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2008年12月20日
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テーマ: Jazz(1969)
カテゴリ: A Merry Jazzmas
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med Tord Gustavsen og Sjur Miljeteig
雪の季節。。
灰色の重く沈んだ空の彼方から舞い降りてくる*雪*
キラキラと冷たく輝きながら地上に舞い降りてくる雪、、人の心の中にも舞い降りて来ます。

雪の降る街は時々時間がとまる、、真夜中に降りしきる雪は想い出包み込んでしまうから。
あの喜び、この悲しみ、ちっぽけな想い出は白く輝く樹氷になります。

雪は儚く美しい。でも、重たく冷たい冷酷な素顔もある。
雪の降る街に暮らす人たちの心には雪を運んでくる自然に抵抗することの無意味さが染みついていますよね。。

四年前の12月のある日、、聴いていたのは Evening Falls / Jacob Young です。
静寂ではあるのですが、今までのECMの持つ氷の世界を連想させる冷ややかさとちょっと違っていて、その後もこのちょっと違和感ある(ソフトでメロディアス人肌温度)静寂な路線って言うのは時々リリースされるようになった気がします。
まったりというか、、のったりした空気感、、時間の流れ方。。
ノルウェーにはノルウェー時間がと言うのが存在するんだろうなぁ・・
こういうその国が持つ風土の影響て言うのは、個人を超越して人の心の中に存在するのだろうなぁ。。って、つくづく思っていた。

そして、それはこのアルバムのピアニストである Tord GustavsenのChanging Places を聴いたときにも思ったのです。
この人、、非常にメロディアスなフレーズや曲を持っていて、リリカルでロマンティックな響きもあるのですが、
何処かストイックで孤高な雰囲気が漂い、「雪の降る夜に流れる時間」を思い起こすピアノなのですね。
しんしんと降る雪の日、真夜中に目が覚めると孤独な自分に気がつきます。
家族がいても、恋人がいても、人はこの世に独りなんです。それは不幸なことでは無くて全ての人がそうなんです。でも、その絶対的な孤独感って言うのは自分を押しつぶしてしまいそうに重たい。
静かに時の流れを感じるしか無いんだなぁ。。
どこかに、そんな響きを持つこのピアニストが同じ国の女性ヴォーカルとトランペッターと聖夜の為のアルバムを作った。録音場所はベツレヘムです。自国で大事にされてきたクリスマスの曲を中心に。

甘く柔らかなタッチのピアノイントロ。そして、Solveig Slettahjellの歌が。。
初めて聴くSolveig Slettahjellの声は、ざっくりした感じので、少しハスキー。
いわゆる艶とか、ノビとか、、そういう光り輝く感じではなくて鈍く胸に染みこんでくる感じ。
しかし、この声はとても魅惑的。と言うか、今、虜になってます。
少し人を突き放したような愛想の無い感じがあるのですが、それは日本人が持ってる東北地方の人に対するような感覚で、実は懐に入ってきた人たちにとても誠実で包み込むような暖かさを持つ。
このアルバムしか聴いてないので、断言はできませんが、技巧的では無く、たんたんとその歌詞に感情を込めて歌う。。
やっぱり、一番の魅力は声だと思うのです。不思議な魔力を持っている。
あるHPに、最初はこのボーカルの良さがわからなかった、って、あったのですが、本当にその通り。
逢うたびに引きよせられるような、、そんな魅力のある声で、この人に目の前で歌われたら魂を奪われてしまうような気がしちゃいました。
とにかく、、この人の吸引力は凄い。
そこに、この世のものでないほど美しく寄り添うピアノと北欧の凛とした空気をタップリ含んだトランペットが彼らの共通の時の流れの中でひたすら真摯に平和な世界を願うのです。(って、感じる)

オープナーのお馴染みのきよしこの夜のピアノにくぎ付け。夢見るように生誕の幸せな風景を歌うボーカルに、静かな雪景色を重ねるようなバッキング。
A Kunne Jeg Bare Bli Barn Igjenは、初めて聞くのかしら?。。優しい。。かみしめるように歌うスールヴァイグ寄り添うピアノ。そこに重なるトランペット?は、ホラ貝や尺八を連想させる不思議な音色。吹き抜ける大地の風のよう。。
ノルウェーの民謡らしい、Kling No Klokka 。非常にスピリチュアルな雰囲気で心に刻まれる。時に力強く熱唱。
北欧のクリスマスアルバムには、必ず入ってると言っても過言でない.Jul,Jul,Stralande Jul 。
まるで冬空に輝くオーロラを見ているようなゆったりとバラード風。ピアノのソロが抒情あふれていて素晴らしい。Poor Little Jesus は、黒人霊歌のように胸に響く。。。

この後も、雪の降る街の小さな教会で、蝋燭の灯りで祈りを捧げるような静かで荘厳な雰囲気が最後まで続きます。
時に呟くように、時に太く力強く、、濃密な感情表現。
私たちが、、聞いたことある曲も交えて最後まで親密な演奏。
厳しい自然の国の、雪の湿度と暖かさを届けてくれます。(あ、録音はベツレヘムか。。)

最後は、やはり、どの北欧のクリスマスの代表曲のようなDeilig Er Jorden。
凛とした歌そして、透明感あふれリリカルなピアノ。。余韻を沢山残して、、終演。


全ての曲が、ゆっくりとしたノルウェー時間。
非常に瞑想的、神秘的な雰囲気で音と音の間に残る響きがそのまま心に響いてくる。
ノルウェー発ですが、地球の平和と愛を願う胸を揺さぶる一枚です。
じっと、、聴いていると心の何かが共振して。。胸がキューーンとなる。
ジャズのクリスマスアルバムとしては異色なんだけど、正当派のクリスマスアルバムです。
敬虔で静かな聖夜をお望みの方。。お試しください。

1.Stille Natt
2.A Kunne Jeg Bare Bli Barn Igjen
3.Kling No Klokka
4.Jul,Jul,Stralande Jul
5.Poor Little Jesus
6.Mitt Hjerte Alltid Vanker
7.Star Carol
8.O Little Town Of Bethlehem
9.Sleep Holy Babe
10.Jeg Synger Julekvad
11.I Denne Sote Juletid
12.Det Kimer Na Til Julefest
13.Nar Det Lider Mot Jul
14.Deilig Er Jorden

Solveig Slettahjell(vo)
Tord Gustavsen(p)
Sjur Miljeteig(tp)

今年も次第に素晴らしいクリスマスが集まってきました。
って、遅すぎるねぇ。。
何故か、北欧が中心。。。って、やはり、クリスマスは雪の降る国からの贈り物かな。

年末になってイタリアものが何枚か入荷しました。
好きな人たちの事もあって、どれも大変素晴らしかった。
がぁ。。私的には、、
GIOVANNI MIRABASSIの OUT OF TRACKがど真ん中だったかな。
この人イタリア人ですけど、ピアノ音に湿度があってが濡れて輝いてます。
ピアノトリオで聴くのにはとても官能的ですよね。。。で、、華がある。
年内に紹介できるかなぁ。。無理かな。。
そして、何故か年末になって、ケニーワーナーのデュオです。
A Time For Love/Kenny Werner Jens Sondergaar
リリカルなケニーワーナーのピアノにちょっと、メロメロです。

では、退散♪





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最終更新日  2008年12月20日 12時03分18秒
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