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2015.12.22

「レストレポ前哨基地Part.1　密着12カ月死の谷で戦う米軍兵たち」をみて

テーマ： DVD映画鑑賞(14228)

カテゴリ：映画鑑賞

「レストレポ前哨基地 Part.1　密着12カ月死の谷で戦う米軍兵たち」

2010年アメリカ映画、原題は"Restrepo"です。

2007年5月～2008年8月にかけて、アフガニスタン東部の激戦地帯最前線に駐留したアメリカ

陸軍第173空挺旅団戦闘団の一小隊に12カ月間密着取材したドキュメンタリー作品です。

アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞など19もの賞にノミネートされ、ニュース・

アンド・ドキュメンタリー・エミー賞など10の受賞を果たしています。

アメリカでR指定、日本でのレーティングは不明です。

レストレポ前哨基地 Part.1 [ ティム・ヘザリントン ]
価格：3,078円（税込、送料込）

あらすじ

2007年5月、アフガニスタン東部クナル州コレンガル渓谷。

小さな村があるコレンガル渓谷は、タリバンとのせめぎ合いの境界であり、向こう側に

タリバンの前線基地がありました。

アメリカ軍のコレンガル前哨基地(KOP)で、駐留1ヶ月目の1名の兵士が死亡、続いて2カ

月目のファン・ドグ・レストレポ衛生兵が戦死してしまいます。

レストレポ兵の戦死から2カ月後、タリバンからの攻撃に晒されないようにするべく、ア

メリカ軍は、KOPからちょっと離れたタリバン側や村を一望できる高台に、突貫工事で新

たに前哨基地を建設し、レストレポ前哨基地と名付けます。

レストレポ前哨基地に配置された20名のアメリカ兵たちの任務は、地元の希望である道路

整備に村人の協力を得て安全を確保すること、村をパトロールし村人に紛れ奇襲攻撃して

くるタリバン兵がいないか情報収集を図ることです。

積極的にタリバンに攻撃を仕掛けるわけではないものの、タリバンから攻撃を受ければ撃

ち返します。毎日繰り返される銃撃戦。

村に降りて行ってパトロールを行ったり、長老たちとの話し合いを重ね、援助物資を提供

するものの、タリバンと通じているか、タリバン兵でもありそうな村人たちや長老に警戒心

を緩めることができず…。

私の感想

以前ご紹介したマーク・ウォルバーグ主演作 「ローン・レンジャー」 で描かれた、ネイビー

シールズ史上最大の悲劇と呼ばれる「レッド・ウィング作戦」の舞台になったのが、コレン

ガル渓谷だそうです。

その悲劇の後、渓谷に前哨基地(KOP)を設け駐留を開始したアメリカ軍が、2名の兵士の戦死

後さらにもう一つ高台に設けたのがレストレポ前哨基地です。

レストレポ基地は、規模が小さくKOPからかなり離れているため、もしタリバンから奇

襲攻撃を受けたらKOPからの応援を待たずして全滅する可能性があると兵士たちが言って

いました。

そのレストレポ前哨基地に駐留することになった兵士20名の日常の様子とインタビューから

構成されたのが、本作です。

もちろん戦闘中の様子や、村人とのやりとりなども

いつ攻撃を受けるかわからずいつでも応戦できるように気軽に酔えないでしょうから、

駐留期間はアルコールもろくに飲めない状況だったのかもしれませんね。

休暇といっても山を気軽に下りて遊びに行けるわけではないので、狭い基地内で日光浴を

したり、テレビゲームに興じ、ギターを弾き語って気分転換を図る兵士たちでした。

戦闘中も非番時も撮影され続けていたようなので、兵士たちもカメラを意識する気持ちが無く

なり、自然体で行動し監督の問いかけにも答えているように見受けられました。

そんな環境下で命掛けで駐留していたため、仲間のためなら自分がいつ犠牲になってもいいと

素直に思えるほどの(家族や恋人以上の)強い絆を作れたと振り返る若い兵士たちの言葉に

説得力がありました。

治安維持という名の下、自らの命を掛け常に死の危険を意識せねばならない兵士の仕事は、

私たち一般市民の想像を超える過酷なものですね。

その最前線基地で取材を続け本作を撮り上げた取材陣の勇気にも恐れ入りました。

よくぞ生き抜いて戻って来れましたね。(￣^￣ゞ

本作の監督は、英国人戦場カメラマンのティム・ヘザリントンと、米国人戦場記者セバス

チャン・ユンガーです。

☆☆☆☆