りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年07月17日
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カテゴリ: ある女の話:ユナ
今日の日記



<ユナ12>



もう帰った方がいいよ。夕飯作らないとマズいでしょ。」

優しい声で男性社員が私に声をかけていく。
悪気が無いのはわかってるけど、
もう少しこの仕事片付けちゃいたいのにな…。

でも、そう言われると何となくいづらくて、
キリがいいとこで終わらせて帰ることにする。

「お先に失礼しま~す。」

みんながニコやかに、何作るの~?
とか、これから買い物~?
とか聞いてくる。
何にしましょうね~、って言いながら帰る。

各々が、勝手なメニューを言って、
私はそれを参考に考えながら、
スーパーに寄って、
重たい買い物袋を持って、
暗い道をテクテクと歩く。

見上げて窓を見るとまだ暗い。
サトシは帰ってないらしい。

鍵を開けて、
誰もいない部屋の電気をつける。

「ただいま~。」

一人で言ってみる。
シンとしてるのが何となく嫌で、
テレビを点ける。

疲れたな~。
思いながらも夕飯の支度。
魚のハラワタを取って、
味噌汁作って。
野菜を煮て。

8時を過ぎたけど連絡がないので、一人でテレビと共に食べることにする。
コレが我が家の暗黙のルール。

バラエティ番組を見て笑う。
一人でクイズに回答。
何となく参加してる気分になるから不思議。

サトシの分の夕食にラップをかけておく。
食べたらお風呂。

テレビをぼんやり見て、サトシが帰るまで待つ。
10時を過ぎた。
今日は多分飲んでくることになったのだろう。
今日は、私の好きなドラマがやる曜日だから、
最初からバッチリ見れる。

明日、みんなでこの話をするんだ~。
みんなは主演の男の子が好きだけど、
私は脇役の男の子の方が好き。
主人公の女の子が好きで、いろいろ助けてあげるのに報われない。
いつも笑顔で、のんびりしてて。
私の趣味って、マイナーなのかな。

見終わったらウトウトしてきた。
11時半。
「ただいま~。」

サトシが帰って来た。
やっぱり飲んでいる。

「何か食べる?」

サトシはラップのかかった皿をチラッと見た。

「いや、今日はもういいや。明日食べるよ。」

なるほど、今日の煮物は食べたくないらしい。
魚も焼きたてじゃないと不味いもんね。

焼いてあげれば良かったんだろうな…。
でも、飲んでたら、食べないこともあるし、
魚はダメになっちゃうし、
これから後片付けもメンドウだし、
明日も仕事あるし。

私の中で、後悔と罪悪感と言い訳と開き直りが一気に押し寄せる。

「ほんと?食べないなら明日コレ私のお弁当にしちゃうけど。
魚ダメになっちゃうし。」

「んじゃ、そうして。
多分、朝は食べられないしさ。」

私のそんな気持ちを知らないで、
サトシは簡単に言う。

「お風呂入る~?」

「うん。ごめんな~。」

サトシがお風呂に入ってる間に作ったものを冷蔵庫に詰める。
明日もコレ食べなきゃいけないんだ…。
作らなきゃ良かったな。
何か変化させちゃおうかな。
あ~、でもめんどい。

12時半、サトシが寝る支度を済ませて、いっしょに眠る。

何だか長年連れ添った夫婦ってこんな感じなのかな?
サトシが私を抱くのは週末って定番化してきた。

サトシの寝息が聞こえる。
私はさっきウトウトしちゃったせいで、なかなか寝付けない。

目覚ましが鳴るともう朝かと思った。
サトシはまだ起こすまで寝てる。
いいなぁ。
私ももう少し寝てたい。

飲んだ翌日はコーヒーだけでいいと言うので、
毎回そんな感じ。

私は紅茶。パンを焼いて食べる。
後片付けは帰ってから。
どうせ私が先に帰るのだろうから。

「今日は定時で帰るの?」

「わかんないや~。定時なら電話入れる。」

「そっか、わかった~。」

お互いの営業所へ。

今日も一人でご飯を食べるのかもしれないな。
実家で家族と食べてた夕食が懐かしい。

二人分作って、一人で食べる生活が週の半分。
時々独身の友達と食べる。
何だか一人暮らししてるみたい。

でも、一人暮らしより融通利かないかも。
自分だけならテキトーなもの食べられるけど、
一応主婦だから、夫の分を作るのが当然みたいな気がするし、
勝手に眠るのも悪いような気がしてる。

週末だけが楽しみ。
たくさん眠れるし。
あ、でもまとめて洗濯しないといけないんだよな。

何もしたくないなぁ~。

ぼんやりそんなことを考える。

テキトーなもの食べて、
勝手に寝ちゃいたい。
でも、それをするのは、いけないことのような気がした。

今日も課長に聞かれた。
夕飯何作ってるの?
ダンナさん待っててあげてる?

え?先に食べちゃうの?
新婚でしょ~?ひっどいな~。
朝ごはんはコーヒーだけなの?
ダメダメ、ちゃんとしたご飯作ってあげないと。
朝はご飯だよ。

ふーん。そうなんだ。
いちいち真面目に返事返しちゃうのがいけないかもしれない。
みんな私にいろいろと新婚のノウハウを教えてくれる。

でも時々それは、
この男性たちの理想を私に押し付けてるように感じる。

え~、そんなことやってられないですよ。
はあ、がんばります。

うるっさいなぁ~って思っちゃうことがある。
人によっては言っちゃう。
も~、うちのことだからいいじゃん。って。
一応笑いながら。
だって悪気無いんだろうから。

考えてみたら、
私ってサトシと過ごすより、
この男の人たちといっしょにいる時間の方が長いんだな。

いちいちぶつかってたら、
私が疲れてしまう。

うまくこの生活に慣れなきゃ。
ううん、慣れてきちゃったからこんなこと思うのかも。

私はパソコンに入力しながらぼんやりと思う。

子供ができたら、仕事辞めるんだろうか…。
でも、あの部屋で、
子供と二人きりの生活になりそう。

考えただけで、自分の手に負えないことのような気がした。

いっしょに沢山いたくて結婚したはずなのに、
いっしょにいる時間は増えたはずなのに、

どうしてこんなに淋しいんだろう。





続きはまた明日

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最終更新日  2009年07月17日 13時24分29秒
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