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2009年03月25日
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テーマ: Jazz(1969)
カテゴリ: JAZZ(Far North )
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湖を背に雑林が覆いかぶさる曲がりくねった薄暗い山道を走る。
小さな峠を越えて視界が開けると、街に向かって下る道すがらに小さな集落にでる。

あぁ。。思わず小さな息が漏れる…。
目の前に広がるのは、霞のような柔らかな白い空間。

時折、鮮やかなピンクが雑じる。
それは心の奥にしまっている小さなはぁとが時々顔を出す大人の恋心模様。
黒が基調の殺風景な車内も車窓の梅林の春色が映り少し華やぐ、、。
春の色香を感じる優しい空間に心がふわりと浮き上がります。

私の冬は終わったかしら…。

冬に聴いたスウェーデンのピアニスト Jacob Karlzonのソロアルバム「Improvisational Three」は、クラシックのRavelの曲を題材に自らの内側に広がる空間への旅を想わせるようなアルバムで、季節にたとえるなら晩秋から冬の面持ち。
今回はカールソントリオを中心に曲によってはサックス&ペットの2管を配し、クール&ホットな世界。
その緩急は早春の空模様。

前回2003年の「Big5」と同じく、2管のクインテットにもなる仕様で、フロントの2管は一緒。
但し、リズム陣はドラムもベースも変わっています。1994年にでている「Blue Pages」以来のMattias Svensson(b)、Peter Danemo(dr)のカールソントリオを解散したのかしら。
(追加)このトリオでのアルバム「Today / Jacob Karlzon」が、周りの評判はイマイチですが、、わたくしは好きだったりします。
2005年にもHans Ulrikを配したカルテットで「Human Factor」と言うアルバムが、これは名前が先頭に来ているものの連名なのでカールソン名義のバンドでのアルバムは久しぶりな感じ。
この間にも、朋友 Peter Asplundのアルバム の他にも結構有名な北欧のアーティストのアルバムに参加しております。
あ、歌姫だとヴィクトリアトルストイ。ここでも、 一枚 紹介してる。
既に、ここの時点でベース&ドラムは今のトリオですね。
最近のリリースされたMads Vindingの「Bubbles & Ballads」にも参加しています。残念ながら未聴。
今回は、10曲中7曲がオリジナル。3曲の中には、ソロアルバムの題材でもあったRavelの曲も。

冒頭はカッツカッツとリズムを刻む中、2管のユノゾンがニューヨーカーな歩調。
カッチリしたバンドアンサンブルで灰色の空に浮かぶ摩天楼が浮かぶ。
ダークな音色できめたカールソンのソロはかなりアグレッシブ。
ここから、2曲は他人の曲をトリオで演奏。
まずは、Kornと言うヘヴィメタバンドのHollow Life。元ヴァージョンはユーチューブで聴いたら平常と狂気が交錯する意外にも美しさを感じるものでした。
ここでは、キャッチーで美しいテーマを拝借して、北欧風味の郷愁哀愁あるピアノトリオの演奏。
続く曲では冒頭のカールソンは、シンプルでスペイシーな音使い、ダークでクールな美しさ。
ロード・オブ・ザ・リングのGollum's Song。低音中心、朴訥なベースソロとの絡みも胸に迫る。抑制された美学を聴かせる。

トリオ三位一体で駆け抜けるRubik 4 Realは、ハイテンションでドライブ感満載。
ザックリしたソフトな音色のサックスをフィーチャーしたゆったりしたLaika。
ラヴェルのソナチナ第1楽章のテーマを使った6曲目。たたみ掛けるよう、堰を切ったように次々と淀みなくわきでるフレーズ。これもトリオで高密度の分厚い演奏。
一転、静かに流れる雲を連想させるAlways in August。シングルノートで弾く優しいメロディを中心にラテンフレーバーで明るく抒情豊に。
タイトル曲Heatは、2管ユニゾンで始まる雄々しい演奏。洗練と言うより親しみやすい覚えやすいテーマでハードバピッシュに。

Late Night/Early Morningは、ピアノソロ。
1音1音を確かめるようなピアノ。この美しさはまさに北欧抒情。。。
耽美的でリリカルなエヴァンスの遺伝子を濃く感じる。
深い森の奥で妖精がそっと羽ばたくような清さ、静けさ。耳を清まして目を瞑りたくなる美しさ。
静かに広がる空間に甦る想い出。消え入るように終わる最後の音に吸い込まれてしまいそう。。
わたくし的にはこの1曲で気を失いそうです。はい。
最後は、Peter AsplundをフィーチャーしたStill Hope。Peter Asplundのソロはホント洗練されていてかっこいい。やっぱり、好きだなぁ。
終演Still Hopeは2管ユニゾンで高揚感あるサウンド。
カールソンの怒濤の弾きまくり、連打もでて熱く燃え上がりフェイドアウトで終演。

曲想も演奏も緩急はっきりしているし、曲によってメンバー構成が違っていて見た目的にも変化に富んでます。
前回の「Big5」は、全体にずっとテンション高く濃密度だったので、ちょっとお腹いっぱいになりすぎ、な、感じもありましたし、バンドサウンド最重視でカールソン度が低かったのですが、今回は非常にわかりやすい緩急、硬軟ついており、しかも、どの構成でも全体に彼自身がドッシリ真ん中にいる感じが濃厚で彼にとっても自信溢れるアルバムなのでしょう。
私的には大満足な一枚でした。

ええと、カールソンファンは必聴かな。

1.7th Avenue
2.Hollow Life
3.Gollum's Song
4.Rubik 4 Real
5.Laika
6.Sonatine: Modere
7.Always in August
8.Heat
9.Late Night/Early Morning
10.Still Hope

Jacob Karlzon (p)
Hans Andersson (b)
Jonas Holgersson (dr)

Peter Asplund (tp,flh)
Karl-Martin Almqvist (ts,ss)




まだまだ、我が家の桜はかたぁいつぼみです。
今週の新潟のお天気予報には、、雪のマークもついてるんだって。。。ほんとかなぁ。。
雪国の春は手強いなッ。(笑)

んじゃ、退散♪








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最終更新日  2009年03月26日 09時29分14秒
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