしているから悪いんで,ペン先を上に向けて吸ったらどうかいな,と思いつく。ペン先を完全に覆うような容器を首軸にはめればいいのでは? そこで奴吾は数十年の人生経験を総動員して,数十秒で思いついたのが次の方法。 用意するもの 1 内径10mmのシリコンチューブ 2 1〜2mlのシリンジ(注射器)と長めのノズル,またはスポイト これだけ。インクと万年筆はいらんのかなどという突っ込みは受け付けない。 以下画像にて 万年筆の首軸にチューブをはめる。密着すると軸が黒ければ黒く密着しているのが見える。万年筆はモンブラン146。ピストンは排出側までいっぱいにしておく。ペン先を上にしてシリンジとノズルでインクをチューブ内にインクを注入する。インクの代わりに水を用いた。インクの量は適当に。146の吸入量は1.5mlと記憶しているので,ここでは2ml入れてみた。 ペン先を上にしたまま吸入動作をする。 2ml注入半分ほど吸入したところ吸入完了。盛大にピンボケしてしまった。 完了したところで残ったインクをシリンジで吸入すると,0.5ccだった。つまり,ペン芯,首軸内含めて1.5mlが吸入されたことになる。次回から1.5ml以内で実行すればインクロスは最小限である。またもやピンボケ! チューブを外して拭いてみると首軸は全く濡れていない。チューブは水洗いすれば良い。キムペーパーが多少濡れているが,ペン先の根元から回ったものだ。チューブを抜くときにわずかに首軸側に回る可能性があることは注意することが良い。 内径10mmのチューブでモンブラン146からカスタムカスタム74まではカバーできる。エラボーやグランセだとこちらの内径7mmのラテックスチューブを使えば良い。実はこのラテックスチューブでも146をカバーできる。しかし使い勝手の点で,146などの中型クラスには10mmシリコンチューブが良い。10mmは少しコツがいるが149にもつかないことはない。149の首軸先端は13mmあるので少し小さめの12mmあたりを用いれは快適かもしれない。 さほど難しい作業ではないので問題はないと思うが,飽くまで自己責任で実行されたし。やり方やチューブの選択ミスで事故が起きても当方は一切関知しないのでそのつもりで。
2019年06月30日
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REINIGERfromRohrer&Klingner2パイロットカスタムヘリテイジ92を購入した。が,今回は万年筆ではなくライニガーの続きだ。万年筆にダイアミンのブルーベルベットを吸入して2週間ほど使用したものを,微温湯で吸排を繰り返して,万年筆内の水も排水も無職透明に見えるようになるまで洗浄した。しかし,まだ首軸の先端,ニブが首軸に埋まっている部分辺りに青いインクの色が残っている。そこでライニガーを説明どおりに使用してみた。字が読めるほどのインク色は残っていない。僅かにインクは落ちたが,まだ残っている。ライニガー自体の色は薄黄色透明のままで濁りはない。ライニガーの残液を微温湯の吸排で洗い流してもかわらない。最後は浸け置きだ。92に水を全容量の3分の1ほど吸い上げて,16cmの試験管にニブを下にして92を入れ,ここに首軸が半分ほど水没するように水を入れた。水は長いノズルの付いた注射筒を用いた。そして一晩置いた。ペン先が沈んだ部分の水は殆ど色は付いていないが,胴軸内の水にはペン芯方面から青い色が浮き上がっている。首軸のインクは殆どなくなった。ここで微温湯で吸排水すると胴軸内の水は完全に透明だ。しかし念のためもう一度浸け置き。再度の浸け置き4時間経過後の状況A:青インクが浮き上がっている様子。一回目の浸け置きではもっと濃く深く浮き上がっていた。B:ライニガーで洗浄後この範囲にまばらにインクが残っていた。この時点で殆ど消えている。あと2,3時間おいて洗浄してみてどうなるか様子をみる。どのメーカーも吸入式とコンバーター式は水又は微温湯で排水される水が無色透明になるまで吸排水すると書いてある。カートリッジ式は首軸を流水でざっと洗い流し,水に浸け置きし,インクの色が出なくなるまで何度か水を交換して洗浄すると。今回の透明軸の吸入式万年筆の洗浄で洗浄剤を使っても簡単にインクが洗い流せるものではないことがわかった。一番強力なのは,水に浸けてインクが浮き上がるようにすることだった。実はアナログレコードのクリーニングには過去数十年にわたり幾多の洗浄方法や洗浄液が開発,販売されて来たが,どれもこれも能書きは立派だが大したものではない。メーカー製,民間伝承のもの(無水エタノールを浸したガーゼで拭くとか,木工用ボンドを塗って完全に乾燥してから剥がすとか)も含めて試したし,高価なバキューム式クリーナーも持っているが,しつこい汚れは取れない。ところが,何をやってもノイズが消えなかったレコードをレーベルカバーを付けて水没させ,1時間ほど放置してから,水を拭き取り乾燥させるとこのノイズが完全に消えていた。結局汚れは水に着けることで汚れを浮き上がらせる必要があるということで,水性の汚れならそれが一番洗浄効果があるということだろう。顔料インクも浸け置きでかなり浮き上がる。油脂系の汚れが取れるかどうか知らないが,手指の皮脂程度のものなら取れるようだ。
2016年07月18日
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Lamy pico 様のレフィルの改造です。ボールペンレフィルの移植の注意点は全長と首軸の細い部分の長さがポイントです。そこで思いついたのが4Cボールペンレフィルを Lamy pico に移植することです。とりあえず手元にあったゼブラ4Cレフィルを使います。 JSB 何とかというゲルボールペンレフィルです。手を加えるのは2ヶ所です。まず、4C のレフィルは少し長いので後部を7.5ミリ程切断して短くします。次にアルミパイプを76.8ミリの長さに切断しラミー M 22レフィルの太い部分を作ります。長さは原寸合わせて調整しております。あとは、このアルミのパイプの中に4C のレフィルを通し、後端をぴったり会わせて固定するだけです。固定方法は何でも良いのですが、今回はホットメルトを使いました。ホットメルトはあとで外すのが楽なので、いろいろと使い用があります。実際にセットするときには首の細い部分の長さを調整しなければいけませんが、そこはカット&トライで行います。長さが短いと上手く動作しません。かくして無事セットできました。簡単でしょう? Lamy pico が携帯用ボールペンのトップランクに返り咲きました。本当に Lamy のボールペンはレフィルだけがネックですね。
2012年03月20日
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黒文字は何で書く?黒文字を手書きすることは滅多にない。自分の業務では対外的な文書はレーザープリンターからの印刷だし,アテナもラベルや窓付封筒を用いるのでまず手書きすることはない。季節の贈答へのお礼状の宛名は耐水性さえあれば青でも構わない。いずれにしても使うことが滅多にない。そうすると万年筆にインクを入れて時どき書いてメンテナンスというのも面倒だし,ボールペンが嫌いと言っても申請書などの記入欄に書くくらいのことは我慢できる。それでも書きやすい方が良いということで水性顔料インクのボールペンを4本ほど試してみた(油性はもう決まっている。)。いずれも0.5mm。パイロットVコーンユニボールアイユニボールビジョンエリートパイロットマルチボールこのうちパイロットマルチボールは硬い物で擦るような感触なので即却下。増え続けるケーブル類に何の機器についていたかメモするのに使うことにした。ビジョンエリートは以前買ったときはフローが良く濃い色に思えたけれど,この4種では少し薄く感じた。残るはVコーンとユニボールアイだ。どちらも滑らかに書ける。黒の濃さも同等。VコーンのCPはたいしたものだ。けれどもVコーンは時どき書き出しでインクが出すぎて山盛りになる。ユニボールアイはそういうことがない。というわけで,この4本ではユニボールアイが気に入った。外にオートPC-105NPという水性顔料パーカータイプレフィルを入れたパーカーIMやトンボデザインシリーズの水性ボールペンも持っている。IMは鞄に常駐している。トンボは滲みと裏抜け傾向があるので,紙を選ぶ。ユニボールアイやVコーンなら考えずに書ける。たいしたものだと思う。
2014年11月02日
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薄いノートを結束したいという要望はかなりあるようだ。特に多いのが測量野帳を二冊まとめて持ち歩きたいが,カバーは嫌だという話し。製品によっては自社製ノートを結束するシリコンバンドを用意している場合もある。その他にも,封を切った情報カードをまとめておきたいとか,ファイルできない書類をクリップを使わずにまとめたいとかいうニーズがある。そんな用途にぴったりなものを偶然に発見した。任礼工業株式会社製の「ふしぎテープ」。ネットで買える。テープ同士はくっつくが,テープ以外のものには付かないという何のために作られたのかと一瞬頭を傾げるキャッチ。しかし,思わず「んっ?」となった。これ使えそう。何回か貼り直しができる。巻くときも貼る位置の変更や引っ張り加減を簡単に調整できる。ある程度の伸縮性があるのでぴったりと締められる。滑りにくい素材なので簡単にスリップしない。ただ,テープ同士が表裏ともくっつくので,普通の粘着テープのように切り端を折って浮かせたり,何かの紙を貼り付けて浮かせたりして端を引っ張り出しやすくしておくことができない。なのでメーカーでは専用ディスペンサーを使えといっている。書き終えたページを表表紙に束ねておけばいつも新しいページを開くことができる。但し表紙側ページはちと工夫が必要。んで,一冊目の野帳の裏表紙と二冊目の表表紙を重ねて束ねてみた。解体も簡単。野帳には一切加工しないですむ。作業ものりではりつけるなど面倒なことはない。使っている内に多少ずれるが,平らな面でとんとんを叩けばぴったりした位置に納まる。これはお勧め。
2014年11月08日
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顔料ボルドーのレシピ変更プラチナローズレッドとカーボンブラックの混合インクの比率を変えた。理由はどす黒すぎたから。センチュリーシリーズのブルゴーニュEFに入れて丁度よい色にするためには,ローズレッド31cc,カーボンブラック0.5ccだった。それでもフローたっぷりのプラチナ18KスタンダードFに入れて書くと,書いたときはブラックチェリー若しくはレッドブラック,乾燥した静脈血といった感じだった。基本的には注釈や加除訂正に用いるのでEFに合わせた。フローたっぷりのペンで書けば普通の文章筆記でも違和感はない。案外バランスのとれた色かもしれない。こうなると,ブランセピアとカーボンブラックを混ぜたインクは独自性を失う。セピアはR&Kセピアに任せようと思う。サンプル画像の用紙はバンクペーパー,比較対象としてフリクションボールノックの0.7mm赤以下を載せてみた。スキャナーで取り込んだもの。無意味なので色補正はしていない。フリクションボールは手に入りやすいので比較対象にしていただきたい。万年筆用の赤はシェーファーのボトルインクしか持っていないし,今日本に輸入されていないので比較対象には用いなかった。
2014年07月31日
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トンボZOOM535にHyperGリフィルをトンボデザインシリーズ専用の水性ボールペンリフィルは,書き味が少々劣ります。もっとも,このあたりは,適度な抵抗感で,漢字をきっちり書くにはよいという評価があるかもしれません。それでも他のリフィルを使いたいという場合,パーカースタンダードタイプのボールペンリフィルの樹脂部分を切断する方法で使うことができることは前に書きました。いろいろとリフィルを手に入れてみましたが,ぺんてるHyper Gのリフィルは後部の切断と,バネの流用で使用可能です。fig.1fig.1は下から,トンボオリジナルリフィル,切断し芯先にテープを巻いて太らせたもの,無加工のHyper Gリフィルです。真ん中のものは少し切りすぎたので,後部にテープで厚みをつけてあります。未加工のHyper Gのリフィルなら,何も入っていない部分で切断できます。fig.2fig.2は,加工したリフィルを実装するときの図。このように,Hyper Gのペン軸に内蔵されていたスプリングを取り出して,芯先につけてやります。こうすると,芯先がすこんと抜け出ないで,適当な位置で止まります。出具合はリフィル後部を僅かに削って調整します。fig.3fig.3は,下からトンボオリジナルリフィル,ぺんてるエナージェル1.0mmリフィル,ぺんてるエナージェル0.5mmです。固体差のせいか,0.5mmでは何も入っていない部分で切断できますが,1.0mmは微妙です。この画像での1.0mmは,少し使った状態です。少し円などを描いているとインクが減って,何も入っていない部分で切断できるようになります。気長にすれば,パイロットジュース芯やゼブラサラサクリップ芯でも,何も入っていない部分で切断できるようになるでしょう。なお,切断時,トンボオリジナルと全く同じ長さに切ると長すぎるようです。トンボオリジナルリフィルは,後部端が少し凹型になっていて,本体軸内部のリフィル受け部分は,この凹んだ部分を押すらしいのです。それで,外形上の後端部ではなく,この凹んだ部分の長さにする必要があるみたいです。実際にやるときは長めに切って芯の出具合を見て微調整するのがよいでしょう。そろそろボールペンも整理する段階に入りそうです。
2013年01月13日
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平成23年3月29日(火),hzkさんの測量野帳用カバーが届きました。2月21日入金確認から,概ね1月と1週間かかりました。10月から4月までは注文が多いそうで,それが原因で時間がかかったみたいです。27日に発送の連絡がありましたので,平時より一日遅れの配達です。URL : http://hzk-leather.com定番サイズとしてコクヨ測量野帳用のカバーがありますので,オプションを指定するだけで注文できます。他のところではサイズを指定しなければなりませんが,cokecoさんでも半定番として作ってもらえるみたいです。2冊用があるのでスケジュールも同サイズのものを使う人にはよいでしょう。URL : http://ameblo.jp/cokeco/theme-10028617947.html今回は初めてということもあり一切のオプションなしにしました。ペンホルダーはじゃまですし,カードポケットは使わないし,無料のしおりも必要ありません。その代わり内側の刻印を除き左右の区別もなし。裏は裏革のままです。布や革の裏打ちはありません。柔軟な開閉には裏打ちがない方が良さそうです。色はこれも初めてなのでオニキスブラックです。サイズはコクヨの測量野帳専用と考えた方がいいです。手帳の縦が1ミリ長いと入らないかもしれません。縦も横もぴったりです。従ってもし何かものを挟むのに遊びが欲しいようなら,オーダーメードで注文することになります。前に紹介した自作ポケットや月間スケジュール程度なら少し窮屈ですが,何とか使えます。手触りはまんま革の手触りです。ちょっと革過ぎるかな(艶々してます。)。価格は¥4,500(送料別途¥390),税込みです。リーズナブルな価格だと思います。100円台の測量野帳に4500円のカバーというのはちょっと?というところもありますが,測量野帳の表紙は意外に角や背中が擦れて汚くなります。実力に相応しい外装を着せてあげると考えればよいでしょう。まだ革が硬いので少し強いのですが,これは馴染むでしょう。開き具合も問題ありません。また画像では一部革が弛んでいるように見えるものがありますが,光の悪戯で,実物は平らです。MUCUのバンド付きしおりで閉じたところ。ゴムが軟らかいので革が歪むこともありません。DIY店で買った細いマジックテープで閉じてもいいですね。色も種類があるみたいです。でも青と黒も悪くありません。手帳本体とのサイズ比較。幅100mmというのが微妙に広いですね。持ったときの測量野帳のフィット感を損ないます。縦が13mm長い。結構大きく感じます。このあたりどうかなあ。もっと薄い皮でフィットできると良いのですが,測量野帳にそこまでこだわるのもかえって野暮かもしれません。自分で帆布でも貼ってしまうという手もありますね。トモエリバー手帳用紙を使用した80頁リフィルを入れたところ。160頁くらいはいけそうですね。うーん,革表紙の MUCU Pocket Book (note) を考えてもよいかもしれませんが,まだ測量野帳が10冊あるので,この革カバーで使ってみてゆっくりと考えましょう。
2011年04月02日
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セーラー プロフェッショナルギアスリムミニ 細美研 何故にこれを?敢えていえば技術的興味本位,どれくらい細いのかという興味だけ。インクはセオリーどおり極黒。青墨だと見難いかもしれない。カートリッジを入れて待つことしばし。書き味は,かりかり感はある。けれどもがりがりというわけでもない。前に使ったプラチナの5000円の超極細スチールペンに似たようなものだ。センチュリー系の超極細は使ったことはないので比較できない。それにしてもこれは本当に万年筆の自重だけで書くしかない。けれどもフォルカンで普通に書けるなら大丈夫だ。しかし,カスタム74でさえ軟らかいペン先などという人には無理だろう。ペンポイントをみると,普通のペン先では背側に当たる部分が正常なペンポイントの位置に来ている。言い換えれば,普通のペンと反対方向にペンを湾曲させたような形だ。だから書き味も普通のペンの背書きに似ている。反対に細美研を背書きすると,普通のペンのFM見たいな書き味だ。さて,字幅は画像で。上が912ポスティングw.パイロットブルーブラックインク,下が細美研w.セーラー極黒で書いてみた。罫は3mm方眼だ。明らかに細美研ぎが細い。ポスティングにペリカンブルーブラックのようなフローの渋いインクを入れると近くなるかもしれない。確かに一般的な用途に使えるような万年筆ではない。かといって特殊性を強調しすぎるのもどうかと思う。どうしても極細よりも細い字が書きたい人には他に変えるものがないだろう。これくらいの細さになると,ゲルボールペンでも書き味はがりがりする。
2016年05月29日
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混色インク 黒緑と黒紫昨日アップする予定だった日記を一日遅れでアップした。ウォーターマンの青系以外のインクを処分するので,対象となるインクを混色してみた。まずブラックとパープルを2対1で混色した。目指す色は「お汁粉」だったが,そのためにはボルドー系と混ぜた方が良かったかもしれない。紫を使うなら赤を少々。でも赤はないのでやらない。つぎにブラックとグリーンを8対5で混色した。目指す色はまんま黒が強い緑だった。一応その目的は達した。サンプルの文字はパープルがサファリM,グリーンが無印良品。紙はアスクルフルカラーペーパーだ。この用紙は筆で書いたサンプルが全く裏抜けしていない。1枚1円台だが高級紙に遜色ない性能だ。面白みはないが,筆記サンプルにはもってこいだ。インクは混色にしては予想外に使いやすいものになった。グリーンはもう少し黒が欲しい感じだが,黒は使い切ったのでここで終わり。パープルはこんなものだろう。いずれにせよ黒も赤もないのでこれ以上はできない。プラチナ顔料インクはカーボンブラックの支配力が圧倒的だったが,こちらは黒の支配力はあまりない。染料と顔料の性質の違いだろうか?プラチナ顔料インクは黒と混ぜるといきなりべったりした色合い,描線になるので,最初はよいと思ったが混色ボルドー以外は使っていない。インクの廃棄はビニール袋に入れた吸水ゲルに吸わせて可燃ゴミに出している。コンパクトで良い。
2014年08月25日
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油性ボールペンのボテ漏れ4+1リッジを手に入れて,BRFS-10Fで書いていた。当初は少々書き出し掠れがあるものの,インクが文字の一部に過剰に乗るいわゆる「ぼて」とか「ダマ」とかいう現象がなくて良さそうだと思っていた。しかし,困ったことに「0」や「○」を書いたとき,上端部で筆記線が途切れるような現象が発生した。これはかなり目立った。普及型のボールペンでも滅多にないことだ。4色全部だ。そこでぐりぐりと円を書いてみた。すると,擦れなくなった。その変わり,ボテが発生するようになった。特に緑が激しい。緑だと一行最低1箇所は出る。比較的ましな黒,青で5行くらいで3,4箇所発生する。書出擦れや筆記中の擦れとボテは相反する問題ではあるのは致し方ないのかもしれないが,これでは大変困ったことだ。途中経過は省略する。最終的に青と黒はクロスの多色ペン用の67mmレフィルを採用した。緑は油性で適当なものがなかったので,ゼブラのJSB芯のエメラルドグリーンを入れた。赤はまだ決めていない。今のところあまりボテは目立たない。そのうち何か買うついでにシュナイダーの67mm芯でも買ってみよう。ついでに油性単色ボールペン用の黒替芯もテストしてみた結果,つぎの3本が残った。パーカークインクフロー三菱SK-8(クロスタイプ)シュナイダースライダー755Mこの3本が油性にしては適度の滑らかさと適度の筆記抵抗があり,ダマも出ない。これくらいが丁度良さそうだ。
2016年04月09日
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気がつけば国産標準細字万年筆の完動品が手許にありません。そこでパイロットから,まだ持っていない14K5号ペン先の製品を探しました。14K5号となると標準原器カスタム74があるのですが,バリエーションも含めて面白くないのです。最終的に選択したのは,FK-3000Pという定価3万円の樹脂軸平蒔絵万年筆です。柄は何種類かありますが,何となく松を選択。そのため末尾にMTがついています(梅だとUMになるみたいです。)選択理由は,寸胴,段差なし,漆塗のほか,カスタム74に採用されたペン先とは異なり,カスタム67のペン先と同じペン先が使われているということでした。これは面白いです。だからといって,67のペン先は軟らかいペン先というだけで,あるいは,マニアの間で評判の良いペン先だからといって,慌てて飛びつくことがないように。そのために先週軟らかいペン先のことを書いたのですから。さて,この万年筆は外形上カスタム74に酷似します。ペン先が違うといってもペン先の価格差はほとんどないでしょう。ということは軸だけで2万円高くなっているということです。重量はカートリッジを装着した状態で15.3gです。軽すぎます。そこでカートリッジに差し込む脱着式の鉛テープスリーブを作って19.8gまで持っていきました。重心はやや首軸方向に移動しますが,数ミリという程度です。それでも素のままよりは書きやすくなりました。CON-70が付属しており,これをつければ同じくらいになりますが重心が後方になります。さて,ぺン先の横顔です。久しぶりに「あなたの横顔が素敵」です。カスタムカエデに似た前屈み(お辞儀)ペン先です。カエデに似ていますが,カエデよりは硬いように感じます。筆圧をかければ撓るけれど,普通に書いていればそれほど軟らかくは感じません。私の筆圧では十分硬さのあるペン先で連続高速筆記にも破綻を見せません。ペンポイントは検品されていますのできちんと揃っています。初期の書き味としてはパイロットの細字らしい固い感じがします(ペン先の硬軟ではありません。)。ざらつきというのではなくて,滑らかなんだけれど固いので抵抗を感じるというんでしょうか。自分の書き癖に馴染めば気にならなくなるでしょう。総評としては,格別騒ぐようなペン先でもない,90年代くらいまでの標準的硬さのペン先で,昔馴染んでいた万年筆に比較して特に軟らかいとも思わない普通の万年筆だというところです。ただ,なんというか,硬いペン先の氷の上を滑走するスケートの刃のような滑らかさと異なり,スキー板で雪の上を滑る滑らかさの違いとでもいえそうな相違は感じられます。旧型14K5号ペン先を味わいたい,面白そう(私の場合)という理由なら,カスタム67を探してオークションで冒険するより,価格が許せばこのFK-3000Pシリーズもターゲットになります。実売2万円台前半というところです。小さいペン先は軸の持ち位置に余裕ができ,段差やねじ山に触れずに持てるという利点がありますし,反対に,ペン先にできる限り近い位置を持てるという利点もあります。単純にペン先の大小で優劣をいう人もいますが,ペン先の大小も万年筆の質には関係がありません。一般的には,コストパフォーマンスが悪く,趣味的な要素の強い万年筆であり,実用の万年筆としてはお勧めしません。同じ価格で743という選択肢がありますし,似たような書き味ならカスタムカエデも選択肢になります。最後に筆記例1行目 本製品でやや筆圧をかけて書いたもの。2行目 本製品でほとんど筆圧をかけないで書いたもの。3行目 パイロットシルバーンで自重でかいたもの。
2012年05月11日
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MONTBLANC LAVENDER PURPLE と BURGUNDY RED規準はユニボールシグノ・ボルドーブラック。これが少し紫に振れたのがMONTBLANC LAVENDER PURPLEこれが少し赤に振れたのがMONTBLANC BURGUNDY REDただし,前者はフローの良い太字だともっと黒くなり,ボルドーブラックと見分けがつかないかもしれない。どちらも良い色だ。ただし,濃縮されると結構似通ってきた記憶がある。滲み,抜けも格別問題ない。乾燥速度も。ブルーブラック,ブルー,モスグリーンがあれば通常業務には事足りる。偶に他の色を使いたいときにシルバーフォックスやバーガンディレッドを使うようになりそうだ。ラベンダーパープルとブルーベルベットの立ち位置が難しい。筆記インクはもうよいかな。満足するものはないし,どれもこれもブログに書かれているほど大きな違いもなさそうだ。つぎはハイライターか…実用面では万年筆でハイライターって必要ない気もするが,ま,単なる趣味の問題として興味本位で。カリグラフィーペンと組み合わせるとよさそうだ。
2016年02月13日
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メール便発送OKPALOMINO【パロミノ】BLACKWING【ブラックウィング】消しゴム付き鉛筆画像は購入ショップのURLで代用します。お初の鉛筆です。元はドイツで作られていたもので,なんでも,建築家,作曲家その他のアーティストが好んで使ったものだとか。さすがにゴッホやダ・ヴィンチは出て来ませんが,モールスキンのご託に似た話ではあります。この鉛筆もアメリカの会社の製品らしいのですが,日本製で,外観を復刻したというものでしょう。まさか,軸の木材まで当時と同じ産地,樹齢の木を使ったとか,芯の製法も当時のままという訳でもないでしょうから。で,予想したとおり,さすが日本製の鉛筆という印象です。黒軸に金のラインが入ったBLACKWINGが4B相当,グレイ(ブルーメタリック)軸にBLACKWING・602と書かれたものがB相当とか。硬度ないし濃度は実際に使った感じでもそうでしょう。外観としては,日本製らしく丁寧な仕上がりです。六角軸で軸径も国産鉛筆と同様で,海外の鉛筆のように細くありません。軸尾の消しゴムが新品時で普通の国産消しゴム付きに比べて22mmほど長いので,キャップをつけると普通の筆箱に入らない可能性があります。消しゴムは長方形でコの字型の金具にはめられて軸尾の金属にはまっているので,消しゴムが短くなったら引き出して,長さを調整して使うこともできますし,気に入った消しゴムを切って使うこともできます。わたしはひとまずパイロットのフォームイレーザーユーザーなのでこれをカッターで切ってはめてみました。快適です。書き味は,滑らかです。でもただ滑らかに滑るようにというのではなく,オイルでかためられた微粒子が崩壊して行くような感触で,粘り気があります。コーリン色鉛筆から出ていた2Bくらいの復刻ハイピアースに似た感じでしょうかね(直接比較していないので当てになりません。)。でもこの感触は結構好きかも。BLACKWINGは確かに軟らかい芯ですが,軽筆圧で筆記するのにも使えます。今後どうなるか分かりませんが,取り敢えず何本か追加で買っておきました。今,伊東屋のオリジナル鉛筆ロメオNo.3(HB相当)とこの2本をデスクで使ってみております。まだハイユニの2Bや,H,ハイピアースの2B(ハイユニの3Bくらいに相当するか?)が5本くらい残っているので,こちらも使いつつ,入手性が問題なければ,手に入る内はBLACKWINGを使ってみようかと思ってます。この鉛筆とロメオNo.3は消しゴム付きですから,パーフェクトペンシルに装着して使う手も十分あります。専用鉛筆よりも僅かに細いのですが,紙を一巻きキャップの中に入れてやればしっかり入りますので全く問題はありません。特に愛用の消しゴムとコンビを組ませれば,純正よりも使いやすいでしょう。もちろんある程度使って短くなってからですが。鉛筆削りはもともとパーフェクトペンシル純正品が使い物にならないので単品(NJKメゾンカラー」フランス向け輸出製品など。)持ち歩けば問題ありません。久々に面白い鉛筆でした。現在0.3mmメカニカルペンシルのプチブーム中。
2013年06月15日
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ファーバーカステル・イントゥイション・プラチノEF研磨ファーバーカステルの美しいデザインを持つ製品群の中にあって,イントゥイション・プラチノは異質の存在だ。軸に段差がないほぼ寸胴の胴軸とパイロットの5号と同じ長さやや細いペン先は,如何にも書くための道具という感じがする。首軸を持って書くとき最もインクフローも良く滑らかに書ける。かなり立てて書くことになる。ペンポイントをルーペで見れば立てて書いたとき最も密着する角度になっている。寝かせると細く書けるがペンポイント端の角で書くことになるから滑らかさはない。最大の欠点は,EFなのに国産中字級の字幅になることだ。自分には中字はいらない。使い道がない。そこで先般の743POの研磨に味を占めてプラチノ研磨の暴挙にでた。まずはペンポイントをじっとルーペで観察してどこをどういう形にするかというイメージを作る。それから1500番の耐水ペーパー,4000番と10000番のラッピングフィルム,そして金磨きクロスを用いる。後は説明しようがない。かくしてイントゥイションプラチノEFはパイロットキャップレスFMとほぼ同じ字幅になり,活用の幅が広がり,再びインクを充填した。プラチノのペン先は小型で剛性が高い。もしかしたらこのプラチノはかつてのモンブラン149(70年代,80年代,90年代の各製品を使ってきた。)に変わる自分にとって現代の書くための道具になってくれるかもしれない。ついでにスティピュラノベセントFも研磨してFMクラスにした。これも頼りになりそう。筆記例はつぎのとおり。インクは上から順次パイロットブルーブラックファーバーカステルコバルトブルーペリカンブルーブラック
2015年02月07日
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日本全国いたるところに存在するといわれる心霊スポット『インク沼』、多くの人々が尊い犠牲者となっているらしい。幸い、私はインク沼の周りを一周し、元に戻って来た。その結果、今はパイロットのブルーとブルーブラック、ペリカンのロイヤルブルーとブルーブラックという定番中の定番に落ち着いている。結局とんがったところのないどこにでも使える『普通のインク』であるから最後には再び戻ってくるという、飽きのこない安心できるインクかもしれない。自分好みのインクを見つけて使ってみても、段々鬱陶しくなってくる。どんなにうまい料理でも毎日食べれば嫌になるが、白米の飯と味噌汁はいくら食べても飽きが来ないのと同じことだ。だが、また夏が来ると血が沸くんだろうなあ。
2024年02月18日
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薄墨と不評のパイロット色彩雫「霧雨」を濃縮した。黒インクは嫌いだがグレーインクは嫌いではない。とはいえ良いグレーインクがない。今手持ちは色彩雫の「冬将軍」と「霧雨」だが,前者は2Hの鉛筆みたい,後者は薄墨みたいといわれる。確かにそのままだと使い方が難しい。このインクはマニアの間では濃縮が行われているらしい。電子レンジにかけて乾燥剤を入れた密閉袋に入れてはこれを繰り返す御仁もいらっしゃる。正直言ってめんどくせー!通気口のあるキャップの万年筆に詰めて1,2か月放置。「冬将軍」は濃縮が早く,濃くなるとなにか濃いコンクリートみたいな色になってのっぺりした印象になってしまった。これは嫌だ。汚い。即洗ってしまった。「霧雨」は濃縮速度が遅い。置いておけば徐々に濃くなる。で,オーソドックスに蓋を取ってベンコットというクリーンルームで使うガーゼみたいなけばが出ないものを剥いで1枚にして瓶の口に被せてみた。今日で一ヶ月半か。重さを量ってみると,17グラムくらい減っていた。画像はリスシオワンのジョッター用紙に書いたもので,1行目は濃縮がかなり進んだ穴あきキャップ万年筆で書いた「霧雨」,2行目以下は瓶のまま濃縮したインクをプラチナ18KスタンダードEFに入れて書いたもの。これくらいがグレーインクとしてはいいとこじゃないかな(2行目)。これ以上濃くなると黒になってしまう(1行目参照)。
2014年12月26日
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hzkさんの測量野帳カバーはとても丁寧で綺麗な仕上がりで素晴らしいのですが,なんといっても横幅が数ミリ大きいだけで持った感じが全然違うのです。違和感としか言いようのないものがあります。かといって,他のメーカーさんのものを探しても同じような作りなのでそれらに手を出しても満足できないでしょう。そういうときには自作しかない。で,作ってしまいました,測量野帳用カバー。本革ですよ。厚さは0.5mmの革。プロのような作りは到底無理ですからシンプルに。単に両サイドに表紙が入るポケットを作っただけ。切断面もカットしたまま。縫製ではなく革用接着剤で接着しただけ。hzkさん幅 100.6mm高さ 178mm自作幅 95.6mm高さ174mm厚さは関係ないので無視。ポケットの作り方を工夫すればもっと高さを低くできますが,技術的な修練が必要なので今回はここまで。製造材料費ははっきりしませんが300円くらいかなあ。壊れたらまた作ればいいです。30分もあればできますから。さて,これをしばらく使ってみます。
2011年04月24日
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